プロから見たSAO攻略   作:ベルクーリ2世

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 オリ主のラブは、キリアスが省略されている部分は全部埋めていきます。こんなに書くつもりではなかったのですが。


第22話 婚約

 第三九層 カイトのホーム

 

 (さて、さて、さーて、どうしたもんか?シャルも日本人だけど、日本式ってないよな、こういうのに。欧米式でやるよりないか。まあ、気持ちの方が大事だからな。)

 

 「シャルぅー、ちょっと、こっちおいで。」

 

 「なあに、カイト?」

 

 (くぅー 毎日見てるのに、可愛い!何度見ても、かわいい。)

 

 「ちょっと、そこに座って。」

 

 「えっ なに? なに?」

 

 戸惑いながら、何が起こるのかという表情のシャル。

 

 カイトはシャルの右手を取って跪く。

 

 「マドモアゼル、シャルロット、僕と結婚してください。」

 

 「えっ カイト・・・こんな」

 

 シャルの瞳から涙が溢れる。カイトはそれを指で、優しく拭って両手で、シャルの頬を抑えてキスをする。

 

 「あたし、嬉しい、嬉しくてもう・・・」

 

 「先に、返事をくれないかな。」

 

 「決まってるじゃない!喜んで!はい。」

 

 「さ、これを受け取って。」

 

 カイトはシャルの右手薬指に、エンゲージリングを嵌めてやる。

 

 「綺麗!こんなの、あたし、初めて見た。」

 

 八枚の花びらの「プレシューズ」を象ったダイヤ。プレシューズはフランス語で「かけがえのない」という意味である。

 

 「初めてじゃなきゃ困る。シュルの初めては、僕が全部もらうんだから。さ、僕のはシャルが嵌めて。」

 

 シャルはおずおずとカイトの右手薬指にリングを嵌める。

 

 「本当に綺麗!あたし、こんなことしてもらえるなんて、全然思ってもいなくて・・・」

 

 「何だ。冷たいなあ。僕はどうやって、プロポーズしようか、ずーっと考えてたのに。」

 

 「もうっ 意地悪!」

 

 「愛してるよ、シャルロット。」

 

 「あたしも、あたしも愛してる、カイト。大好きよ。」

 

 カイトはシャルを抱き寄せ、再びキスをした。

 

 「どう、うまくやれたかな?僕のお姫様。」

 

 「完璧だよ。もしかして二度目、とか?」

 

 「一片の悪意もないから、怒らないよ。しかし、純粋なシャルに、皮肉屋の僕が悪い影響を与えていないかと心配になるな。」

 

 「もう、そんなことないよ。」

 

 「ねえ、シャル、実はもう一つ、プレゼントがあるんだ。」

 

 「えっ まだあるの?」

 

 「僕はこれから、シャルがほしいもので、僕があげられるものは全部あげる。これは形はないけれどシャルが一番喜ぶものさ、きっと。」

 

 

 「ぼくはもう二度と戦場へは行かないよ。約束する。シャル、きみのために。」

 

 「本当に!嬉しい!こんなにうれしいことってないよ。」

 

 「僕のことだ、日本に居ても安全とは言えない。一生ガンは手放せないかもしれない。でも戦場にいくよりはずっとマシだ。」

 

 それは、本当の戦場を知る者にしか、本当には通じない言葉だった。

 

 「あたし、もしかして、奇跡が起きて、現実世界でもカイトと一緒にいられても、またカイトが、何処かへいかなきゃならない日が来るって覚悟してた。そういう人を、好きになっちゃったんだから仕方ないって。」

 

 「きみに会えたことは奇跡だよ。でも会ってから、一緒にいるというのは奇跡どころか、もうはじめから決まっていたことさ。それともシャルは違うの?」

 

 「だって、だって、そこまで思ってくれるなんて。」

 

 「もう少し僕を信じろよ。」

 

 「うん信じる。」

 

 

 

 「でも、本当にできるの?カイトの代わりなんて日本にいないでしょ。」

 

 「きみに会う前からそうしたかった。きみが女の子に戻った日から、それは僕の義務だと思った。僕が見通しをつけて、そのとおりにならなかったことってないだろ、ほとんど。今のところ、ゲームだけ、だけど。それにさ、僕がどのくらい強いか、きみなら分かるだろう?実感できるはずだ。」

 

 「わかるわ。父さんよりずっと強い。」

 

 「それ言っちゃダメだぞ、親不孝娘。お父上は運がなかっただけだ。あんなところで死ぬような人じゃない。」

 

 「父さんのことまで、ありがとう。」

 

 「もう、メインの仕事は戦場じゃなくなってる。しかし、なかなか不穏な情勢だ。いつかは、僕を使いたくなるだろう。だけど、もしそういう命令をされたら拒否する。僕をなんとかしようとしたら、自衛官なんか辞めて、僕に命令した連中を道連れにする。言葉には出さないが、その覚悟だっていうことは、解るだろう。」

 

 「そんな、そんなに逆らって大丈夫なの?」

 

 「どうしてもって言われても、僕には、国よりシャルロットが大事ですって言う。今なら堂々と言える。きみが安全でも僕が死んだら意味がない。」

 

 「そ、そこまで!」

 

 「大事にしてあたりまえさ。だって、僕はきみのお父上とお母上の掌中の珠を奪っていくのに、ご挨拶一つできない。せめて戻ったら、真っ先に二人でお墓参りに行こう。」

 

 「うん、うん。」

 

 「でも、ご両親が生きておられたら、絶対反対間違いなしだな。」

 

 「そうだね。でも、それはあたしだって同じ。でも戦場に行かないって誓ったら許すかもしれない。ありえないもの、そんなこと。あなたじゃなかったら、誰も信じない。いや、できると思わないけど。」

 

 「いやいや、シャルを見せたら、一発で許してくれるな、ウチは。これ以上の娘はいないもの。」

 

 「父さんだって、きっと、びっくりしてるよ。娘があの『ウインド』と婚約なんて。」

 

 「本当はさ、こんな世界だから手っ取り早く結婚、がいいのかもしれないけど。ずっと一緒なんだから、最初はきちんとしないとね。それに、シャルが喜ぶのなら、もちろん、リアルでもう一回。やり方また考えなきゃ。」

 

 「カイトとなら何度でもいい。でもカイト、面倒と無駄は大嫌いって。」

 

 「わざと言わせたいのか?シャルが喜ぶなら面倒でも無駄でもないよ。」

 

 「それが聞きたかったの。」

 

 「なあ、シャル?僕たち、どっちが先に好きになったと思う?」

 

 「あたしに決まってるじゃない。カイトって、妬いたことないでしょ。あたしなんかしょっちゅう。」

 

 「妬いたことないのは、シャルが一番好きなのは、僕に決まってるって思ってるから。」

 

 「ほら、やっぱりあたしが先じゃない。」

 

 「わかった。僕もそれでいい。シャルが僕を攻略したっていうのを公式発表にしよう。」

 

 「あたし、恨まれるだろうなあ。」

 

 「恨まれるのは僕だよ。11歳も年下の『舞姫』を独り占めってね。覚悟してるけど、リアルで披露宴やると僕は少女誘拐犯とか言われるぞ、きっと。」

 

 「でも、誰にっていうのはないでしょ。あたしは、アルゴさんとかグリゼルダ、カイト・ファンクラブの会員とか。」

 

 「その二人は会ってみれば分かるさ。ファンクラブ?きみは二つ目が、できてるじゃないか。もうアスナとトップ争いのレベル。会員も僕のやつの倍以上。」

 

 「カイトは何が相手でも、無敵だからいいけど、あたしは自信ないわ。」

 

 「その僕は、きみにだけは勝てないんだから、きみが一番強い。」

 

 「ねえカイト、こんなにしてもらって、欲張りだけどお願いがあるの。」

 

 「僕にできることなら、何でもって、言ったじゃないか。」

 

 「あたしと、デートして。」

 

 「そうか、考えてみれば、なかったな。そこを省略してたか、うん、何度でもするけど、こたびはどこへ参りましょうか?僕のお姫様。」

 

 「フラワーガーデン!」

 

 「なるほど。じゃ明後日行こ。突然だけどいいだろう、二人休んでも。明日行けば婚約したのは、どうせバレるし。」

 

 「嬉しい!約束よ。」

 

 

 

 第三九層 ギルド「インビクタス」本部 団長室

 

 インビクタスのメンバーも他ギルドの面々も、ここでカイトが、一体何を考えているのか、などと想像しているかもしれない。しかし、実は攻略のことなどあまり考えない。戦闘に関することは、一つ思いつけば、あとは勝利という結果まで糸を引いたようにつながる。じっくり考えているのは、そうならない種類のことだ。例えばシャルとの明日のデートをどうするか、など。

 

 「トン、トン」

 

 「おう、アスナか、お入り。」

 

 「失礼します。」

 

 「団長、いえ、カイト兄さん、ご婚約おめでとうございます。」

 

 「ありがとう。やっぱりアスナが一番だったね。さすがだ。」

 

 「わたし、もう、自分のことみたいに嬉しくて、心配してたんですよ。なかなか決めないから。」

 

 「アスナも、もう、そう先のことじゃないさ。」

 

 「わたしのことはいいんです。シャルったら、もう、ぽーっとしちゃって。あれじゃすぐわかりますよ。彼女がああなるのは、カイト兄さんのこと以外ないですもん。」

 

 「これも予想通りだが、僕の方は、誰も気がつかない、気が付くとすれば・・・」

 

 「誰ですか?あっ。」

 

 「正式に婚約したんだ。名前をいうのは控えるよ。」

 

 「それで、わたし、エギルさんに速攻、会ってきました。式と披露宴はわたしとエギルさんを中心に考えますから、ご心配なく。」

 

 「さすが、『閃光』だ。一つだけ、いや、二つ、注文がある。」

 

 「一つ目はシャルの希望は、すべて叶えてやってくれ。あまねく、すべて、完全にだ。二つ目は攻略は、原則全休にはしない、ということ。シャルが希望するなら、二つ目はなしでいい。血盟とDKBの主だったところを招待すればいいことだ。建前としてはいつもどおり攻略をどうぞ、私的なことですから、ご心配なく、かなあ。」

 

 「血盟やDKBには使者を出して、列席を打診します。口上として、建前を述べればいいかと。あちらが出席するなら、自動的にお休み、ですね。」

 

 「そうだな、うん、それがベストだ。ALSには、もちろん使者は出さなくていい。あそこは僕がシャルを連れて自分で行く。うん、完璧だぞ、アスナ。本当にやらせれば、何でもできてしまうな、きみは。」

 

 「そんな、褒めすぎです。」

 

 「シャルもさ、年下のきみに教わるのって、自然な気がするって、妹じゃなくて姉って感じだっていつも言ってるよ。」

 

 「カイト兄さんの奥さんになるんだから、もう妹、じゃないですよ。お義姉さんです。」

 

 「そんなのはどうでもいいさ。実際に、そういう姉妹だっているじゃないか。それにきみは姉体質だ。ウインリィだってあれは、もうきみの実の妹以上だよ。とにかく、これからもよろしく。」

 

 「こちらこそです。そんなに頼りになりませんよ、わたし。じゃ、失礼します。」

 

 

 さて、次は誰かな?それにしてもシャル、遅いな。誰に捕まったのか。

 

 

 「入ります。」

 

 「ああ、どうぞ。」

 

 「おめでとう。カイト兄貴!」

 

 「そう呼んでくれるのは珍しいな。僕も嬉しいよ、キリト。」

 

 「ほんとは、兄貴じゃ恐れ多い。師匠だし、それ以上だよ。」

 

 「最初は『アンタ』だからな。僕も出世したもんだ。ああ、あの二人称の『アンタ』はやめろ。ガラが悪い。きみはウチのエースなんだからな。もう少し品格がないと困る。」

 

 「兄貴だって、啖呵切るときは凄いじゃないか。相手、あれだけで、ビビリまくり。」

 

 「相手を見てやるんだ。ああいうのは。」

 

 「俺、ガキだから、本当に、シャルと結婚するのか、それもわからなくて、アスナにも呆れられたけど。」

 

 「本当にな。きみは、ゲーム以外は、やったことがないだけなんだ。いいか、できないんじゃないぞ。心配するな、リアルでのリハビリも、手伝ってやるから。やることが多すぎて、アスナだけじゃ大変だ。」

 

 「俺のことはいいよ。でも、俺、こういう時って、何にもできなくて。」

 

 「いばらくは全力で戦ってよし。それだけでいいさ。雑事で、他が少し休んでもそれでおつりが来る。それから、大事なことを言っておく。きみはヒースクリフとデュエルをやることになる。」

 

 「えっ いつ?」

 

 「スターバースト・ストリームが、使えるようになったら、だ。そのつもりで、ヒースクリフを見ておけ。おお、そうだ。その背負ってる奴、アレだろ、良かったな。」

 

 「このエリシュデータ、凄く手になじむんだ。ずっと使ってたみたいに。」

 

 「そうか、何よりだ。もう一本が、さらに大変になったな。久しぶりにシャルとデュエルやって見るか?」

 

 「シャルにもあんまり勝てないからな俺。」

 

 「失礼します。」

 タイミング良くシャルが入ってくる。

 

 「おお、ちょうど良かった。シャル、キリトがお祝いに挑戦させてくれって。」

 

 「シャルおめでとう。」

 

 「ありがとう、キリト。」

 

 「兄貴ったら、そんなこと言ってないだろ。俺3回に1回くらいしか勝てないし。本当はシャルの方がずっと強いのに。」

 

 「最強とか、エースとか言われたくない、か。そのプライドは男らしくていい。いいんだよ。火力はきみが一番だ。ここでの相手はモンスターなんだから、最強であることに間違いはない。1対1ならシャルの方が強いなんてきみだけが知っていればいいことだ。」

 

 「そうよ、あたしだって、キリトより強い、なんて、別に言われたくないし、みんなにも知られたくない。」

 

 「それ、二刀流、使えるようになってから、でもいい?」

 

 「構わないよ。いいだろ?」

 シャルの方を向く。

 

 「ええ、あたしも見てみたいわ、二刀流。」

 

 「空中殺法はなしだぜ。」

 

 「やらないわよ。もう、あんまりやるな、って言われてるし。」

 

 「あーあ、俺でもわかるオーラだよ。そのままボス部屋行っても、参りましたって言うんじゃない、相手が。」

 

 「キリトは、あまり僕のことは、言えないような気がする。」

 

 「そうよね。キリトの最強って、背中をアスナが守ってるのを含めて、だもんね。そっちも頑張ってね、キリト。」

 

 「ちぇっ 一人にも全然敵わないのに、二人がかりじゃ、どうしようもねえや。じゃ、俺行くから。」

 

 「ああ、エースが、調子出てきてひと安心だ。」

 

 キリトは出て行く。

 

 

 「カーイトっ!」

 

 シャルはカイトに抱きつく。

 

 「だめだぞ、ここでは。どうせ、二人だけの時はベタベタ、はバレてるが、人に見せたくはない。遅かったじゃないか。」

 

 「グリゼルダとアルゴさんに捕まって。二人ともわざわざあたしのところに来たんだよ。アルゴさんは仕事でもあるけど。」

 

 「何て、言われた?」

 

 「うん、先にグリゼルダが来て、すぐアルゴさんが来たんだけど。二人共、おめでとうって。グリゼルダなんか嬉しそうで、聞いたら本当に嬉しいって言うし。もう、びっくりだよ。」

 

 「だから言ったろ?会ってからのお楽しみってさ。」

 

 「すごいや。これも予定通りなの?」

 

 「いやいや、そこまではね。恨み言なんか、絶対ないとは思ってたけど。」

 

 「二人共、もう分かってたからって。もしかして、こうなるまで、待ってたの?」

 

 「ああ、グリゼルダはね。それでシャルを待たせていいものか、ってちょっと悩んだけど。シャルは優しいから、そこは気にするだろうなって。もう、シャルを待たせられないって、なったら仕方がないって。」

 

 「それも、結局は、あたしのためって、そんなに。」

 

 「僕はシャルのためにはいつだって全力だ。ボスには手を抜くけど。そうしたくなるのは、シャルがそれだけ僕を愛してくれてるからだよ。」

 

 ずっと「二人の世界」が続きそうだったが、そうもいかない。次々にメンバーが押しかける。クラインもエギルもクー・フーリンも。みな任務の報告をしていったが、報告の方がついで、だった。

 

 

 

 「『軍神』ついに攻略される!お相手は『舞姫』!か、アルゴめ、もうヤケ気味だな。なになに、「お二人の会見は、ピンク色のオーラが出まくりで、記者は最強クラスのボスモンスターから炎攻撃を受けた思いであった。読者も手元に苦い飲み物のご用意を。」

 

 おうおう、すごいな、この談話の数。

 

 ヒースクリフ談 「お二人のご婚約は、アインクラッド最大の慶事です。心よりお祝い申し上げます。名実ともに最強カップルですから、必ず攻略にも良い影響が及ぶことでしょう。披露宴には不肖私ももちろん出席させていただき、その日だけは、攻略組も全員お休みとしたい。反対者はいないでしょう。」

 

 「閃光のアスナ」ことアスナ副団長談 「時間の問題とは思っていましたが、決まってみると自分のことより嬉しいです。団長は私にとっては、実の兄以上の存在ですし、シャルも姉のような存在ですから。私たちからの希望、ですか?そうですね、ボス戦ではイチャイチャは控えめに、ということくらいですね。」

 

 なになに、「記者が、アスナ副団長に『次はアスナさんたちの番ですね。』と水を向けると、真っ赤になって答えなかった。この分だとトップギルドのインビクタスでさらにビッグカップル誕生もそう遠い日ではなさそうだ。」ふん、陳腐な内容なのに、なかなか読ませるじゃないか。ん、こんなのが商売になるのか。

 

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 「代行業者」が5つも出てる。

 

 「なあに?うわっ 何これ!写真まで!恥ずかしいよぅ。アインクラッド一の美男・美女カップルって?!」

 

 「諦めろ。もう、そういう存在だってことだ。リアルではあまり有名になると、不自由だからな。こうならないようにしないと。」

 

 

 本来はゴシップ記事なのに、二人の婚約はゲーム開始以来、最大のニュースとしてアインクラッド全土に報じられたのであった。

続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
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