やはり俺のSAOは楽しい。   作:Aru96-

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-11話-

 

 

 

 

 

 

第51層攻略会議が始まった。久しぶりということもあり、入念に作戦が組み立てられた。もちろん指揮を取るのはヒースクリフ。彼によるほぼ完璧とも言える作戦に皆が納得し、5時間半という長い会議がようやく終わった。

 

久しぶりと言ってもつい3日前くらいに会ったばっかだがあいつら2人と顔を合わせた。パーティもその3人で落ち着き、50層の宿に俺らは集まった。

 

「久しぶりだな、皆」

 

キリトが笑顔で言う。俺はそれに適当に返事をし、アスナはそれにちゃんと言葉を返す。それから休暇は何していたか、攻略の事、現実に帰った時に一番初めに何が食べたいかとか色々喋った。あの部室とそっくりな空気に俺は酔いしれた。早くあいつらに会いたい。この時間は好きだけどあいつらと過ごす毎日はもっと好きだ。

 

「もう、人の話を聞いてるの?」

 

とアスナは俺が寝転がっているベットに覗き込む様に座って体を揺する。いろんな意味で勘違いしちゃうからやめて。

 

俺は極めてクールに冷静に体を起こすと目の前にアスナの顔があった。鼻と鼻がぶつかりそうなくらい至近距離。互いに互い、顔が熱くなり赤くなるのを感じる。耐えきれず俺は顔を反らすと向かいのベットに座って笑っているキリトの指に目がいった。

 

「お前、その指ってまさか……」

 

「あぁ、俺にもやっと守るものが出来たんだ」

 

と言い左手薬指に嵌めてある銀色の指輪を見せてくる。何故か涙が溢れ出そうになるのを堪え、俺とアスナはもう一度顔を合わせ、キリトに身体ごと向き直ると精一杯の笑顔でこう言う。

 

「おめでとうございます、キリト」

 

「おめでとう、キリト君」

 

本当に今にも零れ落ちる涙を指で拭い笑顔を作る、アスナに関しては号泣だ。

 

「なんでハチは敬語なんだよ、でも2人ともありがとう」

 

「ばっかお前、こういう大事な時は敬語を使うのは当たり前だ。例えそれが年下でもな」

 

そう、俺はこういうのは絶対に敬語と決めてある。何故かは分からないが使わなくちゃダメな気がする。何でもかんでも略せばいいってもんじゃない。新年一発目の挨拶であけおめことよろなんて殴りたくなる。

 

「大事にしてあげてね、キリト君。その人はキリト君の事大好きだと思うから」

 

「あぁ、2人で幸せになる。そして現実でも」

 

守るもの……か。無意識に俺はアスナの方に視線がいってしまう。彼女の笑っている顔が俺の瞳に映る。

 

「アスナは結婚とかってどう思う? あ、いや、別に変な意味じゃないから」

 

思わず口から漏れる言葉に俺自身動揺した。めちゃくちゃした。

 

「へ? あ…え、その、えっと……」

 

 

 

 

俺より動揺してる彼女。

 

手をブンブン振ってる彼女。

 

顔を真っ赤にしてる彼女。

 

でもどこか嬉しそうな彼女。

 

 

 

 

 

感情表現豊かな君を見ているだけで笑顔になれる。

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーあぁ、俺はきっと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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