すくーるらんぶる!   作:カーディナル

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どうもお久しぶりです。
あまりにもリアルが忙しすぎて半年近く放置していました……
今更すぎますがあけましておめでとうございますです。
こんなペースになってしまってますが、なんとか続きを書いたので投稿します。
放置中にも感想を書いていただいた方。このSSを読んでくださった方に感謝とお詫びを。
それでは続きです!


【時間厳守は】苦手なものは苦手である【基本】

前回のあらすじ

花井、茶道部に入部希望する→断られる→入りたいなら聞き茶で勝負!→晴れて?入部。以上

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ゛~~あづぃ、溶ける……この暑さは辛抱ならん」

 

季節は既に夏。夏といったら様々なイベントがあったり、長期休みを楽しみにしてたりと学生には特に楽しみにしている季節と言ってもいいかもしれない。

だが、その反面この猛暑には耐えきれず夏が嫌いになる人も少なくはないはず。

少なくともこの長い石段を汗だくの顔でだるそうに上っている人物はそうだった。

 

「あー!暑い暑い暑い暑いあーーーーつーーーーいーーー!!!なんでこんなに暑いんだよ!!」

 

「夏だからね。あんまり暑い暑いって言ってるともっと暑くなるよ」

 

「んじゃ、寒いって言えば逆に涼しくなるのかね。寒い寒い寒い寒い寒い…………んなわけねぇだろぇえええ!暑いもんは暑い!あー!セミ勢の合唱のせいで余計暑くなりやがる!ちったぁ静かにしやがれ、盛りに盛ってもメスはよってこねぇぞ!!」

 

夏服ver制服を袖を通し、グラサンをかけていることで日差しは遮断しているもののこの気温事態に滅入っている汗だくの影人に、その隣で汗はかいているもののそれほど暑くなさそうにしている晶だった。

あまりの暑さに頭が若干やられたのか、周りのセミに八つ当たりをしだしブンブンと腕を横に薙ぎ払う。

影人自身動物の声を聴ける能力を持つが、どうやら虫の声は聞こえないようだ。仮に聞こえてしまっていたら破壊活動をし始めかねない。

 

「少しは落ち着いたら?大声出しすぎると喉は乾くし汗もドンドン……はい、冷たい麦茶」

 

「サンキュ……はぁ、夏は嫌いだ……早く帰ってクーラーガンガンに効いた部屋でオンラインゲームしてぇ……」

 

どこからか取り出したのかはわからないが、ステンレス水筒を取り出して影人に手渡す。

ダメ人間発言をしつつ、晶から受け取った水筒を飲もうとしボタンを上にスライドさせてロックを外して蓋を開ける。

そのまま水筒を上に掲げ、上手く口に付かないようにし晶の分も考え量も調整しながら冷えたお茶を口内に流す。

……その様子を晶は内心舌打ちしていた。

 

 

――――この暑さで頭の回転が鈍っていたと思ってたのに……

 

 

「カーッ!麦茶だってのに、こうキンキンに冷えてるとどんな飲み物でも美味く感じるもんだな」

 

「よっぽど喉が渇いてたんだろうね。こまめな水分補給は大事」

 

「節約しようと極力飲みもんを買わずにしていたが、熱中症なんかで倒れたら元も子もないか……」

 

シンプルなデザインの水筒を晶に返し、グラサンを一度外し袖で汗を拭う。

その動作を見た晶はこれを使ってと言ってこれまたシンプルなデザインの――――じゃなかった。萌え系と言われてそうなアニメキャラがデザインされたハンカチを影人に渡した。

……そしてそのハンカチを使って汗を拭っている影人の横顔をカメラで撮っていた(当然本人の許可を取らず)

 

 

――――姐さん。猛暑であろうが平常運転。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、だ。指定された場所に来たのはいいが……拳児のやつどこにいるんだ?」

 

「……どこにもいないね」

 

石段を登り切り、二人の目的地である矢神神社に到着した。

境内の辺りを二人は見渡すが、人影は見当たらず。

 

「場所、時間、どれも彼の言われた条件に当てはまってるわよ」

 

「あの野郎……人を呼び出しておいて、自分はまだいませんよーとはどういう了見だ」

 

どうやら二人は播磨に放課後、矢神神社の賽銭箱前に来てくれと言われて来たようだった。

もうそろそろ夕方になろうというのに、この暑さ。暑さのせいで若干イライラしつつ、影人は拝殿の賽銭箱付近の手すりにもたれかかりぐったりとする。

晶はせっかく神社に来たのだからと、賽銭箱にひょいっと五円玉を下から投げ入れ参拝をしている。

 

「この間までまともに学校来てたと思ったら……またサボリだからな」

 

「そろそろ期末テストもあるのにね。影人は大丈夫?」

 

「大丈夫だ。俺は問題ない。俺よか拳児のほうが危ないな。以前、授業で英語の小テストがある時、塚本姉に良いとこ見せたかったのか、俺のとこに来たんだが――――」

 

手すりにもたれかけたまま、参拝をしている晶の方に顔を向けてテスト勉強の状況について話す。

2年生時点の出席率はまだ問題ない播磨だが、学力については……最低クラスである。

去年の定期テストで影人と晶がスパルタで教えた時はかなりの点数を叩きだしていたりするのだが、今回に至ってはなにも対策していないので赤点を取る確率は極めて高いようだ。

その播磨の学力についてだが、影人が以前起こった出来事を話す。参拝が終わったようで、こっちに近づいてくる晶を待ち、手を伸ばせば届くか届かない距離になると続きの言葉を紡ぐ。

 

「write(書く)をright(正しい)とスペルを間違えるくらいだぞ」

 

中学生じゃねーんだから……とため息交じりに付け足す影人だったが、晶は以前いつもの4人組で勉強会を行っていた時、天満がhanger(ハンガー)をhangar(格納庫)と書いてしまい、とんでもない和訳文になってしまい美琴と愛理が大爆笑していたのを思い出していた。

さながらその様子は漫画でよくあるふわふわとした吹き出しが浮き出ているようだった。

 

 

――――天満と播磨。似た者同士。

 

その出来事を影人に伝えると

 

「あいつらもう付き合っちまえよ」

 

と呆れた感じのご様子。塚本は塚本でなぜあそこまで露骨に好き好きアピールを出している拳児に気付かないんだろうか……このことについて軽く論文がかけるんじゃないのかと、相変わらず失礼なことを考えていた。

 

「お前が言うな」

 

「はい?なんだいきなり」

 

「なんか言わなきゃいけない気がしただけ」

 

「なんだそりゃ……」

 

勘が鋭い(本人曰く野生とのこと)晶は影人の思考を読み取り、瞳を閉じて呟いた。

考えていたことを読み取られたことを知るわけもない影人はなんのことかさっぱりわからず晶のほうに振り向いたが、晶は播磨がどこにいるか探すつもりなのかトコトコと散策していた。

 

「……あちぃ」

 

空を見上げると、忌々しくなるほどに輝いている太陽が。思わず視界を片手で覆うほどの眩しさである。だが、影人はサングラスをかけているので眩しさは気にならないが、その日射だけは防ぎようはなかった。

日射病になりかねないほどの環境下に待たされるとなると、イライラし始めたようである。

元々、行列に並んだりすることが嫌いである影人が待たされることに腹立つことは当然である。晶と同じく自分も何かして時間を潰そうと思い、その辺をうろつこうとする。

 

 

――――影人、約束等の場合は時間厳守が基本である。

 

「これでしょうもない要件だったらあいつのグラサン叩き割った後、その破片を目ん玉中に突っ込んでやる。……やっぱ日陰のとこにいたほうがいいか」

 

物騒なことをいいつつ、どこか日陰がある位置を探し移動しようとするが、影人の願望に神様が叶えたのか、ヌッと巨大な影が現れる。

 

「お……ちったぁマシになったな。これも普段の俺の行いが良いからか」

 

晶が傍にいたら、確実にツッコミを入れられただろう台詞を呟き石床に腰を下ろす。

影のお陰で、少しは涼しく感じたようで一息つく。

 

「なーんで夏ってこんな暑いのかねー。世間一般だと夏は楽しみがいっぱいとか抜かす輩がいるがな……俺はこの暑さだけでその楽しみが薄れてしまうと思う――――んぁ?なんで街が見えてんだ――――っ!?」

 

目を瞑りつつ、夏について語っていた影人だが途中で目を開くと最初座った時とは違った風景に違和感を感じた。

目線を下ろすとさっき自分が座っていた石床が見えた。

 

 

 

どうやら自分は浮いているらしい。

 

 

なんで?

 

 

何かが俺のYシャツの襟首を掴んで

 

 

何かって何?

 

 

影人がゆっくりと背後を振り向くと――――

 

 

「パオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!」

 

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ!?!?!?!?」

 

 

――――インド象がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――つまり、話をまとめると私達を呼んだ理由はこの動物軍団をどうしたらいいのか……そういうことね?」

 

「ああ!話が早くて助かるぜ高野!」

 

「動物園に預けたら?それで全てが解決するわよ」

 

「ダメだ!こいつらを他人に預けるわけにはいかねぇ!」

 

「(自分の手で育てていたせいか、情が移ってるみたいね……播磨君にとって良い傾向なのかしら。……これはしばらく様子見してたほうがいいかも)そう……なら取り敢えずしばらくはこの洞窟にいてもらって数週間経ったらまた別の場所に移しましょう」

 

「え?違う場所にこいつらを移す必要があるのか?」

 

「うん。犬猫とかなら他の人に見られてもいいだろうけど、ライオンとかゴリラが他の人に見られちゃまずいわ。下手すりゃ警察が動き出して、射殺される可能性だって少なくないわ」

 

「なっ……!?そ、そんなことさせてたまるか!あいつらを殺すなんて……!」

 

「でしょう?だから、定期的に場所を移したほうがいいわ。移動ルートに関しては気にしないでいいよ。どの時間帯にどこが人気がなくなるか把握済みだし」

 

「高野……!すまねぇ!恩に着るぜ!!」

 

「知った以上私もこの子たちを死なせたくないしね。私も影人も協力するから安心していいよ」

 

「おいぃいいい!なに俺を無視して話を進めてやがる!!早く降ろせ!!俺はこんな猛獣共の面倒をみるなんて断固拒否――――」

 

「行けピョートル」

 

「(わかった。ご主人様)」

 

「いやああああああああああああああああああああ!!!!顔を近づけるなぁあああああああああ!!!」

 

 

あの後、影人の絶叫に気づいた晶が何事かと駆け寄ってきて、キャラを忘れて叫びまくり晶に助けを乞う影人だった。

余りの錯乱っぷりに助けることを忘れ影人の情けない顔を激写していた。

掴まれていたのが影人であったので、動物が嫌いでいても好かれる体質な影人だったら怪我することもないだろうと達観していた姐さんであった。

いつまで経っても助けない晶を罵倒し始めた頃に、播磨が複数の動物を連れながらようやくやってきたのだった。

インド象の飼い主であった播磨はペット……ではないが、自分が育ててるインド象が親友を掴んでいるのを見て、インド象に離すよう命じようとしたが影人が罵倒の矛先を播磨に向けたため……更に晶から聞いていた影人の体質の事を思い出し、影人が危害を加えられることは無いだろうと晶と同様に考え放置した。

そして今現在。八神神社の奥にある洞窟の傍にいる(影人インド象に持ち上げられたまま)

 

 

――――激写してる最中、晶の表情は恍惚としていた……

 

 

「なんで影人はこうも動物が嫌いなんだろうな。こんなにかわいいってのに。なぁ、ニコライ」

 

「生理的に受け付けないんだって。……水飲んだ」

 

肩に止まっているリス(ニコライ)の頭を撫でる播磨に、晶は持参してた水を手にかけ池のようにし馬(カエサル)に飲ませていた。

 

「舐めんなあああああああ!頬ずりもすんな!!!アキラァ!ケンジィ!!お前ら絶対泣かすからな!おぼえとk――――」

 

「Go」

 

「に゛ゃああああああああああああああ!!!翼があああ!!爪ガガガがガガガが!?!?」

 

凝りもせずに喧嘩を売るスタイルを貫き通そうとする学習能力のなさ。

晶の一声にスズメやらカラス等の飛行動物が影人の元へと向かっていった。

動物の声が聴こえる能力を持つ影人にとって、好意的な動物の声が聞こえてはくるのでなんの心配はないはずなのだが……嫌いなものは嫌いである影人はそんなことはお構いなしに叫ぶ。

それはもうジェットコースターに乗ってる時くらいに叫ぶ。

 

「はぁ…これを気にその動物嫌いを克服したら?いつまでも野良犬なんかにビクついてるわけにもいかないでしょ」

 

「あうあう……それよりも助けてくれぃ……なんでもしますからぁ…………」

 

目を回し、今にも泣きそうな声で助けを乞う。

こんな影人を見る播磨はこんなにも動物が苦手だったことに驚き、罪悪感が湧いていた。

姐さんは……影人が『な』と発音した瞬間に人外の速度で録音機のボタンを押し言質を取っていた。

 

 

――――恋する乙女は時に人智を超えた力を発揮する。晶も例外ではない。

 

「じゃあ、協力する?」

 

「するー……」

 

「播磨君、影人を降ろしてあげて」

 

「お、おう……パーヴェル!そいつを降ろしてやってくれ!」

 

パーヴェル(インド象)にようやく開放された時には既に影人の意識はなかった。

 

 

 

 




みんなの人気者ピョートル登場。
播磨のペットの名前はピョートルとアレクサンダー以外の名前は原作で出てなかったはずなので自分が適当に考えました。
象の種類に関してはどうしようかなーと適当に考えていたのですが、頭の中にあの音声がよぎって……知ってる人は知ってるインド象ネタ。

次回こそようやく3巻に入ります。
……長かった。
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