――――は原作でいう余白の左右に書かれてある一文みたいなものです。
では続きがかけましたのでどうぞ!
今回はようやくあの主人公を出させることができました。
ガヤガヤ……
「やっぱりクラス分け名簿の前にはほかの同級生がたくさんいるね」
「マジかよ……結構早く来たっつーのにもうこんなにごった返しになってんかい」
「それだけみんなどのクラスメイトとなるか気になるのよ」
晶の言うとおり、HRが始まるまで猶予はかなりあるというのに校門前は多くの学生で、クラス分けが貼ってある掲示板に近づくまで一苦労しそうである。
それにクラス分けを見た生徒が友人と同じクラスになって互い手を取り合って喜んでいたり、去年同じクラスメイトだったものと逸れて落胆した生徒もいて、まだ収拾がつきそうにはない。
――――影浦影人。そこまでクラス分けには興味がない。
「これじゃどのクラスになってるかわからないね」
「ふっふっふ、安心しろ。この俺の視力は2.0以上!その気になれば百メートル離れた文字があっても余裕のよっちゃんで読める!」
「おぉすごい」
なんて言ってるが、完全に棒読みである。
だが影人はその反応で満足したのか、ご機嫌のまま続ける。
「すごいだろ!法がなけりゃ女子更衣室も窓の外から覗けるし、スカートの中も透視できるんだぜ」
「私が裁判官だったらこの場で有罪を下すわ」
ピキッと他人が気づかないくらいだが、青筋が立つ晶。
晶だとはいえ、女子の前でそんな不謹慎なことを言う影人。これが晶ではない他の女子生徒ならばドン引きされていたことだろう。というかセクハラだ。
「んーっと……俺たちの名前はー…………2-Aじゃないな。2-B…………ここにも載ってない」
手を水平にし、額に当ててクラス分け名簿を見始める影人。
名字が後半の段になるにつれ、下に下がってそこらの辺りには生徒の頭があって見えないというのになぜか見えているようだ。
その気になれば透視もできるというのは嘘じゃないのかもしれない。
「2-Cは……あ、俺の名前あった」
「影人はC組なのね。私は?(A組とB組に私の名前がないってことは残りC組とD組E組F組。その中で私がC組に名が乗ってる確率は25%。……確率はかなり低いわね。けど大丈夫。去年、彼の出席日数はギリギリ。その原因は学費を稼ぐために1年生はバイトに集中してたから。教師からはそのことを良く思ってない輩が多く、彼と親しい私に相談をしてきてくれたからね。チャンスだと思ったわ。来年私と同じクラスならば影人をきちんと通わせることができるってね。ふふふ、もしこれで私もC組でなければ…………相談を持ちかけてきた教師を……ふふふふふ)」
影人が晶の名前を探してる間、晶はとんでもないことを思っていた(晶の思考速度は影人が次の言葉を発するまでのほんの数秒である)
――――姐さん。怖いです。
「んー、晶はC組じゃねーっぽいな」
「え……」
絶句する晶。思考が完全に停止するが、次の瞬間一気に怒気が強まった。
……今この瞬間晶に相談した教師の命運が決まった瞬間であr
「っといけね。俺としたことが上に載ってるのは男子だけだったわ。下の方見たら晶の名前も載ってたわ。わりぃわりぃ」
……まだ大丈夫だった。本当に良かったね晶に相談した教師の人。
もしもこのまま影人がしっかりと確認してなければ、晶は他のクラスのとこを見に行こうとせず、貴方のとこへ向かうとこでしたから。
「そう……今年は影人と同じクラスなのね」
「おーそうだな。去年は晶とは別クラスだったからなー。だから一年目は今後の学費を貯めとくためにバイトに集中したわ」
やっぱりね。心の中でそう呟いた。
先ほどまでは怒りと黒い何かで心を埋め尽くされた晶だったが、影人の確認不足だったことを知ったらいつもの冷静さを取り戻していた。
「いよっし。晶と同じクラスだってことは宿題には困らないでいいな!」
「ノートのレンタル料は一時間で1000円でいいわよ」
「金取るのかよ!しかも時間単位?!」
とまぁ、いつもの漫才をし始める二人。影人はいつものように目をクワッと見開かせツッコんでいるが、晶は顔をこちらに向けてくる影人に対しそのまま目の前をまっすぐ見つめている……だけではなく、仄かに口元が緩んでいた。
理由は……言わずともわかるだろう。
――――命拾いしたわね。教師。
……決して自分の手を汚さずに済んだからではない。
「そうだ。他のクラスメイトが気になるから私は見やすいとこまで行くわ」
このまま思いっきり叫びたい衝動を抑えて、晶はいつものクールな面で影人に告げる。
あなたはどうするの?とは聞かず、アイコンタクトで聞く。
「なら俺は先にクラスに行くとするわ。どーせ他のやつの名前見たってわかんねーからな」
「わかったわ。それじゃまた後で」
人混みという名の戦地に赴く晶だが、影人が待ったをかける。
「なに?」
「言い忘れたことがあったわ」
「これから1年よろしくたのむぜ。晶」
「……!えぇ……こちらこそよろしく」
その影人の何気ないこれからのあいさつだが、晶は軽く目を開くがすぐに元の表情に戻る。
こんな無愛想にも見える晶だが……今ここで彼女の心の内を覗いてみよう。
――――うれしい……影人にそう言われただけで、これから一年影人と同じクラスで勉強できるんだと実感できる。できればその返答にもっと可愛げに……笑顔で言ってみたい。けど私はクールで無表情キャラとしてとおってるし、二人っきりならともかくこんな大勢人がいるとこで笑顔なんてしたくない。
できれば貴方に私の今の思いを伝えたいけど。滅多に笑顔を見せないから価値がある…………といつか読んだライトノベルにそう書いてあったし。まだ時期尚早かしらね。
…………結構乙女な姐さんだがやっぱり姐さんは姐さんだ。微妙に計算高い。
そんな晶の普通とは言い難いが……恋心は影人には伝わっていなかった。
――――影浦影人。鈍感。
「ほいじゃ、さっさとクラスに行って寝るとするかね」
この男、なにを平然と言っているのだろうか。しかも新学期早々に。
普通ならクラスメイトと談笑したりするのだろうが……やはり変人である。
「あれ……影浦じゃねーか?」
「あいつが悪の片割れの影浦か……」
「見て。あの人サングラスなんてかけて」
「こっわーい。不良っていうのかな?」
影人が校舎まで歩く中、同級生や先輩、後輩がヒソヒソと本人に聞こえるか聞こえないかのボリュームで陰口をたたいているが、本人はまったく気にせず堂々と歩いていた。
本人曰く……言わせたいやつは勝手に言わしておけばいい。とのこと。
めんどうな人と干渉するのがだるいだけなのだろうが。
校舎に入ろうとした影人だがクラス分け名簿の前にいる、とある二人組に目がいった。
「同じクラスだーーーー!!やったぜ!!!」
「おめでとう……」
物静かで控え目そうな女子生徒に意中の人とでも同クラスになったのか、泣いて喜んでる女性徒がハイタッチ(グーで)叩き合ってた(一方的に)
「(……あの特徴的な触覚みたいな髪の女子生徒……どっかで見たような……ていうか以前……いや、現在進行形で関わっていなかったっけ……それになんか重要なことを忘れている気が……なんだっけ)」
うーん?と首を捻って思い出そうとしている影人。昇降口の前に立っているので邪魔なことこの上ないが、本人はその場で唸ってるだけで、どく気配はない。
「(それにしてもあの大人しそうな子……テンション高めな子の先輩かなんかか?いやでも、あんな先輩いたっけ……ていうか、俺去年最低限しか学校きてねーからわからなくて当然か)」
ごもっともである。そして彼女の名誉のためにも言っておくが、ハイテンションな子の先輩では断じてない。
年下である。それどころか妹であって、よく姉と妹逆だろ。と友人に言われているが無暗にそのことを指摘してはいけない。
それが優しさである。
――――テンション高めな子=塚本天満。大人しそうな子=塚本八雲。まったく正反対の姉妹である。
「……あ、そういや拳児どのクラスだか見てねーじゃん」
ようやく思い出したようで、そんでもって自分がどこに突っ立っているかも気づいた。
あ、スンマセン。と律儀に頭を下げて他の生徒がスムーズに通れるように横にずれる。
「あいつ進級できてるかすら疑問なんだが。まぁ、とりあえず見ておくか」
クラス分け名簿のとこに行こうとする影人。
高1の時は播磨とも別クラスだったから、今年は同じクラスならいいなーと希望を持った影人だが、口では結構ひどいことを言っている。
播磨は授業日数だとか出席日数は影人よりも少ない上に、学力は底辺である。中間や期末の時は俺と晶に頼ってきたのだが……せっかく開いた勉強会も、授業にほとんど出ず自宅学習なんてするわけがなく、教えてもまるで頭に入ってこなく、まったく意味がなかった。
その時のテストの結果は……想像通りであっているだろう。
――――播磨拳児。不良
「……ん?あれは……」
影人が見る先には、生徒たちがどよめき負の感情を込めた視線で見てる生徒が。それは影人の時よりも比較にならないほどだ。
影人は内心でチッと舌打ちを打つ。
「(またこいつらのこの目か……)」
なにも知らない癖に…と、怒りが込み上げてくるが今ここで怒っても仕方ないと、深呼吸をして鎮める。
影人は自分がどうこう言われようが見られようが気にしないが、自分の友人がそういった対象にされるのは別らしい。たしかに、播磨は喧嘩好きで粗暴は悪いがあいつが喧嘩を売ったりするのはアウトローの連中や同じ不良でカツアゲやらいじめをしているやつらだけだ。
それ以外の一般人には一度も手を上げたことはない…………影人を除けばだが。
根本的に播磨は優しいやつなのだ。だが、それを知っている人はほんの極僅かにすぎない。
「……時が解決してくれるのかね……いやそれとも……」
今年で少しでも播磨を変えることができるのか?そう考える影人。
影人は身内といった仲間、友人にはとても強く考えてくれるがそうなると、自分のことは忘れてしまう。影人は播磨とおそろのサングラス(フレームの形は違う。影人のは有名人とかが付けているブランド物寄り)を掛けている上に播磨と行動を共にしてることが多いので、周囲は影人のことも不良だと思っているのだ。
誤解を解こうとしない影人本人にも問題はあるのだが。
「ケンヂさん、チィーーース!見ましたよ2-Dっすねケンヂさん!!」
「あ、拳児2-Dなのか……あの髪で身長をごまかそうとしてるチビ……よ、よし、よし……入学式のときに拳児に喧嘩売って返り討ちにあったやつでいいか」
好感度稼ぎなのだろうが、播磨にどのクラスか報告するチビこと吉田山だが、播磨は自分が念じたクラスとは違っていたため吉田山は理不尽にもフルボッコにされた。
それにしても影人の思い出し方はどうだろうか。まったく興味がないからと言ってこの1年、同じクラスメイトの名前くらいは覚えた方がいいと思う。
――――影浦影人。興味がないことには3分で忘れる。
「外人だ。面白すぎるぜコノヤロー!!」
「なんだ人違いだったのか。……となるとどのクラスなのか?」
てか、そろそろ話しかけるか。と思った影人はまた吉田山を殴っている播磨に近づいてゆく。
他の生徒は播磨たちの周囲からいなくなってるというのに、影人だけが近寄っていく。
「よっ、お前だけには頭わりーなと言われたくない人物ランキングで上位クラスを狙える拳児君じゃないかー」
「んだとっ!………なんだ影人かよ」
「ハロハロー。ご機嫌斜め見たいだねぇ」
影人の物言いに反射的に拳を振り上げる播磨だが、おっさんみたく手をブラブラと振る影人を見るとぷしゅーっと怒りがどっかに消し去ってしまった。
「ったりめーだ!俺が2-Cになろうと念じていたっつーのに!吉田の野郎がでたらめ言ってよ!」
「ご、ごかいッス!」
「(……誰だっけこいつ。あ、吉田か)ていうか、クラス分けはもうとっくに決まってるってのに念じてもどのクラスになってるかは変えようがないだろうが」
「気持ちの持ちようが大事なんだよ!心構えが!!」
「あぁそう……んで?もう心の準備はできただろ。どのクラスなんだ?」
「おう!見てくるぜ」
しっかりとした足取りで気合十分にクラス分け名簿に立つ播磨。吉田はコソコソと自分のクラスにへといなくなったが、二人とも気づいてすらいなかった。
播磨が名簿んとこを見てる間、影人は数メートル距離を空けて待機していた。
そして思考していた。なーんで拳児は2-Cに拘るのかなーだとか、俺2-Cだけど言ってねーや……けど言ったらいったで俺とクラス交換してくれ!とか言いそうだし黙っておこー。等……微妙に高野っぽいのは気のせいじゃないはず。
――――影人。責任感はあまりない。そして忘れっぽい。
「あれ……あれ?」
「……ん?どうした?」
「いや……俺の名前がC組にも……どの組にも名がないんだが」
サングラスを取ったり外したり、目をマッサージして何度も名簿を見る播磨だが。
どこを見ても名前は載っていなかった。
「おいおい……まさかお前……」
影人は思い当たる一つの可能性が浮かぶ。さっき何気なく言ったことがまさか本当になるとは思ってもみなかっただろう。……たぶんだが。
「播磨!なにしてるこんなところで。お前留年だろうが」
「……そうだった!!」
「あ、やっぱり(つーかそのおっさん誰)」
――――播磨。留年決定?影人。なぜか笠稔持が見える……
作者はアニメも見ましたが、基本的に沿うのは原作、漫画版ですかね。
それにしても1巻の作画と10巻辺りの作画を比べると同じキャラでもまるで別人ですよね。
今鳥とか……姐さんもキャラがちょっと違う気が……w