すくーるらんぶる!   作:カーディナル

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さーて、まだまだ投稿ッ!
とりあえずはスクランの方を投稿。


【おまけが】困った時の姐さん頼み【本編】

前回のあらすじ……祝。播磨留年決定?

 

 

「今日から拳児は拳児後輩か……。おい、後輩お腹すいたぞ。焼きそばパンと牛乳買ってこい。もちろん、パンはベーカリーじゃなきゃダメだからな」

 

「ぬぉおおお!パシらせようとすんじゃねぇ!後輩とも呼ぶな!!」

 

にやけながら播磨にパシリの定番とも言われるものを買わせに行かせようとするが、当然播磨は拒む。

 

「いやだぜ俺、今年こそは真面目に通おうと決心したってのに!」

 

「不良のセリフとは思えないねぇ。なにがお前をそこまでしたのか……力の源はなんだ?」

 

下駄箱でローラースケートから上履きに履き替える。当たり前なのだが、登校するときは校則としてローファーでないといけない。だが影人はローファーなんて入学式の初日にしか履いたことがなく、今ではすっかり靴箱の奥にしまってある。

 

「それぁ……て、天満ちゃんの……お、お前には言わなくてもわかっているだろうが!」

 

気恥ずかしくなり、怒鳴って誤魔化す播磨。

逆ギレされたというのに、影人はあ……となにかを思い出した様子だった。

 

「(思いだしたわ。こいつが急に学校に通いだす理由が。塚本天満って子に一目惚れしたんだったな……忘れてた。…………あ、さっきのやたらテンション高い子がその塚本天満か。拳児からは写真、晶からは友達みたいで話には聞いていたのに……今度こそ忘れないようにせんと)あー、うん。わかってるわかってる」

 

「本当だろうな…忘れてたんじゃねーだろな」

 

「それより……お前どうすんの?留年ってことはまた1年生からだろ。クラスどころか学年まで違うのはもう絶望的じゃね?」

 

「はっ……!そうだった!!ど、ど、どうすりゃいい?!」

 

自分の好きな子よりも一つ下の学年で勉強するなんてかっこ悪いにもほどがある。播磨は事の重大さにようやく気付き、切羽詰って影人の肩を掴み揺さぶる。

 

「さすがに単位のこととなるとどうしようもないな。諦めてもっかい一年からやり直せば?」

 

「それじゃ手遅れになるかもだろ!!俺は今年にかけてんだよ!!」

 

他人事のように(実際他人事なのだが)播磨にガクガクとさらに強く揺さぶられながら言う影人。

ダーッとサングラスの下から漢泣きする播磨に、影人はんーっと仰ぎながら思考する。

 

 

――――諦めの早い男、影浦影人。

 

 

 

「こういうときこそ困ったときのあきr「お金になりそうな匂いがしたわ」……どこに立ってんのお前」

 

「たっ、高野!」

 

影人の頼みが通じたのか、それとも最初から話を聞いていたのかはしらないが、下駄箱の上にキラーンと目を光らせしゃがんでいる高野がいた。

影人と播磨は見上げる形になるので、普通ならスカートの中を拝見できるのだろうがそこは姐さん。絶妙なポジションにより見えそうで見えないようだ。まぁ、この鈍感野郎と天満一筋の二人はそんなやましいことは考えてないが。

 

「話は聞かせてもらったわよ。播磨君お困りのようね」

 

「そ、そうなんだ!このままじゃ俺、天満ちゃんと一つ下の学年になっちまう!」

 

「なんかいい策でもあんの?」

 

「えぇ。どうにかして播磨君を進級できる案があるわ」

 

 

下駄箱の上から一回転して飛び降り、二人の前に降り立つ晶。

さすがは晶。二人は手詰まりだったというのにどうやら播磨の留年を取消にできる秘策があるらしく、焦ってる播磨と関心が低めの影人とは違いいつも通りの涼しげな余裕のある表情でいる。

 

「た、頼む!なんでもする!どうか俺の留年をどうにかしてくれ!」

 

両手を目の前で合わせ晶に頭を下げる播磨。

今ここには3人しかいないが、校内で不良と恐れられている播磨が可憐な生徒に頼みごとをしている光景を見たら。これは幻覚なのか、夢じゃないのか?なんて疑うだろう。

 

「別に播磨君は何もしないで大丈夫よ。けどタダというわけにはいかないわ」

 

「か、金か……いくらだ?」

 

ポケットから財布を取り出す播磨だが、万年金欠のこの男に晶が要求する金額なんてもっているはずがない。

そんな自分の経済事情のことも考えられないくらいに、播磨の頼みの綱は晶しかいないのだ。

 

「2万円でどうかしら」

 

片手でVサインをし条件を提示する晶。播磨もだが、一旦の学生にこの額は相当高い。だが、留年を取消てくれるという高条件なのだから適正よりも低いだろう。

 

「ああ!それでい――――ぐあっ、千円札3枚しかねー!そうだった…先月バイクを新調してつかっちまったんだった!」

 

「今月中に払ってくれるなら後払いでもいいけど……」

 

「おお!それでいいのか!絶対に今月には払う。だからそれで――――」

 

「影人一人払うのでもいいよ」

 

「それで頼む」

 

「おい、待てコラ」

 

人差し指を立てる晶に、播磨は90度頭を下げなんの迷いもなく影人を売った。

今まで黙っていた影人だが、これはさすがに黙って居られなくなったようだ。

 

 

――――これで絃子に借りを作らずにすむぜ。

 

 

 

「交渉成立ね」

 

「ふざっけんな!なんで俺で代用しようとしてんだ!俺の価値は二万円と同等なのかよ!!!」

 

「いいじゃない。私に一つ貸しができるだけで、播磨君が進級できるのなら安いものじゃない?」

 

「ぐっ……」

 

「俺からも頼むぜ影人!今度バイクに乗らせてやるからよ!」

 

「む……それは……」

 

顎に手を当てて考え始める。影人はバイクの免許証は持っているのだが、バイク本体はまだ買っていないのだ。晶にまた貸しが一つ増えるのはあんまよしとしないようだが……一度矢神市をバイクで走りまわってみたかったので、買わずに乗れるということは影人にとってはかなり条件が良かった。

 

「わかった。一日お前のバイクを操縦させてくれるならいいぞ」

 

「それでいいぜ!いよっしゃああああああああああああああ!!!!これで一年天満ちゃんと同じクラスだああああああああああああああ!!!!!」

 

握りこぶしを作り天高く片手を上げて喜びをあらわにする播磨。

 

「今度こそ交渉成立ね。これで影人は私に貸し二つ」

 

「あぐっ……金関連はなしな」

 

「そういうことは頼まないから安心して。私と播磨君はこれから職員室に寄るから影人は先に行ってて」

 

「あ、あぁ……わかった」

 

「行くよ、播磨君」

 

「…………おうっ!!どこにでもいくぜ!!!」

 

未だに手を上げて同じポーズのまま固まってる播磨を現実に引き戻し、二人は職員室に向かって行った。

晶がどんな手段で播磨の留年を取り消すのか気になる影人だったが、

 

「……晶ならなんとかしちまうんだろうな」

 

そう今までの晶の行動からして、結論付けた影人は二人とは反対側のほうへと歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……てか、留年を取り消すだけで拳児が同じクラスになるとはかぎんねーよな……いや、そこんとこも抜かりはないだろうな……晶だし」

 

 

――――影人は気づいたが、当の本人播磨は喜びの絶頂に浸っていて気づくことはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケ『翌日の放課後』

 

 

「さーて、本日の学校終了!帰宅部の俺はソッコー帰宅だ!帰ってネトゲでも……」

 

晶の謎の権力と策によって、めでたく播磨の留年は特例としてなくなり2-Cの編入が決まった。

今日はHRだけの半ドンだけで、明日に席替えをすると担任の谷先生から通達があったのだが……影人はHR中にも関わらず。イヤホンを付けててAKB84の曲を聴いていたため先生の話なんかまったく聞いていなかった。

そして放課後、播磨は席替えのことで天満の隣席になりたくて、そのことでなんとかできることはしたいと影人に伝えどっかに行った。晶もHRが終わった直後忍者のように音もなく消えていた。

なので、今日影人は一人なのであるが……

 

「メールか……誰からだ?」

 

スクランブル(スクラン第一期OP)のサビが流れ、影人は携帯を開く(この頃はまだスマホとかでてないよ)。

そしてメール画面を開くが。

ほとんどの送信主は晶であり、5通に1通程度は播磨だけである。元々、影人は携帯を持つきがなかったのだが、晶が携帯は持っておいたほうがいいと言われたので、晶と一緒に携帯を買いに行き、晶に携帯を見繕ってもらった。

そんなわけで、影人のアドレス帳には高野晶と播磨拳児の二つだけしか連絡先が書いて……とおもいきや、もう一つだけ名前が載っていた。それは鳥丸という文字。

 

 

――――鳥丸ではなく本当は烏丸なのだが、影人は素で間違えていた。

 

 

彼との邂逅は……まぁ、今はいいだろう。彼と連絡するときはメールではなく電話で話すことが多い。

なのでメールボックスの中に彼の名が書いてあるメールはなかった。

 

「晶からか……なになに。茶道部に来て……これだけかよ」

 

メールの内容は本文だけであり、飾りっ気のない一文だけだった。晶らしいといえば晶らしいだろう。

 

「うーん……今日はせっかくの半ドンだからな。バイトもないし、ゴロゴロだらけたいよな、うん。てなわけでこのメールは気づかなかったことに――――」

 

と、携帯を閉じてしまおうとしたら、またスクランブルの曲が流れ携帯が震え始める。

 

「またメールか。でもって差出人は晶……なんだ?」

 

送信主 高野晶

件名 Re:

本文 ないだろうと思うけど。念のため送るわ。

   もしもさっきのメールを無視して、茶道部に来なかったら貸しを倍に増やすから。

 

 

「……………………」

 

無言で携帯を閉じ、回れ右をし校内へと戻っていった。

 

 

 

 

――――影人の行動パターンは把握されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たのもー!来てやったぜこんちくしょー!」

 

半分自棄になりながらドンドンと乱暴に茶道部の扉をノックし突撃する影人。

返事もないのにノックをした意味がないだろうに。

 

「来たわね。さ、どこにでもいいからイスに座って」

 

茶道部にいたのは浴衣を着こなしている晶だけだった。

影人を座るようにと催促し、影人は頷き晶の対面側に座る。

実は影人は茶道部に来るのは初めてではない。

一年生の時もたまにこうやって晶から呼び出されお茶を飲んだりしていたのだ。なので、茶道部の顧問でもあり播磨の従兄弟である刑部絃子とも面識がある。

 

「ふぅー……他のとこと比べてここは落ち着くな」

 

「そう、それはよかったわ。……はい、カフェオレ」

 

「サンキュー。…………うん、やっぱ晶の淹れたカフェオーレはうまいな」

 

晶から差し出されたカップを受け取り一杯頂く影人。

なぜか茶道部なのにカフェオレなのかは、初めて影人が茶道部でお茶を飲んだとき、苦さを知らずにグイっと一気に飲んだため、吐き出してしまったからである。幸、誰にもそのお茶はかからかったが……飲み物を粗末にしたため、その場にいた絃子にはしょっぴかれた。

それ以来、影人は晶に呼ばれてもまたお茶を飲まされるだろうと思って、茶道部にはよらなかったのだが影人に出す時はお茶以外にすると提案され…………そして現状に有り付く。

 

 

――――影人のカフェオレはカフェオー↑レ↓と発音が変わっている。

 

 

 

「で、用件は?」

 

「そう急かさない。はい、クッキー」

 

「あぁ…いただくわ…………あま……」

 

「それなら煎餅を」

 

「ん……カフェオーレに煎餅か。うまいっちゃうまいんだが合わないな」

 

「はい、饅頭」

 

「あぁ、どうも」

 

「はい、金つば」

 

「あぁ…そこにおいといてくれ」

 

「カフェオレのお代わりいる?」

 

「もらう」

 

「はい、これに貴方の名前を書いて」

 

「あぁ………………待て。自然を装ってさりげなく入部届に書かそうとするな」

 

「チッ」

 

あぶねぇあぶねぇ……と差し出された入部届の紙を突っぱね、カフェオレを啜る影人。

晶は悔しそうに……してるかは微妙だが、舌打ちをうつ。

 

「俺を入部しようとすんな。第一、茶道部は男子禁制じゃねーのかよ。俺がここにいる時点で好ましくねーのに」

 

「影人は特別。刑部先生からも影人の入部は許可してくれてる」

 

「……マジかよ」

 

思わず煎餅をバリン!と強く噛み砕く。バリボリと咀嚼をし、影人は入部について考え始める。

 

 

「茶道部ねぇ、今部員って何人だっけ」

 

「私だけ。去年は3人先輩がいたけど、知ってのとおりもう卒業しちゃってる」

 

「……それは部として成り立ってるのか?」

 

「まだ新入生の仮入部が始まってないし、それまでは大丈夫。矢神高校《うち》は部員が3人以上いれば部として容認してくれるんだ」

 

「はぁん……それで俺を頭数として入部させようと」

 

入部届の用紙を取って、ペシペシと親指で弾く。

 

「違うよ」

 

「え?」

 

影人の推測を晶は部室内にはっきりと響くように否定する。

 

「私が影人と同じ部になってほしいから勧誘しているの。それに男手があればなにかと役に立ってくれるしね」

 

ずずーっと優雅な動作でお茶を啜る晶。影人はそんな晶の強い要望に驚く。今までこうも強い想いが篭ったことを晶が言うのは初めてだからだ。

 

「入部すりゃ貸しはなくなるのか?」

 

「無理強いはしないよ。でも、入ってくれるなら今までの貸しはチャラにしてあげる」

 

「……毎日活動があるわけじゃないよな」

 

「たまに集まる程度よ。それに今は私だけだし」

 

「そうか。……書くものかしな」

 

「え」

 

足を組み、片手をズイっと出す。その影人の突然の行動に晶は影人の手を見る。

 

「いや、だから入部届書くから」

 

「……それって」

 

「えぇい!早くよこせ!俺の気が変わっていいなら渡さんでもいいが」

 

「待って、今出すから」

 

立ち上がり、窓枠に置いてある自分の鞄を探り始める晶。影人からは晶の表情は見えないだろうが、恐らく少しばかり頬が緩んでいるのかもしれない。

晶のいつもとは違う後姿を見ながら影人はテーブルに置いてある金つばに手を出す。

 

「…………あま」

 

金つばの甘さに顔をしかめる影人だったが、和菓子用のフォークを持つ手は楽しげに回していた。

 

 




影人。無所属から茶道部員にジョブチェンジした。
烏丸と影人の仲はそこそこ。しかしそのことは播磨は知らない……
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