すくーるらんぶる!   作:カーディナル

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いいいいいいいいいいいいいいいいいいいYAHOOOOOOOOOOO!
こんばんは!今テンションが最高潮な作者です。
ようやく彼女にまともな出番を与えることができました!なので作者はもうテンションがやばいです!



【おにぎりは】動物は苦手【大好きです】

矢神高校の2年生は本日遠足。病欠でもないかぎり、全ての2年生が参加する中(授業はサボっている播磨も例外ではない)……一人のある生徒はというと。

 

 

「ZZzzz…ひっさーっつ……お前はすでに………………死んでない」

 

 

自宅で寝ていた。あの某暗殺拳の使い手である決め台詞を……やや改変して寝言を言っていた。

今頃みんなはバスに乗って、お菓子を食べたり隣の人とか仲の良いグループと会話したりなど、またある者は出発してからすぐに寝始め、安眠したり…みな思い思いに行動していた。

天満は烏丸の隣になろうとポッキーをカリカリとリスみたく食べて緊張感をなんとかしようと抑えていた。

ここ最近出番がなかった播磨は昨日、影人が遠足に行かないことを理由にし影人の家で『塚本天満と仲良くなろう大作戦!】というなんの捻りもない作戦名だが、雑誌やネットで話題にできそうなことを調べてたのだ。

数日前からも独自に勉強していた播磨で今日はかなり自分に自信がついていた。

それが報われるのかは…………播磨次第である。

 

 

――――播磨拳児。天満にかかわることだと120%の力を発揮する。

 

 

 

 

 

 

「んーっよく寝たっ。気持ちのいい朝だ」

 

体をグッと反ったり、腕を上げ肘を曲げたちして体を解す。まだ朝だと思ってるみたいだが現在の時刻はもう正午。昨日播磨に夜遅くまで付き合っていたとはいえ、遅すぎる起床である。

 

「せっかくの休日だ。何も考えずに心を無にしてゴロゴロするのもいいが、この後散歩するのもありだな。……その前に腹ごしらえだな」

 

カップメンまだ買い置きのが残ってるかなーと言いながら、リビングに向かい冷蔵庫の隣の戸棚を漁る。

醤油瓶や酢が入った瓶が奥に置いてあるところ、カップヌードルとんこつ味がポツンと一つだけあった。

 

「ラッキー。残ってたのこってた」

 

 

――――影人、休日の昼飯は大抵買ったもので済ませる。

 

 

ふんふんと鼻歌なんて歌いながら、給油ポットのロックを解除し機嫌良さげにお湯を注ぐ影人。

 

「今頃みんなも飯食ってんのかな……あーあ。金があったら俺も遠足に行けたんだがなぁ……」

 

出来上がるまでカップメンを自室の勉強机に置いて、ベッドの上にダイブしゴロンと寝転がる。

そのまま仰向けになって、リモコンに手を伸ばしテレビのスイッチを入れる。映った番組は『いいともわらって!』という昼番組だったが、チャンネルを変えるのもめんどうだったので、リモコンをベッドの上に放り投げる。

 

「拳児のやつ塚本と上手くやれてるかね……これを気に仲良くなれてりゃいいんだが……」

 

天井の染みを数えそうになるが、それよりも播磨が天満と楽しそうに喋ってる光景が思い浮かぶ影人。

影人の想像通りに言ってればいうことはないのだが……現実はというと、舞台をバスの中に移動してみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(バ ス 間 違 え た)」

 

なんということでしょう。朝までは2-Cご一行遠足バスだったのだが、今は回りには老人しかいません。

どうしてこうなったのかというと…パーキングエリアでトイレ休憩の時間をもらい、一度バスを降り事を済ませバスに戻った播磨だが……乗ったバスは2-Cのではなく、老人会ツアー行きのバスであった。

 

「小僧!なかなかやりおるな。わかいもんはこうでないとな!」

 

「はぁ…どうも…(だからなんで俺は平然と花札をやってんだ!?しかもこのじじぃ強えし!クソー!!てーんまーちゃーーーーーん!!)」

 

逃げ出そうとする播磨だが、両隣に座ってるおじいさんとおばあさんに引き止められ、抵抗する播磨。

今日まで天満のために努力したことがすべて水の泡になった瞬間である。

 

 

――――播磨拳児。慌てん坊。

 

 

一方そのころ……2-Cのバスでは

 

「(ようやく烏丸君の隣があいた!)今だ!」

 

「ハーイ、烏丸君。隣いい?」

 

「うん、いいよ」

 

「高野、なんだそりゃ?」

 

「知恵の輪」

 

「さっきから順ちゃんため息ばっかり。……!はっは~ん。もしかして影君のことかにゃぁ~?」

 

「ふ、ふええ?!ち、違うよ恵ちゃん!私は……」

 

「冬木ー、麻生と石田とポーカーやんだが、お前もどうよ?」

 

「おっやるやる!もちろん、賭けありだよなっ」

 

「ったりめーよ。ポーカーといったら賭け金がないとやりがいがないだろ!」

 

「ふ、冬樹君に石田君。いくらなんでも賭けは……」

 

「コラコラコラーーー!学生の身分で金のやり取りをするんじゃーーなーーいっ!」

 

誰一人播磨がいないことに気がつかなかった(影人が欠席なのは気づいてるのに)

 

 

――――播磨、クラスでは浮いてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さらに場所は変わって……矢神神社。

適当にブラブラと矢神市を手ぶらで歩き回ってた影人は自分とは縁がなさげの場所にきちまったなーと思いつつも足を運んでいた。

 

「ここに来るのは……今年拳児と修司と初詣に行ったきりだったな」

 

そのときとは違い、大量の人ごみどころかここにいるのは影人だけ。誰もいないので、初詣の時はゆっくりと見て回ることはできなかったが、今はのんびりと辺りを見渡せることに影人は気分良さ気だった。

 

 

――――修司。播磨の弟。兄の播磨よりも影人のほうを慕っている小学生

 

「来たからには賽銭くらいは入れるかね。ここは普通ならご縁があるようにと5円玉を入れるとこなんだろうが……俺はあえて500円にするぜ!」

 

なにが、あえてなのかわからないが財布を取出し500円玉をピーンと親指で弾き賽銭箱に投入する。

パンパンと両手を叩き手を合わせ、目を閉じ参拝する。今日の影人はサングラスでなく右目に眼帯を巻いて蒼色の瞳をごまかしている。

 

「(お金が空から降りますように。バイトの時給が上がりますように。彼女ができますように。拳児より背が大きくなりますように。拳児の頭がよくなりますように。拳児と塚本天満が結ばれますように。晶が俺を嵌めることがなくなりますように。それからそれから――――)」

 

随分と俗物的な願いが最初の方にあったが、3つ目のやつは今すぐにでも叶えられるだろう。具体的には晶にコクればすぐに……だが、この変人は晶の好意を友愛なものと勘違いしてるため、まだ無理だろうが。

最初の3つ以外は全て播磨と晶に関するものだったが、数が多すぎるため省略させてもらう。

 

「……こんなもんかね。500円と奮発したんだし、数個は叶えばいいんだがなー……」

 

クルっと回れ右をし来た道に引き返そうとする影人だが――――

 

 

ニャー

 

「……!こ、この声は……」

 

鳴き声がした方向……左側の茂みから額に×の字の傷跡がついた黒猫がひょこひょこと出てきた。

自分よりも幾分小さい相手だというのに、影人は顔を引きつり後退する。

 

「よ、よりによって黒猫…!い、いや落ち着くんだ俺。敵《エネミー》との間合いはかなりあるんだ。俺が近寄りさえしなければ…」

 

 

――――影人は動物が基本苦手である。

 

黒猫は体をブルブルと震わせ、体についた葉っぱを振り落す。それをすかさず見逃さなかった影人はそろーりと猫に悟られずに境内から去ろうとするが……

 

「……」

 

「……」

 

様子が気になった影人はチラっと振り返るが、それがいけなかった。一人と一匹の視線が見事にバッティングし合う。なぜか見つめあったまま。

このまま振り替えずに逃げ出せばいいものの……影人は依然として固まったままである。

 

「にゃー」

 

トテテテテと影人の方に向かっていく黒猫。

 

「ちょちょちょちょちょ!?なぜこっちに寄ってくんの!普通野良猫って人間に近寄らないものじゃねーのか?!」

 

思いがけない黒猫の行動に大いに焦る影人。一歩、また一歩と後ろに下がって距離を開かそうとするが、影人が下がるたびに猫の歩く速度は増す。

 

「だからなんで!?俺って美味そうな匂いでもすんの!?鰹節の匂いか?俺は毎日かかさず風呂に入ってるぞ!」

 

いつもの影人は見る影もなく、ついに播磨みたいなことを言い出した。自分の腕を寄せ、クンクンと匂いを嗅ぎ始める始末。……誰か人がいるときは男としてのプライドと意地が押し出し、ここまで崩壊することはないのだが、今境内には影人と黒猫のみ。完全にポンコツと化してしまってる。

 

「にゃーーーー!」

 

「ギャーーーー!」

 

なんてアホなことをしていたら、黒猫はすぐ近くまで寄ってきていて。嬉しそうな鳴き声とともに、影人に飛びかかった。飛びかかられた影人は尻餅を着き悲鳴を上げた。

……たかだが猫相手に情けないことこの上ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分前……神社の雑木林辺りで一人の女の子がさっきの黒猫を探していた。

 

「伊織…ご飯の時間なのにいったいどこにいったんだろう……」

 

胸に手をあてて、キョロキョロと四方八方を見渡す。この物静かな赤い瞳の少女は塚本八雲。

名字でわかるように、塚本天満の一つ下の妹。姉と同じ学校に通っている今年度の新入生だ。

姉の天満は学校でも隠れファン的な人気はあるのだが、この八雲は度を越えている。新入生だというのに、学園内で塚本八雲の名前を知らないやつはいないほどに彼女の男子からの人気っぷりはすさまじい。

 

「神社………もしかしてここに…?」

 

ルックスだけでもなく、成績優秀、運動神経も高い。家事も万能で塚本家の食卓は彼女によって支えられている。不器用な天満とは違い器用な妹の八雲だが、その分積極的な姉に比べ消極的なとこがある。

同学年の男子にはモテていても、本人は気づいていない。いや、気づいてはいるのかもしれないが……理解はできてないのかもしれない。

 

 

――――八雲。初登場に見えるが実は既に一度登場している。

 

 

「……!伊織の鳴き声。境内のほうから…」

 

雑木林を抜けて、伊織……飼い猫の名前なのだろう。聞こえた鳴き声を頼りに向かう八雲。

境内に出た八雲が見た先は――――

 

 

「にゃーーーー!」

 

「ギャーーーー!」

 

伊織が尻餅を着いた男の顔に飛びかかっている光景だった。

 

「………え……??」

 

状況判断に苦しむ八雲。そりゃそうだろう。最初、自分が伊織に近づいた時は逃げられて、餌をあげようとし弁当を持ってきたときはそっぽを向かれたのだ。

だというのに、今目の前に広がっている光景は伊織が自ら人間に寄っているのだ。戸惑うのも無理はない。

 

「こ、こら!は……はなれろっ!ひぎゃぁ!な、なめるんじゃねー!俺は美味しくないぞ!うぎゅぅ…ザラザラじゃぁ……だれかぁ…へるぷすみ~~……」

 

猫好きの方なら喜んでなめられるのだろうが、動物が苦手な影人にとっては拷問に等しかった。

段々と声が弱まっていき、目を回してばたんきゅー寸前にまでなっていた。誰も人がいないというのに無意識に助けを求めているのだから、相当堪えているのだろう。

だが、影人が気づいてないだけで八雲がいたのだ。男の人が苦手な八雲は近づくのも躊躇らっていたが、飼い猫がよそ様に迷惑をかけているのはなんとか理解できたようなので、慌てて駆け寄ってきた。

 

 

――――へるぷすみーではなく、ヘルプミーが正しい。

 

 

「伊織!なにしてるの…やめなさい!」

 

膝を着き叱りながら、影人の顔にひっつく伊織を引きはがす。伊織を抱え、腕の中でめっ、ダメでしょう。と優しく叱るが、伊織はバタバタと抵抗し影人にすり寄ろうともがき続ける。

 

「(……人見知りの伊織が……)」

 

「や、やっと離れたか……。誰だか知らないがすまない……みっともないとこを見せちまったな」

 

「い、いえ……こちらこそうちの猫がご迷惑を……」

 

パンパンと汚れを払って立ち上がる影人に、八雲が申し訳なさそうにし頭を下げ謝る。

それを見て影人はバツの悪そうな顔をし

 

「あんたが気にする必要はない……うぇぇ、顔がべたべただ……眼帯まで唾液でベトベトだし」

 

「ごめんなさい……あ、あのハンカチ…」

 

「悪いな…ちっと使わせてもらうわ」

 

几帳面な八雲は伊織を探しに来ただけだというのに、ハンカチを常備していたので控え目に差し出す。

眼帯は外さずに花柄で、ウサギの刺繍がついてるハンカチで顔を拭く影人。

 

「(…………この人からは心の声が視えない…)」

 

今までの男子とは違う様子に、顔を拭く影人を眺める八雲。

塚本八雲は影人のもつとんでもない直感と動物に好かれる体質のような変わった能力を持っている。

人の心を読める超能力。読心能力《サイコメトリー》のようなもんなのだろうが、八雲の場合自分に好意を寄せる人物からのみ心の声が伝わってくるのだ。

 

 

――――八雲の能力について詳しく知りたい人は原作1、2巻の番外編にて!

 

もしもこれが影人ではなく、普通の男子生徒とかならハンカチを手渡されただけでやましい心が八雲に伝わるのだろうが……

 

「(うぇへぇ…マジでこの体質はどうにかならんのか…たかだか猫一匹になんて様だ……しかも女に見られたぁぁぁぁぁ)」

 

今の影人は八雲どころではなかった。一見、持ち直したように見えるが強がってるだけである。

内心はもうぐっちゃぐちゃに精神が乱れており、わけのわからない自分の体質を呪っていた。

 

「(伊織が懐いていたみたいだけど、猫嫌いなのかな……)猫…嫌いなんですか?」

 

なんとなく、この心が読めない男のことを気になったので相手は苦手な男だが、聞いてみる八雲。

今の影人は学校にいる時とは違い、ただの眼帯を巻いてるだけである。もしもこれがサングラスならば、怖さが強調され声をかけずらかっただろう。

 

「嫌い…とまでは言わないが苦手なことはたしかだな。原因はわからんが、どうやら俺は動物に好かれる体質みたいでな……(しかも稀に動物の声とか聞こえたりするが……これは言わないでいいだろ)」

 

「そうですか……」

 

もしかしたら、動物が好きなのかもしれないと淡い希望を持っていたので、影人の返答に八雲はほんのちょっと残念そうにする。

落ち着いてきた影人はようやくまともに八雲の顔を見ることができ、一つのことが思い浮かぶ。

 

「(……ん?この子、どっかで見たような気がするが……………どこでみたっけ?そもそもこの子と話したことあるっけ)」

 

ありません。見たことはあるだけで、お互い話したことはないです。

ほんの数週間前のことなのに、影人の記憶には靄がかかったままだった。

 

 

――――影人、新学期に起きた出来事はもう思いだせない。

 

「(この人、同じ学校なのかな。…でも眼帯をした人なんて見たことないし…)あの……よろしければなま『ちゃらら~(万石の主題歌)』え……この曲」

 

「むっ、スマン。俺の携帯だ。……ってことはしまった!もうすぐ『続三匹が斬られる!』の続きが放送されるじゃねーか!こうはしてられん。すまないな、黒猫の飼い主。急用ができたのでこれにて失礼する。サラダバー!」

 

「………行っちゃった(万石見てるんだあの人……。サラダバーってなんだろ……今日の献立なのかな)」

 

他にも聞きたいことがあった八雲だが、影人は携帯の番組の放送を知らせるアラームが鳴ったことに気づき、自宅に帰って行った。

 

「また会えるかな……どう思う伊織?」

 

「にゃおー」

 

腕の中に抱いてる伊織に尋ねてみる八雲だが、心の声が聞こえるわけでもなく八雲を見上げ、鳴き声を上げるだけだった。

しばらく八雲は、影人が走って行ったところを見つめていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………あ。ハンカチ返してもらってない……あれ、姉さんからもらったものなのに……」

 

家に帰ってから気づいた八雲だった。




わんおーえーとましんがん!
というわけでこの小説のメインヒロイン(決定済み)塚本ヤクモンの登場です!
今後どうやって絡ますか悩みどころです(まぁ、大方の設定は考えているんですが)
これにて原作、一巻までのお話は終了です。次回からは2巻以降のお話、時系列を意識して書こうとおもってます。
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