バカともう一人の天才   作:reg44ki

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今回は一波乱起きそうな気配?


第10話 A(最高)とF(最低)の一騎打ち その4

「では、四回戦。副将の方お願いします」

 

「よし、姫路。決めてこい」

「はい!頑張ります!」

真剣な表情で、姫路さんが前に出てくる。そうか、雄二が強気だったのは姫路さんだったのか。

 

「アタシが出るわ」

「頼むぞ姉上、後がないからの」

「それぐらい分かってるわよ」

優子さんが出るのか、というか僕誰が出るとか聞いてないよ、代表なのに。

けど、ここが正念場だね。姫路さんには悪いけど、優子さんにはここで勝ってもらわないといけないから。いくらFクラスとはいえ、学年次席の実力を持つ彼女だ、優子さんには分が悪いかもしれない。

 

「では教科を」

「総合でお願いします」

しまった!総合科目では学年順位がそのまま召喚獣の力になってしまう。

 

「「試獣召喚(サモン)!!」」

「あなたはどうして試召戦争を?」

「私、この、Fクラスが好きなんです」

「Fクラスが・・・、好き?」

「はい。だから頑張れるんです。だから、絶対に負けられないんです!!」

 

             総合

  Aクラス 木下優子  VS  Fクラス 姫路瑞希

    4513           4409

 

「「「「「よ、4000点オーバー!?」」」」」

「な、なんなんですか!?その点数は」

姫路さんが必死に優子さんに訴えかける。

この試召戦争って、A(最高)VSF(最低)の戦いだよね?何でこんなにレベルの戦いしてるのさ!?Fクラスの点数が全員Aクラス上位並なんて。

 

「あなたは、Fクラスが好きだから負けられないんでしょ?」

「設備のこともありますが、この試召戦争で勝たないと私、転校させられるかもしれないんです。そんなの嫌です!こんなに楽しい人たちがいる。私の好きな人がいる。その学校を離れたくないんです!」

「なによそれ・・・・」

「?」

優子さんの目が光っているのが見えた。泣いて・・・いるみたいだ。

「そんなの、ただの自分勝手じゃない!ただ自分が学校にいたいから勝ちたいなんて。悪いけど、そんなあなたには負けられない。絶対に!」

「・・・、でも私だって・・・負けたくないんです!」

優子さんの肩が震えている。きっとあのことだろう。

 

「行きます!!」

姫路さ召喚獣が、優子さんに向かって突撃する。確かに速いけど、避けられないことはない。ここは確実に避けて、隙をねらって・・・。って、え?

なんで動かないの!?突撃する姫路さんに対し、優子さんは微動だにしなかった。

「あなたとは、正々堂々と戦う!」

 

グワァアン!!!!

 

鈍く大きな音が教室全体に響き渡る。なんて大きさだ!耳をふさいでも脳に直接響くみたいだ!

 

カンッ!キンッ!ドスッ!

 

両者ともに一歩も防御をせずに攻撃に徹している。けど、優子さんの攻撃の方が少しずつ当たり始めている。姫路さんの大剣は、試召戦争では有利だけど、一対一の個人戦となると小回りがきかず、不利になってしまう。それに対し、優子さんのランスは大きさもあるものの、意外と小回りがきく。その分攻撃が当たっている。ただ、大剣の場合重みがあり、受け止めるだけにもダメージを受けてしまう。

 

             総合

  Aクラス 木下優子  VS  Fクラス 姫路瑞希

    4210           3997

 

「くっ、ならこれならどうですか?(ポゥ」

姫路さんの腕輪が光る。姫路さんが優子さんに向かって、腕輪の着いている手をかざす。すると、

 

キュボッ

 

腕輪のあたりから、熱線が現れた。見ただけでも高威力なのが分かる。けど、それに対し優子さんは、また動かなかった。

そして、優子さんは熱線に飲み込まれてしまった。

「う、ぉぉぉおおおおおおお!」

その熱線を掻ききるかのように、中から優子さんの召喚獣が現れた。熱線は掻き消され、姫路さんの胴にランスが突き刺さる。

 

             総合  

  Aクラス 木下優子  VS  Fクラス 姫路瑞希

    2150           2150

 

点数が並んだ!これで、どっちが勝つか分からなくなった。

 

「これは、一対一用じゃないけど、仕方ないわね(ポゥ」

優子さんの腕輪が光る。すると、優子さんがフィールドの地面に向かって、ランスを突き刺した。そのとき、フィールド全体に下から、黄色い、衝撃波?かな。が現れる。ダメージはもちろん、相手の動きまで封じられる。確かにこれは一対一には向かないかもしれない。

相手の動きが止まったところを狙って、優子さんが攻撃する。

「やああああああ!!」

「甘いです!」

な!?姫路さんが振り向きざまに優子さんの召喚獣を斬りつけた。あの大剣にあそこまできれいに切られたら、ダメージは相当なはず。

「!?」

なんだ?他の人は気づいてないみたいだけど、僕は明らかにおかしいことに気がついた。優子さんの腕輪が、秀吉の時で見たように、禍々しくて、黒い腕輪に変化していた。何か嫌な予感がする、ダメだ優子さん、それは使っちゃいけない!

「くっ、もう一回!(ポゥ」

優子さん自体が腕輪の変化に気がついていないみたいだ。腕輪がいつもと同じように光る。しかしそれはいつものような、光ではなく、黒く、まるで闇を表したかのような光だった。

 

ボゥウウウ!!

 

フィールドの下から、真っ黒の衝撃波が現れた。

「え?なんなのこれ!?」

前よりも大きく、威力がありそうな衝撃波だった。それが、一斉に姫路さんに向かう。

「制御できない!?」

なに!?制御ができない?そんなことあるの?

「キャア!」

真っ黒の衝撃波に包まれた、姫路さんの召喚獣が倒れる。

 

             総合  

  Aクラス 木下優子  VS  Fクラス 姫路瑞希

      1             戦死

 

あと一点か、かなり危うかったな。いや!違う、さっきまで2000以上点数があったんだ、それにダメージを受けてないのにこんなに点数が減っているわけがない!きっとあの腕輪だ。

「優子さん大丈夫!?」

「あれ?吉井君?よかった、いないのかと思った。それで?いつまでそっちにいるのかしら?代表?」

「「「「「だ、代表!?」」」」」

Fクラス勢が驚く。無理もない、何せ僕自身も驚いたから。

「この学校って採点ミスしくれるのか?」「ありがたい、なら来年はAクラスだ!」

い、言いたい放題言ってくれるね・・・。

「あら?吉井君はれっきとした代表よ?」

「「「「「それは、ありえない!」」」」」

「おい、お前ら表出ろ!」

あ、つい本音が。

「なら、国民主権のもとでは、天皇は日本国と日本国民統合の象徴であって、政治についての決定権を持たない。このような地位の天皇が、内閣の助言と承認を必要としておこなう、形式的・儀式的な行為はなんと呼ばれるか、答えてみろ」

雄二が僕に問題を出してくる。こいつ僕を馬鹿にしやがって、中学生レベルの問題じゃないか。

「どうした?やっぱ答えられないんだろ?」

「『国事行為』内閣総理大臣の任命などがそれに当たるね」

「く、正解だ」

「なら、13748×10は?」

これは、横溝君、かな?

「137480」

「・・・?」

「自分で、答えられない問題を出すな!あと×10の問題ぐらいは分かれ!」

「そういや翔子は!?あいつが代表じゃないのか?」

「本当に何も知らないんだな」

 

パンパンッ

 

優子さんが僕の言葉を遮るように手をたたく。

「とにかく、吉井君はAクラ・・・スの・・・だ、い・・ひょう・・・(バタッ」

「優子さん!?」

「おい吉井、お前いつから女子とそんな仲に?」「お前は血の鉄則を忘れたのか?」

「そんなことより早く!意識がない!」

「な、なんじゃと!?姉上!しっかりするのじゃ姉上!」

「まずは救急車を呼びます」

「おい!木下!」

西村先生が優子さんを抱えて、保健室へと運んでいった。すぐに救急車がきて病院に行った。本当はついていきたいけど、今は試召戦争中だからそうもいかない。

 

「秀吉、さっきの優子さんの腕輪なんだけど」

「うむ、ワシと同じ黒い腕輪じゃったな」

「うん。僕はあれのせいだと思うんだ・・・」

「お主もか」

「秀吉も?」

「うむ、あれは何か嫌な予感がするのじゃ」

「僕もそう思う」

 

あの、黒い腕輪。何か波乱を呼びそうな気がする。

 

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