変更点があります。とても面倒だとは思いますが、よろしくお願いします。
もし読まずに話を読み進めた場合、矛盾が生じます。すいません、あまりキャラが定まっていませんでしたので・・・
では4話を読んだ人はどうぞ!!
「いい風だねー」
秋風が吹く季節。僕らは昼休みに屋上に行った。
「大丈夫ですか?そんなところに座ってて」
「うん。そんなところにいたら危ないよ?」
彼は屋上のフェンスの上にいる。なかなかの風が吹いていて、万が一ということもありえる。
僕と姫路さんは、とりあえず降りるように促した。
「大丈夫だよー。落ちやしないって」
「でも・・・」
「わかったよ。降りるよ。アキ君、手を貸してくれ」
「うん」
そう言って彼は僕の差し出した手をつかもうとした。しかし神は残酷だった。
急に強い風が吹き始めた。彼は僕の手をかすめながら、僕の視界から姿を消した。
僕と姫路さんはすぐにすぐに屋上から下を覗いた。
そこには、まだ小学生の僕らには衝撃が強すぎるものがそこにはあった。
真っ赤に流れる大量の血と、動かなくなった彼の姿。
僕らはすぐに下に降りた。姫路さんはその場で気絶しかけていた。しかし
「大丈夫です。今から先生呼んできます」
と言ってくれた。彼女は強い子だ。
「分かった。」
と言い僕は今すぐ彼のもとへと向かった。
上から見たときはまだ正気を保っていられたが、近くで見るとその衝撃は計り知れなかった。
これが彼だとは思えなかった。ただの肉の塊のようだった。頭から落ちてしまったようだ。頭部からの出血がひどかった。体はぴくりとも動かない。そんな彼を僕は刺激を与えないように抱きかかえた。まもなくすると先生と姫路さんがやって来た。先生曰く救急車を呼んだそうだ。その怪我人を見ずに救急車を呼ぶなんてどうかしているとは思ったが、そんなのはどうでもよかった。一刻も早く彼を助けたかった。
先生の言うとおりすぐに救急車がやってきた。僕が抱きかかえているので僕が救急車へと運んだ。僕と姫路さん、そして先生が一緒に救急車に乗った。
救急車の中では医者が必死に蘇生をしていた。当たり前のことのはずなのにそれがとても嬉しく感じた。
隣で姫路さんが彼の名前を泣きながら呼んでいる。それは当たり前だ。しかし僕の目からは涙は流れなかった。ただやたら血だらけな彼を見て、やたら泣きながら、やたら彼の名を呼んでいる姫路さんに対して、僕は
「大丈夫、大丈夫だから」
と言い続けることしかできなかった。
病院につき、可動式のベッドのようなもので彼を運び出した。医者や、看護婦が「急患です!」と言いながら病院内を疾走している。追いついていくので精一杯だ。しかし姫路さんはまだ彼の名を呼び続けている。よくこの速さについていけるなとは思ったがそれどころではないのだろう。
「きゃあ!!」
「姫路さん!大丈夫?」
姫路さんが途中で追いつけなくなってこけてしまった。
「はい・・・、私は大丈夫です・・・。でもユウ君が・・・」
息を荒げながらしゃべっている。僕は姫路さんに手を差し伸べ、手術室まで向かった。
手術中と書かれた電光掲示板が赤く光っている。この中に彼がいる。
「ユウくんは大丈夫でしょうか・・・?」
「大丈夫だよ・・・きっと・・・」
それっきり会話はなかった。僕は赤く光る手術中の文字を見続けいつの間にか眠ってしまった姫路さんに上着をかけてあげた。そして僕もいつの間にか眠ってしまったようだ。
「はっ!」
どうやら眠ってしまったようだ。目の前には白い壁・・・壁?というよりは天井かな。いつの間にか仰向けになっていたのかな。
「あ、明久くん!やっと起きたんですね」
「あれ?姫路さん髪・・・伸びた?」
「何言ってるんですか?明久くんは体育館裏で急に倒れたんですよ?」
「?・・・・・・・・・!」
思い出した。そういや彼の名前・・・いや、彼女の名前がどうとからへんで気を失ったのか。
周りを見渡すと、ここはどうやら保健室らしい。
「明久くん?どうして泣いてるんですか?」
「え・・・・・?」
頬に手を当てると、確かにそこのつたる水が手に触れたのがわかった。
「ねぇ、姫路さん」
「はい?どうしました?明久くん」
「人が死ぬって悲しいんだね」
その一言で僕らの間にはしばらくの静寂が訪れた。
「アキ君?起きたの?」
保健室の外にはあの背の小さい女の子が立っていた。
「あ、まぁ今起きたばっかかな」
「そう・・・」
彼女は悲しそうなででも嬉しそうな顔をした。
「ねぇ今何時?」
僕がそう聞くと、彼女はすぐに時計を見て、
「もう7時だよ」
もう下校時間はとっくに過ぎているのか。それでは二人に悪いな。
「ごめんね?二人共、帰っていいよ」
「え?それじゃ明久君はどうするのですか?」
「ちょっと考えたいことがあるんだ」
「で、でもアキ君は・・・」
「二人共家族が心配するから早く帰ったほうがいい」
「僕に・・・家族がいたらね・・・」
「え?いないんですか?」
「うん・・・気づいたときにはもう。ま、わかったよ。帰ろっか、瑞希」
「それではさようならです。明久くん」
「うん、さようなら」
そして二人は申し訳なさそうに帰っていった。
「君も女の子なんだから早く帰ったほうがいい」
「ふ~ん、いいとこあるじゃない」
二人と入れ違いで入ってきたのは僕とクラスメイトとなった木下優子さんだ。
「さしずめ姫路さんを不良から守るためについて行ったってとこでしょ?」
さすがは優等生であり秀吉の姉だ。人を見抜く力は相当なものだ。
「アタシ達に教室に戻ってろと言ったのも同じね?」
「うん。流石は優子さんだね。適わないや」
「吉井君のせいでアタシがクラスをまとめてたのよ?」
「あぅ、ごめんなさい・・・」
「そんなのを聴きに来たんじゃないの」
「ふぇ?」
思わず変な声が出てしまった。
「Fクラスが試召戦争を仕掛けてきたわ」
「雄二か」
「ええ、一応代表がいないからって言っといたわ」
「雄二はきっと霧島さんが代表だと思っているよ?」
「その時には翔子もいなかったからそうでしょうね」
「向こうから明日1時にもう一度くるって言ってたけどどうする?」
「優子さんには悪いんだけど、代表の代わりっていって承諾してくれないかな」
「いいわよ」
「あれ?素直に聞いてくれるんだ」
「アタシに断る理由はないわ」
「ありがとう」
「じゃアタシはこれで」
それだけ言い残して優子さんは帰っていった。
「日向優希、小学生の頃に不慮の事故に遭い意識不明の重体になって、治すために大きな病院のある街に引っ越した。僕と姫路さんの大親友。」
僕は夢で見た彼を思い出していた。あの事故のせいだろうか、彼のことを・・・あの事故のことを思い出そうとすると頭が痛む。あの時ほどではないが今でもズキズキと頭がうなっている。
保健の先生はいない。僕はとりあえず痛む頭を抱えて職員室へと向かった。保健の先生は今日は出張でいなかったらしいので近くの先生に帰りますとだけ告げて、家に帰った。
そこから家に帰るまでは、誰とも会うことはなかった。家に帰ってからも一人だった。
昔は家に帰ったら出迎えてくれる人がいた。姉さんも母さんも父さんも。でも今はみんな海外でここにはいない。僕は孤独だ。あの事故以来すべて友達をなくした。もう僕には何もない、あるのは無駄に良くなったこの頭と体だけ。
「そんなことないよ」
「!?」
後ろで声がした驚きつつもすぐさま後ろを振り返ると、
「やっほー」
彼・・・いや彼女がいた。