東方project~ほんとはただ寝たいだけ   作:真暇 日間

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 連続投稿十九話目です。



03~吸血鬼は進み続ける

 

 魔法少女になるための道~Step1~

 

『まずは魔力を感じてみよう』

「これ?」

『うんそれ。はいStep1終わり』

「早くない!?」

『魔力の使えない人間用だからなぁ……』

 

 Step1~完了!~

 

 

 

 魔法少女になるための道~Step2~

 

『魔力の流れを作ってみよう!』

「できた!」

『うんできてる。はいStep2終わり』

「だから早いよね!?」

『魔力を使えない吸血鬼ってどうよ?』

「……いないね」

『つまりそう言うこと。大概の人間は魔力の関知で挫折するんだから才能あるって』

「……吸血鬼的には?」

『知らね。この世界の吸血鬼に知り合いなんていないし』

「それもどうなんだろうなぁ……」

 

 Step2~完了!~

 

 

 

 魔法少女になるための道~Step3~

 

『魔力で術式を使ってみよう!これには相性もあるから色々用意してみたぞ』

「わーい!」

『じゃあ実行だ~』

「おー!」

 

 ~五秒後~

 

『……よし、まずは加減を覚えるところからにしようか。この威力だと次は死にかねん』

「……うん、そうする」

 

 Step3~微妙に失敗!(敗因:込める魔力が多すぎて自爆)~

 

 

 そんなこんなで私の問題点がわかったので、それから直していきたいと思います!

 

『……と言うことで、まずは魔力の制御と操作を覚えようか』

「はーい!……でも神様? どうすれば制御なんてできるのかな?」

『気合』

「気合!?」

『気合でできるよ!』

「……え、ちょっと待って……冗談……じゃ、ない……の…………?」

 

 いつもなら嘘をついたらすぐに『なんちゃって♪』と言ってくれるはずの神様が、笑顔を浮かべながらそう言ってくる。

 ……え? ちょっ……ほんと?

 

「……?」

『……!』

 

 なんだかすごく真顔で頷かれたよ!? え!? ほんとに!?

 

『……ちなみに気合でできることはできるけど、感覚派と理論派で分けたうちの理論派には合わないらしいね。吸血鬼とかは基本感覚派らしいけど』

「そうなの!? ……わかった、やってみる」

『だがあえてここは理論的に……人間的に行こう。できれば両方できるようになりたいね。その方が後々楽になるから』

「できた!」

『できてるし……まあ、感覚的にできてるならそれを理論的に実行してみようか。できるようになると無駄が減って術式を作る時はともかく使う時には負担も減るし、魔法少女をやりながら錬金術師の真似も趣味でできるようになるからな。『できない』のと『できるけどやらない』の差はでかいぞ?』

「……はーい」

 

 神様の言うことだけど、ちょっと面倒くさいなぁ……。

 

『ちなみに細かい調節ができるようになって魔法を家事に使えるくらいになると、召喚魔法と最古の錬金術たる料理を合わせてプリンが作れるようになt』

「やる!」

『一名様ごあんなーい』

 

 ……ハッ!? ゆ、誘導されたっ!?

 

『よーし、方向を決めたところで今日はここまで。おやつのプリン・ア・ラ・モードといこうか』

「やったー!」

 

 ……もう誘導されててもいいや。ぷーりん~♪ ぷーりん~♪ あっらもーど~♪

 

『錬金術を覚えたら料理も基本できるようになってるだろうから、その時には一緒に作ってみるってのもいいかもな』

「ほんとに!? やった!」

 

 神様の言葉にわくわくする。こんなに未来が楽しみになったのは、いったいいつ以来だろうか。

 この地下深くの部屋に閉じ込められて、一日に一度も月を見上げることができなくなって、誰かを呼んでも返事が来なくなってから……

 

『できたぞー』

「きたー♪」

 

 そんな細かいことよりプリン!今の方が大事だよね!過去の事は過去の事で今さらどうこうできるわけでもないんだし、過去は過去として教訓にはするけど引きずったままにするのはよくないもんね!魔法少女を目指すなら余計にそうらしいし!

 

『と言うか生きていくに当たって充実した一生を送るための最低条件なんだけどな。人間でも人間以外でも、この世が最悪だと思ってる奴は大概過去の思い出とわかりもしない未来の妄想しか見てない奴ばっかりだからな。過去は過去、未来は未来、手の出し用の無い時間の先にあるんだから、過去のことから現在を考えつつ、未来をより良くするために行動するのが一番だと思うぞ』

「私もそう思う!」

『そうかい?』

 

 ことりと軽い音がして、小さなテーブルとプリンの入った器、それにスプーンが現れた。

 

「いつ見ても神様のそれはすごいねー……神様ってなんの神様なの?」

『破壊と破滅と殺戮と戦争』

「プリンに関係するところが一つもないよ!?」

『……と、睡眠』

「結局関係ないよね!? あ、いただきます」

 

 カラカラと笑う神様だけれど、どうも嘘ではないらしい。私とほとんど同じことしかできないはずなのに、どうしてこんな美味しいプリンを作れるんだろう?

 

「神様って、よくそんなものを司ってるのに美味しいプリンとか作れるよね」

『殺しすぎたら神格化しただけで元は人間だからなぁ……元々できたことまでできなくなることはないよ。壊す方が得意だけども作る方が好きだし』

「……え? 元人間なのに神様になれるの!?」

『猿がなれるんだ、人がなれない理由は無い』

「……それもそう……なのかな?」

 

 神様と話してると、時々自分だけじゃなくて世界の全てが小さなものでしかないような気がしてくる。まだまだ大した時間一緒にいる訳じゃ無いけれど、そう思う。

 

『その感覚を大事にしていれば悟れるかもな』

「本当?」

『知り合いにそれを極めすぎて菩薩になった奴がいるからな。可能性があることは間違いない』

「へー……すごいねぇ」

『すごいよな。まあ、本人はさっさと菩薩やめて自堕落にツッコミしてるけど』

「自堕落なツッコミってどう言うのだろう……見てみたい気もするようなそうでもないような……ごちそうさま」

 

 プリンはあっという間になくなってしまった。少しだけ血を混ぜて吸血鬼でも美味しく食べられるようになっていると言うプリンはたしかに美味しかった。

 

『ちなみにそれに使った血はヨシュアの聖痕から流れたやつを貰ったものだから、食べ続けてると神聖活ができるぞ』

「さっきからなんだか身体が熱いと思ったらそのせいなの!?」

『痛くはないと思うが……?』

「うん痛くないどころかすごく気分が良いし狂気とか暫く旅行に行っちゃってる感じだけどちょっと待って!?」

 

 キリスト教の救世主の血を使ったプリンって……それほんとどうなの!? 悪魔としてほんとどうなの!? と言うかこの場合どっち!? 『神聖なものに触れてダメージ』と『救世主の血を罰当たりに使ったから回復』のどっち!?

 

『お嬢ちゃんに『永続神聖属性』がついて終了。邪悪な悪魔でありながら神聖な神様であると言う矛盾を体現した存在になれるよ』

「邪神ってこと?」

『いや、別に邪神でも悪神でもなく……あれだな、和魂と荒魂の二面性を持つ神になれるんじゃないかと思うぞ。元が元だしキリスト教圏に入るだろうってのは仕方ないだろうが、主神の直系の子供である救世主の血を得て天使になるか、あるいは悪魔としてさらに強化されるかはお嬢ちゃん次第だろうな』

 

 神様の言う話は時々よくわからない。ニギミタマとアラミタマってなんだろう?

 

『和魂は主に正の側面。海神で言えば豊漁や海難除けなんかがこれにあたる。荒魂は逆に負の側面だ。今言った海神で言えば津波や大時化、不漁なんかだな』

「……同じ神様の話だよね?」

『そうだな。怒り狂い周囲に害をなす神の側面は荒魂、周囲を治める神の側面は和魂って覚え方でいい』

「ふぅん……」

 

 神様の話でよく分からないのがこれ。どうも神様の思い描く神様像と、私の思い描く神様像はあまり共通しないらしい。神様が世界を荒らし、神様が治める。まるで人間の王みたいだと思う。

 

『一神教のはわかりにくい概念かもなぁ……まあ、それより練習だ。俺も久し振りに色々やってみるから、お嬢ちゃんも頑張りな~』

 

 そう言って神様は掌の上に小さな光の玉を作り上げた。私も、ちゃんとできる限りやってみようと思う。

 

 私はすとんとその場に座り、今まで感覚的に当たり前のように使い続けてきた魔力に向き合った。

 

 

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