ネプテューヌEX ~とある青年のエクスペリエンス~   作:S・TOM

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一か月以上も間が空いてしまった…本当に申し訳ない。

作中に登場する「プラネテューヌ特命隊」のメンバーを募集してます。
人数制限は15~20人。1人2キャラまでです。
募集内容は下記のとおりです。
・容姿
・服装
・性格
・武器
・戦闘スタイル
・生い立ち(なくとも可)
物語のストーリー上、女神より強いというのは無しでお願いします。

それでは本編へ――


第13話 魅せる黒姉妹

研究所からラステイションに繋がる隠し通路はきつい物だった。地面がデコボコになっており、見通しも悪い。俺達11人はネプギアが持っている『Nギア』で現在位置を確認し、ラステイションへの道を辿っていた。

 

「ねぷぅ、疲れたよ~」

 

デコボコした道に嫌気が差したネプテューヌはそう言って岩に座り込む。俺だってそう思う。戦いには慣れているが、こういう不安定な場所を歩く事には慣れていない。

 

「わ、私も疲れました……」

 

「もう動けないです」

 

「……さすがにきついわね」

 

ネプテューヌと同じくネプギア、コンパ、アイエフも疲れ果てていた。研究所の奴らはこんな道を往復していたのだろうか。

 

「何よ、もう疲れたの? 情けないわね」

 

疲れ果てたネプテューヌ達を見たノワールは呆れた様に言うが、ノワールの方も息を切らしていた。ネプテューヌと比べるとまだ体力がありそうに見えるが、それでもこのきつい道を歩けるとは思えなかった。

 

「研究所を調べるだけのはずが、まさかこんな事になるなんてね」

 

エリナの言う事は尤もだ。本来俺達は研究所を調べるというだけでこの場所に来ていた。それはネプテューヌ達も同じだ。しかし周囲にロボットが徘徊していた事や、ラステイションへの隠し通路があるとは思ってもみなかった。特に隠し通路はノワールにとっても想定外だ。見る限り落ち着いてはいるものの、心の中では動揺しているだろう。

 

「このきつい道を隠し通路にするとは……いや、このきつい道だからこそ隠し通路にしたのか」

 

そう推測するトレビスに疲れは見えなかった。この中で一番体力があるのではないか。諜報員になって日は浅いと言っていたが、前はどんな仕事をしていたのだろうか。

 

「ネプギアぁ~俺達、どこまで進んだんだ~」

 

デビッドがすがるようにネプギアに聞く。ネプギアはNギアを取り出し、現在位置を確認する。

 

「えーと……ちょうど半分までですね」

 

「えぇ~まだ半分なのかよ」

 

半分まで進んだという事を聞いたデビッドは嫌になって、比較的平坦な地面で大の字になって寝っ転がる。

 

「ひとまず、ここで休みましょう。この有様じゃあラステイションに行く事なんてできないわ」

 

「……そうね、私としてはさっさと行きたいんだけれど」

 

アイエフの意見に賛成し、俺達は休む事になった。今のネプテューヌ達の様子だとあと半分、この道を歩く事は無理だ。ノワールは不満そうな顔をしていたが、仕方なくここで休む事にしたようだ。

 

「パープルハート様、大丈夫ですか?」

 

早速エリナはネプテューヌに駆け寄り、持っていたハンカチで汗を拭く。

 

「おぉ、ありがとう! 私の事を心配してくれるなんて、エリナってやさしいんだなぁ~」

 

ネプテューヌに褒められたエリナは顔を赤くして俯いた。憧れの女神に褒められたから照れてるな。

 

「エリナさん、ねぷねぷに褒められて嬉しそうです」

 

その様子を見ていたコンパが呟いた。よく見るとコンパだけではなく、ネプギアとアイエフもエリナの方を見ていた。

 

「研究所を出てからずっと付きっきりね。どうしてなのかしら?」

 

「……私もお姉ちゃんに褒められたいな」

 

ネプギアはともかく、アイエフの言う事には同意する。ネプテューヌが女神だと知ってからエリナは、憧れの女神に付き添う形でこの道を歩いていた。言動から女神を慕っている事は分かるが、エリナのは単なる憧れじゃなさそうだな。

 

「ネプテューヌさん、すごいなぁ……」

 

ネプギアの隣にはいつの間にかユニが座っていた。ごく自然に座っているって事は仲は良いのだろうか。

 

「お前達、大丈夫か?」

 

トレビスが心配そうに声を掛け、アイエフ達に近づく。声を掛けられた四人はトレビスを見ると驚いた表情になり、トレビスから逃げるように遠ざかった。

 

「…………」

 

反射的とはいえ、アイエフ達に避けられてしまったトレビス。トレビスはアイエフ達が座っていた所に水を置くと岩に座り込み、頭を抱えてしまう。そしてその周りには黒いオーラが放たれていた、様な気がした。

 

「何で俺は避けられるんだ何で俺は怪しまれるんだ俺の何がいけないんだ――」

 

「わぁーーっ!! トレビスさん落ち込まないでください!」

 

「そうです、トレビスさんは嫌われてなんかいません!」

 

「さっきのは謝るわ、だからしっかりしてちょうだい!」

 

罪悪感を感じた三人は必死になって呟き続けるトレビスを宥めようとし、逆にユニは戸惑ってしまう。出発する時には立ち直ってるといいが。

 

こうして賑やかなプラネテューヌ勢とは反対に、ノワールは静かに休んでいた。……寂しそうに見えるのは気のせいか?

 

「なぁ、ノワール」

 

「結局呼び捨てなのね……何よ?」

 

俺が呼びかけるとノワールはこちらを振り向いた。

 

「ネプテューヌとは友達なのか? 本人はそう言ってたけど」

 

そう質問するとノワールはこくりと頷いて答える。

 

「ええそうよ。時々プラネテューヌの教会に遊びに来たり、一緒に買い物したり……後四人でお茶会した事もあるわ」

 

「四人? ネプテューヌとノワールの他にも誰かいるのか?」

 

「ブランとベールよ。二人も私と同じ女神なの。ブランが『ホワイトハート』、ベールが『グリーンハート』って言えば分かるわね」

 

ホワイトハートにグリーンハートか……俺はその言葉を思い浮かべ、考える。たしかルウィーと……レーンブックスだったか? そういう名前の国の守護女神だったような気がするな。というか――

 

「ずいぶん素直に答えるんだな。さっきは否定していたのに」

 

「それはそうよ、疲れて否定する気も……」

 

そこまで言いかけるとノワールは顔を赤くし、俺の顔を凝視する。

 

「って、何を言わせてるのよ貴方はーーっ!?」

 

ノワールの悲鳴に近い絶叫が大空に響いた。ああ、元気じゃないかノワール。

 

――――――――――――――――――――――

 

しばらく休んだ俺達は再びラステイションへの道を歩きはじめた。さっきよりはマシだが、相変わらず歩きにくい場所だ。ここまでの間、俺やネプテューヌが足を滑らせ転びそうになった事がある。もし転んで怪我でもして、モンスターにやられるなんて事があったら笑えないな。

 

「も、もうすぐラステイションだ~」

 

くたびれていたデビッドは目の前にラステイションが見えて安堵する。

 

「おお、やっとラステイションが見えた! さっさと行ってダラダラさせてもらおうかなぁ」

 

「なに私の国でグーダラしようとしているのよ! そんなの私が許さないわよ」

 

ネプテューヌのサボり発言にノワールがツッコんだ。他国に入り込んでダラダラするなんて図々しいな……これも友達だからなのか? そもそも俺達は調査するために来たはずなんだが……そう思っていると前方から何かが俺達へと駆け寄っていた。あれはモンスターだ、しかも数体。

 

「ねぷっ、こんなタイミングでモンスター!?」

 

やっと休めると思っていたネプテューヌは驚いてしまう。見るとモンスターの筆頭にはフェンリルが二体いた。

 

「あれは危険種じゃない! これはちょっとまずいわね」

 

筆頭にいるフェンリルを見てアイエフは危惧する。一体だけなら倒せるが、二体となると倒す事は困難になる。二体のフェンリルの他にモンスターがいるのなら尚更だ。

 

「なに弱気になっているのよ。あの程度のモンスター、私達二人で十分よ」

 

ノワールはモンスター達の群れを見て、余裕綽々に言い放つ。二人……ノワールとユニか。

 

「えっ? のわ……ブラックハート様、倒せるんっすか?」

 

「倒せるに決まってるでしょ。伊達に女神やっていないわ」

 

デビッドの疑問にノワールは自信満々に答える。それは楽しみだ。

 

「さぁユニ、ここで私達の力を見せてやるわよ」

 

「うん、分かったわ!」

 

ユニは頷くとノワールと一緒にモンスターの群れの前に立つ。二体のフェンリルは前に出てきた二人を警戒し、唸り声をあげる。フェンリルの後ろにいるモンスター達も同じく唸り声をあげ、二人に敵意を向けていた。ものすごい迫力だ、見てるこっちにも行き届いている。しかしモンスター達の発する威嚇は何ともないのか、二人は平然としており、光の中へ包まれていった。

 

「何だ、あの光!?」

 

そう思っているのも束の間、光は消えて二人は違う姿になって出てきた。ノワールの方はツインテールにしていた髪が解かれ、白いストレートになり、ユニの方は黒のツーサイドアップから白のツインドリルに変わった。また二人とも服装が黒のレオタードに変わっていた。

 

「おお、ブラックハートにブラックシスターだ!」

 

変身した女神と候補生を見てデビッドは驚いた。今の口振りを見るに、候補生の事も知っているのか。

 

「変身完了っと……ラステイションの女神の力、見せつけてやるわ!」

 

ノワール、今はブラックハートは大型のソードを振り下ろすと、ブラックシスターと一緒にモンスターの群れに突入していく。モンスター達はフェンリルの吠え声を合図に、二人の女神へと駆け出した。ブラックシスターは銃を構えて、向かってくるモンスター達に狙いを定めて射撃する。銃弾を受けたモンスターは吹っ飛ばされ、粒子となって消えていった。そしてブラックハートは銃弾を逃れたモンスター達との距離が縮まると、モンスター達に攻撃を仕掛けていく。まず襲い掛かってきた二体のモンスターを一振りで倒し、ワンテンポ遅れて突撃するモンスターを蹴り上げる。さらに追い打ちをかける様にブラックハートは空中へ飛び、打ち上げたモンスターを群れにぶつける様に叩き落とした。地面に叩きつけられたモンスターは同胞を巻き添えに、粒子となって消えていった。着地したブラックハートは休むことなくモンスター達へと駆け出す。モンスター達もブラックハートに攻撃しようとするが、ブラックシスターの援護射撃によって阻まれる。反撃の暇を与える事なく、ブラックハートは次々とモンスターを倒していった。

 

「おいおい、あんなにいたモンスターがこんなにも早く……」

 

ラステイションの女神の力、恐るべし。俺にはできない豪快で軽快な動きだ。ブラックシスターことユニの射撃もそうだ。正確に、そして素早く照準を定めてモンスターを倒している。なんて素晴らしいんだ。女神がこれだけ強いとなると、ホワイトハートとグリーンハートとも是非会ってみたくなる。

 

ノワール達の活躍に感嘆していると生き残ったモンスターが標的を俺達に変え、襲い掛かる様に駆け出した。

 

「ねぷぷっ!? こっちに来たぁ!」

 

ネプテューヌの叫ぶ声に反応し、エリナは一瞬で剣を構え前に立った。モンスター達は立ちふさがるエリナに飛び掛かろうとしたが、額に風穴が空き、宙に浮いたまま消えていった。

 

「大丈夫か、エリナ」

 

倒したのはトレビスだった。硝煙を噴き上げる拳銃を降ろして俺達の方に向く。

 

「たった一丁であっさり倒しやがった……俺だったら二丁持ってもできねぇよ」

 

トレビスの射撃の上手さにデビッドは唖然としていた。早撃ちで、それも全て急所に当てて倒したのか。

 

そんな事に気を取られていると、もうすでに二人の女神と二体のフェンリルの戦いが始まっていた。フェンリルが繰り出す爪や牙を余裕でかわす女神。それを見るだけで力の差がある事がわかる。攻撃を全てかわしたブラックハートの反撃を食らったフェンリルは大いに怯み、虹色に輝くソードで斬られ倒された。もう一匹の方はブラックシスターの翻弄する様な動きと一方的な銃撃で手も足も出ずにいた。銃撃が止み、フェンリルは反撃しようとしたがその考えが浅かった。

 

「遊びは終わりよ!」

 

ブラックシスターはそう言い放ち、銃口から特大ビームを撃ちだす。撃ちだされたビームはフェンリルを押し、空高くまで飛んでいき、爆散した。

 

危険種のフェンリルも女神に掛かれば敵ではない。俺はノワールとユニの戦いっぷりを見てそう確信する。ラステイションの女神の力、この目でしっかり見させてもらったぜ。ノワール達は変身を解いて俺達の方へ振り向く。

 

「ゲイムギョウ界一の国、ラステイションへようこそ。女神である私、ブラックハートが直々に案内してあげるわ」

 

ラステイションの守護女神は、誇らしげな声でそう言った。

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