ネプテューヌEX ~とある青年のエクスペリエンス~ 作:S・TOM
アイエフとネプテューヌ、そして『ネプギア』と協力する事にした俺は洞窟の中を進んでいった。
「なぁ、アイエフ。お前はさっきここにモンスターが集まっているって言ってたな。どこでそれを?」
「そういえば言ってなかったわね。私はプラネテューヌの諜報部員なのよ。だからそういう情報はお手の物ってわけ」
諜報部員か、なるほどな。それを聞いた俺はさらに質問する。
「原因は? その事がわかるんなら、原因の方も分かりそうなもんだけどな」
「これから調べるところよ。……正直言って、まだ分かってないのよ」
「調べてる途中でモンスターにやられちまうからか?」
俺の問いにアイエフは首を縦に振る。
「そうか……そうだな」
「ねぇねぇ、カイトって凶暴化したモンスター倒したんだよね? その時の様子ってどうだったの?」
ネプテューヌが凶暴化したモンスターと戦った時の事を聞いてきた。
「戦った時か……まず素早かった。戦ったモンスターは馬鳥だったんだが、俺に気づいた馬鳥が目に見えない速さで襲ってきたんだ」
「ええっ! そんなに速いの!?」
それを聞いたネプテューヌは驚愕してしまう。
「目に見えないほど……そこまで速いなんて」
「ああ、そして攻撃も痛かった。俺はなんとか攻撃したんだが、それを物ともしない馬鳥の攻撃を喰らっちまった。それはもう立つのがやっとなぐらいな威力だった」
俺の話を聞いている間、ネプテューヌ達の言葉は出なかった。
「あんた、よくそんなモンスターを倒したわね」
「最後は馬鳥が攻撃する瞬間を狙って倒したんだがな。あれは賭けだった……」
喋る終えた俺はさっさと気分を切り替える。
「まあ、そんなわけで俺は凶暴化したモンスターを倒したんだ。遭遇したらどんどん頼ってくれよな」
「その自信はどこから来てるのかしら?」
自信満々な様子をアイエフに突っ込まれる。……何なんだその目は。(「私の台詞、一つもなかった……」 byネプギア)
そうして洞窟の中を進んでいくと、兜とクローを付けた小動物の様なモンスターが数体現れた。
「あれは『チンピラキャット』か。変なところは無さそうだな」
「凶暴化はしてないだろうけど、明らかに私達を狙ってるわね」
アイエフの言うとおり、モンスター達は俺達に敵意を向けていた。
「なーんだ。凶暴化してないんなら怖くないよーだ!」
ネプテューヌは前にいた俺達を飛び越すと、剣を具現化させて構える。
「行くよ、ネプギア!」
「うん、お姉ちゃん!」
ネプギアも剣を具現化させて、ネプテューヌと一緒にモンスターに向かっていく。
「そいやー!」
ネプテューヌはチンピラキャットの攻撃をかわして斬る。そして襲い掛かってくる数体のモンスターを一振りで倒す。
「お姉ちゃん、後ろ!」
対するネプギアも姉に背後から攻撃しようとするモンスターをすばやく倒す。
「おお、ナイスだ我が妹よ!」
二人は次々と出現するモンスターを難なく倒し続ける。その軽快な戦いぶりに俺は驚くと同時に、うれしい気持ちになる。
「あいつら、中々やるじゃねぇか。見てるこっちも楽しくなってきたぜ」
「そんな事言ってる暇があるんなら、あんたも戦いなさいよ」
俺にそう言うと、アイエフは二本のカタールを取り出しモンスター達の方に向かう。それに気が付いた数体のモンスターがアイエフに襲い掛かる。
「邪魔よ!」
アイエフはモンスターの攻撃を次々とかわし、カタールで攻撃して倒す。
ネプテューヌ達の方を見ると、一体のチンピラキャットがそっとネプテューヌに近づいていき、攻撃の態勢に入っていた。
「ねぷっ?」
ネプテューヌが気づくも遅し、チンピラキャットの鉤爪がネプテューヌに向かって振り下ろそうとしていた。
「――させねぇよ」
俺はチンピラキャットの鉤爪が当たる寸前に蹴りを入れ、怯んだ隙に剣でチンピラキャットを斬る。
「もう少し、周りを警戒した方がいいぜ?」
「あはは、そうだね」
俺達は少し喋った後、モンスター達を片付けて行った。
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それから数分、俺達は大勢のモンスターを倒し終えていた。
「ふぅ~やっと終わったよ」
ネプテューヌはそう言ってへたり込む。
「ここにいるモンスターは全部倒し終えたわね。……けれども」
襲ってきたモンスターに凶暴化しているのはいなかった。その事にアイエフは疑問に思っていた。
「だから言ったでしょ? 凶暴化したモンスターなんていないよ。さっさと帰ろ?」
「……いないと困るんだよな」
凶暴化したモンスターがいない事に愚痴る。
「そういえば、あんたはクエストのためにここに来たんだったわね」
その通り、俺は討伐のクエストを受けこの洞窟に来た。倒してないとなるとクエストを達成できないし報酬も貰えない。
「もうどこかに行ったのではないでしょうか? どこか別の場所に……」
ネプギアがそう推測する。
「いや、まだ洞窟は続いている。きっとこの奥に――」
すると洞窟の奥から何かが俺の方に向かってくるのが見えた。俺はすぐさま剣で弾いた。
「……えっ?」
他の三人は何か起こっているかを理解できてないようだ。当然だ、三人には『見えなかった』のだから。
「やっぱりな。いるぞ、モンスターが」
三人は俺が指す方向を見ると、一体の狼のモンスターがいた。
「あれは『フェンリル』? やっかいな相手ね……」
「しかし何あのモンスター!? なんだかヤバい雰囲気出てるよ」
異様な雰囲気を出すモンスターの見て三人は焦り始める。
「もしかして、凶暴化している?」
ネプギアの言う通りだ。奴はさっき、俺に攻撃してきた。それも目に見えない速さで。
「気を抜いたら……間違いなく死ぬな」
俺の発言にネプテューヌはさらに焦ってしまう。
「ええぇぇっ!? 私死ぬの? 死んじゃうの? そんなの嫌だよ! まだクリアしていないゲームたくさんあるのに!」
「落ち着きなさいねぷ子。もうこうなってしまった以上、戦うしかないわ」
そんな会話はお構いなしに、フェンリルは雄叫びを上げる。
一瞬でも油断したら死ぬ。そんな過酷な戦いが始まろうとしていた。
凶暴化したモンスターは強すぎる。
書いててそう思いました。