オリジナルなしで進めようとしているからだろうか?
もうひとつの方もオリジナルなしにしようかな。処女作の上、見切り発車でオリジナル展開はつらいです。
まぁ、ひとまずそれは置いといて、今回も楽しんでいただけると幸いです。
透き通るような金の髪と、ルビーのような宝石を連想させる赤い瞳を持つ優しげな雰囲気の少女-フェイト・テスタロッサ・ハラオウンは困っていた。
「……」
「えへへ~」
自分の左腕を見るとそこには自分の左腕に抱きついている真っ白い少女。その表情はとても嬉しそうな笑顔を浮かべている。
フェイトはそれを眺めながら、どうしてこうなったんだろう、と思いを馳せていた。
フェイトはこの日、執務官として大量殺人事件の調査に来ていた。
事件が起こった街は犯罪者が蔓延る禁止区域と、一般人が住む一般区域に分けられている街だった。事件が起きた場所はこの禁止区域と一般区域の境界だった。それを一般区域の人間が発見したのだ。死んでいたのは全員犯罪者だったとはいえ、その死体の量が量だけに危険だということで時空管理局に通報された。あたり一面が血と肉で真っ赤に染まっていたのだ、通報した人も、しばらくは眠ることもできなくなったらしい。
フェイトはこの事件を調査するためにこの街を訪れたのだ。フェイトはしばらく街を歩き回り、街の人々に事件のことや事件が起こってからの街の変化などを聞いていた。分かったことは、1つ、犯人は一般区域の人間には手を出していないこと。2つ、まだ殺人は続いていること。3つ、少しづつ事件が起きなくなってきていること、である。
フェイトは公園のベンチで食事をしながら調査結果を整理していた。次は禁止区域に行ってみようと今後の方針を決めて食事に専念しようとしたとき、フェイトはこちらをじーと見ている真っ白い少女に気づいた。
「……」
「……」
しばらく白い少女を見ていたが相変わらずじーとこちらを見てきていた。
「な、なにかな?」
フェイトはその視線に耐えられなくなり、少女に問いかけた。
「……」
しかし少女はその言葉に反応せず、ただじーとこちらを見てきているだけだった。
ここでフェイトは気づいた。少女の視線が自分でなく自分の手元に向いていることを。その手には昼食であるサンドイッチ。試しにフェイトはサンドイッチを左に移動した。
「……」
それに伴い左に移動する少女の視線。
次は右に移動した。
「……」
すると、またそれに伴い右に移動する少女の視線。
動きを止めると、少女の視線も止まり再びじーと自分の手元を眺めていた。
「……」
「え、と。た、食べる?」
「いいの!?」
フェイトは視線に耐えられずに、少女に新しいサンドイッチを差し出しながら聞いてみた。すると少女は笑顔を浮かべながら、もの凄い勢いで迫ってきた。
「う、うん。はい、どうz」
「いただきまーす!!」
その勢いに驚きながらも、どうぞと言おうとすると、その前にサンドイッチは少女の口の中に消えていた。そして再びこちらを見てくる少女。
「……」
「ど、どうぞ」
フェイトがランチボックスを向けると、少女は笑顔を浮かべながら食べ始めた。ランチボックスが空になると、少女も満足したのか笑顔を浮かべていた。
「飴舐める?」
「舐める!」
即答する少女に苦笑しながらフェイトは飴を少女に渡した。また嬉しそうな顔をして飴を舐め始める少女。フェイトはそれを眺めながら、そろそろ調査を再開しようかなと思い立ち上がった。
「お姉さん、どこ行くの?」
「仕事に行くの。じゃあね、お嬢さん」
そのまま歩きだそうとすると、左腕に何かが絡みついてきた。視線を向けるとそこには先程の白い少女。どうかしたの?と聞こうとしたが―――
「ボクも一緒に行く!!」
その前に答えが帰ってきた。
―――懐かれた。
フェイトはそう思った。
ここで最初の状況に戻るのである。
■■■
フェイトも、もちろんされるがままではなく一度少女を引き離そうとしたのだ。しかし少女はその瞬間泣き出しそうな顔をしてしまった。フェイトは焦りながらも少女を自分の腕に抱きつかせて事なきを得た。
この白い少女-アンナというらしい-にフェイトは引っ張られて禁止区域に向かっていた。フェイトが聞くくらいなら大丈夫かな?と思い少女に禁止区域の場所を聞いたのだ。
「ボクが案内してあげるよ!」
返って来たのはそんな言葉。フェイトはここで失敗を悟った。フェイトは焦りながら犯罪者がいて危険だからと何度も説得を繰り返した。
「大丈夫だよ。ボク強いんだよ、いままで誰にも負けてことないもん!」
そう言ってアンナは全く話を聞いてくれなかった。
そんなこんなしているうちに禁止区域の境界付近まで来てしまい、このままではマズイとフェイトは思い強引にでもアンナを置いてくることを考えたときに声が聞こえた。
「兄貴、見てみろよ!!すっげぇ美少女がいるぞ!!」
「どれ、俺にも見せてみろ!」
声が聞こえる方へアンナを隠しつつ振り向くと、二人の筋肉質な男が現れた。
「兄貴どうする!?」
「あぁ決まってんだろ?着ぐるみ剥いで、マワしてポイだ!いや、ここまで上玉だとしばらく飼ってもいいかもしれねぇな!!」
ぎゃはははは、と下品な笑い声を上げながらフェイトのことを話す二人の男。フェイトはその話の内容に眉を顰めた。
そして兄貴と呼んでいる男はフェイトの後ろにいるあんなに気が付いたのか、兄貴に話しかけ始めた。
「兄貴、後ろにもう一人いますぜ!こっちも上玉だぁ!!こっちも俺らで飼っちまいましょうぜ!!」
「あぁ!?どれどr…」
フェイトがアンナに逃げるよう言おうとしたが、突然兄貴と呼ばれる男は驚愕を顔に浮かべて震え始めてしまった。
「兄貴?どうしたんです?」
「……」
もう片方の男もそれに気づいたのか、訝しげに聞いたが兄貴と呼ばれる男は震えながら後ずさっていくだけだった。
「……るぞ」
「へ?」
「もたもたするな!!逃げるぞ!!」
兄貴と呼ばれる男がそう叫んだ瞬間―――
「あは、あははは、あははははははははは!!!」
狂ったような笑い声が周囲に響き渡った。
■■■
その声の発生源はフェイトの後ろの少女アンナだった。
アンナは怯えている男二人を見ながら口を開いた。
「剥ぐ?お姉さんを?飼う?僕を?あは、あはははははは!!やれるもんならやってみろよォォォォおおオオおお!!!」
その叫び声を聞いて思わず萎縮するフェイトと男二人。
「ヒッ!?た、助けてくれ!?」
「な、何言ってんすか兄貴!?確かに雰囲気は異常だけどガキじゃねぇすか!?」
フェイトに助けを求める兄貴と呼ばれる男に、もう片方の男が信じられないと言うように話しかける。
「バカ野郎!!あの白いのは【狂獣】だぞ!?」
「っ!?狂獣って、あの俺たち犯罪者を一夜にして大量に殺した奴ですか!?」
その言葉を聞いてフェイトは驚愕した。自分が調査していた犯人が自分のすぐ近くにいるのだ。犯人が10歳ぐらいの少女であることも驚きだった。フェイトが男二人に事情を聞こうとしたがそれは遅かった。
―――次の瞬間、兄貴と呼ばれた男の首が飛んだのだ。
兄貴と呼ばれた男の首は驚愕の表情を浮かべたまま地面に落ちた。それを呆けたように眺めるフェイトともう片方の男。
「あぁやっぱり君にも無理だったね。み~んな、そうなんだよ。出来もしないくせに売っぱらうだの、飼うだのと大声で叫ぶ。あのときもそうだった、僕が始めてここに来たとき。あの時も僕を囲みながら皆同じことを言っていたよ。それで出来るかどうか試してあげたらみんな死んじゃった。ねぇ君はどうかな?君なら出来るかい?」
そう言いながら体を震わせている男に近づいていくアンナ。その手にはどこから出したのか大きなナイフを持っていた。
「ひぃ!?来るな、来ないでくれ!?あ、あんた助けてくれ!!」
フェイトに助けを求める男の姿を見てアンナは残念そうに口を開いた。
「君も無理みたいだね。それじゃ、ばいばい」
そう言ってアンナはナイフを振り落とした。
―――が、突然人影が割り込みアンナのナイフを受け止めた。
それはバルディッシュを構えたフェイトだった。
「やめて、アンナ」
「どうして?そいつ敵だよ。敵は殺すものでしょ?」
フェイトの制止に、アンナは理解できないとでも言うように聞いた。
「敵でも人殺しをしていい理由にはならない」
「でも殺さない理由もないでしょ?」
その言葉に愕然とするフェイト。どのような人生を歩めばここまで歪んでしまうのか。フェイトは今までのアンナの生活を想像して胸が痛んだ。それを無理やり押さえ込んでフェイトは説得を続けた。
「それでも殺しはいけないことなの」
「…………ふ~ん、まぁお姉さんがそう言うならやめるけどね」
明らかに納得していなかったが、アンナはナイフを引き太もものホルスターに収めた。
「時空管理局執務官フェイト・テスタロッサ・ハラオウンです。あなたたちにはこちらに従ってもらいます」
フェイトはそれを見てバルディッシュを引き、アンナと放心している男にそう言い放った。
■■■
フェイトが保護したアンナのこれからについて、ひと悶着あった。
禁止区域の住民の話を聞いたところ、アンナは犯罪者だけとは言え50人近く殺していたらしい。しかも本人はそれを悪いことだと思っていないということもあって、アンナを殺すべきだという声が多数挙がったのだ。しかし、その声もアンナの話を聞くと次第に無くなっていった。
アンナ-アンナという名前は剥いだ服に入っていた名刺からもらったらしい-は名前は分からないがとある実験の実験体らしい。そこでは普通に人を殺し、調整され、また殺しということが繰り返されていたらしい。そこで生まれ育ったアンナがこのように歪んでしまったのも仕方無いだろう。そしてアンナはそこから移送されたが、移送先で研究員を皆殺しにして脱出したらしい。そして研究室が立てられていたのが、禁止区域だった。そして禁止区域の人に襲われ、それを返り討ちにして事件に繋がった、ということらしい。
この話を聞いても、未だに殺すべきだという意見をフェイトはねじ伏せて、アンナを保護することに決めた。実験体という所に、自分を重ねてしまったのかもしれない。アンナはフェイトの保護観察を受けながら、更生プログラムを受けることが決まった。フェイトの言うことは何故かよく聞いており、時間はかかりそうだが無事更生プログラムを終えることができそうということだった。
「なに~、どうしたの?」
「ん?なんでもないよ」
相変わらずフェイトにくっついているアンナは、現在一般常識を勉強している。まだまだ学ぶことはたくさんあるが順調に学習している。フェイトはそれを知り、無事終わりそうだと密かに安堵していた。
―――アンナが大人しく従っているのは、フェイトがそう言ったからだということに気づかずに
次は本編まで飛んじゃうかも……
オリジナルは入れません。作者の技量的に無理です。
ゴメンナサイ