騙された気がするゼロの使い魔   作:真暇 日間

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騙されゼロ魔01

 

 俺の名前は(あかつき)白夜(びゃくや)。大嘘だ。そんな厨二臭い名前はしていない。実際はもっと平々凡々な名前だ。

 そんな訳で意味もなく大嘘をついた俺だが、辛い現実からの逃避の一環として生暖かくでいいから見守ってやってくれると嬉しいかもしれない。

 

 ……よし、落ち着いてないけどとりあえず自己紹介をもう一度。割と嘘を混ぜるから気を付けろ? 俺自身誰に向かって自己紹介すればいいのかわかんないんだが、まあ適当になんかやっとけばいいだろ。多分。きっと。そこらの真っ白い壁に向けてな。

 ……壁なんて無いのに真っ白だけどwwww。

 

 俺の名前は日比谷(ひびや)隆二(りゅうじ)。元高校三年生から一年浪人して、その間に意味もなく資格を取りまくってから適当な大学に受験したら受かっちまった手合いだ。好きなものはもずくと数の子。数の子ってのはリリカルでマジカルなのに出てくる基本が全身タイツな明らかにお前ら変態だろどうして平気な顔でそんな格好しながら外に出られるんだよあり得ねえよ露出狂めごっつぁんですな方じゃなくて、普通に食い物の方な。数の子ファンごめんよ許しておくれ?

 

 好きなものはマンガとゲーム。そんな広くもなくたいして深くもない知識を使って色々考察したりするのが好きな、ちょっと厨二病をこじらせちゃった可哀想な子だ。家では大抵新品同様の健康サンダルを履いていた。そのせいか今まで酷い病気にかかったことがない。

 そんな俺だったが基本的に運は良くない方だった。だからと言ってよく漫画とかであるようなありえない程の不幸じゃないし、幸運なのが全く無いとかそんなんじゃない。タイミングがかなり悪い程度だ。つまり普通。

 目立つ訳じゃなく地味すぎるわけでもない。意味もなく使いどころの少ない知識を集めるのがちょっとした趣味の一般男性だった。

 

 ……この中に嘘があります、どれでしょうか?

 ……知るわけないよな。自己紹介しようとしてる真っ最中で、これから知り始める所なんだから。

 

 そんなわけで解答編だが、答えは『この中に嘘がある』と言うところが嘘でした!

 

 ……あれ? だとすると嘘があるって言葉が嘘じゃなくなるわけで、すると嘘が無くなるからやっぱり嘘で…………なるほど、これが有名なタイムパラドックスってやつだな。正直心の底からどうでもいいけど。

 

 そんなプリティーチャーミー(大爆苦嘲笑)な俺がなぜこうして現実逃避をしているかと言えば……まあ、実に簡単な話だ。

 

 俺、死んだんだってさ。

 そんで今は『転生要望用紙』ってのに要望を書いてるんだが、どうも嫌な予感が拭えない。細かく書かないと嵌められるような気がして仕方無い。なんで周りの奴はあんなに簡単に決められるかね?

 

 始めに俺達に与えられたポイントは100ポイント。それを自由に振り分けて転生後の自分の容姿やら何やらを決める事ができるらしい。

 

 俺はゼロ魔の世界に行きたかったから、とりあえず10使って転生場所をゼロ魔の世界の俺が生活することができる範囲に限定。突然火の中で産まれて焼け死にましたとかは嫌だしね。

 それから、魔法を使えるようにしてもらう。20使っただけあって使えることは確定した。属性は来世を期待するが……こうしないとゼロ魔世界はゼロ魔世界でも、杖を持つことを許されない平民になる可能性もあるし、貴族とかを相手にするには魔法は必要だろう。

 

 それから力が必要なので、ステータスとしての身体能力の上昇率を上げる。これで50も使ったから、結構いい能力……だと思う。50倍くらいにはなる……かな?

 後は……そうそう、重要なことを忘れてた。俺は人間の男にしてもらって、上流家庭とは行かないまでも中流家庭くらいの家に。これはなんでか必要ポイントが少なかったので、種族決定で1ポイント、性別決定で1ポイント、上流家庭出身は20だったが中流家庭は1ポイントで、合計で3ポイント。

 容姿とかはかなり運任せにして……あとは一応便利そうなのを残りの17ポイントで取れる範囲で取ればいいか。

 

 後は……記憶能力で2ポイント。直感で2ポイント。怪我が治りやすいで3ポイント。目がいいで1ポイント。病気になりにくいで5ポイント。

 ……後は……いいか。面倒だし。4ポイント残ったが………いいや、残しとこう。これ以上欲しいとは思わないし。

 

 そんなわけで漸く書き終わったんだが、途中で誰かが与えられたポイント以上に特典を取ることができることに気付いて騒いでいたため、かなりの人数が滅茶苦茶なチートを取っていた。

 書き終わっていなくなるやつも居れば、新しく入ってくる奴も居る。どうやら転生ってのはこの世界では割と普通のことらしい。入ってくる奴は大抵が15から25くらいで、誰もが転生を喜んでいた。

 どうやらここはそういうタイプの奴が集まる会場のようだ。きっと他の場所には転生を望まない奴とか平穏な世界に転生することを望む奴とかが居るんだろうな。

 

 ……あ、備考欄発見。誰もこの場所に興味を示してないけど………とりあえず色々書いとくか。

 

 ……これだけ居るんだから、ゼロ魔に転生したいと望む奴が俺一人とは限らない。となると、その辺りの備考を書いとくべきだな。

 まあ、書いたとしてもそれを叶えてくるかはわからんけど。

 

 そんなわけで俺が望んだのは、ゼロ魔の世界に近い世界で、原作開始時に青年で、それでもって俺の他に転生者が干渉できない世界に転生させてもらいたいと書いておいた。

 

 ……さてと。それじゃあ俺はそろそろ行くかな。

 

 俺は立ち上がり、書き上げたばかりの紙を持って会場から出ていく事にした。

 

 

 

 ■ ■ ■ ■ ■ ■

 

 

 

 部屋を出てみると、意外にも俺以外の人間は存在していなかった。どうやら先にいってしまったらしい。

 しかし、そこには説明をしてくれたよくわからない人っぽい形をした光の塊がふよふよと浮かんでいた。

 

『漸く来ましたか。待ちくたびれましたよ』

「あ、そりゃ申し訳ない。こう言うのを書く時にはつい集中してしまうんで」

『知っています』

 

 なんだか無感情と言うか、±0のところでまっ平らになってるような声だよな。別に俺がどうこう言うことじゃないけど。

 

 そんなわけでそこにいた奴に紙を見せると、そいつは多少驚いたような気配を見せた。なんだか勝った気分だ。

 だが、その驚愕(多分)の気配はすぐに消えてしまい、後にはただふよふよと浮いているだけのこいつと俺の二人だけが居る。

 

『……この紙に書いてある通りでよろしいのですね?』

「まあ、そのつもりだけど……なんか悪いところでもありますかね?」

『あったとしても、私の関与するところではありません』

 

 あら冷たい。悲しいねぇ。嘘だけど。

 

『……それでは、貴方にはポイントを残したボーナスを差し上げます』

「そんなんあったんだ?」

『ええ。1ポイントですので、寿命が一年増えます』

「……質問があるんだが、いいか?」

『答えられる範囲のことでしたら、いくらでも』

 

 よし、OK出た。

 最初に聞いとかないといけないことは、これだ。

 

「この場所で行う行動で、ポイントが増えたり減ったりすることはあります?」

『私に攻撃をするなど、害を与えること以外ならばありません』

「じゃあ、1ポイント余ったから一年寿命が延びて、何年ですか?」

『お答えできません』

「……余りが1ポイントで一年寿命が延びたとして、オーバーしてた場合はどうなるんですか?」

『寿命がオーバーした数×年数だけ減ります。それで寿命を使いきった場合、残りの年数分の強制労働が課せられます』

「…………さっきから結構な人数がきてると思うんですけど、その事を説明してどうなりました?」

『お暴れになりましたので、ポイントをマイナスしてから火急的速やかに転生していただきました』

 

 ……ポイント残しといてよかったわぁ……マジで助かったわぁ………。

 

『それと、記憶の保持を望まなかった大半は記憶を消去しておりますが、貴方は記憶力に補正があるので問題ありません。精々来世で昔の自分の名を思い出せなくなる程度でしょう』

 

 記憶力に補正振っといてよかったぁ……!

 

『それからステータス上昇率倍増効果ですが、1ポイントにつき二倍となっております』

 

 となると、やっぱり50……いや、51倍か。予想通り!

 

『性別は男、種族は人間、生家は生きるに困らない程度の家に生まれ、視力は8.0で固定され、病気にはまずかかりません。怪我は修復速度が約四倍になります。直感については水晶占いによる未来予知のようなものではなく、ただの予感です。魔法が使えるというのは魔法の才能を植え付けることですが、20ポイント振られましたので、練習さえすればそれだけ多岐にわたる魔法を使うことができるでしょう。それからゼロの使い魔と似た世界で、原作開始時に自分の年齢は17として、自分以外の転生者による干渉の禁止にする、と』

 

 あ、読んでくれた。ちょっと嬉しい。

 ……まあ、おかしな所は無いな。大体予想通り。

 

「ここで変更ってできる?」

『不可能です』

 

 だろうね。じゃなかったらいくらなんでも突然暴力とかは常識的に考えて無いとは言い切れないがかなり確率は低いしな。

 

「それじゃあ、それでお願いします」

『かしこまりました。ぜひ私どもを楽しませるための転生を体験してください』

 

 そう言うと同時に、壁に扉が開いた。ここから行けばいいんだろう。

 俺は普通に歩いて扉を抜ける。

 

 ……寸前で一度振り返り、あの光の塊に頭を下げた。

 

「ありがとさん」

『仕事ですから』

 

 ……なんだか冷たいなぁ………仕事だからかな?

 

 

 

 ■ ■ ■ ■ ■ ■

 

 

 

【とある少年の場合】

 

 よっしゃあ!これでゼロ魔の世界で俺のハーレム生活が待ってるぜ!

 キュルケにタバサにルイズにテファにマチルダにアンリエッタにモンモランシー、高慢な女をひざまずかせてエロエロライフだヒャッホウ!

 

『あなたのポイントは-100000を越えていますので、死産することになります。さらに、死後はそれなりの長さの強制労働がありますが』

「ふ、ふざけんじゃねえよ!何が死産だおい!それじゃあなんにもできねえじゃねえか!?」

『規則ですので』

 

 こ、このクソ野郎!

 

 俺は光る人形に殴りかかるが、人形がなにかをすると俺の体が動かなくなる。

 

『20000ポイントの減点です。それと、説明はこの後もある予定でしたが、割愛させていただきます。それでは、よい人生を』

 

 その言葉を最後に、俺はその場所から弾き飛ばされた。

 

 ……い……嫌だ……死にたくない……何で俺がこんな目に……!? 嫌だ……ちくしょう……ちくしょぉぉぉぉぉっ!!

 

 

 

 

 

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