でもまあ、「原作のネギの来日」を実質的な開始扱いとします。卒業の云々はイントロダクションという事で。こっちは卒業自体の描写をしてないし。
「さて、今日来てもらったのは他でもない。
いわゆる原作との差異の確認と、修正力の予想のためだ」
ネギが麻帆良に来て、数日。
引っ越しに伴う部屋の整理や手続きなどの諸々もある程度落ち着き、時間に余裕ができたという事で、ネギを含む原作を知る面々に集まってもらった。
つまり、
「でも、原作のイベントはほとんど潰れちゃってますよね?
ボクも含め、重要な人の考え方とか行動基準、それに前提条件も変わってますし」
「そうですね。鈴音ちゃんもこちらに引き込んでありますし、造物主やフェイトもあえて敵対するような行動は取らないでしょう。
それでも心配ですか?」
「心配だな。
油断していたら、いつの間にか後頭部が伸びていた近右衛門のような事になりかねん」
「あー、あれはびっくりしたよねー」
「確かに、あれは予想していませんでしたね。
それでは、最初から順に、イベントを検証してみましょうか。
まずは……電車や駅での痴態ですか?」
「えー? ボク、くしゃみで武装解除の暴発なんてしませんよ!
アスナさんも恋に恋してる風じゃないですし、ボクも中身は女ですから、悪い占いの結果を面と向かって言えるほど無神経じゃありません」
「そこに、修正力という名の悪戯を持ち込むと……そうですね、強烈な失恋の相が自分に見えてしまってショックで暴発、というのはどうでしょう」
「それ、ただの自爆じゃないですか。
それに、自分の恋愛占いはやったことがありますけど、少なくとも極端に悪い結果は出ていません。ヴァンさんが何か調べていると聞いてますけど……」
「あー、うん、調べてはいるけど、色々と難しいのは間違いないよ?
特に政治面。王国の制度がもうちょっと何とかなるか、弟が出来るか、世界情勢が大きく変わるか、全てをひっくり返すくらいの何かがあるかしないと、エヴァにゃんに嫁ぐのは難しいかなぁ」
「現時点では、ネギちゃんはウェスペルタティア王国の女王の第一子であり、第1王位継承権を持つ身ですからね。
王権を削る方向で動いている現状では、迂闊に藪をつつくわけにもいかないでしょう」
「ですよね……」
「うん、ちょっと待て。
どうして私に嫁ぐという表現で納得しているんだお前ら」
中身はそうかもしれんが、公的な性別は逆だ。
中の人が云々とか説明したら、普通は痛い人だと思われるのがオチだろうに。
「ボク、心は女なんですよ?」
「我々の介入で、女性を男性の体に入れてしまいましたからね。
男性に馴染んでいるなら別ですが、女性としての意識が強いのですから、女性として扱うべきでしょう。ちょうど日本でも性同一性障害に関する特例法が検討されているようですし、世界的にもこの方向に行っているようですよ。
魔法が解禁になれば、本当の意味で性別を変えることも可能かもしれませんね」
「それはそれで、問題が多発しそうだが……」
いやまあ、ある種の救いにはなる場合があるのはわかるが、犯罪者やらが身を隠すために使いそうなのも事実だ。魔法が関わらなければ、有効に機能しそうではあるのだが……
「だから、中身の入れ替えがいいんじゃないかなーと思ったんです。
ボクの関係者って少ないですし、精神の性別を知っているエヴァさんの関係者にも反対されないんじゃないかと」
「その少数の身分と、間接的な関係者である国の連中を考えろ。それに、どう説明しようが納得しない者は少なからず出るぞ。
そもそも、私も600年ほどこの体で過ごしてきた。今更男の体と言われてもな……」
「まあまあ、それはいいとしましょう。
今の主題は、修正力の悪戯についてです」
「誰のせいでこうなったと思っているんだ。
まず、先生として着任しない以上、Aクラス全体との接触は無いか、あっても違う形になる。鳴滝姉妹や和美がこちら側だからそのうち会う事もあるだろうが、少なくともトラップ満載での歓迎にはならないはずだ。
歓迎会をする事になっても魔法を使うような迂闊な性格ではないだろうし、アスナもオジコンではないようだし高畑に一目惚れする要素も無いだろう。
1巻の要素は概ね潰せていると思うが、妙な形での再現は、思い付くか?」
「なかなか難しいですね。
それより、風呂で胸を膨らませたり、ドッジボール騒動があったりはしませんか?」
「それは無い、と思いたいが」
さよが先生である以上、ネギが絡むドッジボール騒動は無いはずだ。騒動があっても、さよかあやかが相手の学校に苦情を入れる程度になるだろう。
風呂で胸は、無い……よな?
「無いですよ。魔法で胸に風船を作っても、虚しいだけですし」
「その意味では、2巻の方がありえないよねー。
テストで最下位から脱出とか、そもそも着任2か月程度の先生に出す課題じゃないし。成功したら前任が無能だって証明しちゃうわけだしさー。
ま、先生じゃないんだから、これは問題ないっしょ。さよちゃんに試験を課すほど耄碌してないと思うし」
「近右衛門主導の見合い騒動も無いでしょうね。
よほど吟味した相手でなければ、木乃江ちゃんが黙っていないでしょう」
「そもそも中学生に見合いさせるとか、政略結婚の臭いしかせんぞ。
それで、3巻は……吸血鬼騒動か。少なくとも私が動くことは有り得んな」
「襲ってくれて、いいんですよ?
むしろ性的な意味で!」
「阿呆。10歳程度の体で何をしたいんだお前は」
「いえ、これは、もしかするかもしれませんよ。
ネギちゃんに嫉妬したダイアナちゃんの暴走なら、あり得そうです。茶々丸相当のシューニャも手下にいる事ですし」
「あー、あの娘、エヴァにゃんとナギが大好きっぽいからねー」
ダイアナ、か。
確かに原作エヴァのポジションにいるわけだし、私の代わりに騒動を起こす可能性は否定できんな。
「つまりなんだ。ダイアナがネギに喧嘩を売る可能性はあるのか。
一応警戒した方がいい、のか?」
「ボク、迷わず逃げますよ?
別に封印とかされてるわけでもないですよね。そもそも月の一族の人と争いたくないですし」
「嫉妬で騒動があったとしても、Aクラスを巻き込む理由は無いよね。
決闘を申し込まれるとか、その程度で済むんじゃないかなー」
決闘で済むのであれば、安全の確保はどうにかなるか?
不用意に騒ぎを大きくするようなら、介入する口実として充分だろうし。
「周囲を巻き込んだら、私が怒る理由になるな。
多少後手に回るだろうが、対処は可能か」
「では、3巻は問題ないという事にしましょう。
4巻……木乃香ちゃんとのパクティオー未遂は、あの木乃香ちゃんとアルちゃんなら無いでしょうね」
「そうだな。無暗に私に喧嘩を売りながら従者を作ろうとはしないだろう。
その後の修学旅行は……そもそも、京都に行くのか?」
「行く事になると思うよー?」
「そうですね。
摂家の方々が面会を望んでいるという情報もあります。大きく事態が動く直前である以上、打ち合わせも兼ねて行っておくべきでしょう」
「北海道方面だと、政治的な意味が無いしねー。ハワイとかだと逆に、大騒ぎになるよ?」
「よし、私は修学旅行に行かないでおこう」
「それは無理じゃないかなー。
ま、あの2人が騒動の元凶になると思えないし、スクナもこっちに来てるんだから、平和だと思うよ?」
天ヶ崎千草と、フェイト・アーウェルンクスか。千草は木乃香の近くで仕事中だし、フェイトは信者集めで走り回っている。こいつらがあえて騒動を起こす意味や暇は無いはずだ。
そもそもネギはAクラス自体に直接関わらず、木乃香は京都の連中も納得して麻帆良に来ているのだから、京都でネギや木乃香に手を出す要素は無いだろう。
あるとすれば……私と呪術協会そのもの、もしくは麻帆良での騒動か。
「注意すべき点はあるが、先に対処できるものではなさそうか。
ええと、6巻までが修学旅行で、その次は……」
「風邪ひきエヴァにゃん、かな?」
「中身がバカだからか、風邪をひかんようだぞ?
弟子入り騒動は……」
「ボク、エヴァさんの部下ですよね?
その時点で実質的な弟子と言っていい気もしますけど」
「まあ、そう言えなくは無いな。となると、少なくともテストやらの騒動は無し、と。
その次は、図書館か」
「残念ながら、ドラゴンはいませんね。
今からでも迷宮化して飼いましょうか?」
「阿呆、騒動を増やすな。そもそも普通の地下書庫なんだから、そんな場所は無い。
これもほぼ関係ないだろうから、次だ次」
「あ、南の島は行ってみたいです。
あやかさんに頼むと、行けそうですけど」
「修正力のガス抜きと復活、どっちに転ぶかわからんがな。
それと、場所の確保やらはしてくれるだろうが、ショタコン補正は無い。最初から実費をある程度負担してみんなで、という流れにするしかないと思うが」
「無暗にお金をばらまくタイプじゃなくなってるもんねー。
ネギっちに一目惚れ! とかする可能性はあるんだけどさー」
「えー? ボク、エヴァさん以外のモノになる気ないです」
「まあ、行きたいなら企画するしかないだろう。
次は……小太郎?」
ああ、こんなのもいたな。
修学旅行部分を読み飛ばしたせいで、思い出しすらしていなかった。
「あー、うん、いたねー」
「ああ、いましたね」
「ちょっと待て。過去形なのは、忘れていたからか? それとも、既にどうにかなっているからか?」
「どうにもなっていない、が正解でしょうか?」
「うん、どうにもなっていない、でいいんじゃないかなー?
狗族の村に小太郎という名の男の子がいて、普通に生活してるだけだしさー」
「傭兵まがいの仕事をしていないし、そもそも私達と直接関係する可能性が低い。
その認識でいいのか?」
「うん。その頃に麻帆良に迷い出てこないか気を付ける、くらいでいいんじゃないかな?」
「迷子の可能性か……稀にある事ではあるな。
あとは、狗族の村だかが襲われる可能性か……?」
「狙う理由がありませんから、恐らく大丈夫でしょう。
それに、魔界と協力しているエヴァちゃんの保護下ですからね。悪魔が積極的に攻撃してくるとも思えません」
「よほど悪質な狂人の恨みを買ってない限り、ヘルマンも無し、と。
8巻……さよが騒動の原因になる可能性は、無い。茶々の恋愛は……」
「はい、ボクが駄目です」
「終了のお知らせ、と。
9巻、麻帆良祭以降は根本的な条件が変わりすぎているし、確認はここまでで充分か?」
というか、麻帆良祭が長いな。18巻までか。
変態とネギは既に接触済み、美空の悪戯はまあ放置でも問題ないだろう。
その後は修行して魔法世界行きか。普段の修行はあるが、これは内容に気を付ければいいだけだろう。計画に関連して魔法世界に行く可能性はあるが、フェイトや造物主が妙な事をしでかさなければ問題はない、はずだ。
「んー、告白成功率120%は気を付けておくべきかも?
発光時期はずらせたと思うけどさー」
「それでも1か月ほどですからね。麻帆良祭の頃にはそこそこ魔力が高まり始めているはずですから……そうですね、告白成功率10%程度の呪いにはなるかもしれません」
「精神的に不安定とか、気が弱い相手なら効く、程度か。
……ある意味、効かない方が幸せな相手じゃないのか?」
「ヤンデレ化の要素がある相手限定の効果ですか?
ふむ、面白そうですね」
「いや、やるなよ?」
こいつらの場合、本当にそういう方向に内容を変えそうだから困る。
「いえいえ、この微妙なタイミングで、世界樹の魔力に手を出したりはしませんよ。
ただ、ヤンデレ化の呪いという方向の噂も流すのも、予防には良いかと思いまして」
「あ、それいいかもねー。
告白は成功する、但しヤンデレ化する。それでも告白するお馬鹿な人はいるだろうけど、少しでも減れば警備は楽だしさー」
「どうせ、麻帆良祭で魔法を公開するんだから、呪いの効果を公表……すると、甘く見た阿呆が湧いてくる可能性があるのか」
最初のうちはまともな知識も無いから、怖いもの見たさで暴走する阿呆がそれなりに沸くはずだ。
そんな連中の相手など、してられんな。
「だから、噂程度が良いのではないかと思ったのですよ。
関係者には、言霊と、現実的に告白が成功する関係を作れているかどうかが大事という2点を説明するよう通達しておけば充分ではないかと」
「言霊自体、言葉に出すことで他の者に働きかける行為を含んでいるからな。想いを寄せる相手に真摯に伝える事が成功の鍵であり、その為には普段の行いが重要。そもそも嫌われている場合は効果を見込めない……うん、普通の恋愛相談だ」
「でしょう? つまりあれです。小さな勇気が本当の魔法、という話ですよ」
「一気に胡散臭くなるがな。魔法の公表に支障は……」
……あまりない、のか?
魔法を技術として広める予定だし、何事も最初の勇気が無ければ先が無いわけだし。むしろ、行き過ぎるだろう万能論に多少水を差す効果が期待できる、かもしれん。
こいつらが裏で何を考えているのかを心配しなくていいなら、悪くないと言えるんだが……色々とやらかしている以上、賛成し辛くて仕方がない。
全く、もう少し自制してくれれば、こんな心配はいらなくなるんだがな。
「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」なるものが2003年7月に成立しているので、2002年の後半だと検討や調整がされている段階じゃないかなーと思います。
これ、色々と条件は厳しいですが、戸籍上の性別を変更できるという代物です。詳しくはWebなどで(私も詳しくないです)。
なお、月詠はハブられた模様。
忘れてたわけじゃなく、京都編と魔法世界編に言及しないと、話に出すタイミングが無いの。
ついでに、アーニャもハブられた模様。
(業務連絡的な)
これと次話の間に、「ここまでの簡易年表と人物情報」を挟む予定です。
ただ、そちら及び次話の作業が遅れているため、かなり簡易的なものとなりそうです。
正月の前後は相変わらずPCが使えないのです。そして、未だにガラケー。
文章を作るにはキーボードが欲しい古いタイプの人種なので、自宅以外だとネタのメモを取るくらいしかできないのですよ。
2018/01/17 先生である→さよが先生である に修正