金色の娘は影の中で   作:deckstick

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少(ry
とりあえず、最近としてはいつものような感じ。


魔法先生重羽ま編第13話 恋とか愛とか

 春休みが終わり、連中のクラスが3Aになった。

 クラスの面子に変更はなく、担任も相川さよが続投している。

 賑やかなのは相変わらずだが、名ばかりの副担任である私にとっては割とどうでもいい事か。

 

 気がかりの1つは、ついに始まったアニメか。

 私はまだ出てこないが、まあ、あれだ。デバイスの話を聞いていなかった私が悪いとは思わないが、デバイスが本になっているし、変態が声を当てているような気がする。

 始動キーも、リリカル・マジカル・クロニクルとなっているし……変態は歴史書の人格だから、増えた部分については間違っていないとは言える。が、情熱的よりも変態的とした方が、より正確な気がしないでもない。

 

 そして、気がかりのもう1つは。

 

「ダイアナの行動は、それほど目に余るか」

 

「はい。近頃はいつネギが襲われるかと気が気でなく……」

 

 私に相談してきたネカネ、の話の内容だ。

 ネギの世話役というか母親代わりとして、個人的な相談だからと人払いまでして話し始めたんだが……

 

「それで、襲う具体的な内容は、傷害ではなく性的な内容で間違いないな?」

 

「あの様子では、そうとしか思えないのです。

 もしかすると誘拐などの可能性もあるかもしれません。ここ数日は花見などに誘う連絡が頻繁にあるようですし……」

 

 ネギからは、何も聞いていないが……これは、桜通りの魔法使いが変質しまくった結果なのか。

 人外からの熱い視線と挑発、原因にナギが関わり、ネギが欲しいという説明も可能か。

 うん、我ながらこじつけが酷いとは思うが、明確な間違いではない、よな。

 

「まったく……あの阿呆は、ナギに振られたからネギに乗り換えるつもりか。

 ネギの中身が女性で、私に好意を寄せている事も知っているはずなんだが……」

 

「愛は性別を超える等と供述していましたから、それでもいいようです」

 

「供述……まあ、被告と言えなくもないから間違ってはいないか。無茶な性別の越え方をしようとしているネギが相手だから、その主張自体は間違っていないのかもしれん辺り、質が悪いが。

 それにしても、ネギなら私に相談しそうなものだが……」

 

「エヴァ様に相談すると一族の大ごとになりそうだからと、遠慮しているようです。

 ですから、私が相談に伺った事も内緒にしていただけると、ありがたいのですが」

 

「それは構わんが、大ごとか。私よりも、私の周囲に気付かれた方がヤバいだろうな。

 むしろ、とっくに気付いて……いるとしたら、実は説得なりしているのか?」

 

 有宣やヴァンが、その辺を見過ごすとも……いや、ヴァンは面白く眺める方向か。

 そもそも、連中を説得できるような説明ができるのか? それとも、ネカネが過敏になっているだけで大したことではないのか……

 

「あの様子で、説得力のある釈明ができるとは思えないのですが……」

 

「とりあえず、状況は理解した。

 どの程度か確認して、必要な手を考えてみよう」

 

「お願いいたします」

 

 深く頭を下げるネカネだが、こいつに関しては、ヴァンの手は入っていないはずだ。

 なんだか違和感があるような気もするし、こんなキャラだったか……? 気絶してる姿を見てないせいか?

 

「とりあえず、相談はこれくらいか。

 それならここからは雑談の時間だ、気楽に話していいぞ。

 こちらに来てしばらく経ったが、幕田には慣れたか?」

 

「ええ、だいぶ。

 人が多いので最初は目を回すこともありましたが、それも落ち着きました」

 

 ああ、そっちの方向で気絶しそうになってただけなのか。

 

「そうか、それは良かった。

 何か心配や不便なことは無いか? 環境が変わった以上、色々とありそうだが」

 

「そうですね、強いて言うのであれば、ですが……食事がおいしすぎて、出費と体重が……」

 

「あー、うん、それは仕方ない面もあるか。

 食事関係は凝り性の連中の気合いが暴走していたし、それに触発されたのか、一般人もそっち方向に積極的だ。和食の気合いの入り方は異常だし、世界の料理を好き放題にアレンジするし、日本も似た感じだし。

 まあ、自重できるかが全てだから、頑張ってくれとしか言えん」

 

「やっぱり、そうですよね……」

 

 困った顔をしている原因は理解してやれるが、ネギの話……正確にはダイアナの話をしている時よりも困っているように見えるのはどうなんだろう。

 やっぱり、ダイアナは大した問題ではないんじゃ……?

 

 

 ◇◆◇ ◇◆◇

 

 

「やはり相談に来ましたね」

 

 その後。

 正確には、ネカネが帰った後。

 書類の束を手に戻ってきた雪花は、苦笑している。

 

「予想していたのか?」

 

「はい。ダイアナが動く事自体は本人から連絡がありましたので、今のところは静観しています。

 当面は動く理由が無いので」

 

「お前達を説得できる理由を持ってきたのか?」

 

「ネギの愛を試すのだ、と主張していました。

 ダイアナの本音が寝取りや略奪愛であろうと、外部から手を出されて揺らぐようではネギの気持ちが本物だとは言えないでしょう」

 

 つまりあれか、ネギの試験のようなものか。

 眷属の連中は教育やらが可能な時間と立場があったが、ネギに関してはそういったものが無いから、こうなった……のか?

 それにしては少々手荒というか、雑な手法に見えるが。

 

「黙認されている理由は、ネギ自身には伝えていないな?」

 

「当然です。察している様子もありますが、確信できるほどではないようですし」

 

「前提が崩れかけているな。

 それでも続けているとなると、ネギの存在は、お前たちにとっては好ましくないのか?」

 

「微妙なところです。

 好ましい面と、好ましくない面。どちらも無視できないものですから」

 

 いや、その返答の方が意外なんだが。

 好ましい面が、あるのか……?

 

「どうして、そんなに不思議そうなのですか?

 心と体の性別が一致しないエヴァ様と、肉体的、精神的、それぞれの面で組み合わせる事が可能である。

 その点に関しては、評価しています」

 

「あー、その点だけは、今までにいなかったタイプなのか……」

 

「犠牲者を出さずに心身の齟齬を解決する方法を模索している点も、悪くないですね。

 とはいえ、現状ではぽっと出の新人です。あまりでしゃばるなと思う事もあります」

 

「その辺はまあ、ありがちな話ではあるか。

 だが、鈴音や聡美、あやか辺りもそうじゃないのか?」

 

「彼女達は、それぞれの役目に従っているので、それほどでもありません。

 Aクラスや部下という枠を離れてエヴァ様の周囲で何かをする、という事は稀ですし」

 

「あいつらはやはり、いい子という枷に囚われているんだな。

 それはそれで扱いやすくはあるんだが……良くも悪くもネギが特殊だと思い知らされる」

 

 厳密に言えば、ネギがというよりは、原作から外れた人物が、となるのかもしれんが。いや、変態(アル)が同じ枠に入るのもなんだか嫌だな。

 元々原作にいない人物は……微妙か。ヴァンや有宣の人柄がいいとは言えんが、雪花はどちらかと言えばいい子寄りだし。

 

「今まで誰もやらなかったことをやろうとする人物は、どこか特殊なものです。むしろ全てが標準的な人物の存在を信じる方が無理でしょう。

 それに、中の人という要因もあります。これで所謂普通の人物であるなら、その方が驚きです」

 

「それはそうなんだが。

 ただ、他人の体を乗っ取るような魔法は、存在はしているよな? 体の交換という目的なら、相互にそれを使う方向に行きそうな気がするが」

 

「そういった魔法も調査対象ではあるようですね。概ね憑依する側の体は安静である必要があったりするので、そのまま使えるわけではないそうですが。

 それに、目標は完全な入れ替えだそうですよ?」

 

「んー……そうなると、早めに私の状態について、詳しく説明しておいた方がいいのか?

 私のこの体は端末でしかないから、人間どころか眷属とも扱いが違う可能性が高い気がするぞ」

 

「そういえば、月から見たとかいう話もありましたね。

 今行っているだろう研究は無駄かもしれない、という事ですか」

 

「そうなるかもしれん。というか、私が普通の人間でない事は知っているのだから、本格的な研究をするには私を調べるべきなんだが……ネギは何も言ってこないな」

 

 ネギ自身が普通の人と同じかも怪しいのに、確実に違う私を調べないのはどうなんだ。

 今はまだ基礎の段階、私を調べるだけの知識も不足している状態だから……なのか?

 

「そういえば、計画がある程度目途がつくまでは邪魔にならないよう知識を集める方針だ、と言っていましたね。現時点で話が無いのは、そのせいでもあるかと。

 精神系の魔法は禁忌とされる場合が多いですから、情報を集めるのも大変でしょうし。危ない橋を渡っていなければよいのですが」

 

「そっちの問題もあるな……少し放置しすぎたか?」

 

「喫緊の課題ではありませんし、甘やかしすぎるのもよくありません。

 少なくとも、人に対する魔法がそのまま使える可能性が低い事は想像できなくもないですから、当面の間……それこそ計画の後、ある程度落ち着くまでは、現状維持で良いのではないでしょうか?

 時間の問題もありますが、魔力が活性化している状態での調査は相応の危険が伴うのではないかと思うのですが」

 

「全く、問題だらけじゃないか。

 普通じゃない人間の精神入れ替わり自体も問題しかないし、ネギは本当にその路線を貫くつもりなのか……?」

 

「そのようですよ。

 研究する時間を確保するために眷属化、という話は止めておきましたが、良かったでしょうか?」

 

「それはまあ、問題ないだろう。

 むしろ、研究を言い訳に眷属になろうとされても困る」

 

 だからと言って、一緒にいたいから眷属にしてくれとストレートに要求されるのも問題だが。

 今のところは大丈夫だが、あの様子ではいつ言い始めてもおかしくない気がする。

 

「本人も本気ではなかったようで、将来的な選択肢ではあっても当面は無い、とも言っていましたが。もっと成長した体の方が、いろんな人が嬉しいだろう、と」

 

「いろんな、なのか?」

 

「はい。エヴァ様を好きだという女性は、それなりにいます。

 女性だからではなく、エヴァ様だから好きだと言える私達にとっては、やはりある程度の大きい姿の方が色々と捗ります」

 

「いや、捗るって何がだ」

 

 想像できてしまうあたりがアレだが、言葉にはしないぞ。

 というか雪花も割とそっち方向なのか……イシュトだけでもおなかいっぱいなんだがなぁ。




2018/08/28 相互それを→相互にそれを に修正
2022/08/26 その辺等→その返答 に修正
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