それと遅れて申し訳ありません。
「・・・よう、何か用か?」
俺は今、目の前で腕を堂々と組んでいる少女に声を掛ける。
俺はこれから修行があるんのだ。あまり構ってやる気はないため、毎日見つからないようにしながら下校していたのだが、今回はどういうわけか待ち伏せされていた(・・・・・・・)のだ。
これには流石に驚いた。もちろん、表情には出さないが。
ーーー 一体どうなってる?魔法でも使ったか? 彼女の身体から僅かだが、想子(サイオン)の気配が感じられるから恐らく間違いないだろう。
魔法。
それが伝説や御伽噺の産物ではなく、現実の技術となったのは何時のことだったのか。
確認できる最初の記録は、西暦1999年のものである。
人類滅亡の予言を実現しようとした狂信者集団による核兵器テロを、特殊な能力を持った警察官と黒髪紅眼が特徴の謎の少女が阻止したあの事件が、近代以降で最初に魔法が確認された事例とされている。
当初、その異能は『超能力』と呼ばれていた。純粋に先天的な、突然変異で備わる能力であって、共有・普及可能な技術体系化は不可能と考えられていた。
あの謎の紅眼の少女も謎だらけでその見解が採用されていた。
しかし、その少女はともかく、それは 誤りだった。
東西の有力国家が『超能力』の研究を進めていく過程で、少しずつ、『魔法』を伝える者たちが表舞台に姿を見せた。『超能力』は『魔法』によって再現が可能となった。
しかし、例の少女に関しては多くの謎に包まれており、現在になっても、氏名、年齢、生年月日、住所、血液型、身長(・・)、顔立ち(・・・)など、あらゆる素性が謎に包まれている。本来覚えやすい、体格や顔立ちさえも(・・・・・・・・・)わかっていないのだ。わかっているのは、性別と眼の特徴だけ。
閑話休題
「ふふん♪ 驚いた?私だってこのくらいはできるのよ♪」
綺麗な紅眼の少女ーーー七草真由美が得意気に腕を組んで鼻で歌いながらこちらを見て話している。
チラッと学校の門前に設置されている監視カメラをみる。この時代にまでなってくると、町のあちらこちらに監視カメラに設置されていて、その監視カメラは犯罪の防止の他に想子(サイオン)を検出して魔法を違法使用者を取り締まる為でもある。今、七草が魔法を使用したならば、恐らく、違法使用として検出されただろうが、もし目の前の彼女が俺が知っている七草真由美ならば(魔法を使った時点でほぼ確定してるが)問題無いんだろうな~。
さて、サイオンが体中から発していた後がある時点でどこが凄いのか、少々疑問に思うが気にしないことにした。というより興味がない。
「で? 俺に何か用ですか?」
待ち伏せされたことには驚いた。しかし、偶々であると思い興味がなかった。あまりの幼稚さに知ろうとも思えない。まあ、小学低学年の少女には当たり前のことで俺が単に異常なだけだろうが。
そういう訳で七草による待ち伏せに関しては取りあえずスルーする事にした。ちなみに、七草のドヤ顔にムカついたというのもある。こんなことでドヤ顔されても、精神年齢が良い年こいたおっさんにはどう反応すれば良いか困る。子供をあやしたことなどほとんど皆無なのだから余計だ。もっとも、いちいち反応するのは彼女の思う壺なので無視するが。
「ちょっと待って!待ち伏せに関して無視?
すごいことよね?これ!すごいでしょ?」
「はいはい、スゴイデスネー(棒)っと。さて、用件はそれだけか。なら、帰らせてもらいます。」
俺は適当にそういうとさっさと帰るため七草の横を通ろうとする。
「えぇ!?それだけ?もっと言うことあるでしょ~?」
しかし、七草は俺の裾を掴んでそれを妨害し、文句を口にする。
だが、生憎こちらとしても、最近は忙しいので彼女に構っているつもりはないので、別の作戦を開始する。
「えぇ、とても子供っぽく可愛らしい発想だと思います。」
とニッコリいい笑顔で言ってみた。
しかし、この発言は彼女の表情を見るかぎり失策であったと悟った。
案の定、その後、彼女は悔しさと羞恥、そして怒ったような表情で騒いでいた。
次話は未定です