作者は元気でやっておりますが、台風来ちゃってるんで色々と心配ですね。
ってことで15話です。
「初めまして、わたくし倉持技術研究副社長の立花彩と言います」
茶髪で長髪の女性がペコリとお辞儀をして相対するソファーに座る。それから、次に向こうの技術主任が挨拶して、副社長の隣に座る。
対するこちら、SOS財団のメンバーは俺と長門であった。社長からの直々の選抜メンバーになってしまった。
「単刀直入に言う。そちらに所属している日本代表候補生である更識簪とその専用機である打鉄弐式を引き渡してもらいたい」
「すみません。それは出来ません。更識簪さん、ともに打鉄弐式はわたくしどもの中でも大きな存在となりつつあるので」
「できる限りの譲歩はする」
「お金の用意はあるということで間違いはないのでしょうか?」
立花副社長は俺と長門を見てニッコリと笑う。
つまりそれなりの金を用意したんだろうなということなのだろうか。
「勿論」
長門がそう言った。
今回の話の中で社長からはかなりの莫大な資金を受けているが、それでも出来るだけどの程度で取引が完了出来るかが腕の見せどころになる。
正直、倉持は世界からも認められる技術企業である。
彼女らが開発したIS近接ブレードは今現在配備されている訓練機に正式決定されており、技術は確かなものであった。
が、どうにも名誉を優先したいらしく、打鉄弐式の開発をやめて将来性が大きな白式にした。
「ですが、やはり金額だけでどうにかなる問題ではないかと思うんですよ。特にあなた方のように欠陥機を作る企業との取引では」
こいつ、俺の専用機を調べたな。生徒の中に色々とスパイがいると考えたほうがいいか。
「それは我が社へ対する侮辱として受け取ればいいのか?」
「いえ、ありのままの事実を言ったまでですよ」
すかさず長門が反撃する。
「ISも満足に作れないのもまた事実」
「っ・・・白式は他のISとは違いますので」
「白式が他のISと違うからという理由で打鉄弐式の開発が中断されるようでは、あなた方倉持研究も大したことはないと考える」
「なっ・・・それはうちがあんたらより劣っているというの!」
長門の挑発に乗って今まで黙っていた向こうの技術主任が机を叩く。それで長門がビビると思ったのかこいつ?
「私はあくまで自分の考えを言ったまで。それは認めるということに?」
そこまで言うと向こうの技術主任は長門を睨んだまま、何も言わない。長門もそれだけ言うと何も言わず視線を返した。
すると
副社長が口を開いた。
「なるほど・・・分かりました。では、こうしませんか?あなた方の最高のISとパイロット、そしてわたくしどもの最高のISとパイロット。模擬戦をしてみませんか?」
「・・・・・・・」
「わたくしどもが勝てばあなた方の提示した額の五倍を用意してもらいます。あなた方が勝利すればあなた方が提示した金額の半額の値段でお譲りしましょう」
その言葉に俺は一瞬焦る。
五倍!?五倍か・・・キツいな。金額的には財団の力を持ってすればそれほど大したことではない。だが、問題なのはその後のことだ。
模擬戦を行った後、俺たちはこちらが提示した金額で打鉄弐式を交換することになるのだが、世間にはSOS財団のISは倉持より弱いという印象を与えてしまう。
それが今は弱くとも定着されてしまえばそれなり難しい問題になる。地味に後に響くことになれば今はよくとも将来的には痛手になるし、倉持を調子に乗らせてしまうことになる。
「分かった。その提案を受け入れる」
「では、こちらの書類にサインを」
「っておい!主任、これはマズイ。もしうちが負けたら今はよくても、後々になって「分かっている。あなたが思っていることは想定済み。だけど、そうはならない」・・・何故そんなことが言える。根拠なんてないぞ」
そう言うと長門はサインを終えてこちらを振り向いて言った。
「出るのはあなた。涼宮ハルヒが認めたあなたら負けるはずがない。それが提案を呑み、勝つことを確証した根拠」
「そんな・・・いや、待て。俺よりも強いなら長門が出ればいい」
「私の機体は調整中。朝比奈みくるでは勝てない。それに、涼宮ハルヒの機体データをくれてやることはない」
「・・・・ぐぬぬ」
社長のISは俺が見る限りでは特別何かすごい仕掛けがあるわけではないが、やはり他企業にその性能を見せるのは確かに如何なものかと思う。
ていうかあいつらこの取引自体これが目的だったのか。
そもそもあっちが勝ったら五倍の値段で俺たちよりも強いことの証明が出来、こっちが勝ったら半額か。
はっきり言って割に合わない。なんで向こうが五倍でこっちが半額なんだよ。まぁ、
別に勝てばいいだけの話なんだが。長門はどうして俺が勝てる自信があるんだよ。
「それでは来週、お願いしますね」
そうにこやかに副社長は笑みを零さずに俺たちを見送った。
「はぁ・・・厄介なことになった。お兄さん胃が痛いよ」
帰りの車の中、運転しながらそうため息を吐いた。
「大丈夫、あなたのISのFCS機能は修復に成功している。それに、現段階であなたの腕なら・・・」
長門はこちらをくるりと向いて一言。
「負けない」
「・・・その自信はどこから出てくるのか分からないが・・・分かったよ。やるだけやってみるさ」
もう少し長く書いてから投稿しようと思ったんですど、すげー微妙なのになっちゃったんで、一番区切りのいいとこにしておきます。
次回もよろしくお願いします。