IS学園の教職員になりました   作:青野

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待たせたな


第21話 集結

 

 

 一夏とラウラが問題を起こしている頃、ウィン・D・ファンション。愛称、ウィンディは輸送機の中で眠っていた。

 

 ここ最近かなりの頻度で出撃回数があったので体力の消耗が激しく、疲れていたのだ。だが、これから少し休めると思うとウィンディは気持ち的には楽になれていた。

 

『ウィンディ、俺は必ず守りきってみせる』

 

 夢を見ていた。

 IS学園の卒業式であった。

 誰もが喜び、誰もがあの戦いを思い出す。ウィンディは墓の前に一人立っている蓮花に声をかけた。蓮花はそう応えた。

 

『お前は・・・少しだけ変わったな』

 

『はは、かもな。けどさ、自分がどれだけ甘えた世界にいたのか分かったんだ。それと、本当に大切なものほど失って初めてその存在に気づくもんなんだよな』

 

『そうだな。それは確かに言えている。何気ない日常の一つ一つが・・・自分たちを支えてくれている要素の一つなのだと。一つだけ聞いていいか?お前の守りたいものとは一体なんだ?』

 

『この両手で抱きしめるもの全てだ』

 

 そこで夢は終わった。

 キザでかっこつけな奴という印象があったが、やる時はやる男であると、ウィンディは評価している。

 

「ん・・・・」

 

 ウィンディが丁度夢から覚める頃には輸送ヘリはIS学園の敷地内に入っていた。ヘリからウィンディが降りると向かい受けるように蓮花の姿があった。

 その数年前と変わらない姿にウィンディは頬が緩む。

 

「久しぶりだな、蓮花」

 

「ああ、元気にしていたか?」

 

「・・・まぁまぁな。さぁ、仕事が待ってるぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから絵里とウィンディとの防衛に関しては夜の会議に行うことになり、放課後の職員室では話がされていた。

 結果のみしか知らない蓮花にとってはとてつもなく面倒な件である。別に普通の問題についてはいいのだが、その当事者リストに自分が受け持つサポートする生徒がいるのではれば仕方がない。

 

「兎に角、ボーデヴィッヒさんのことについては停学処分ということでいいですかね?」

 

「はい、問題ないです。織斑君のことについてはオルコットさん、凰さんのこともあるので厳重注意ということに留めておきましょうか」

 

 つまりボーデヴィッヒがオルコットと凰を理由もなしにボコボコにしてそれを止めようとして一夏がアリーナのバリアをぶっ壊したということだ。

 随分とめんどくさいことをしてくれた。ぶっちゃけボーデヴィッヒについては千冬が担当することになっている。

 それについては正直なところ不安がある。ボーデヴィッヒの態度を見ていてもとてもではないが、こちらとしても供用出来るようなものではない。

 今回の件についての処分が少しは効果があるといいんだが・・・彼女の場合についてはもっと根本的な問題がある。

 

 会議が終了して次に防衛関係のことついての会議を行うために千冬と絵里、昼に到着したウィンディも含めて話し合いがあった。

 

「改めて歓迎するよ、絵里。ウィンディ」

 

「ちょっと波乱な同窓会になっちゃったけど・・・またこうして顔を合わせられたのは嬉しいわ」

 

 絵里が嬉しそうにそう言う。

 

「そうだな。だが、今度は立場が違う。学生とは違うんだ」

 

 ウィンディが同意しながらそう言った。

 

「・・・まぁ、取り敢えずやるだけのことはやろう」

 

 そう千冬が締めると学園の防衛についての会議が始まった。

 

「現在、亡国のものと思われる兵器がアメリカ海軍が攻撃を受けた。だが、その兵器はISではない」

 

「ISじゃない?それに亡国って・・・」

 

 千冬の情報に質問をする。

 

「まぁ待て。轟沈した空母のデータを解析した結果、カメラに映った兵器のエンブレムが亡国のものだった。更に面倒なことにその兵器ってのはISと同様。いや、それ以上の驚異である・・・カブラカンだ」

 

 千冬の報告に動揺した。ていうか、正直に言ってかなりの焦りを感じた。

 

 俺と千冬、絵里、ウィンディ、そしてマギーを含めた元IS学園生は亡国企業と戦う前にもう一つ大きな戦いを経験している。

 それが第一次IS大戦。女尊男卑が確立され始めた頃、やはり各国で反応はかなり反発的なものであった。そりゃそうであろう。国や宗教の中では男尊女卑が主流なものだってある。

 俺は亡国企業所属パイロットとして、スコールの部隊であるコジマ部隊の一員として戦闘に参加していた。

 そこに奴は現れた。

 

「蓮花・・・それって」

 

 絵里が心配そうに言った。

 

「ああ、そうだ。IS革命初期に製造されて、全て破壊された筈の対IS用巨大兵器・・・略称名AF。アームズフォートだ」

 

 特に手強かったのは全部破壊したはずだが、カブラカンの厄介なところは無人ISのような自立起動兵器を何機も持っているということだ。ISほどの戦闘能力はないものの、数の暴力はいつの世も圧倒的なものである。

 

「心配する必要はないかと思うが、七月にある臨海学校では特に注意を払ってくれ」

 

「分かったわ」

 

「ああ」

 

「了解した」

 

 積もる話もあるのだが、明日もあるということで一旦解散する。一応、スケジュールの打ち合わせは終わっているからな。

 

 にしても、亡国が・・・。

 

 正直な話、亡国とは戦いたくないというのは本音だ。彼女らが一体何をしたいのかが分からない。

 何故、クーデターを起こしたのか。何故、その後行方不明になったのか。

 

 あれから彼女らはテロリストとして活動している。結局何がしたかったのか、その真意まで俺はスコールから説明を受けれていなかった。

 

「そこまで聞いてたら、俺はどうしたんだろうな」

 

「え?どうかしたのか?」

 

 そんな小言を拾った千冬がそう聞いてきた。

 

「あ・・・いや、なんでもない。そうだ、ボーデヴィッヒのことを任せてすまないな」

 

「いいんだ。あいつをあんな風にしたのには私にも責任がある。彼女のことは任せてもらってもいい。だが、問題はデュノアの方だ」

 

「分かってる。一応だが、俺は一夏の警護ってこともあるんだ。気にしておくようにしておく」

 

「ほんとは全部何とかして欲しいのだがな」

 

「何言ってんだ。学生間のことにまで俺は口出しできねーよ。まぁ、もっともデュノアは超えてはならないラインを超えた場合は別だがな。それまでは、一夏に任せる。大人は黙って子供の成長を見守るもんだぜ?」

 

「・・・お前からそんな言葉を聞くことになるとはな。まぁ、いい」

 

 シャルル・デュノアが本来なら女性ということについては学園側としては既に知っている。会議の中でも知っていて流したというのは大きい。書類上の問題ということでならあるが、下手に暴いてフランスとの問題を作りたくないというものもある。

 なので、取り敢えずは保留で解決策が上がるか、デュノアが問題を起こさない限りは泳がせておくということである。

 

 教員側がこんなのでいいか、迷うが・・・今は仕方ないか。

 

「さぁ、もう帰ろうか。日付がもう変わっているぞ」

 

「っと・・・これはすまん。帰るか」

 

 そう言って俺と千冬は千冬の部屋の前で別れた。

 ウィンディと絵里の警備体制についてなのだが、他の警備員との兼ね合いもあって毎日夜勤をしなくてもいいようになったらしい。警備の方でも毎日夜勤で寝不足になって二人の実力が出せなければ意味がないということもあったらしい。

 

 ウィンディも絵里もそれには大賛成のようだ。

 

「で・・・なんでお前らがいるんだ?」

 

 見れば入口に絵里とウィンディ、千冬の姿までがある。すると、ウィンディが言う。

 

「待て、私は仕方がない。教員寮が一杯だから千冬と蓮花はこちらにいるのだろう?それに、警備の身としてもこちらの方が都合がいい。そして、絵里は千冬。つまり、必然的に私は蓮花と部屋が一緒ということになる。分かったか?」

 

「ま、まぁ、分かったが・・・それはまぁいい。いいんだが、何故絵里と千冬までがいる」

 

 そう言うと千冬が口を開いた。

 

「あ、私はだな。消灯時間を過ぎてもほっつき歩いている馬鹿がいないか見回り中だ」

 

「絵里は?」

 

「だって、そんなの卑怯よ。確かに私の方が先に来て千冬の部屋に荷物を置いたけど、蓮花と同じ部屋になれるんなら私だって遅くきたわよ」

 

「おい、そんな話したってしょうがないだろう。ていうか、なんでそんなに俺の部屋と一緒になりたいの?」

 

「へ?あ・・なに、そんなの聞いちゃうの?」

 

「いや、聞かなきゃ分かんないだろう」

 

 その質問に対して絵里は真っ赤になってプルプルと震え始める。あ、ヤバイ。これはヤバイやつだ。

 

「よし、待った。絵里、その調子はダメだ。ち、千冬。これはどうにかならんのか?」

 

「と、言われてもなぁ。正直、寮の調整は全く出来ていない状態だからなぁ。兎に角、今日はウィンディは蓮花の部屋で。絵里は私の部屋に来てくれ。ちゃんと後で部屋割りの調整をしよう」

 

「わ、分かった」

 

「それがいい。了承した」

 

 とまぁ、そんな風に修羅場のようになったのも落ち着きを戻し、各自解散する。

 ていうか、今日は疲れた。朝、昼、晩と会議して授業して、また調整して・・・あ、教師ってこんなにも疲れる職業だったのか。

 そのうち慣れるか。

 

 そう思ってウィンディと一緒に部屋の中に戻る。機材をかなりコンパクトにして部屋に隅に移動させて、なんとかウィンディが寝れるベットを出した。

 

「千冬といい、蓮花といい、相変わらず部屋が汚いな」

 

「ちっちっ、これは片付いていなようで俺的には使いやすいんだよ」

 

「言ってろ」

 

 そう言うとウィンディは鞄から下着と寝巻きを取り出すとシャワーを浴びに行った。後は自分でするだろうと思い、俺はその重たい身体をふかふかのベットに沈めていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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