IS学園の教職員になりました   作:青野

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主人公の専用機が出てきますが、ほとんど概要ばっかり名前も出てきません。





第5話 技術研究用

 

 

 

「おー、来ちゃったか」

「ええ、来たわ」

 

 デーンというロゴがバックに見えるほどの圧倒的な存在感が俺の目の前にいた。外見は割と大人っぽいのだが、その脳細胞はまるで無邪気な子供のようなものであり、彼女は常に発見と興味のみで動いていた。

 

 笑いながらこちらに手を振る女。SOS財団のトップ、つまり社長。涼宮ハルヒであった。

 

 そして、その隣を歩くのは苦労人、副社長のキョンであった。相変わらず社長補佐ということで無理矢理こさせられたのだろう。

 

 二人は格納庫に収容されるコンテナの目の前にいた。

 

「あら、JKに囲まれて鼻の下を伸ばしていると思ったらそんなことなかったようね」

「まぁ、一応教職員だから生徒に手を出すような真似はしないぞ」

「ふーん、まぁいいけど。それじゃぁ、改めてしっかり頼むわよ。浅乃君!あなたはこの学園を大いに盛り上げるためにいるんだから!」

 

 ニコッと笑いながら彼女は俺にそう言うのであった。だが、それを遮るように言うのは隣にいるキョンであった。

 

「浅乃、あんまり気にすんなよ。こいつの言うことを聞いていたら身が持たないからな」

「ちょっと、キョン。社長に対してその態度は失礼なんじゃないの!」

「こういう感じだからな」

「そのくらい一年もあそこにいれば嫌でも慣れるさ」

「それは違いないな。そうだ、朝比奈さんからお前に健康には十分注意してくれとのことだ」

「ああ、分かってるよ。元気にやっていると伝えてくれ」

 

 そう言うと、俺は長門がいるであろうコンテナが運ばれていった格納庫の中に入っていく。そこには既に白衣を来た長門が待機しており、パソコンをカタカタと打っていた。

 

「おーい、長門」

「・・・・・・・」

 

 相変わらずの無口な主任であるが、偶に可愛らしいところもあるのを忘れてはならない。

 

「作業工程の三十パーセントが終了。調整はこちらで終わらせておいた」

 

 このコンテナの中には俺の専用機が入っている。ここ最近、こいつの研究に忙しかったので俺とのリンクは一旦切断していた。ので、改めてこつを量子化しなければならないのと、ある程度体になじませる作業が俺を待っている。

 

「悪いな、こんなことになって。貴重な技術研究用の機体だったんだが」

「問題はない。確かに機体は会社のものだが、それよりもあなたの力になる方が優先されるべき。それに、技術研究用の機体はこの子だけじゃない」

「まぁ、そうだが。それでもずっと研究していたのはこいつだったからな。けど、そう言うのなら別にいいか」

「代わりと言ってになる。この機体の稼働データを提出してもらう」

「当たり前だ。問題ない。何か、前回と違う点はあるか?」

「・・・・・・・・」

 

 そう言うと彼女が数秒間黙った後、口を開いた。

 

「正直に言うと問題だらけの機体になってしまった」

「も、問題だらけ?」

「元々問題のある欠陥機だったから今更ながら問題ではない。関節部はカーボニックアクチュエーターによってスムーズに稼働する。動作に幅が出る分、空中での機体制御が難しくなっている。それと、FCS機能が不十分な点が多く、オートロックが難しい」

「マニュアル射撃?」

「肯定する。現段階で操縦者の射撃技能に問題がないので、特別問題にする点でないと思われる。次に内部フレームとジェネレーターの出力を二十三パーセントずつあげた。これにより通常戦闘においての稼働時間がアップした」

「なるほど。だが、話を聞いている限りでは特別問題があるとは思えないんだが」

「最大の問題が一つだけある」

 

 なんと、大きな問題が最後にあるのか。話を聞いている限りじゃ操作が難しくなったのとFCSが使えないことであるのだが・・・。

 長門、もとい主任は俺の目を見ていった。

 

「武器の量子化が出来ない」

 

 ・・・・・はい?

 

「ど、どういう?」

「恐らくOSをバージョンアップした際に何らかの不具合が生じたものと推測する。詳細は分からない。修正するにはコアの初期化が必要と断念した」

「マジかよ。じゃ、じゃぁ俺はどうやって戦えば?」

「その点を考慮して機体のイメージインターフェイスシステムを削除した」

「えっ!?」

「元々、そこまで精神負荷がかかる武器ではなかったため、特殊兵器とともに機体から取り外した。武器を量子化して収納していた従来のものと違い、機体自体に武器を装備する形になる。よって、この機体には拡張領域というものはない」

 

 うーむ、武器を量子化出来ないのか。これは、これでめんどくさいな。だが、その分機体のプログラムが軽く出来る分には嬉しい誤算かもしれない。

 

「そこで、今回の機体は可動兵装担架システムを搭載している」

 

 すると、パソコンの画面に映し出されたISの肩辺りにアサルトライフルが二丁ほどくっついているのが見える。

 

「これはISの兵装や追加装備の携行させるために私自らが開発したサブアームになる。各種兵装に対応したマウントアタッチメントに換装することで様々な武器を搭載することが出来る。また自動制御による補助攻撃が可能であり、攻撃パターンも多彩になる。しかし、メインと比べると射撃精度は落ちる為、背後や火力としての補助としての方が運用的にも良いと推測される」

 

 つまり、背中に二つ武器があるのと両手に一つずつ持つので、計四つで戦えと言うのか。確かに稼働時間は増えたが、逆に武器の消耗は激しくなったというべきか。欠陥なのか、どうなのか。

 随分と難しい機体になっちまったじゃねぇか。

 

「機体の概要は以上。後は、あなたの仕事」

 

 そう言って長門はパソコンを片付け、そそくさと退散していく。

 

「えっ、主任はもう行っちゃうの?」

「まだ仕事が残っている。そちらも速くその機体に慣れることを推奨する。機動に大きな幅が出た分、癖のある機体になってしまった。量産が出来ない以上はその一機のISの存在は大きなものと私が考える」

 

 長門はそれだけ言うと歩き出した。その背中はいつもよりも随分とやってやったぜと仕事後のちょっとした笑みを感じた。

 

 その後、『JKよ!JKがいるのよ!』と連呼する社長を引きずるキョンたちを見送り、ISの調整は明日からにするとして、俺はそそくさと自身の部屋へと戻るのであった。

 

 と、その途中で剣道場からパシーンッ!気持ちの良い音が聞こえてきたので俺はひょいと顔を出してみた。

 すると、そこには情けなく倒れる一夏に少し怒っている篠ノ之がいた。

 

「あっ、先生。お疲れ様です」

 

 一夏は俺を見るなり少し表情を明るくした。

 

「おう、お疲れ。どうだ?調子は?」

「いやぁ、全然ですよ。箒は手加減なんてしてもらえないんで」

「何を言っているんだ。オルコットだって手を抜くような真似はしないだろ?」

「そうですけど・・・あっ、だったら先生が俺にIS教えてください!」

「なっ!一夏!貴様!」

 

 一夏がIS指導は俺が適任だと思い、いきなりそんなことを言い始めた。まぁ、確かにどちらかというと俺の方が教えるには適任だろうとは考えるのだが、一夏の後ろで般若になっている篠ノ之が少しばかり気になり、返答に困る。

 

 が、

 

「悪いが、その答えはノーだ。その指導は次の勝負のためなんだろう?幾らお前がISのことについて知識が皆無だとしても、双方がハンデなしに勝負と言った以上は教師が直接口を出すことは出来んのだよ。まぁ、クラス対抗戦とかになると、話は別だな」

「そ、そんなぁ・・・」

「・・・まぁ、ISのスペックが分かれば助言ぐらいはしてやれる。一応俺はお前のサポート役だからな」

 

 そう言うと一夏は何らかの活路を見出しのか俺に言った。

 

「そ、それじゃぁ俺の専用機のスペックが分かれば何か教えてもらえるんですね!」

「そうだな。だけど、剣道はやれ。折角篠ノ之が相手をしてくれるんだろ?ISにだって基礎体力は必要だからな」

「わ、分かりました。じゃぁ、ISの詳細は一体誰に聞けば?」

「俺は知らんからな。そうだな、ちふ・・・織斑先生に聞けばある程度は教えてもらえるんじゃないか?」

「分かりました!」

 

 俺の助言により少しでも勝率が上がることを願う一夏にとってその話はとても美味しいものであった。

 相手を知る前にまず己から。とはよく言ったものだ。作戦を立てようにもまず自分の力がどの程度のものなのか知っておかなければ作れるものも作れない。

 

 一夏は気合が再度入り始めたのか、竹刀を握り締めて再び篠ノ之と打ち合いを始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっしゃぁぁぁぁぁ!やってやるぜぇぇぇ!」

 

 織斑一夏は先ほどの蓮花の助言を聞けば少しでも勝率が上がると思い、気合が入っていた。衝動的だったとしても、今回の戦いは自分にも非がある。

 だからこそ、一夏にとって次の戦いは負けられないものであった。

 

「って、早とちりはよくない。まず、やるべきことをやらないと」

 

 蓮花が一夏に助言出来るのは一夏のISスペックがこの場にないと話にならないということだったので、せめてISの名前ぐらい知っているであろう姉の元へと彼は歩き出した。

 

 が、箒に食事を誘われた一夏は夕食の後で良いと考え直し、食堂へと歩き出した。

 

 食事が終了し、シャワーも浴び、時刻にして午後八時。教員たちは学園から教員寮へ戻っており、千冬もそうであった。

 千冬の姿を廊下で確認していた一夏は千冬が部屋にいることを前提にしていつもの家族感覚で彼女の部屋に入った。

 

 普通は女性の部屋に入る前にはノックぐらいするものであるのだが、家族感覚で部屋を訪れた一夏にとってはノックなど不要なものでしかった。

 

 だからこそ、一夏は見てしまった。

 

 下着姿から丁度、シャツを着ようとしていた姉の後ろ姿を。

 

「ち、千冬姉!?」

「っ!い、一夏か・・・お前は他人の部屋にノックをせずに入るのか?」

「あっ・・い、いや・・・・」

 

 赤面する一夏であったが、千冬の背中を直ぐに思い出す。千冬は既にシャツを着てジャージに手をかけていたが、それでも一夏はバッチリとそれを見ていた。

 

 

 

 そう、千冬の背中にあった一筋の傷跡を。

 

 

 

 

 

 




次回もよろしくお願いします!

SOS財団ってことで、ハルヒたちが時々出ます!ってことで、タグ追加しておきますね、ハイ。
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