IS学園の教職員になりました   作:青野

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ということで、今回から過去編になると思います

割と・・・長い?

のと、三人称で書いているつもりなんですが、もしかしたら一人称でいっちゃってる部分とかがあるかもしれません。
チェックしているんですが、見落としている点もあるかもしれないので、見つけたら報告のほうお願いします(>人<;)。
別に無視でも全然オッケーです!


第7話 国家解体戦争

 

 浅乃蓮花、IS学園3年の冬、彼は卒業後の進路に向けて企業所属のまま大学へ進むことを選んだ。どうやら千冬はこのままいけば日本の国家代表へとなれるようでどちらも順調で良かった。

 二人の関係を言えばよきライバルという言葉がいいのだが、仲が良すぎということもあり周りでは二人は付き合っているんじゃないかという声がある。

 

 のだが、それを耳にした程度で二人の関係が気まづくなるということはなく、互いに見えない何かで信じ合っているのか、その信頼関係は分厚いものであった。

 

「おーい、蓮花。今週の日曜日に政府のお偉いさんたちと話し合いがあるんだが、お前も来てほしいらしいんだ」

「話し合い?」

 

 寮の部屋の中で千冬は蓮花にそういった。

 

「ああ、なんでも私たちだけじゃなく、ナターシャたちにも声がかかっているらしい。学園長も承諾していることなんだが」

「うーん、今週はちょっと企業に顔出さないといけないんだよ。こっちは午前中に終わるから昼には顔出すよ」

「分かった。そっちもそっちで大事な話しがあるんだな。それは、それで仕方ないか」

「悪いな。みんなによろしく伝えておいてくれ」

 

 確かに政府人から直々に話し合いなどそうそうあるものではないが、蓮花にとっては今週にある自分の所属企業での話し合いもそれなりに必要なことであった。

 

 だからこそ、蓮花は昼からという選択を選んだ。

 

 

 

 時間は過ぎて校門。蓮花は迎えてに来てくれるらしい企業の人を待っていた。降り積もる雪を傘で遮りながら分厚コートに身を包む。すると、後ろからとある人物が現れる。

 

「蓮花ね。そう言えばあなたは午後からの参加だったわね」

 

 マグノリア・カーチス。通称、マギーである。青いロングの髪の毛に抜群のプロポーションの持ち主であり、カナダの代表候補生である。

 

「ん、まぁな。マギーは千冬たちと一緒だっけな?」

「そうね。そういうことになるわね。私の他にもナターシャ、ウィンディ、絵里たちが呼ばれているわ。正直、あまり良い話しとは言えないわ」

「・・・そうか。俺は途中参加になるが、皆にはよろしく言っておいてくれ」

「分かったわ。蓮花もしっかりね」

「勿論だ」

 

 丁度そのタイミングで蓮花を迎えに来た企業の車が止まった。後部座席のドアが開き、蓮花はその中に入る。

 

「それじゃぁな」

「ええ、また後でね・・・れ、蓮花!」

 

 急に名前を呼ばれた蓮花はマギーの方を見る。いつもの凛々しさはなく、なんだか妙に恥ずがしがっていた。

 

「あ、あの・・・今日はあれだけど、来週の日曜。空いてる?」

「来週か。特に何もなかったと思うけど?」

「ああ・・そう。なら、私と一緒に買い物でもいかない?」

「買い物か。分かった。それぐらい付き合うさ」

「そう!・・・わかった。ありがとう!またね!」

「あ、ああ・・・」

 

 蓮花は軽くマギーに手を振ると窓を閉めて背中を座席にゆっくりと預ける。

 

「あら、彼女さん?」

 

 運転手が彼にそう聞いてきたが、蓮花はそれを否定する。

 

「そんなんじゃないですよ。ていうか、社長が直々に迎えに来るってどういう・・・」

「あら、いけなかったかしら」

「別に問題じゃないですよ。今日はよろしくお願いしますね、スコール・ミューゼル社長」

 

 暫くして俺の所属企業、亡国と呼ばれるあまり政府からは好まれそうにはない名前の会社のビルに到着する。

 中に入り蓮花はすぐに応接室に通された。ソファーに座り、向かい側にスコールが座る。相変わらずグラマラスな体に整った顔。それなりの有名人なはずなのにその知名度はかなり低いが、それは意図的なものによるものであったが、当然その理由を蓮花が知ってるはずもなかった。

 

「学園での活躍は聞いているわ。大分やれるようにはなってきたのね」

「まぁ、今年の十月までは学年最強を名乗ってきたものなんで」

「言われてみればそれもそうね。なら、これは当然の結果として受け取ればいいのね。あなたが優秀で良かったわ」

「は、はぁ・・・それで、話とは?」

 

 すると、スコールは分厚い茶封筒からなんらかの資料が載った紙を蓮花に渡した。

 

「これは・・・」

 

 蓮花は資料を見て目を見開いた。

 

「しゃ、社長は一体何をしようとしているんですか?」

「何って、そこに載っている通りなんだけど?あなたがそれに承諾すれば、直ぐにでも私たちは動き出すわ。バックス・エコノミか・・・国家解体戦争とでも呼ぼうかしら」

「ま、待ってください!そんなことをして一体何になるって言うんですか!」

 

 そこに書かれてあったのは企業から日本政府へ対するクーデターの計画書であった。

 

「ISは兵器でありながら、スポーツとして世界では認知されている。だからこそ、企業はISを得ることが出来た。兵器として認められたらこんなことにはならなかったんだけどね」

「それは答えになっていませんよ」

「私が答えるとでも?」

 

 と、そんなことを話している間に部屋の中にゾロゾロと黒服を着たガードマンが入ってくる。

 女ならまだしも、肉弾戦なら圧倒的に男の方が有利であり、女尊男卑のこの世界でもそれは変わらない。

 

「私もこんな真似はしたくなかったんだけどね。計画を知ってしまい、反対する以上はあなたを生かしておく訳にはいかないの。そうね、殺すには惜しい男だからモルモットぐらいにはしてあげようかしら」

「・・・だから、点検とか言って俺の専用機を一旦回収したのか」

 

 蓮花を取り囲むように黒服たちが集まる、絶対絶命かと思ったその時、部屋の中にマシンガンによる射撃が襲ってきた。

 ガガガガガッ!という音とともに窓から弾丸が床や壁に穴を開けていき、その攻撃によってガードマンたちは怯みだした。

 

 蓮花はその射撃方向である窓を見た。

 

「蓮花!」

 

 千冬率いる数人の専用機持ちたちが外で待機していたのだ。

 

「ちっ!殺せ!」

 

 スコールの声とともに射撃が蓮花を襲うが、蓮花は全ての恐怖を振り払って外にいる千冬に向かって走り出し、思いっきりジャンプをした。

 彼らの射撃が蓮花に命中することはなく、蓮花はうまく外にいた千冬にキャッチされて一気にその場から離脱した。

 

「悪い、千冬。お前らが集められたのはこういうことだったんだな」

「まぁな。先ほど政府の主要人から亡国によるクーデター計画を教えられてな。私たちは数機の専用機による奇襲とお前の救出をすぐに行ったんだ。これから奴らのことで話がある。IS基地へ向かうぞ」

「あ、ああ。了解した!」

 

 千冬に続いて見知った顔の専用機が飛び、数分でIS基地へと到着した。着くなり蓮花は手厚い歓迎の元、すぐに会議室へと通される。

 そこには何人かの政府の主要人と軍事関係者がいた。

 

「それで、浅乃君。君はその計画書に目を通したんだね?」

「あ、はい・・俺は反対してその場で拘束されそうになったんですが、彼女らに助かられました。計画の詳細な内容までは分かりませんが、社長は国家解体戦争と呼んでいました」

 

 そう言うと軍服を着た茶髪の女性が立ち上がった。

 

「浅乃君、反対したということは君はこちら側という解釈でいいだな?」

 

 キリッとした視線に蓮花は思わずコクりと頷く。それを見た彼女はすぐに政府の要人に言う。

 

「IS部隊の出動の許可をお願いします。敵は目と鼻の先です。計画が漏れた以上、彼女は今すぐにでも仕掛けてくる可能性があります。叩くなら今かと」

「・・・まさか、日本最大のIS企業がクーデターとはな・・・神宮司大佐、任せてもらって構わないか?」

「はっ、了解しました。皆さんは一次地下シェルーターへ避難を」

 

 政府要人たちの誘導を行い、神宮司大佐は蓮花たちを見て言った。

 

「君たちも来てくれ」

 

 蓮花たちがポツンと突っ立っているうちに状況はドンドン進み、何故か亡国と戦うことになっていた。

 蓮花たちは言われるがままに軍の地下施設へと連れて行かれる。

 

「自己紹介がまだだったな。私は日本帝国軍IS部隊、大隊長の神宮司まりもだ。君たちの上には既に話を通してある。悪いが君たちもこの戦いに身を投じてもらう。まぁ、専用機持ちなら、それぐらいは分かっていることだろう?」

 

 背中越しに少し不敵に笑う神宮司大佐に俺たちは頷くことしかできなかった。それなりに俺たちも修羅場を潜ってきた訳なのだが、やはり大人というものは俺たち以上にその修羅場を潜ってきた。それが経験の差というものか。

 

「総員!ISの点検、出撃準備をしておけ!一時間後にブリーフィングを行う!」

「「「了解!」」」

 

 地下軍事施設には日本の量産機がズラリと並べられており、そこから顔を出す兵士たちが返事をした。

 

「浅乃君はこちらの用意するISに乗ってもらう。それでも構わないな?」

「は、はい」

「浅乃君の調整が終わるまで、他の君たちは部屋で待機していてくれ」

 

 大佐の指示通り、千冬たちは別室へと行き、蓮花は並べられているISの前まで連れてこられる。

 

「ISはあるのに、パイロットが少ないなんてな。笑える話だろ?君にはこの日本帝国軍主力機、瑞鶴に乗ってもらう。乗り慣れていない機体で出撃させてしまって、こちらとしてもすまいと思っているのだが、今は「大丈夫です。こう見えても学園では最上位の成績でした。なんとか使いこなしてみせます」そうか・・・分かった」

 

 それから数人の整備士が蓮花の乗る瑞鶴の調整を行い始めた。

 

(まさか、自分の専用機で戦えないなんてな。有事だというのに・・・いや、俺ならこれくらい使いこなせてみせる)

 

 武装は長刀に突撃砲というなんともシンプルな武装であり、日本が開発した主力最新鋭機ということもあり第二世代機としてのスペックとしては十分であった。

 

(千冬、マギーは第一世代機だし、第二世代なのは俺と絵里、あとウィンディか。それにIS部隊は一個大隊。にしても、全てが唐突過ぎる。それに用意が良すぎやしないか?けど、軍部の方はこの計画をある程度は把握していたことになる。だから、俺は助けられたんだがな・・・分からないことが多すぎる)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 亡国では既に日本政府へ対するクーデターの準備に取り掛かっていた。蓮花がいなくなったことが引き金となり、全てが始まったのだ。

 現実、蓮花が参加しようとも亡国が近々クーデターを起こすのは決まっていた。それが、ただ遅いか早いかの違いだけであった。

 

 スコールはその瞬間を今か今かと待ちながら外の景色を見ていた。

 

 彼女は元は軍人であったが、一つの目的のためにここまでやってきた。他の全てを投げ打ってでも、それを成すために。

 誰にも理解されないことでもあったかもしれないが、共に戦うと集う仲間とともにここまで来た。

 

「スコール、ホントにいいのかよ?」

 

 穴だらけになったソファーに座るのはオータム。スコールのような目的意識はないが、楽しいからという理由で彼女にくっついている。大雑把な性格なため、ある意味では納得の出来る理由だ。

 

「何?」

 

「本気で政府とやりあうっていうのかよ?」

 

「何を今更言っているの?賽は投げられた。この戦いはもう誰にもとめることは出来のないの」

 

「ふぅん。まっ、いいけどよ。どうせ大量殺人だ。殺るなら派手にやろう。それじゃぁ、先に行かせてもらうぜ」

 

 そう言ってオータムはテーブルの上に置いてあったコーヒーを飲むと、一足先に部屋から出ていった。

 静かになった部屋でスコールは一人もう一つのカップに残っているコーヒーを見つめた。

 

「ふっ、蓮花め。やってくれる。まぁいい。抗ってみせろ・・・この戦いに」

 

 

 

 

 




次回もよろしくお願いします!
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