当方小五ロリ   作:真暇 日間

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 弾幕アマノジャク、EXステージ第一戦です。


EXステージ シーン1 「さとり様の仰せのままに」 火焔猫燐 ○

 

 気がつくと、いつの間にか立っていた。

 気が付くと、いつの間にか見たこトmoナ……■■■■■(ザーザザッザッ)―――

 

 ―――いや、見たことはある。これは、私が拾った本だった。妙な力があって、この世界に反逆しているような気持ちの悪い怪物を呼び出したり、水を操って盾にしたりすることができるんだった。

 その本を持って、私は飛ぶ。休んでいる間に身体が動くようになったノか、普通に飛ぶことができている。

 

 場所は……わからない。ただ、碌な所じゃないってのだけは分かった。

 どこを見ても岩しか目に入らない。時々ほんの少しだけ湧き出ている水と、その水の流れるところに薄く生えている緑色に光る苔。それが私の進ム先に見える。

 そして、暫く進むと洞窟の終わりが見えた。

 

「───待ってたよ、鬼人正邪」

 

 突然背後からかけられた言葉に返答することもせず、私は即座に洞窟から飛び出した。

 背後に視線を向けて見てみれば、そこニは赤い髪をした化猫が、まるで玩具を見付けた時のように私を見つめていた。

 

「あんた、天邪鬼の鬼人正邪だろう?」

「違うって言ったら?」

「背中に名札がついてるよ」

「嘘だろっ!?」

「ああ、嘘さ。だけど、間抜けな天邪鬼は見つかったねぇ?」

 

 奴はにやにやと、捕まえた鼠を弄ぶような笑みを浮かべる。嗜虐的で遊び半分で、逃げなければ間違いなく酷い目にあわされることになると確信できてしまう表情。背筋に走る寒いモのを振り払い、私は全力で逃げ出した。

 

「おいおい、そう簡単には逃がさないようにさとり様に言われてるんだ。よっぽど全力に全力を重ねなけりゃあ逃がしてやらないよ?」

 

 その猫はニヤリと笑みを深メて、一枚のスペルカードを掲げた。

 

「憑依『神霊猫バステト様』」

 

 突然、弾幕が現れた。猫がめちゃくちゃに爪を振り回しタ後のような、四本の弧月のような形の弾幕が数十数百と私を取り囲む。

 威力は明らかにごっこ遊びのものではない。僅かに掠っただけで皮膚が裂け、ジワリと滲むように血が珠となる。そんな致死の弾幕を、私は躱し、時に掠りながらも逃げていく。

 

「逃がさなぁ~い」

「クソッタレぇ!避けられねえ弾幕ってのはルール違反じゃねえのかよ!?」

「避けられてるだろう? あんたが避けられてるうちはルール違反じゃないし、そもそもあんただって反則アイテムを持ってるじゃないか。なぁ!」

 

 高速で飛んでくる弧月の弾幕。そして、そレを避けている間に左右から異様に太い二本の黒い柱のような弾幕が迫ってきていた。

 

「ッ……だぁぁっ!」

 

 私の持つ本が光り、水が盾になる。しかしそれだけでは足りないことはわかっていたので、水の盾が形を保っている僅かな時間を溜めに回し、盾となる存在を召喚した。

 水の盾が消える寸前、なんとか新しい盾を呼び出すことに成功した私は、その盾を使って二本の尾から発射される光線を避けていく。防ぎ、掠り、こちラからも弾幕を撃つ。しかし相手の猫が異様なほどに高速で移動するせいでほとんどの弾は外れてしまうし、瞬きした一瞬で位置が前から後ろに変わっているなんてことが当たり前のように起きている。

 呼び出した盾も、あの異様に太い柱を何度か防いだら消えてしまった。移動速度を上げるための呪文と攻撃範囲を広げる呪文は唱え終わったけれど、それでもなかなか当てられない。代わりに、移動速度が上がった分避けるのだけは上手くなった。

 

「避けるねぇ? かなり避けにくく作ったはずなんだけど」

「ハ!このくらいだったらまだまだ余裕だよ!」

「そうかい。なら、もうちょい密度と速度を上げてやろうじゃないか」

 

 化け猫がそう言った次の瞬間。私の目の前に、突然金色の弾丸が表れていた。

 ゆっくりと近付いてくるそれを避けようとするが、身体は本当にゆっくりとしか動かない。そこで気付く。この弾が遅いんじゃなくて、私の意識だけが無茶苦茶に速く動いているんだと。

 本が輝いているのがわかる。どうやらこの本のおかげデこうしてゆっくりした世界に入ることができているらしい。

 それに気付いてからは、全力で飛んでくる弾幕を回避し始めた。異様な密度で、異常な速度。その上一度でも間違えたら死ぬか、死ななくとも重傷を負って逃亡に支障が出ることが間違いないだろう弾幕。ここまで殺意の高い弾幕は初めて受ける。今まで避けきってきたどの弾幕よりもきつい。

 

 この本が無かったらおソらくここで死んでいた。なんともラッキーな拾い物をしたもんだ。

 

「あんた、顔色が酷いよ? ここで休んでいきなよ。大事に大事にしてやるからさ」

「死体を、だろ?」

「あっはっは―――よくわかってるじゃないか。火車は運んだ死体を逃しゃしない。火車ってのは死体が大好きだからね。あんたもきっといい玩具になってくれると思うんだよね」

「お断りだよ、バーカ!」

 

 弾幕の威力を上げて、広範囲に撒き散らす。スペルカードを使ってる最中ってのは、大体の場合ある一定の法則に従って相手は動く。その法則さえ見つけチまえば、そこまで怖くないもんだ。

 だが、このスペルカードは異様に早い。威力も確かに高いっちゃ高いが、どちらかというと速度のほうを売りにしているように思う。しかしその動きはかなり単調で、速度にある程度追いつくことさえできれば避けるだけなら十分できる。追尾弾も殆ど無いし、自機狙いの速度が頭おかしいくらい。余裕は無いが、必死になればよけられなくはない。そんな感じの速度だ。

 

 水を纏っていることで、威力と範囲が大きくなった私の弾幕。それを相手は避け、時に当たりながらもまとった妖力の壁で無視し、私をヒたすらに追い詰める弾幕を張り続ける。

 いつまで続くのかもわからなくなるほどの時間、それが続いた気がして―――しかし、そこでふつりと弾幕が途切れた。

 

「おや、時間切れかい」

 

 そう言ってカードを眺める化け猫の言葉を聞いて、私は即座に逃げ出した。時間を置いたらまたあのキチガイのような弾幕と同じかそれ以上のものが飛んでくるかもしれないと思えば、身体が疲れていても動くことは苦にならない。死ぬことよりもずっとましだ。

 あの化け猫は私を眺めると、興味を無くしたかのようにふいっとどこか別の方向を向いた。私は本当に遊び相手くらいにしか思っていなかったと証明するカのようなその態度に腹が立ちはしたが、しかしそれについて話している暇など欠片もない。疲れ切った私の今出すことができる全速力で、私は必死に逃げ出した。

 

 

 

 ■

 

 

 

「……さとり様。言いつけ通り、鬼人正邪を追い詰めながらも逃がしました。あの本を使った回数は、水の盾が二回、速度上昇が二回、盾の召喚が一回、攻撃力上昇が一回、攻撃範囲拡大が一回です」

『……そう。ありがとう、お燐』

「いえ。大したことではありません」

『あら、、ご褒美にたくさん撫でてあげようと思ったのだけれど、いらないかしら?』

「撫でてください。いっぱい」

『素直でよろしい。……けど、この後もまだ少し働いてもらうわよ?』

「仰せのままに」

 

 さとり様と心でお話をして、これから何をするのかを聞いた。これからあたいはあの天邪鬼の先回りをして、最後にあれを撃ち落としに行く。どうしてそんなことをするのかは聞かされていないけれど、恐らくあの天邪鬼はよくないことをしたんだろう。そうじゃなけりゃさとり様がわざわざあたいのスペルカードを改造して力をくれたりはしないだろうから。

 このスペルカードは封印してたもの。普通の弾幕ごっこじゃかなり難しい上に殆どの奴が避けきれないだろうから、使ってはいけないといわれていた。その封印を解いてしまったんだから、さとり様の本気度が伺える。

 

 ……何をしたのかは知ったことじゃないけど、まあせいぜい頑張るんだね。死体になったら拾ってあげるよ。死体が残ってたらの話だけどね。

 




 
 スペカ解説

 憑依『神霊猫バステト様』

 その名の通り、バステトを一時的に憑依させてその力で暴れまわるスペルカード。
 猫の爪で引っ掻くような四つの三日月のような弾幕を放ちながら画面中を縦横無尽に駆け回る。
 実はある程度の法則があり、一線を越えて離れようとするとある程度の距離まで近付いて爪弾幕を撃ち、ある一線を越えて近付こうとすると二本の尻尾の先から極太ビームで挟み込もうとしてくる。
 爪弾幕は4wey弾なのである程度離れていれば勝手に避けていくが、ある程度以上近いと重なった部分に当たる。
 不可能弾幕らしいところは近付いたときのビームくらいだが、かなりの速度で移動しながら爪弾幕を撃ってくるので一度もそれを撃たせずにクリアは難しい。
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