その場所はかつて魔王たちの巣靴であったが魔王の時代が来るたびに勇者たちはたちあがり魔王を滅ぼした。
そしてこの物語はある時代に勇者が魔王を滅ぼしてそう時間が経ってない時の物語である。
ここは邪悪なモンスターたちが魔王を失い集って、魔物だけが住む村である。
ジャックとギーガは丘に座り草原を眺めながら話していた。
ジャック「なあ、ギーガこれから人間の時代だな。」
ギーガ「そもそも俺たちの時代なんてあったのか?ジャック。」
ジャック「まあ、次期魔王様が決まるまで俺たちは無職だな。」
ギーガ「また200年無職か・・・」
ジャックとは1000歳の悪魔系モンスターのトロル族の下っ端である。
ギーガは1000歳の悪魔系モンスターのギガンテス族の下っ端である。
二体は幼なじみの♂で歴代通算4人の魔王に仕えてきた。
二体は三人目の魔王に仕えた時家族全員を人間たちに倒されたのである。
二体が歴代4人の魔王に仕えたのもうまく強い人間から逃げたりしていたからである。
(ただ、弱い人間は二人でなんとか倒していた。)
ジャック「とりあえず、人間は当分せめてこねーな。」
ギーガ「そうだな、仲間いっぱい倒されたよな・・・」
ジャック「そうだな、俺たちも一度でいいから『進撃の巨人』みたいに人類を絶滅に追い込みたいよな。」
ギーガ「魔王倒されたばかりだから無理だけどね。」
ジャック「俺も呪文使いてーよ。」
トロル族には絶対に実現しない願いであった。
ギーガ「俺もホイミスライム雇う金すらねーからな。」
ギーガは立ち上がりながら言った。
ギーガ「じゃあ、また明日。」
ジャック「お、おう。また明日な。」
ジャックは気づくともうあたりが暗くなっていた。
ジャックも宿屋に帰った。
ジャックは宿屋のドアを開けた。
キーマ「おかえり、トロルの旦那!」
キーマは年齢不詳、浮遊系モンスターのドラキーマ族の宿屋の主人である。
キーマはいつものフロントでジャックを出迎えた。
ジャック「すまない、キーマさん今日も仕事見つけれなかったぜ・・・」
キーマ「旦那!気にしなくていいぜ。旦那がいなきゃあ俺はここにいなかったんですから。」
ジャック「また泊った代金は払いますから。」
キーマ「いいの、いいの!!旦那。仕事見つかるまで居候していいですから。」
ジャックは二階の寝室で休ませてもらった。
ジャックの家は勇者率いる魔王討伐本隊により焼き討ちにあい、町が一度は焼野原になった。
その時ジャックは逃げる道中にキーマとその家族・妻と息子二匹を人間に討伐されかけたのを助け、町はずれの洞窟に事が収まるまでキーマとその家族と一緒に隠れていたのである。
魔王は討伐され、人間たちは去ると事が収まりキーマとその家族たちは自営の宿屋に帰ったのである。
幸いキーマの宿屋の場所までは火の手はあがらなかった。
キーマは引き続き宿屋を営業し、妻と息子二匹は浮遊を生かして『アマゾン』で荷物を空輸する仕事をしている。
次の日ジャックは朝から就活したが魔王が滅んだ不況により仕事が見つからなかった。
昼ごろ昨日ギーガと話した丘に行った。するともうギーガは座って平原を眺めていた。
ジャック「よう、仕事見つかったか?」
ギーガ「いや、ダメだったよ。盗賊やるしかねーか。」
ジャック「人間相手にか?」
ギーガ「ああ、人間なら武装してないやつなら倒せるからな。」
ジャック「盗賊か・・・」
ギーガ「お前もやるか?」
ジャック「いや、俺はいいよ。」
ギーガ「なんでだ?ジャック。お前はドラキーマがいるもんな。」
ジャックはギーガにその話を持ち出され言い返せなかった。
するとギーガは立ち上がり去り際に言った。
ギーガ「いいぜ、俺だけで人間たちを討伐してやるぜ。」
ジャックもしばらく座って草原を眺めた後その場を後にした。
ジャックはまた夕方から就活をしたが金になる仕事はなかった。
ジャックは夜遅く宿屋に帰ってきた。
キーマ「トロルの旦那。就活今日もダメでしたか。」
ジャック「まあな、魔王亡き今世界は平和だからな。」
キーマ「そうですね。悪魔系なんて呪文がないやつはただの下っ端にすぎませんからね・・・」
ジャック「・・・そうだな。まあともかく何か仕事探してみるよ。」
ジャックはキーマ宿屋を後にし、いつもギーガと会っている丘に行った。
しかし、ギーガは来なかった。
その後もいつも二人いた丘にはギーガが来ることはなかった。
そんなこんなで2週間流れた。
ジャック「今日もギーガのやつ来ないな。」
いつもの丘でぼそっと一人事を言うジャックであった。
そんな時人間が話しかけてきた。
通行人「すいません、トロルさん?このあたりに宿屋あります?」
ジャック「ああ、キーマ宿屋ってところがこのまま東に行けばあるぞ。」
通行人「そうですか、ありがとう。トロルさん。」
ジャック「ああ、いいぜ。」
この2週間の間にモンスターしかいなかった町も人間の入植により町は活気にあふれていた。
そして景気も徐々に回復しつつあった。
ジャックは通行人に親切に宿屋を案内してあげた。
ジャック「キーマ宿屋は俺が世話になってるところなんだ。」
通行人「そうなんですか!それは奇遇ですね。たまたま宿屋に関係ある人に会うなんて。」
ジャック「ところでこの町には何しに来たんだ?」
通行人「魔王が住んでた城を拝見したくて来たんです。」
ジャック「魔王の城の見学か?」
通行人「そういうことですね。」
魔王の城は当然衛兵としてジャックも仕えていた。
通行人「竜王魔城は歴史あるって噂で聞きますからね。」
ジャック「ああ、俺も仕えたことがある。」
通行人「やっぱりですか!!!いやーやっぱり悪魔系モンスターが仕えてないわけがないと思ったんですよね。」
ジャック「じゃあ、俺がトロルと知って話しかけたのか?」
通行人「ええ、なんか優しそうだったってのもありますけどね。」
ジャックは確かに他の悪魔系とは違い少し優しいところもある。
そうこう話しているうちに宿屋についた。
キーマ「はい、いらっしゃい!!」
キーマの生きのいい声が聞こえてくる。
キーマ「あれ?トロルの旦那じゃないですか。」
ジャック「客だ、えっと名前は・・・」
通行人「サイモンです。」
キーマ「サイモンさんね。予約が・・・入ってないですね。でも部屋がちょうど一つ空いてますからどうぞ。」
ジャック「じゃあ、俺はこれで。」
ジャックが宿屋を後にしようとした瞬間キーマに止められた。
キーマは周りに聞こえないようにひそひそとジャックに話した。
キーマ「旦那、大変ですぜ。噂でですが、どうやら人間がこの魔王の町に人間の掟をおしつけにやってくるそうですぜ。」
ジャック「そうなのか?」
キーマ「はい、人間との交流が増えた分、勇者兼ザーク城の王直々に本隊とともにやってくるらしいですぜ。」
ジャック「それはやばいかもな・・・」
この魔王の町(竜王要塞)はザーク領の領土になり、モンスターには多額の税金がかけられるという意味でもあった。
キーマ「でも逆に考えれば、悪魔系モンスターがザーク国の兵士として採用されるかもしれないということですからね。」
ジャック「だがこの町に治外法権が適用されれば、最後の魔物の町がなくなるぞ!」
キーマ「そうですね、ましてや魔王亡き今人間がこの町を我が物顔で歩いてますからね。」
ジャック「まあ、とりあえず様子を見るしかねーな。」
その頃北から南へ魔王の町の秩序を保つため勇者ザークが軍隊を率いて迫っていた。
ザーク「立ち向かってくる魔物は皆殺しだ!逃げる魔物は放っておけ!!」
兵長「国王、なにもこんなに早く竜王要塞に行くことはなくてもいいじゃないですか?」
ザーク「先代国王もそうして魔王の町を野放しにし、何回もモンスターと戦ってきた。俺は自分の代で魔族との争いを終わらす。」