勇者ザークが魔城を占拠して1週間が経った時である。
ジャックはいつも通り宿屋の二階から降り、就活に行こうとしていた時である。
キーマ「トロルの旦那、外は気をつけてくだせー。」
ジャック「どうした?」
キーマは深刻な顔でジャックに忠告した。
キーマ「牛魔人やそれぞれの系統のリーダーが人間によって処刑されているらしいんで。」
ジャック「本当か!お前は大丈夫か、キーマ。」
キーマ「俺はレベルも低いですし、強力な呪文も覚えてないですから大丈夫でした。」
ジャック「検問されたのか?」
キーマ「ええ、ザークの兵たちが見回りにきましたぜ。」
ジャック「分かった。じゃあ行ってくるわ。」
キーマ「気をつけてくだせー。」
ジャックは宿屋を出た。
ジャック(ギーガのやつ大丈夫か?まあギガンテスだから大丈夫か。てかあいつなにしてるのか・・・)
ジャックは就活に行った。
魔物しかいなかったダーマ神殿も人間の兵士がちらほらいた。
一人の兵士が就活中のトロル相手に話しかけた。
ザーク兵「おい、そこのトロル!!」
ジャック「やべっ!!絶対俺だよな。」
ザーク兵「トロル、お前仕事ないのか?」
ジャック「あ・・・はい。」
ザーク兵「そうか!!なら傭兵にならないか?」
ジャック「俺がですか?」
ザーク兵「いやー来るやつが、スライムとか一角ウサギばかりでさ。お前がいれば敵国にも少しは衝撃がはしるだろ!!」
ザーク兵は興奮していた。
ジャック「なんで俺を雇おうと思ったんです?」
ザーク兵は説明した。
ザーク兵によれば魔王亡き今、人間とモンスターが戦う構図はなくなり、国と国の戦争がこれから多発する時代になるらしい。
ジャック「人間は仲悪いんだな?」
ザーク兵「まあな。魔物たち全員が納得するような魔王みたいなカリスマは人間にはいないからね。」
ジャック「勇者がいるじゃないか?」
ザーク兵「だが、勇者はみんな好戦的で本当に平和を望んでる人間からすれば邪魔だからね。」
ジャック「じゃあまた戦争が始まるのか?」
ザーク兵「ああ、歴史が証明している。魔王が滅び、人間同士の戦争が始まる。これが繰り返されてきたんだ。そして人間が同族殺しをしている間に魔王復活ってのが定石だな。」
ジャック「俺は傭兵にはならない・・・もう殺し合いはたくさんだからな。」
ザーク兵「そうか、トロルなら兵士100人の力はあると思ったんだがな・・・」
ザーク兵はがっかりしていた。
ザーク兵「まあ、気が変われば魔城に来い。」
トロル(確かに俺は1000年生きているから分かっていたが人間同士の殺し合いも噂にした。そして俺たち魔物はその間に力をつけここ、魔王の町を拠点に魔王復活に全力を注いでいた。俺たちもその繰り返しだ。だが勇者ザークは違う。町を統治しに来た。それは二度とこの場所で魔王復活をさせないためであろう・・・)
その頃竜王魔城最上部ではザーク国王と兵長が言い争っていた。
兵長「ここにいては北のザーク王国が他の国に侵略されますぞ!!」
ザーク「安心しろ、本土はビアンカが守ってくれる。」
ビアンカ(DQ5のビアンカとは関係ありません。)とは勇者ザークの花嫁であり、この3年ともに魔王討伐のため、旅し力をつけ魔王を兵長とともに討伐した魔法僧侶(魔法使い+僧侶)であった。
兵長「ビアンカ女王はまだ王国に住んだばかり、今こそ国王がそばにいてやらねばいけません!!」
兵長は怒りながら言った。
すると勇者ザークは微笑みながら言った。
ザーク「俺は妻に言われ、ここに秩序をもたらしに来たんだ。俺の考えじゃないんだ。」
ザークは兵長の肩に手を当て去り際に言った。
ザーク「ちょっと町を見てくるよ。俺が最初に来た町の感情は憎しみしかなかったからな・・・」
兵長「国王・・・」
ザークは町を見学した。
ザーク(とはいえ、ビアンカは大丈夫だろうか。)
ザークは兵長と同じく妻ビアンカを心配していたが国王という地位にいる以上その弱みを誰にも見してはならなかった。
ジャックはスモールグールの武器屋を建てるのを手伝っていた。
スモグル「ジャック、ありがとう。」
ジャック「ああ、俺は魔王亡き今フリーの兵士だからな。」
スモグルとは悪魔系モンスターのスモールグールである。
人間の兵士たち「おい!そこのトロル!!棍棒を置いて投降しろ!!!」
ジャック「これは棍棒じゃないぞ、木材だぞ。」
ジャックは冷静に人間の兵士たちに説明した。
ザークはたまたま通りかかりその出来事を見ていた。
ザーク(あんな強力なモンスターがまだ町にいたのか。)
人間の兵士たち「同じだ!!早くその武器を置け!!!」
兵士たちは恐怖であった。なぜなら魔王が滅んだのにトロルが堂々とスモールグールの家を建てていたからである。
用は大工作業をしていただけのトロルであった。
だが魔王が滅んで時間が経っていない今それでも兵士たちはトロルを極悪非道な魔物という概念にとらわれていた。
トロル「分かったからさ。落ち着けよ。」
トロルはゆっくりと木材を降ろした。
兵士たちは安心し、スモグルを連行しようとした。
ジャック「待て!!!スモグルは関係ないだろ。」
ジャックは憤怒した。
兵士たちはそれを見てまた恐怖を感じた。
ジャック「連行するなら俺だろ。だからスモグルを解放してやってくれ・・・」
ジャック(まったくこの町も魔物にとって生きづらい町になったぜ・・・)
班長「そこまで言うなら、お前を連行してやろう。」
班長は冷汗を掻きながら震え声で言った。
ジャックは手縄をされかけたその時ザークが言った。
ザーク「待て、ザークの兵士よ。トロルの手縄を解いてやれ。」
班長「しかし、こいつ悪魔系モンスターでも上位族ですよ!」
ザーク「俺が見たところ、このトロルはスモールグールの家を建てていただけに見えたぞ?」
班長「国王がそこまで言うなら・・・」
班長はジャックの手縄を解いた。
その後人間の兵士たちは去って行った。
ザーク「大丈夫か?トロル。」
ジャック「ありがとう、人間の国王。あのままだと処刑されてたかもしれない。」
ザーク「お前みたいな優しい悪魔系の魔物は初めて見た。だから助けたのだ。」
ジャック「そりゃ、光栄ですな。」
ジャックは他人事のように言った。