東方楽曲伝   作:ホッシー@VTuber

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最終章 あとがき

皆さん、こんにちは。hossiflanです。

東方楽曲伝最終章改め、完結まで読んでいただき誠にありがとうございます。

8年にも及ぶ連載の末、とうとうこの小説を完結させることができました。

これも皆さんの応援のおかげでございます。本当にありがとうございました。

最終章の文字数は約30万字、第9章でここまで長くならないと言っておきながらほぼ同じくらいの長さになってしまいましたね。本当にここまで長かったです。

そして、総文字数ですが、約175万字……ライトノベル換算でだいたい17巻ちょっとという感じでしょうか。改めて見ると本当に長い小説になりました。

では、まずは最終章の解説をしていきたいと思います。

完結したということもあり、『東方楽曲伝』のネタバレを含みますのでまだ読んでいない方はブラウザバックを推奨します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・東について

 

『東方楽曲伝』のラスボス、『東 幸助』について解説していきましょう。

作中でもありましたが、彼は『死に戻り』を繰り返しながら少しずつ情報を集め、幻想郷を崩壊させようと企てていました。

しかし、何度も『死に戻り』していた中、『音無 響』という人物に何度も邪魔されており、最初から響さんを警戒していました。だからこそ、最初に響さんが幻想入りした時に望から通報を受けて家に調査しに来た次第です。彼の『神経を鈍らせる程度の能力』があれば響さんの家に行くことも難しくないでしょうし。

ですが、今までの世界線では女だったはずの『音無 響』は男であり、彼は大変驚いていました。第1章の序盤のお話で何度も響が男だと確認していたのはそのせいでもあります。

そのせいで調査はやり直し。東はまた『音無 響』について調べる羽目になりました。第4章でタロットカードを渡したのも『象徴を操る程度の能力』があるか調べるためでもありました。

もちろん、東自身も響さんが男になった影響でどれだけ今までと展開が変わるかわかりませんでした。しかし、彼には『死に戻り』があるので『今回で駄目だったら次があるさ』といった感じで作戦を決行。むしろ、男になった影響を調べるつもりで笠崎が作り遺した装置を使って幻想郷へ。いきなり幻想郷に現れた東を警戒して近づいてきた紫を能力で篭絡し、少しずつ例のネックレスを幻想郷の住人に配りながら、響さんに対するネガティブキャンペーン――つまり、酷評を広めていき、幻想郷から響さんの味方を排除していきました。

結局、響さんの『象徴を操る程度の能力』で復讐心を掻き消され、敗北。霊夢も言っていましたが、今どこにいるかは誰にもわかりません。

正直、東に関してはこれぐらいしか言うことがありません。まぁ、作中に出てきたことをまとめただけですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・霊魔について

とうとう明らかになった響さんを産んだ実の母親。ずっと『レマ』として響さんの傍で見守っていた女性です。

『レマ』の正体は響さんの本能力レベルで秘匿していた秘密でしたが、数人の読者様に暴かれました。私としては本編を読んでいて『レマ』=『霊魔』=『実の母親』がわかるように書けていたと安心しました。本当に行間まで読んでいないとわからないようになっていたようでほとんどの方に見破られなかったのも狙い通りで嬉しかったり。

彼女は未来予知にも似た『博麗の巫女』特有の直感を持っており、それで響さんの未来を視てその未来を視てみたいと願い、響さんを産む覚悟を決めました。

しかし、その道は彼女の視たそれよりも酷いものへと変貌し、よりよい未来に辿り着く可能性が増えたことに喜ぶ半面、今回のようにまた未来が変わり、響さんを地獄へ叩き落としてしまうかもしれないという恐怖心に震えていました。

それでも響さんは修羅の道を駆け抜け、彼女が見た未来へと辿り着くことができました。

因みにどれくらいやばい修羅の道だったかと言いますと、たとえば朝起きた時、最初に床に付ける足は右か、左か、という場面で左ならよりよい未来に、右なら地獄に。また、朝、欠伸をするタイミングがワンテンポ遅れただけで地獄に、という感じです。つまり、『朝、最初に床に付けた足は左』の世界と『朝、最初に床に付けた足は右』の世界で辿り着く未来が大きく変わる、みたいなレベルです。それこそ、今の響さんがあるのは前記のような何気ない選択肢を一つも間違えることなく正解を選び、指定されたタイミングで特定の動作ができたからです。もし、選択肢や動作が少しでも違えば今の響さんにならない――そう、この未来に辿り着いた響さんは並行世界を含めてこの響さんしかいません。『たられば』すら許されない修羅の道です。

そんな道を強制的に歩ませたからこそ霊魔は罪悪感に苛まれ、謝罪しました。それに加え、後記しますが、過去の響さんをフォローするために時空を飛び越えた響さん――二週目の響さんに惨いことを強制させることも含めて謝っています。その惨いことは『二週目について』で語るとしましょう。

霊魔は『援護の結界』を得意とし、作中では足元に展開した五芒星結界をタイミングよく踏み抜くことでバフをかけています。これも未来予知に似た直感があるからこそできる芸当であり、ギリギリ『薄紫色の星が浮かぶ瞳』を使えば響さんが真似することができるレベルです。それでも霊魔ほどのバフはかけられないでしょう。

霊魔さんに関する解説は以上でしょうか? 彼女は本当に特別な存在で正直な話、ここでは語り切れません。詳しく知りたい方はメッセ、もしくは私の生放送に直接来て質問していただければ、お答えします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・本能力について

響さんの本能力――『象徴を操る程度の能力』は最終章まで秘匿されていた秘密です。一応、作中でもヒントはいくつか出てきていましたが、なかなか当てるのは難しかったと思います。

因みに『象徴』という言葉は本能力が判明するまで作中にたった一度だけ、第2章第48話に登場しています。

本能力に関しては本編に出てきた通り、影響を受けやすく、派生能力が生まれます。もちろん、本能力をそのまま使用できますが、地力を大きく消費するほど強力な能力でした。タロットカードも本能力をそのまま使用した例であり、あの時はドグによって仲間とのリンクを切られていたからこそ霊力が溢れたから使えました。

他の効果は本編に出てきた通りなのでここでの解説は省きます。正直、こちらも説明しようとしたらいつまで経っても終わらないので質問があればメッセか生放送で教えてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・二週目について

最終章最終話で響さんが過去の自分と悟を眺めているシーンですが、実はあのシーンは第1話のシーンです。第1話にも下校する二人を誰かが見ていますが、それは二週目の響さんでした。第1話の伏線を最終話で回収できてホッと一安心です。

また、あの時、事故にあった猫ですが、地底で魂の住人の仲間になった『猫』だったりします。あの後、1週目の響さんをフォローしながら、地底での戦いの最中、こいしに『猫』を託していました。だからこそ、あの時の『猫』は初対面であるはずの響さんに対して『響のためなら何でもする』と言っています。

また、『象徴を操る程度の能力』で慧音の能力を改造しましたが、響さんは『幻想郷から自分の存在』を食べました。そのため、現在はもちろん、過去も未来も響さんが『自分の存在』を元に戻さない限り、幻想郷内で二週目の響さんを認識することはできません。言ってしまえば二週目の響さんは幻想郷内では常に存在しない存在であり、話すことはできますが少しでも目を離せばその瞬間、会ったことはもちろん、話したこと、会ったという事実すらその人の記憶から消えてしまいます。しかし、話した内容は『響さんの存在』とは別なのでその人の記憶には残っており、違和感を覚えることすらできません。

そのため、こいしが『猫』を連れてきた時、二週目の響さんの話はできず、なんで自分が『猫』を連れているのか、という疑問すら持てませんでした。また、序章第3話の紫も途中で響さんが男だと気づいているシーン――『貴女』から『貴方』と呼び方が変わっているのは二週目の響さんが『音無 響』は男であると紫に教えたためです。

そして、『霊魔について』で言った惨いことですが……響さんの心の中に『レマ』の精神を送り込む際、『レマ』一人ではできないため、協力者がいたはずだ、と作中で響さんは考えていましたが、その協力者こそ、二週目の響さんです。つまり、霊魔の残留意志が『また会いましょう』と言ったのは霊魔をキョウさんの心へ送るときに会うからです。また、その直前のシーンが最終章第420話の冒頭シーンです。ここは幼い霊夢に霊魔と響さんの関係――親子だとばれないように暗示をかけているシーンなのですが、その後、別の部屋で術式を組んでいた男を話しています。それが二週目の響さんです。そう、霊魔は残留意志になる前に……まだ肉体がある時に最良の未来に辿り着いた響さんの背中を見て涙を流しています。しかし、二週目の響さんが目の前に現れたからといって一週目の響さんが本当にその未来に辿り着くかわからなかったので霊魔は最期の最後まで全力で響さんのサポートをしていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解説はこの辺で終わりましょうか。繰り返しになりますがここに書いたこと以外で質問があればメッセか生放送でお願いします。

では、ここからは先日行いました記念生放送で実際にリスナーさんからいただいた質問を紹介します。

 

 

 

 

 

〇本能力ありきで物語を立てたのですか?

 最初は決めていませんでしたが、第一話を投稿した時点でストックが30話あり、なおかつ第2章第48話の時点でたった一度だけ『象徴』という言葉を使っています。そのため、かなり初期の時点で本能力は決まっていました。

 

 

 

 

 

〇狂気を翠炎に変わるというのは最初に決めていましたか?

 生放送中に過去の私がネタを書き記したメモ帳が出て来まして、そこで確認した結果、第2章プロット時にはすでに狂気が炎になることは決まっていました。メモ帳にしっかり『狂気→炎』と書いており、雅編のところに『炎吸収』と一筆がありました。ですが、『翠炎』とは書いていなかったのでどんな炎になるかまでは決まっていなかったみたいです。

 

 

 

 

 

 

 

〇様々なキャラが登場しますが、没になったキャラや当初考えていなかったキャラはいますか?

 没になったキャラはいませんが、リーマは当初、式神になる予定はありませんでした。また、魂の残骸もあそこまで自我を持たせるつもりはなかったのですが、書いているうちにどんどん気持ちが溢れてしまい、あのキャラになった感じです。

 

 

 

 

 

 

 

 

〇出そうと思ってた東方キャラは他にいましたか?

 宮古芳香編を書こうと思っていましたが、長すぎるあまり断念しました。なので、それを書けなかったのがちょっと残念です。

 

 

 

 

 

 

 

〇東方楽曲伝はどのくらいの連載期間で完結しようと思っていましたか?

 具体的な期間は決めていませんでしたが、ぶっちゃけた話、滅茶苦茶長くて、『いつ終わるんだろう?』、『本当に完結できるのか?』と思っていた時期もありました。

 

 

 

 

 

 

〇桔梗の変形の種類は決まっていましたか?

 【薬草】と【ワイヤー】以外はほぼ設定も決まっていました。ただ【翼】に後から追加された銃弾は最初の予定にはなかった追加効果です。

 

 

 

 

 

 

〇能力に没はありましたか?

 基本的に能力は没にはしませんでした。ただ、完全に裏話ですが、実は最初に思いついた能力は雅の『炭素を操る程度の能力』だったりします。それこそ『東方楽曲伝』を書き始める前の設定を考える段階ですでにありました。

 

 

 

 

 

 

〇名前はどんな感じで決めましたか?

 これは意外だと思われますが、ほとんどの登場人物の名前は響きや字面で適当に付けました。それこそ『音無 響』という名前も何も考えずに響きだけで決めたレベルです。つまり、『音無 響』という名前は執筆段階で本能力を含めた響さんの能力を基に考えられたものではなく、主人公の名前が『音無 響』だったから『象徴を操る程度の能力』が生まれました。おそらく、作中に出てきた名前の中で一番考えたのは『霙』だと思います。あの子も名前が能力になる、ということでどんな能力にしようか悩み、『霙』という天気の名前になった形ですね。

 

 

 

 

 

 

 

他にも色々な質問がありましたが、質疑応答に関しては以上となります。生放送に遊びに来てくれた読者の皆さん、本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では、そろそろ本題に入りましょう。実は完結した『東方楽曲伝』ですが、二つほどお知らせがございます。

一つ目ですが……皆さんは『東方project』の原作はやったことがありますでしょうか?

簡単に説明すると原作には『イージー』、『ノーマル』、『ハード』、『ルナティック』という難易度があります。そして、『イージー』以外の3つの難易度の内、一つでもクリアした時点で裏ステージ扱いの『エクストラ』が解放されます。

『東方楽曲伝』の本編は原作で例えると『ルナティック』の更に上、『裏ルナティック』のような扱いだと思っています。

……つまり、響さんは最高難易度よりも難しい難易度をクリアしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、いうことで『エクストラ』解放――後日談、書きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

章タイトルも『EX』になります。響さんが去った幻想郷のその後……また離れ離れになってしまった響さんと霊夢のその後のお話です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、それに合わせて二つ目のお知らせ――第2回東方楽曲伝人気投票を開催します。

実は前にも行ったことがあり、その時の順位は

1位 雅

2位 奏楽

3位 フラン

となっておりました。

その際にランクインしたキャラの特別な話を書くと言いましたが、諸事情に断念。

今度こそ、第2回で上位3人に入った子たちの話を書こうと思っています。実現するかは確約できませんのでご了承ください。

さて、投票のルールですが、まず、1位、2位、3位まで決めていただき、小説家になろうで投稿している『東方楽曲伝』の感想、もしくは私に直接メッセージを、ハーメルンでは活動報告、メッセージで送ってください。なお、匿名により投稿は無効票とさせていただきますのでご了承ください。そうしなければ何度でも投票できてしまうので申し訳ありませんがご協力ください。

1位には3ポイント、2位には2ポイント、3位には1ポイントが入り、その合計が高いキャラが入賞。また、キャラはオリキャラでも原作キャラでも大丈夫です。好きだなと思ったキャラの名前とその順位、できればどこが好きなのか理由も書いてくれたら嬉しいです。

また、ハーメルンと小説家になろうですが、2サイトどちらかではなく、両方ともで投票してくれて構いません。つまり、一人二回まで投票できる形になります。

まとめると

・ハーメルン、小説家になろうの2サイトで投票可(小説家になろうでは感想、メッセ。ハーメルンでは活動報告、メッセでお願いします)

・匿名投票は無効票となり、感想、メッセで受け付ける

・投票にはキャラの名前と1~3位までの順位、可能であれば好きな理由も記載

投票期間ですが、『EX』の投稿が終わった次の週までです。きちんと『EX』最終話のあとがきにも締め切り日を書いておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、最終章あとがきもそろそろ締める時が来ました。

それではいつもの恒例……次回予告です。きっと、これが正真正銘の最後の次回予告になるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷から自分の存在を食べた響さん。彼が去った幻想郷は数年にも渡って異変一つすら起きない平和な毎日が続いていました。そんな平和な毎日でしたが、博麗神社の巫女――『博麗 霊夢』はその平和にずっと違和感を覚えています。

記録では数年前までは比較的起きていた異変がぱったりと起きなくなったこと。

また、その数年前の記録が曖昧であり、信憑性に欠けていること。

なにか……大切なことを忘れているような嫌な感覚。

そんな想いを気のせいだと自分を誤魔化し、ただ繰り返される日常を穴が開いた胸を隠しながら送っていた彼女でしたが、そんなある日妖精たちが騒がしいことに気づきます。

妖精が騒がしくなったのは数年ぶりということもあり、霊夢は久々にその重い腰を上げ、調査に出ます。

そして、彼女は一人の男に出会う。

 

 

 

 

 

 

 

 

先ほども言いましたが、サブタイトルはございません。

完結しましたが、まだ回収しきれていない伏線もあるのでこの『EX』ですべてを回収できるように頑張ります。

なお、更新ですが、今まで通り毎週土曜日更新なので最後まで響さんと霊夢の物語を見守っていただけたら幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

では、大変長くなりましたが、『東方楽曲伝』最終章のあとがきをしめさせていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それではみなさん、お疲れさまでした!

東方楽曲伝『EX』、よろしくお願いします!

 




第2回東方楽曲伝人気投票ですが、今この瞬間から投票開始です

たくさんの応募、お待ちしております

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