嫁さんが最終的に美人になるエピソードなど型月時空ではなかったんやね……ザマァ
世界に残された資源の六割を所持管理する”西欧財閥”、時期盟主のレオが直々に参加した理由は聖杯を管理する為なのだが、そのような大きな組織なのだから当然の様に別の人員も送り込まれている。勿論、レオが駄目だった時の為に……等ではなく、万が一にでもその様な事がない様に他のマスターを始末する為である。当然、生きて帰れるれるのが一人である以上は死ぬ事を前提としての任務であるが。
彼の名はユリウス。西欧財閥に敵対する者達に恐れられている暗殺者であり、レオの異母兄だ。
(……アレは拙いかもしれんな)
「次は何をするの?
「そうね。次は隠れんぼにしましょ、
先程からユリウスが物陰から観察しているのは幼い少女二人。彼の名誉の為に言っておくがロリコンではない。むしろ彼は年上で包容力のある女性が好みなのだ。
彼が二人を見ている理由。それはレオのサーヴァントであるガウェインにあった。彼は誇り高き騎士であり、レオに絶対の忠義を誓っている。その事はユリウスも疑っていないのだが、騎士である事が不安なのだ。相手は幼い少女、騎士道からすれば守るべき存在だ。もちろん、戦う時は戦うだろうが騎士道に反する戦いに無意識に手を抜く可能性も捨てきれない。
「……能力次第ではあるいは」
故に此処で始末するべきと二人に近づいていくユリウスであったが頭上から気配を感じて咄嗟に飛び退く。次の瞬間、彼がいた場所にヒトデの様な姿をした醜悪な化物達が降り注いだ。
「これはこれは。良い勘をしておいでですな。ですが、あの少女達は私達の獲物。手出しされては困ります」
「そうそう。ここって殺したら死体は残らないみたいだけどさ、それなら死なない程度に加工してアートにすれば良いだけだし? ……アンタみたいなのが居ると余計な警戒心を持たれて厄介なんだよ。旦那ァ、さっさとぶっ殺してCOOOOLな作品作りに戻ろうぜっ!」
現れたのは軽薄そうな青年とサーヴァントらしき目玉の飛び出た男。どうやら化物達を操っているのは彼らしく、持っている本が怪しく光っている。そしてユリウスは青年に見覚えがあった。
「……雨生龍之介。指名手配中の連続殺人鬼か。まさかお前も参加していたとはな」
「ひでー! 俺はただCOOLなアートを作ってただけだぜ? 其れを皆で寄ってたかってよー!」
「仕方有りませんよ、龍之介。真の芸術というものは彼のような下賎な殺し屋などには理解出来るわけが無いのですから」
雨生龍之介、彼は人間を材料とした悍しき作品を何度も作成してきた快楽殺人鬼である。もっとも本人は本気で芸術活動のつもりなのが更にタチを悪くしているのだが。
不満そうな顔をする二人に対しユリウスが今考えている事は一つだけ。放置しておけば運営側の警戒レベルを上げて仕事がしづらくなる。故に今すぐ始末しておくべきだ。
姿を消しているサーヴァントに指示を出そうとしたその時、更に別の声が聞こえてきた。
「ネェ、公爵~。アノ二人、美味ソウナ子達ヲ狙ッテイルヨウダヨ~」
「なんと! 我が妻の食事を邪魔建てしようとは笑止千万なり! これは双方とも死罪にするしかなろうてっ!」
現れたのはエリザを一目見るなり敵対視してきた大柄のランサーとそのマスター。三組とも互いの目的の為にほかのふた組みが邪魔である事は明白であり、今まさに三すくみの戦いが起きようとしていた……。
「……さて、暫し静観させて貰おうか。特に
赤い装束を身にまとった色黒のサーヴァントはマスターらしき少女の横で腕を組んで戦いを眺めながらも周囲への警戒を怠らない。この闘いにマスターやサーヴァントが集中している隙を狙ってライバルを減らそうとする者が居ないとも限らないからであろう。
「あの、ご主人様。此所はチャンスですしぃ、呪殺しても……え? 空気読め駄狐?」
実際狐耳のサーヴァントが他のマスター暗殺を進言してマスターに怒られている。そんな中、エリザはというと、
「あら、貴女も歌が得意なのね。見ただけで分かるわ。私に匹敵する逸材だという事がね!」
「無論余にも分かるぞ、ディーバとやら。我が前では
スカートの前側が透けた赤い服のサーヴァントと意気投合していた。名坂歌と聞いた途端にマスターの少女がガクガク震えて出した事を疑問に感じる白野。
「よし! あの戦いが終わり次第教会前でコンサートだ! 参加者が多い内にせぬと我らの歌を聞けぬまま死ぬ者が多く出るのでなっ!」
「望む所よセイバー! どちらが世界最高の歌姫か決めようじゃないの!」
ますます恐怖に駆られてガタガタ震えだす涙目のマスター。エリザの素晴らしい歌声(だけ)を知っている白野は歌も聴けるとの事で楽しみになっていた。そんな時である。先程から硬直していた戦いが急に動き出したのは。
「さあ、お行きなさい海魔共よ! 奴らめに知恵も理性もない醜悪な化物に殺されるという屈辱を与えてやるのです!」
ギョロ目のサーヴァント、おそらくキャスターだと思われる彼の本が怪しく輝き、たちまち無数の化物達が現れる。まるでガラスを爪で引っ掻く様な耳障りな鳴き声を上げる化け物達は地面を這うように蠢きながらユリウスとランサー及び其のマスターに襲い掛かる。粘液塗れの触手を振りかざしランサーに襲いかかった一匹は無残に切り裂かれて肉と血を撒き散らかす。そして無防備なユリウスはそのまま引き裂かれるかに思われたその瞬間、見えない誰かによって海魔は殴り飛ばされた。
「おい、見たか!? 誰も居ないのに化物が吹っ飛んだぞっ!?」
「まさか透明化の宝具っ!? ……っという事はアサシンあたりか」
「……おい。此方の手が奴らに露見してしまったぞ」
『呵々、そう言うな主よ。ああでもせぬば殺されておったぞ? しかし、あのランサーだが儂の直感が告げておるる。あれとは無闇に闘わぬ方が良いとな』
ユリウスは寸の間だけ思考し、直ぐにその場から姿を消す。地中から生えた無数の槍が海魔を貫き、先程まで彼が居た場所に槍の林を作り出したのはそれから一秒にも満たない後出会った。
「ぐっ! 一匹贄を逃がしてしまったか。だが……」
ランサーは忌々しそうに先程までユリウスが居た場所を睨んで唾を吐き捨てる。既に海魔はすべて串刺しになっており身動きは出来ず、キャスターは腕から血を流しながら蹲っていた。
「おのれぇっ! おのれおのおれおのれっ! 卑しき神に忠義を誓う匹夫めがぁっ!!」
「どうした、旦那ぁっ!? 掠り傷じゃねぇかっ!?」
龍之介の言う通りキャスターの傷は浅い。それにも関わらず彼の顔色は悪く脂汗がにじみ出しているあ。吉良家に尋常な状態ではない。
「吾輩の宝具『
ランサーが己が持つ鋭利な槍をキャスターに突き刺そうとしたその瞬間、串刺しにされた海魔や周囲に飛び散った海魔の肉片が蠢き出す。まるで巻き戻し画像を見るかの様に元の姿に戻った海魔達はランサーを取り囲んでおり、再びランサーが切り飛ばすも同様に復活する。そして一体の触手がランサーの足に絡み付き動きを封じ、屍骸に群がる蟻の様に全ての海魔が一誠に群がった。
〔ぐぬっ!?〕
ランサーの血の跡だらけの鎧に絡みついた触手はそのまま絞め殺そうと力を増し、鋭利な牙は肉を噛み千切らんと皮を突き破って肉に立てられる。だが、その牙が肉を食いちぎる直前、ランサーの姿は海魔の塊の中から消え去った。
「……まさか血や肉片から復活できようとは。令呪感謝するぞ妻よ!」
「別ニ良イヨ、公爵。ソレヨリ、時間切レミタイダネ」
ランサーのマスターの手の甲から令呪が一画減っており、視線の先には監督役である言峰綺礼の姿があった。
「あら、終わりのようね。なら私達はアリーナに行くから此処で失礼するわセイバー」
「うむ! コンサートは今夜行うとしよう! ではさらばだ!」
白野はエリザに引っ張られるようにしながらアリーナへと向かっていく。それを笑顔を見守るセイバー……のマスターは涙目でガタガタ震えていた……。
二個目のトリガーコードを探しにアリーナに入った白野達が順調にエネミーを倒していく中、曲がり角の先から慎二達の話し声が聞こえてきた。昨日のお返しとばかりに突撃しようとするエリザを何とか押さえつつ聞き耳を立てる白野。何故か尻尾を握った瞬間にエリザが大人しくなったのは幸い……なのだろうか?
「シンジィ。報酬の方はどうなってんだい? 金がないとどうもやる気がねぇ」
「分かってるよ! 今からアリーナにハッキングしてだな……」
慎二が空中に出現したキーボードを操作するとアリーナ内に幾つか光る宝箱が出現する。そのウチの一つは白野の目前に出現した。
「とりあえず中の物を売ったら金になるから片っ端から見付けて行けよ」
「宝探しって訳かい。まっ、アンタにしては中々の趣向じゃないのさ。取り敢えず一番近い反応がアッチから……」
ライダーはウキウキ気分で角を曲がる。
「……え~と、邪魔したね」
其処にはエリザの口を塞ぎ尻尾を握り締める白野と顔を真っ赤にして膝から崩れ落ちそうなエリザの姿があった。
意見 感想 誤字指摘お待ちしています
cccルートしてなくて中断して他のやり直しましたが既に四回クリアしてるので変わらない所をプレイするのがキツイ。昨日はそれで投稿できず
取り敢えず デレたエリちゃんの姿を早く見たいから一番面倒くさい犬空間と宝具復活イベントをこなす気力が欲しい なぜ飛ばせぬ・・・・・