Fate/EXTRA D³   作:ケツアゴ

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ダンまちってジルオールとのクロスの相性良さそう クエストも難易度7段階だし冒険者だし、無限の魂がフレイヤの興味引きそうだし ウルグの力とか 神殺しとか不安要素はあるけど(笑)


第八話

『ねぇ、―――は私の事を……』

 

『大丈夫。きっと良くなるわ』

 

『気にしないで。何度でも教えてあげるし、――ならきっと……』

 

(ああ、またあの少女の夢だ……)

 

 其れは白野が偶に見る夢。顔もどんな声なのかも分からない少女と楽しそうに話している白野だが、少女の顔に偶に憂いが見える、それだけは分かった。

 

(どうしてこの子は偶に悲しそうにするんだろう? 無くした記憶が戻れば分かるのだろうか……)

 

 再び場面が切り替わり、白野は妙なカプセルの中に入っていた。両隣には同じカプセルが設置されており、既に入っている人達は眠っているのか動かない。やがて白野が入ったカプセルの蓋が閉じられ、其処で夢は終わった。

 

「――起きなさい。起きなさいったらっ!」

 

 体を揺すられる感覚に目を開ければ、最初に視界に入ってきたのはエリザの姿。体を起こせば何故か瞳から一筋の涙がこぼれ落ち、気付けばエリザを抱きしめていた。

 

「きゃっ!? まだそう言うのは早い……ハクノ? 泣いてるの?」

 

 慌てて振り解こうとしたエリザだが白野が流す涙を見て動きを止める。このままどうした物かと彼女が思案する中、漸く我に返った白野は今の状況に気付く。腕にはエリザの見た目相応に柔らかい体の、胸部には布越しにゼロに近いがゼロではないほんの、本当にほんの少しの膨らみの感触が伝わり、鼻腔を髪の香りが擽る。

 

「……ッ! ご、ごめん……」

 

「まったく、どうしたのよ。いきなり泣いたかと思ったら抱きついてくるからビックリしたじゃない……」

 

「ごめん……」

 

 エリザはあきれたように、そしてほんの少しだけ残念そうにしながら深い溜息を吐く。白野も何故あの様な行動に出てしまったのか自分でも分からないのでただ謝るしか出来ず、気まずさから逸らした視線がキッチンを捕らえた。

 

『アゥゥゥゥゥゥゥッ。アィィィィィィィィィッ』

 

 少々焦げ臭い香り漂うフライパンから奇妙な鳴き声が聞こえ、どす黒い色の触手がはい出ようとして直ぐさま溶けて無くなる。

 

「……あ、あれに気付いた? オムレツ作ろうとしたんだけど一工夫したら失敗しちゃって。きょ、今日は食堂で朝食を取りましょ」

 

「……うん」

 

 取り敢えずアレは見ただけで精神を毒されるたぐいの物だと本能で察し、どんな失敗をすればあの様な物が生み出されるのか知りたくもない白野は真顔で頷くしかできなかった。

 

 

「あら、あまり人が居ないのね」

 

 未だマスターの数はそれなりにのこているはずにも関わらず殆ど人がおらず、少ない利用客はとある席をチラチラと気にしている。その席には見知った赤い服の少女が座っていた。

 

「ご主人様ぁ~。はい、あ~ん」

 

「……止めてちょうだい」

 

「えぇ~!? 相手の情報を得る事が出来たらあ~んさせてくれる約束だったじゃないですかぁ」

 

「はいはい。……あ~ん」

 

 繰り広げられている百合百合しい空間。凛は渋々といった様子だが狐耳のサーヴァントはノリノリで尻尾が盛大に振られている。どうやらこの空間に耐え切れなくて他のマスターが出て行き、見ていたいマスターが残っているようだ。当然、白野達は……、

 

 

「激辛麻婆豆腐定食と餡蜜」

 

「クリームパフェ」

 

 目があった瞬間に顔を逸らして普通に注文して普通に食べ出す。ただし凛達からは視線を逸らしながらだ。記憶を失った白野の純情なエリザでは直視する勇気が足らず、かと言って一度目が合ってしまったので出て行くのも気不味く、そのまま黙々と食べ進むしかない。

 

(き、気まずい……)

 

 ”此奴をどうにかして”、とばかりに見てくる凛の視線に耐えつつ食べていても味が分からない。エリザは背を向けているので視線が気にならないのか笑顔で食べ進めていた。

 

「食欲無いの?」

 

「うん、まあ……あれ? ねぇ、ディーバ。遠坂のサーヴァント、こっちを見ていない?」

 

「じー」

 

 白野の言葉にエリザが振り返れば確かに見ている凛のサーヴァント。あからさまにジロジロ見られれば良い気分などせず、エリザは不機嫌そうに近付いていった。

 

「……さっきから何の用? そうやって見られてたら不愉快なんだけど」

 

「いえ、少し貴女の顔に見覚えが御座いまして。……失礼ですがトワイス・ピースマンという名に覚えは?」

 

「無いけど?」

 

「そうですか。……あっ、ご主人様。浮気とかじゃないですからね。別に結婚詐欺師なんかに興味も未練も無いですよ」

 

 エリザの返事を聞いた途端に興味を無くした狐耳のサーヴァントは上機嫌で凛にベタベタし出す。こうなれば自尊心の強いエリザが黙っていられるはずもない。

 

「……ベタベタしちゃって馬っ鹿みたい」

 

「……素直になる勇気もない奴が何言ってんだかって話ですよね~」

 

「相手が嫌がっているのに気づかない奴が何言ってんだか。ハクノは私の手料理を食べてくれるけど、貴女は食堂の料理で済ますんだ」

 

「あれが料理ぃ? 見た事有りますけど拷問器具の類じゃないんですかぁ?」

 

「そういう貴女は作れるの? どーせレンジでチン(レンチン)系でしょ?」

 

「やるか、生娘っ!」

 

「はんっ! そういう貴女はバツ何なのかしら?」

 

 百合百合しい空間はドロドロとした女同士の戦いの場に変貌する、先程から凛とのやり取りを眺めていたマスター達もそそくさと退散し、残ったマスターは白野と凛だけ。

 

「え~と、どうにかならない?」

 

「女同士の戦いってのは厄介なのよ。……貴方が何とかしなさい」

 

「さて、口論だけなら規約違反にならないだろうし、しばらく眺めさせて貰おう。はっはっはっ、愉悦愉悦」

 

 何処からかわいた綺礼は楽しそうにドロドロとした口論を眺め、二人が無理やり止めるまでエリザと狐耳のサーヴァントの口論は続く。

 

 

 なお、生娘呼ばわりは後で恥ずかしくなって顔を真っ赤にしたエリザであった。

 

 

 

 

 

「たまにはノンビリするのも良いわね」

 

「そうだね。トリガーコードも楽に手に入ったし時間もあるし……」

 

 アリーナに入って無事にトリガーコードを手に入れた白野達は花壇傍のベンチに座ってくつろいでいた。暫く花を眺めていた白野だったが肩に重みが掛かった事に気付いて横を見るとエリザが白野の肩を枕に寝息を立てていた。

 

「ん……すぅ……」

 

「暫く寝かせてあげようか……ふぁ~あ」

 

 白野も欠伸をして寝息を立て出す。そのまま互いにもたれ掛かって眠りだした二人を眺める者が居た。

 

 

 

 

 

「無用心なものだ。マスターの命令がなければ始末してるものだが。あの二人……いや、気のせいか」

 

 二人を観察していた紅い弓兵は静かに首を横に振ると姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 こうして束の間の休日は終わりを告げ、二度目の殺し合いが幕を開けようとしていた……。

 




意見 感想 誤字指摘お待ちしています

安西先生、感想が来ません

諦めたら其処で終わりですよ
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