Fate/EXTRA D³   作:ケツアゴ

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お月見 コヤスター(悪魔)

金太郎 ゴキブリ 青ヒゲ剣士


ピックアップとは何だったのか……

あっ、清姫のモニュメント揃いました アサシンの分も揃ったけど先生の為に残しておきます ライダー姉御の分も



久々ですが短めです


第二話

 アリーナからの帰り道、無事トリガーコードを入手した二人は並んで保健室を目指していた。何時もならば笑いながら歩む二人だがこの日は互いに無言で顔を逸らしている。二人とも片手で口元を隠し顔を紅潮させ歩みはぎこちない。ただ、その手は指と指を絡み合わせる様にしっかりと握り合っていた。

 

「お疲れ様ー! あれれー? どうしたの? 元気がないぞー!」

 

 二人を先に出迎えたのは藤村大河。失格になったのにまだサーヴァントを連れて生き残っているというイレギュラーな凛とラニを見張る為に派遣された上級AIだ。本当は他にも居たはずなのだが、私が見張ってるから大丈夫! 貴方達は仕事に戻りなさーい、と半ば無理やり本来の仕事に戻らせた、らしい。

 

 ムーンセルには逆らえない筈のAIがその決定を覆す。この上級AIが只者ではない事を察したラニは警戒しているが凛は何故か警戒するだけ無駄だと感じていた。

 

「おぉ! 無事戻ったか、我がライバルよっ! うむ! うーむ! それでこそ余のライバルだ!」

 

「セイバーさん、動かないで下さい」

 

 そして、もうひと組。怪我をしたらしく桜の治療を受けているセイバーだ。今直ぐにでも立ち上がってエリザを出迎えたそうにしているが桜がそれを許さない。必死に押さえつけて治療を続けていた。

 

「セイバー。大人しくしないと膝枕も頭ナデナデも無しだから」

 

「奏者っ!? ……ぐぬぬ。仕方ないか。すまぬな、我がライバルよ」

 

「別に良いわよ。それにしても酷い怪我ね」

 

 セイバーの怪我は全身に及んでいる。額に打撲の痕が痛々しく残っており、体中に鋭いもので貫かれた様な怪我が見受けられた。

 

「むぅ。あの女、今度こそ負けん! 宝具を先に見せた事を後悔させてやるぞ!」

 

 どうやら宝具を使わせることには成功したらしく、あとはその情報から真名を調べるそうだ。話を聞くと宝具を発動させて完全に喰らう直前に運営の妨害が入って無事に済んだらしく、マスターが言うにはかなり危険な状況だったらしい。

 

「では帰るぞ奏者よ! ……動かなかったのだから頭ナデナデと膝枕は有りよな?」

 

「はいはい。分かった分かった。でも、疲れてるから少しだけだよ?」

 

「うむ! では早速部屋に戻ろうぞ!」

 

 百合百合しい空気を残して保健室から出ていく二人。この時になって漸く凛達と話せる状況になった。

 

「ふぅ。全く嵐のような子達だったわね。……どうかしらの》」二人共顔が真っ赤だけど」

 

「発汗は見られませんし、何かの異常が起きているのでしょうか? 桜、二人の診察をお願いします」

 

「いやいや、そんな必要無いわよ。どーせ事故でキスでもしちゃったんでしょ」

 

 無論、凛は冗談で口にしたのだが、二人の顔は既に熟れたトマトの様になり、その事が正解であると無言で告げてしまっている。凛も冗談で言ったことが本当だったと知ってか釣られて恥ずかしくなってしまった。

 

「分かりませんね。事故ならノーカンでは? 何を恥ずかしそうにする必要があるのですか?」

 

「ファ、ファーストキスだったんだから仕方ないでしょ! ハ、ハクノ! ユリウスとは会わなかったし、顔は見せたのだから早く戻るわよっ!」

 

「う、うん」

 

 必死になって叫ぶエリザに引っ張られる様に保健室から出ていく二人。始終空気な桜はずっと固まっていた。

 

 

「……はっ! センパイが……じゃなかった。白野さんとディーバさんがキス……」

 

「桜、しっかりしなさい。取り敢えず夕御飯お願い」

 

「私はカレーを所望致します」

 

「私もー!」

 

「私、健康管理AIなのに……」

 

 この作品で桜の幸運は……直ぐ死ぬ青タイツと同じ(ランクE)

 

 

 

 

 なお、ユリウスさんとサーヴァントのアサシンは瓦礫の下で気絶してしまったせいでマイルームに戻るのが深夜になり、言峰にネチネチと嫌味を言われた。

 

 

「さて、罰則として廊下(此処)で好みのタイプを言って貰うとしよう。ククク、まさか嫌とは言わんだろうね?」

 

「思慮深く、包容力があれば容姿は……いや、しかし容姿は重要か。ロングヘアである事だけは譲れん」

 

「ああ、ちなみにこの光景は明日の朝、購買で商品購入特典の映像として無料配布の予定だ。ちなみに先ほどバツと言ったら言わなくてもペナルティなど存在しない」

 

「……貴様が対戦相手でさえあったなら」

 

 ユリウスさんの幸運も青タイツさんと同じ。彼にカレーを頼んだ時の弟の幸運も同様だ。

 

 

 

 

「……もう寝るね。うわっ!?」

 

「……ねぇ、ハクノ。ラニはノーカンだって言ってたけど、私はそういう事にはしたくないの」

 

 部屋に戻るなり気まずさからベットに潜り込もうとした白野。だがその手をエリザが掴んで動きを止め、慣性の法則が働いた為に仰向けに転んでしまうが顔を背けていたエリザは気付かず話しだした。今の白野の頭の位置だとスカートの中が丸見えになっているが知る由もなく、白野は手を掴まれたままなので気付かれずに起き上がれそうにない。

 

「あのね、ご褒美は別のにしてあげるから……もう一度キチンとした形で、事故とかじゃなくって貴方の意思でキスして欲し……って、なんでスカートの中を覗き込んでるのよっ!? このど助平っ!!」

 

「ちょっ!? 流石にハイヒールで踏みつけたら頭に穴あくからっ!? 君、バーサーカーだからっ!」

 

 むしろ腕力Aランクだから床に落とした熟れたトマトの様に潰れる。

 

 

 

 

「し、死ぬかと思った……」

 

「ごめん、流石にやりすぎたわ……」

 

 数分後、奇跡とか槍兵(本職)も真っ青な速度で死亡は免れた白野はベットに腰掛けてエリザの治療を受けていた。と言っても貴族令嬢でバーサーカーな彼女にマトモな応急治療のスキル等有るはずがなく不格好で大して意味のない、それでも一生懸命やったのが見て分かる治療だ。

 

「でね、ハクノ。さっきの事なんだけど……」

 

 先ほどの会話の続きをしようとするエリザだが、それ以上の発言は白野によって邪魔される。その唇は白野の唇によって塞がれていた。忽ち真っ赤になるエリザ。だが白野を突き放そうとせず、彼の首に手を回して抱き寄せる。そのまま二人は幸せを噛み締める様に唇を重ね続けた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあ岸波さん。今日はお別れを言いに来ました。貴方では兄さんに勝てないでしょうからね」

 

 翌朝、マイルームから出て来た白野とエリザの前にレオが現れ、悪気など欠片も感じさせない顔でその様な事を言ってきた。その言葉は本心から出たものであり、そうであると信じて疑っていないのだ。

 

 

 

 

「……ハクノ」

 

「なんだい?」

 

「好き」

 

 

 だが、幸せ一杯花畑の二人はレオ達に気付かずに通り過ぎて行った。




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