Fate/EXTRA D³   作:ケツアゴ

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エイプリル企画でジャイアンより酷い赤セイバーより酷いと言われたエリザの歌(笑)


グランドオーダーまだかなぁ? 


第三話

「はい、これで治療は完了です。あまり無茶はしないで下さいね」

 

「今度からは気を付けるよ、桜」

 

 エネミーに負わされた怪我の治療の為に保健室を訪れた白野とエリザ。彼の怪我を見た桜は慌てて彼を治療する。ムーンセルでの体はデータなので比較的早く治療は終わった様だ。

 

「……ちょっと。用事が終わったのなら早く行くわよ、ハクノ!」

 

美少女である桜に包帯を巻いて貰っている時の白野は少し照れくさそうで、エリザは其れを見るとモヤモヤしたものを感じて少し不機嫌になる。

 

(あ~、もう! さっきからデレデレして! ……べ、別にハクノなんかに嫉妬してる訳じゃないけど。だって、ただのマスターだし?)

 

 もっとも、プライドの高い彼女がその理由を認める事など出来ず、認めたとしても純情なので口にする事など出来ない。故に内心では嫌われるかもと不安になりながらも高圧的な態度に出るしかなかった。

 

「ああ、分かったよ。待たせて悪かった、エリザ」

 

「お二人共、もう仲良くなったんですか? 呼び方が変わってますし」

 

 この保健室で目覚めたばかりの白野とエリザの関係はお世辞にも良いとは言えなかったが、今は呼び方が変わって仲が良さそうだ。というよりも、エリザが白野に向けている感情は傍から見れば丸分かりだった。

 

 桜の発言を聞いたエリザは直ぐ様自分に酔った様子で語りだす。まさに観客置き去りの独り舞台だ。

 

「まあね! まっ、私の魅力に漸く気付いたというべきかしら? アリーナでエネミーの攻撃が私に迫ったその時、”あの様な汚らわしい奴が君に触るなど許せない”、と言って私を庇うハクノ。正しくアレは恋する男の瞳だったわ。まあ、当然よね。なんたって私はハンガリーに名高き龍の娘、エリザベ……って、ハクノっ! エリザって呼んで良いのは他に誰も居ない時って言ったでしょ!」

 

「……確かに最後のは自分が悪かったが、半分以上は嘘だと主張したい」

 

其れよりも真名に関する情報をペラペラ喋っているが大丈夫なのだろうか、そう思いつつもグッと詞を飲み込む白野。

 

「ああ! 美しさは罪! つまり、私こそ世界一の大罪人なのよっ!」

 

 其の理由だが、何か見ていてバカ可愛い、だからであった

 

「話、聞いていませんね……」

 

 結局、最後の最後まで妄想の世界に入り込んでいるエリザであった……。

 

 

 

 

 

 

 ムーンセルでは食事を取る必要はないが味は感じるし、戦いばかりの日常にも潤いが必要だ。ちょうど保健室から出て直ぐに食堂への階段があり、そのまま二人は階段を降りる。

 

「取り敢えず私はパフェが食べたいわ」

 

「パフェが学食にあったら良いのだが。……少なくても記憶にある限り存在しなかった」

 

「あら、無いなら作らせれれば良いだけじゃない。ハクノ、アンタって馬鹿ね」

 

 馬鹿に馬鹿と言われたダメージは白野の心を大きく抉る。その時、入れ違いになる様に出てくる二人組がいた。

 

 

「ココニハ、美味シソウナ物ナカッタヨー」

 

「そうか! それは残念であったな我が妻よっ! ……むっ!」

 

 ピエロと大柄な男というアンバランスな二人組。本来殺し合う敵同士なので警戒するには当然なのだが、エリザの姿を見た男の表情は明らかにおかしい。それは警戒というよりも嫌悪であった。

 

「……まさか貴様のような反英霊が参加しているとはなっ! 聖杯は狂ってでもいるのか? ……否! 否! 否! これは吾輩の手で貴様を討てという神の啓示に違いないっ!」

 

「はんっ! アンタも人の事言える立場ぁ? 私同様に怪物のクセに煩いのよっ!」

 

 顔を見た瞬間に互いが誰であるか看破した二人は互いに槍を相手に向ける。食堂は一転して騒がしくなり、かかわり合いにならない様にとする者、少しでも情報を得て今後を有利にしようと観察をしだす者、我関せずといった様子の者、等様々な反応を見せる参加者達。

 

 今まさに二人が動き出そうとした其の時、腐った目をした中年の神父が間に割り込んで来た。

 

 

「決戦場以外での戦いが禁止されている。これ以上は聖杯戦争を滞りなく運営する為の立場として見過ごす訳にはいかんな。それ以上やるというのならペナルティが発生するが良いのかね?」

 

「……ムーンセルの犬であるか」

 

「アレレ~? 戦ワナイノ? 公爵」

 

 大男は忌々しそうに槍を仕舞うと白野達の横を通り過ぎていく。

 

「あら、逃げるのかしら?」

 

「……貴様を殺すのに横合いからチャチャを入れられたくは無いのでな。スマンが妻よ、此処は我慢してくれ。願わくば吾輩と当たる前に死なないで欲しいものだな。……もっとも、そこの覚悟も出来ていない様な眼差しの小僧がマスターでは叶いそうもないが」

 

 最後に白野にチラリと視線を送るとそのまま去っていく二人。白野は何も言い返すことができなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、何よ、それ!?」

 

「何って、麻婆豆腐定食」

 

 白野が注文した品は麻婆豆腐定食。予選で学食を利用した者なら絶対に注文しないはずの品だ。それは血の様に赤く、マグマの様に熱気が伝わってくる。そして、離れていても目に染みる程に辛かった。一口食べれば絡みというよりも痛みが走り、続いて拷問の様な辛味が襲ってくる。

 

 はっきり言ってこの様な物を頼むのは先程の目の腐った神父のみ。っと言うよりも彼が権限を利用して捩じ込んだメニューだ。なお、その様な物(麻婆豆腐)を注文したせいで周囲に被害が出ており、対戦者達に対する意外な先制攻撃となっていた。

 

「信じられないっ! そんな物を普通食べるっ!? 近付くだけで目が痛いじゃないっ!」

 

「……美味しいよ? エ…ディーバも食べる?」

 

「食べるかっ!」

 

 もう少しで自らのサーヴァントにも攻撃しそうになった時、見覚えのある少女が近付いて来た。

 

「アンタ達、騒がしわね。ってか、なんて物食べてるのよ……」

 

「何って、麻婆豆腐」

 

「って、あの時の痴女っ! またハクノの服を脱がす気なのねっ!」

 

 白野を守るように間に割って入ったエリザに言葉は食堂中に響き周囲の注目を集める。遂にはヒソヒソ話まで囁かれだした。

 

 

「……なあ、あの女って遠坂だろ?」

 

「服を脱がすって……うわぁ」

 

「レオ、お下がりを!」

 

 

 

 

 

「~ッ!! アンタ達、ちょっと此方に来なさい」

 

 真っ赤になった後で黒い笑みを浮かべながら手招きする少女。白野達はその迫力に逆らえず大人しくついて行くしか無かった……。

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、麻婆豆腐まだ残って……」

 

「仕方ないわ。部屋に戻ったら私が何か作ってあげるから感謝なさい」

 

 この時感じた不思議な悪寒。その理由を白野が知る時は近い……。




さて、フラグは立った。

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