テイルズオブザ王様対談〜アリーシャ&リチャード〜 作:ふぁみゆ
ここはウィンガル王国の酒場…
いつもは多くの人たちで賑わっているこの場所だが今日は全く人が入っていなかった。
理由は至極単純、とある人物がこの店を貸しきっていたからである。
カランカラン…
来客を知らせるベルが鳴り何者かが入って来る。入ってきたのは方まで伸ばした金髪に整った端正な顔立ち。この大陸に住んでいる者なら誰もが知っている人物。
ウィンドル王国国王、リチャードだ…
「さぁ、入ってくれ」
リチャードに続き彼が引き連れてきたもう一人の人物が姿を現した…
「し、失礼する…」
鮮やかなベージュの髪を花の髪どめで結わえた騎士風の女性。
彼女は別の世界にある王国、ハイランド王国からやってきた王女アリーシャ・ディフダだ…
なぜ別世界の二人が同じ場所にいるかって?…あー!今日はいいお天気になりそうですね!
そして、二人は店主に出してもらった酒を手に取り、リチャードは乾杯の掛け声を上げた
「剣と風の導きを!」
「え、え?…」
まぁ、当然ウィンドル王国のハイランド王国のアリーシャが知るはずもなく首をかしげてしまう…
「おや、これは失礼した…構わずに飲んでくれ」
「は、はぁ…」
なんだか申し訳無さそうに飲み始めるアリーシャ。
そして、リチャードは話を始めた
「その、大変だったね。ハイランド王国では…」
「……はい。」
このアリーシャは自分の世界で色々と酷い目にあった人物だ。
曰く和平派なのに進軍のための橋の検査させられたり、宣戦布告のために使者にされたり、ずっと信頼していた師匠は最初からアリーシャを陥れるために近づいたという衝撃の事実を知らされたり…
「あぁ、かなり心に応えた…その、国も民も知らない!って言って取り乱すくらいには…」
「本当に大変だったんだね。同じく近しい人物に命まで狙われた者として同情するよ。」
ちなみにこのリチャードも実の叔父に毒を盛られたり、自分を守るはずの騎士団に命を狙われたりしている。
今日は同じく王族で酷い目にあったアリーシャを励ますためにリチャードは彼女を誘ったのだ…
「でも、僕には信じられる友がいた。そして、ただ友として一緒に戦ってくれたそんな人がそばにいてくれた…」
リチャードは自分の親友のことを思い出す。そして、今も頑張っているであろう彼に思いを馳せていた。
「君にはいなかったのかい?そんな人物が…」
それにアリーシャは答える
「いたにはいたのだが、その…」
と、暗い表情になる。
「なにかあったのかい?」
アリーシャはリチャードに全てを話た。自分がスレイの力を借りたせいで彼は目に支障をきたし、そのせいで危険な目にあったこと。それが理由で彼らと別れることになったことを…
「そうか、しかしそれではまるで役に立たないからと言って切り捨てたようなものじゃ…」
「いや、私から申し出たのだ。その、国のことを理由にして…これ以上彼に、迷惑を掛けたくなかったから…」
それを聞いて納得するリチャード
「そうか、きっとそのスレイという人物もひどく心を病んだことだろう…」
「そ、そうか?…」
「当然だろう。大切な仲間を失ったんだ。もし、僕の友達…アスベルならきっと…」
〈イメージ〉
「…とにかく、先に進もう。」
next:どうしよう…
アリーシャを失い。すっかり落ち込んでしまう。アスベルその歩みからも力が抜けてしまっている。
すると、どんよりと曇った空から雨が降りだした…
しかし、走ったりしようとしない。それどころか。その場にへたり込んでしまった…
「誰かを守るために騎士になるって決めたのに、俺はまた…失ってしまうのか…七年前のように…何も…守れないのか……」
己の無力さを痛感しただ泣き崩れる。
アスベルの涙も嗚咽も…すべて雨が打ち消していった……
〈イメージ終了〉
「みたいな感じで…」
「いや、さすがに大げさな気が…」
「いや、仲間を守れなかったことに対する反応としては至って正常だったと思うよ…」
と、ここで、リチャードは再び質問を投げかける。
「その後君は彼とは再会出来たのかな?…」
「まぁ、出来たといえば出来たが…その後にあったのが、師匠の裏切りで…」
するとリチャードは目を見開く
「本当に辛かったんだね…そこまでのことがあったのに君の導師の物語におけるきみの出番は…」
「あぁ、非常に少なかった…私は私で大変だったんだが、世間にはあまり認知されていない…」
リチャードは自分のことを思い返しながら話しはじめる
「…僕も正義の味方の陣営に参加することはできなかったんだが、そこまで出番が無かったわけではないからね…なにせ僕はその物語で言うと悪役……」
そこでポンと手を叩いた
「そうだ。ならばいっそ悪役をやってみてはどうだろう?」
「え!?」
〈イメージ〉
「消えてなくなれ!!」
敵版アリーシャのカットイン
「鮮血よ散れ!薔薇のように!!」
手に持った槍でスレイを幾度も突き刺す。貫かれるたびに飛び散るスレイの血液。それは薔薇の花のように美しく飛び散った
「ブラッティローズ!!」
スレイに背を向けるアリーシャ。大きな隙ができたにも関わらずスレイは攻撃することができなかった。
その場で崩れ落ちるスレイ
「行っただろうここで終わりだと…」
ー全滅したー
game over
〈イメージ終了〉
「いや!それ、なにか根本的に間違ってないか!?そもそもスレイと敵対する理由なんて…」
「あぁ、僕にもなかったけどしっかりと悪役として成り立っていたよ。それに、思えば僕と境遇が似ている君にもその資質は十分あるじゃないか!!」
「な、何を言って!?」
リチャードは立ち上がりアリーシャの手を取る
「そうと分かれば早速やってみよう!善は急げだ!」
「いや、やろうとしてることは完全に悪なんだが!?ちょっと!?」
そして、アリーシャの手を引いてそのまま店を出て行った…
to be continue?