またやりました やらかしました
良ければ見てってください この無双劇を
「あ、黒点発見。やっぱり太陽が氷河期に入り始めてるってのは本当なのかね」
川辺で学ラン姿のまま黄昏る逆廻十六夜は太陽を見上げてふっと呟いた。
ヘッドホンを外してみると川辺の向こうで不良集団が少年に暴行を加えているのが見える。
「………あー暇。超暇。暇が売れたらひと稼ぎ出来る自信があるね」
不良集団はそんな十六夜の言葉に反応しない。距離が離れているので当たり前だが。
おもむろに立ち上がった十六夜は手頃な石を拾う。
そして、
「俺も混ぜろやゴラァァァァァ!!」
石を投げて川辺ごと吹き飛ばした。
盛大に吹っ飛んだ不良と少年はたまったものじゃない。
「ぎゃあああ!」
「さ、逆廻十六夜だ!! 逃げろッ!!」
「た、助け――」
「ヤハハ!! オラオラ、ドンドン投げ込むぞ!」
軍艦の主砲のような威力の投石が川辺にクレーターを生み出す。
少年を含めた全員が逃げ出したのを見て十六夜は笑い飛ばした。
「ハハ、だらしねえだらしねえ!! 気合いが入ってるのは格好だけかよ!」
暫く気でも触れたかのように爆笑する十六夜だったがやがてそれも収まり、静寂に包まれる。
「………つまんね」
ため息と共に虚しさを吐き出した十六夜。
暫く空虚に空を眺めていたがふと何かを思ったように呟く。
「……散歩でもすっか」
丁度川があるのでそれに沿って行くように十六夜は歩き出した。
逆廻十六夜は飢えている。
今日も今日とて何か面白い事は無いかと期待もせずに探し始める。
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川を下るように岸を歩いていくと当然のように海に出た。
「…………青いな」
近くの堤防に上り、ふらふらと目的も無いままに歩いていく。
十六夜は意外にも海が好きだ。
自分を含めたあらゆる生命、及び地球の全てを生み出し、育んだ海は感動を追い求める彼にとってはロマンの宝庫。
深海の奥深くには未だ誰も見つけたことのない神秘があるだろう。いずれは自分がそれを見つけてみたいと十六夜は子供のような好奇心を抱いていた。
「………ま、そんなもんは俺より先にどこぞのお偉いさんが見つけちまうんだろうな」
相変わらず退屈を抱え込み、堤防の縁を足で軽く蹴る。
しかし、十六夜にとってこれはミスだった。
先ほどの投石のように十六夜は軽い力でも半端でない破壊力を生み出す。
加えて此処の堤防は作られて結構な年期が経っており、弱冠ヒビなどが入っていた。
つまり、
ボゴッ!!
「あ」
十六夜の立っていた所ごと堤防が崩壊。
注意が散漫していた十六夜が何かリアクションを起こす前に彼の体は海中に落ちてしまった。
ついでに防波堤に頭を強く打ってしまい、気を失う。
言い忘れていたことだが逆廻十六夜は水難の相が出ているとか。
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「出撃命令ですか? 提督」
「せや。まあそこまで大したことや無いんやけどな」
何かの指令室のような部屋で男性が二人の女性に真面目な顔で話しかける。
男性は白い軍服に眼帯を身に纏い、女性二人は似たような服装、加えて巨大な兵装を背負っている。
片方の女性が髪をポニーテールにしているのが大きな違いだろうか。
「内容はなんです?」
「ああ。こないだ見つかった無人島なんやけどどうにもそこにはぐれの深海棲艦が集まっとるんや。このまま勢力が強くなるのは流石に無視できんからな。行ってきてくれるか?」
「え~。雑魚程度なら他の人に任せればいいじゃないですか」
「伊勢」
少々面倒そうな顔をする女性をもう片方が短く諌める。
一方で男性は僅かに肩を竦めると、
「まあ念には念を入れよってことや。頼んだぞ二人とも」
「「了解」」
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「………ん」
パチッと十六夜は目を覚ました。
「あ~…気を失ってたみてえだ…な……ん?」
ふと違和感を感じて回りを見渡す。
「………島?」
記憶が正しければ自分が居たのは防波堤である。
しかし今彼がいるのは文明が一切入ってきてないような小さな無人島だった。
「………そんなに流されたのか? ヤベ……」
帰ろうにもどちらに向かえば良いのか分からない。
そもそもここがどこかも分からない。
幼い頃にサバイバルをしたことがある十六夜だが流石に規模が違う。
「………どうすっかな」
しかし本人はそこまで悲観していない。
とりあえず魚でも捕ろうかと浜辺に近づく。
が、しかし、
「………お?」
ザバッと数m離れた先の水面が盛り上がる。
そして黒々とした魚雷にライトのような目をした物体が現れた。
「なんだこりゃ。魚?」
未知、好奇心に弱い十六夜。
早速目の前の"変な魚"をよく見てみようと近づくが、
ガパッ
魚雷の口がパカッと開き、中から武骨な砲塔が十六夜に向けられ、
ドンッ!!
発射された砲弾が十六夜に直撃する。
爆発が起こり、砂埃が舞い散る。いくら小型だろうと人間が砲弾を食らっては人溜まりもない。
そう、ただの人間ならば。
「………いきなりやらかしてくれんじゃねえかよ」
若冠煙が立っているが完全無傷、健在な姿の十六夜が立っていた。
「砲弾撃ってくる魚なんざ聞いたことねえな。まあ生意気ってことは確定だがな」
獰猛な笑みを浮かべ、ギロリと魚雷を睨む十六夜。
『売られた喧嘩は即効買い』が主義である彼に出会い頭砲撃はよっぽど愉快な宣戦布告だったのだ。
と、それに合わせて次々に水面が盛り上がり、似たような魚雷が何体も現れる。
「ハッ! ゾロゾロと大漁だな。纏めて相手してやっから歯ァ食いしばれ!!」
ズドドドドドドドド!!
宣言も合図もなくいきなり一斉に魚雷の砲身が火を吹く。
が、十六夜は足元が砂場であるにも関わらず大ジャンプで全て回避。
最初の魚雷が上を見上げて再度砲撃を試みる、が、
「ぶっ潰れろ!!」
グシャッ!!
大口開けた所に十六夜の空中踵落とし。
地面に叩きつけられた魚雷はビリビリと帯電した後に爆発した。
「お。爆発って事は機械か。なんかの兵器ってことか? つかなんでそれが俺を襲うんだよ」
疑問を魚雷に投げ掛けるが返事は再び一斉砲撃だった。
「あーそうかよ。そっちがその気なら………しゃらくせぇ!!」
迫る砲弾に対して十六夜は目の前の空間を殴り付ける。
途端、凄まじい衝撃波が全ての砲弾を爆破させた。
「なんだ。手応えねえな。どうした? もっと楽しませろよ」
凶悪な笑顔を浮かべ、魚雷を睨み付ける。
兵器なりに恐怖を感じたのか、魚雷は一斉に逃げ出した。
しかし、十六夜は再び大ジャンプ。
逃げる魚雷を飛び越えて着水、とおせんぼをする。
「俺に喧嘩売っといてその態度か? 俺から逃げられると思うなよゴラァ!!」
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無人島から百m程離れた場所。
先程、男性と話をしていた二人の女性が海面に立ち、彼方を見ていた。
比喩ではない。二人は大きな装備を背負っているにも関わらず完全に海面に立っている。
しかし、"この世界"ではある意味それは当然。寧ろ異常なのは………。
「……ねえ日向。私の目おかしくなったのかな」
「もしそうなら私の目もおかしいことになるぞ」
二人の視線の先には大量の魚雷を相手に水柱を上げながら無双している逆廻十六夜が居た。
「幾ら駆逐イ級とは言え、人間がそれを蹂躙できるというのはどういうことなんだ?」
日向と呼ばれた女性が疑問を口にする。
対してもう一人、先程伊勢と呼ばれていた女性はお手上げと言った風に手をあげる。
「私に聞かないでよ。あの人は男だし艤装もないから艦娘じゃないと思うけど……」
「あんな人間がいるとしたら私はゾッとするよ……」
「どうするよ」
「……収まったら接触を試みる。あの調子だとすぐに終わるだろうから」
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「オラオラオラァ!!」
相手の砲撃に対して十六夜がしているのは殴る蹴る叩きつける。
しかしそれだけで、その一発で次々に魚雷が爆散していく。
と、魚雷の一つを掴んだ十六夜は他の魚雷が集まってる場所へ(さながらボーリングのように)投げつける。
「ヤハハハハハハハハ!!」
もはや敵が可哀想に思えるレベルである。
そんなこんなを続けているうちに最後の一体。
そしてそれも容赦なく殴り壊す。
残ったのは無傷な十六夜と無残に浮かぶ魚雷の残骸。
「ま、多少の暇潰しにはなったか。で、さっきから俺を見てくる奴らはなんなんだ?」
と、此処でようやく様子を見ていた二人が近づいてきた。
警戒しつつも十六夜は二人を観察する。
「(さっきの魚より遥かに強ぇな。だが……水面に浮かんでるってのはどういうことだ?)」
「私は横浜鎮守府所属の伊勢型戦艦の二番艦、日向」
「同じく、一番艦の伊勢だよ」
「ご丁寧にどうも。俺は逆廻十六夜だ」
軽薄に笑って挨拶を返す十六夜だが内心は複雑な思考を働かせていた。
「(伊勢型戦艦の伊勢と日向っつったら帝国海軍の戦艦じゃねえか。それを自分で名乗るだと? 背中に背負っている装備は確かに戦艦っぽいけどな……)」
「お前には色々聞かなければならないことがある。悪いが共に鎮守府まで来て貰うぞ」
「ああいいぜ。俺も色々聞きたい事があるんでな」
逆廻十六夜と艦娘の深海棲艦との戦いは此処から始まるのだった。
正直キャラ紹介とかしたくても知識的に………
おのれ低スペパソコンめ
伊勢と日向はアニメの長門や陸奥の立ち位置なのかな……
十六夜に従うわけではないと
キャラとこ凄い不安なので指摘・感想待ってます