今回、作者が初めて知った艦娘が登場デス
執務室で十六夜は高速で筆を走らせている。
鎮守府の艦娘の人数も相当に増えたことで彼の仕事も比例して増えたのだ。艦娘の管理も提督の仕事である。
「しっかし、中々スゲエ量だな。近いうちにパソコンでも買っとくか?」
「提督。お疲れ様です」
「おう。悪いな」
五月雨から受け取った茶を飲みながら十六夜はふと思い出したように訪ねる。
「五月雨は確か白露型の六番艦だったよな」
「はい」
「つーことはなんだ。姉が5人いるってことでいいのか?」
「はい。艦娘になってからは会ってませんけど……」
本棚から軍艦の本を取り出してページを捲る。
そして目当ての白露型の項目を見つけると目を通した。
「白露型……一番艦白露、二番艦時雨、三番艦村雨、四番艦夕立、五番艦春雨、で、六番艦五月雨か」
六番艦なのに『五』月雨とは如何に? と思ったがそれは置いておく。
「姉に会いたくはないのか?」
「……会いたくない、といえば嘘になります。けど、いつかは会えると信じてますから」
それに、と五月雨は続ける。
「涼風ちゃんのお姉さんのこともありますし」
「ん? ああ、そういえばお前より後の白露型は別型の扱いがされるんだよな」
それが七番艦海風、八番艦山風、九番艦江風、十番艦涼風である。
「七・八・九番艦はまだ艦娘が確認されていません。だから私が涼風ちゃんの支えになってあげないと」
「成る程な。ロリの割にしっかり考えてんじゃねえか」
「少なくとも暁ちゃん達よりは大人だと思いますよ。自分では」
「比べる対象が低すぎるだろ」
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「艦隊が帰投しました」
「おう。お帰り不知火。疲れてるか?」
「お気になさらず。私はほとんど損害はありません」
「そうか。で?」
「はい。今回制圧した地点により更に奥地へ進めるようになりました」
不知火の報告を受けながら十六夜は書類を見る。
「次の領域で駿河沖は奪還できると考えていいだろうな。まあ深海棲艦もより強くなってるだろうが」
「重巡、空母、戦艦の出現も予想できます。今以上に此方の戦力も強化するべきかと」
ふとそこで十六夜を見ると何やら楽しみそうなニヤニヤした笑みを浮かべている。
そんな、
「この海域を突破すれば交易ラインが回復し、横浜鎮守府と資材の共用をする必要はなくなるかと思います」
「それなら早めに確保しときてえな。………戦力強化………俺も出るか?」
「ご自由に」
「ヤハハ。まあまずは戦艦をもう一隻作るか」
というわけで、工厰へ。
戦艦を製造するのに最も適したレシピ(蛟劉からの伝聞)を使ってみると見事に戦艦に相当する時間となった。
「提督は運も強いですね」
「ヤハハ。俺様だぜ? っと扶桑?」
そんな話をしているとやってきた扶桑。
十六夜に気づくとその近くに寄ってきた。
「二隻目の戦艦ですか……」
「ああ。お前の妹が来るといいな」
「それは勿論ですが……ようやく同じ戦艦が来て下さるので誰でも歓迎したいものです」
微笑みながらそう言う扶桑に十六夜も笑いかける。
「次の海域はお前達が主力だ。後輩の面倒は頼んだぜ」
「了解です」
そんな会話をしながら十六夜は高速建造を指示する。
そして、新たな戦艦が誕生した。
「金剛型の一番艦。英国で生まれた『金剛』デース!! よろしくお願いしマース!!」
「金剛!? 有名艦じゃねえか」
流石に予想外だったのか十六夜も驚きの声を上げる。
そんな彼の手をとって人懐っこい笑みを浮かべた金剛は楽しそうに言った。
「貴方が私の提督デスカ? 会えて嬉しいネ!!」
「おう。こっちこそよろしくな。先輩の扶桑と一緒に頑張れよ」
「任せるネ!! 扶桑もよろしくデース!!」
「はい。よろしくお願いします」
流石に誕生したばかりの金剛をいきなり実戦に送るのはどうなのかと判断した十六夜。
先程出撃した艦娘を休ませる意味でも出撃は翌日に回すことになった。
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そして翌日、出撃となった。
そして編成は五月雨、扶桑、金剛、赤城、加賀、高雄である。
「あ、あの……わ、私が旗艦ですか?」
「おう」
「ままま待ってください!! 明らかに私では役不足ですよ!?」
「心配すんな。俺も出る」
「What!? 提督も出撃するんデスカ!?」
「そうよ金剛さん。此処の鎮守府かなり特殊だから」
「WAO!! なら提督の力も楽しみにしているネー!!」
赤城の説明を聞いて金剛のテンションが上がる中、十六夜は五月雨に言い聞かせる。
「五月雨。お前はこの鎮守府の最初の艦娘。そして俺が一番信頼しているのはお前だ。誰がなんと言おうとうちのリーダーはお前なんだよ」
「わ、私がリーダー……」
「ほら。提督もこう言ってますし、頑張りましょう?」
「旗艦としての活躍、期待しているわ」
高雄と加賀に励まされて五月雨は気合いを入れ直す。
「はい!! 五月雨。旗艦として頑張ります!!」
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そして出撃。
第一艦隊が抜錨すると同時に海に出た十六夜は彼女達に合流する。
「提督。大丈夫ですか?」
「大丈夫だ。問題ない」
「それフラグですよ」
「いや真面目に大丈夫だ。もう水上靴にも慣れた」
その言葉通り、当初に比べ十六夜の動きが非常にスムーズである。
そしてしばらく沖合いに向かっていると、
「……! 敵艦隊を確認しました」
「赤城、加賀」
十六夜の声と同時に二人が弓で艦載機を飛ばす。
空中で変形した艦載機は真っ直ぐに飛んで敵艦隊を確認すると爆撃を放つ。
「………戦艦ル級1、空母ヲ級1、重巡リ級1、残りは駆逐です」
「爆撃来ます!!」
と、敵方のヲ級が飛ばしてきた艦載機が爆撃を放ってくる。
「ハッ!! しゃらくせぇ!!」
が、十六夜が振り抜いた拳からの衝撃波によって艦載機ごと爆撃を破壊した。
「wonderful!! 提督強いデスネ!!」
「ね、凄いでしょ?」
「お、敵艦隊はアレか」
と、十六夜も視界に捉えたらしい。
「!! 今までに見たことない奴らだな……ようやく人間ってか艦娘らしいシルエットの深海棲艦が現れたな」
「見かけに違わず、強さは段違いです。気をつけて」
「おう。さて五月雨。指揮は頼むぜ」
「はい!! まずは駆逐艦を倒しましょう!! 空母のお二人は他を牽制してください!!」
「はい!!」
「分かったわ」
赤城と加賀が艦載機で攻撃を行う。
「高雄さん!!」
「任せて。行くわよ!!」
高雄の主砲が火を吹き、駆逐イ級を一体撃沈させる。
それに合わせて五月雨が放った魚雷がもう一体を撃破した。
「よし!! じゃあ次………」
残ったイ級に攻撃しようとすると、十六夜が一気に近づいた。
「て、提督!?」
「俺にもやらせろ!!」
そのまま十六夜はイ級をひっ掴み、持ち上げる。
そのまま、重巡リ級に向けて投げつけた。
『!?』
予想だにしない攻撃に動揺したリ級はイ級を撃ち落として事なきを得る。
が、それを見逃すわけがない。
「行ってください!!」
赤城が放った艦載機による爆撃でリ級の身動きを封じる。
そこに加賀の艦載機が直撃を与え、大ダメージ。
「油断はしません。一気に仕留めます」
『グ……』
反撃として放たれたリ級の砲撃。
しかしそれは赤城によって阻まれる。
「加賀さん。決めて!」
加賀の最後の一撃。
既に大破していたリ級はあえなく轟沈することとなった。
「やりました」
「加賀さん!!」
と、そこに戦艦ル級の砲撃が迫る。
「くっ……」
何発かは命中するが他は金剛が叩き落とした。
「………ありがとう」
「ノープロブレム!! 提督に負けていられないネ!! fire~!!」
金剛の艤装の砲身が一斉に放たれる。
ル級は回避をするが金剛は高速戦艦のスピードを活かして接近。
ル級をガッシリと掴むとそのまま上空にぶん投げた。
「こ、金剛さん!?」
「扶桑!! 今ネ!!」
「はい!」
上空のル級を扶桑を砲撃。
逃げ場を無くしたル級に全弾が命中し、撃沈させた。
「ヤハハ!! 金剛の奴なかなかやるじゃねえか!!」
「残りはヲ級のみです!!」
「五月雨!! 援護は頼んだぜ」
「はい!!」
海中に魚雷を放った五月雨。
それに気づかれないように十六夜が突撃する。
「女を殴るのは趣味じゃねえんだがな!!」
相手の艦載機に対して水面を蹴り飛ばすとショットガンのような水飛沫が全て撃墜した。
「提督!! 着弾は三秒後です!!」
「おう!!」
素早く相手の攻撃を避けながら接近。
ヲ級の表情に動揺が浮かんだその瞬間に魚雷が命中した。
『……!』
「これで、終わりだ!」
ズドッ!!!
ヲ級の腹部に鋭い膝蹴りが炸裂。
そのまま吹き飛ばした。
更に五月雨が追加の砲撃を叩き込み、ヲ級を撃破。
敵艦隊の殲滅に成功したのだった。
「ナイスだ五月雨」
「はい!!」
金剛登場。要望も多かったです
しかし彼女、十六夜並みにトンデモな実力者。深海棲艦ぶん投げるなよ……
彼女に限らず戦艦娘は十六夜に負けず劣らずの強者です
他は長門や大和、武蔵やビスマルクなど
ではでは、また次回