ここまでは進めたかった
言い方変えればメインヒロイン登場回
やはり拙い艦これ知識ですがよろしくです
逆廻十六夜が魚雷軍団と戦って二時間後。
彼は大型の船に揺られていた。
「やっぱ船旅ってのは良いもんだな」
甲板でキラキラと光る海を眺める十六夜。
しかし今の彼は学ランではなく白い海軍の軍服を身に纏っていた。
彼は今、とある場所に向かっているのだった。
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二時間前。
十六夜は伊勢と日向に連れられて横浜鎮守府にやって来ていた(伊勢の装備に掴まって海を渡った)。
彼女達に案内され、十六夜は執務室に連れてこられた。
「おー。コイツは御大層なこった」
「提督。帰艦しました。例の男も居ますが」
「構わへんよ。入ってこい」
「失礼します」
そう言って日向が扉を開ける。
まず彼女と伊勢が入り、続いて十六夜が入った。
執務室の机に座っていた白服の男性は十六夜の姿を認めると、
「君が駆逐イ級を相手に無双した少年か?」
「ああ。俺は見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子揃った駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれよ」
不遜な自己紹介に思わず伊勢が吹き出し、日向にどつかれる。
「ははは。面白いことを言う少年やな。僕はこの横浜鎮守府の司令官をしとる海軍の蛟劉准将や。よろしゅう」
眼帯の顔で笑顔を浮かべて挨拶をする男――蛟劉。
十六夜は思わず「(胡散臭い笑顔だ)」と思った。
「つーか准将? それに海軍っつったよな? どういうことだ? 軍隊は解散したんじゃなかったのか?」
「は? 君何言うとるんや? 深海棲艦が現れて海軍が再興されたことくらい知っとるやろ」
「はあ?」
すっとんきょうな声を上げる十六夜。だがチラリと横目で見ると伊勢や日向も「(何を言ってるの?)」という視線を送ってきている。
「(なんだ? 俺と連中の常識が違うのか? "深海棲艦"っつーのは恐らく俺が戦った魚雷のことだよな。しかもニュアンス的に世間的に常識って感じだ。………ってなるとまさか……)」
「おーい。大丈夫か?」
黙ってしまった十六夜に蛟劉が声をかける。
と、十六夜は、
「………ヤハハ! コイツは中々傑作だな」
「?」
「なあ蛟劉准将。俺の話を信じるかはあんたに任せるぜ。俺は"別の世界"からやってきた」
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十六夜が事細かに話をすると蛟劉は黙って思索している。
伊勢と日向も顔を見合わせていた。
一方で十六夜も自分が行った世間的に有名な"かくれんぼ"が無かったことで更にこの世界が異なるものだということに確証を高めた。
「………深海棲艦がおらん世界か……少年みたいな年の奴が今まで知らなかったのもそれなら頷けるな」
「それに彼みたいな馬鹿げた力を持つ者を今まで誰も知らなかったのも不自然です」
蛟劉の呟きに日向が付け加える。
「まあええよ。僕は君の言うことは信じる」
「お。話が分かるじゃねえか」
「けど提督。上にはどう報告するのさ」
そこで伊勢が口を出す。
「そこなんや」と蛟劉も腕を組んで悩み始めた。
「十六夜君が異世界の住人ってのは隠せるんよ。ただ"深海棲艦を倒した人間"っていうのは流石に報告せんとあかんからなあ」
「どうする? 十六夜の処遇っていうか………」
「俺はまあ別になんでもいいんだけどよ」
頭を悩ませる一同。
と、そこに扉が開いて新たな人物が入ってきた。
「司令官。書類を纏めておきましたよ」
「ああ。大淀か。ご苦労様やな」
黒髪眼鏡の女性は蛟劉に書類の束を渡す。
と、彼女は十六夜に気づいて軽く微笑んで会釈する。十六夜も軽くそれに返す。
と、ペラペラと書類を見ていた蛟劉だったが突如その手が止まる。
「………………」
「? 提督どうしたの?」
「……これや!」
パンと一枚の書類を弾く蛟劉。
そこには『新設鎮守府・駿河鎮守府』と書かれていた。
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視点・逆廻十六夜。
それから二時間後。
俺は船に揺られて海を渡っている。
新たに作られた駿河鎮守府って所に向かっている。
蛟劉准将の提案っつーのは俺をその鎮守府の提督に配属することにするらしい。
「君みたいに"深海棲艦と戦える人間"っていうのはこっち側からしたらかなり重要な存在なんや。色々思うとこはあるやろうけどよろしゅうな」
ということだ。
まあ俺は別にどうしようが構わなかったから断ったりもしなかったがな。
その後は蛟劉准将から色々な話を聞いた。
この世界の現状。
"深海棲艦"という存在。
対抗手段、"艦娘"。
彼女達を指揮する"提督"。
「成る程な」
曰く、深海棲艦は謎の存在。
ただただ、海を渡る者達を食い荒らす存在。こいつらが突然現れたせいでシーラインは壊滅している。
俺は『強い力は強い者に振るうべき』って持論を持っているが奴らはそれを尽く無視している。
何を考えてんのかは俺も分からない。
が、人間がこうして発達したのは海を渡り、交流を広げてきたからだ。
それを脅かすような連中が俺は気に食わない。
「全員叩き潰してやろうか……」
思わずそんな物騒な言葉が漏れた。
元から口は悪いけどな。
まあ俺の事は置いておく。
それ以上に重要なのはそんな深海棲艦と戦う艦娘だ。
奴らは本能的に深海棲艦と戦う存在。
どうにも彼女らは"軍艦の生まれ変わり"らしい。
確かに俺が出会った伊勢や日向、大淀も例外ではない。
戦う事が宿命という艦娘と深海棲艦。
俺はそんな奴らを相手にどう過ごしていくかだな。
「………お、そろそろ着くか?」
この駿河鎮守府には新しい艦娘が既に二人配属されているらしいな。
つまるところポ●モンの最初の一匹ってとこか。
「さて……どうなるかだな」
少なくとも、俺は前の世界のように退屈することは無さそうだ。
だが………なんで俺はこの世界に飛ばされたんだ?
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駿河鎮守府。
その船着き場で二人の少女が新しい提督の到着を待っていた。
「にしてもどんな人が来るんだろうね」
「ん~。どうだろな~。つい最近配属されたって聞いたけども」
似たようなセーラー服を着て色味の異なる青髪を揺らす少女達。
大きさこそ伊勢や日向に比べると小さいが艤装があることから艦娘であることがちゃんと分かる。
「うう……ちゃんとお勤めできるかな~」
「てやんでい! 何弱気になってんだ! そんなんじゃ活躍できないぞ!」
「うう、分かってるけど……」
「全く、相変わらずだねぇ」
そんな風に二人が会話をしていると船が近づいてきた。
「おっ、来たよ!」
「わわわ……緊張するなあ……」
とそんな風にしていると船から金髪にヘッドホン、白の軍服を身に纏った十六夜が降りてきた。
「お前らが配属されてる艦娘か?」
「は、はい!! 白露型六番艦、駆逐艦の"五月雨"ですっ!」
「私は同じく白露型十番艦の"涼風"さ! よろしくな提督!」
「おう。今日から世話になる逆廻十六夜様だ。これからよろしく頼むぜ」
こうして駿河鎮守府での生活がいよいよ始まるのだった。
メインヒロインは五月雨です
理由は……察してください(博愛主義者)
実際プレイするとしても初期艦は五月雨だろう………
ちなみに駿河なのは住んでいる県以外で自分に縁のある場所だからです
大規模なストーリーはあまり無く、基本十六夜が艦娘と過ごす話です。
次回もお楽しみに