予想以上に見てくれた人が多くてびっくりしました
自信付きました。有難うございます!
今回書いて思ったのは『もう全部十六夜一人でいいんじゃないかな』
五月雨と涼風に案内され、鎮守府に入る十六夜。
とはいえ彼女達も此処に来たのは初めてなのだが。
「けどさ提督。赴任されたってのになんでそんな軽装なんだい?」
と、その道中で涼風が十六夜に問いかける。
事実十六夜が持っているのは移転するにはあまりに小さな手提げの鞄のみだった。
「あ? 別に持ってくるようなもんなかったからよ」
「ええ? それどういうことなんだ?」
「あー……悪いが今は言えねえ。また後々話すな」
「おー。分かった」
現状で十六夜は自分が異世界から来たというのを話すべきではないと思っていた。
まあ五月雨や涼風のように幼い艦娘なら信じるだろうが念のためである。
そんなことを考えていると、
「提督。此処が執務室です」
「お、此処か」
早速五月雨が鍵を開ける。
内部には公務に使うであろう提督用の机とダンボールが幾つか。
それだけである。
「うお……地味」
「あ、すみません……ただこの部屋は提督の好みで改装出来ますから……」
確かに蛟劉の執務室は若干中国っぽかった。
そんな記憶を思い出しているとダンボールに張り付いてある手紙に気づいた。
『十六夜君へ。
無事に鎮守府に着いたみたいやな。ひとまず一通りの必要な物は送っといたで。そこでどうすればいいかは艦娘に聞いてくれ。それと君の処遇だけど正規の海兵って訳じゃないからフリーの海兵ってことになっとるで。せやから階級とかも無いからな。まあ海軍本部への収集とかはかかるやろうけど基本は自由にして構わへんで。ほな、よろしく頼むで
蛟劉准将』
「へえ。これはありがたいな」
とりあえずダンボールを端の方に置く。
一応中を見てみると着替えや生活用品が入っていた。
「ま、確かにこれだけあれば十分だろ」
「提督どうしますか? よろしければ鎮守府の他の場所を案内しますけど……」
「ああ、頼んだぜ。まだ俺は知識とか微妙だからな」
「お任せだよ司令官!」
ダンボールを閉めて再び立ち上がり、五月雨と涼風に付いていく。
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と、二人に連れられて来たのは工場のような施設だった。
「此処が工廠さ。此処で艦娘を建造したり私達の装備を開発するんだ」
「この明らかに機械全開な場所でどうやって生きている艦娘を作るんだって話だが」
「それは……企業秘密です」
「………まあいいけどよ。で? コイツらは何なんだ」
十六夜の言う"コイツら"というのは工廠を世話しなく走り回っている小さな少女達(人の手に乗りそうな大きさ)のことである。
「彼女達は妖精ってんだ。工廠の仕事は全部妖精達がやってくれんだよ」
「妖精だぁ? おいおいまた随分ファンタジーな存在がいるじゃねえか」
「妖精さんに関しては私達も分からないことが多いんです。ただ皆私達艦娘の為に一生懸命頑張ってくれてます」
「へえ……こいつらがね」
ヒョイッと一人の妖精を摘まみ上げて掌に乗せる。
そんな小さな存在が力を合わせて艦娘のような強大な力を作り出すというのは十六夜にとってはある種の感動のようなものだった。
「………やるじゃねえか。お前ら」
コテンと首を傾げる妖精にニッと笑いかけてから床に下ろし、仕事に戻らせる。
「どうすんだい提督? せっかくだしここは一つ建造してみないかい?」
「お? 新しい艦娘を作るってか? 確かにやってみるか。だがどうやればいいんだ?」
「資材を指定して妖精さんに任せれば全部やってくれますよ」
「簡単過ぎだろ」
そうツッコミながらも妖精に資材を任せる十六夜。
建造が終了するまで他の場所も見て回ることにした。
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「此処が入渠施設! 戦いで傷ついたら私達は此処で体を休めるんだ」
「どっからどう見ても風呂だろこれ」
普段ボケキャラの十六夜がツッコミに適応し始めている。
「ま、まあ事実そういう扱いですし……普通のお風呂としても使えますから提督も入れますよ」
「………ほう?」
キラーン☆と十六夜の目が光った。
「て、提督?」
「成る程。つまり俺がお前らに背中を流してもらうとかそういう展開もありってことだな?」
「ふえっ!?」
「てやんでい! それは許さないよ!」
「ヤハハ。冗談だ」
………やはり逆廻十六夜は逆廻十六夜だった。
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さて、一通りの案内が終わり、十六夜は執務室の整理をしていた。が、
「なんで五月雨も居るんだ?」
「原則として提督には一人秘書艦が着くんです。とりあえず現状は私が」
「秘書"官"?」
「秘書"艦"です」
「ま、そういうことなら納得だな。じゃとりあえず片付けを手伝ってくれるか?」
「はい!」
と、そんな感じでひたすら片付けをしていく。
そして30分後、片付けが9割程終わった頃、
「提督~! 建造が終わったみたいだよ!」
「お、来たか。じゃあ迎えに行くか」
「いや。もう来てるぞ。ほら」
と、涼風が身を避けると黒髪で小柄な艦娘が入ってきた。
「暁型一番艦、"暁"よ。一人前のレディとして扱ってよね」
「……………おお?」
公務椅子に座っていた十六夜は思わずそんな声を上げた。
そして立ち上がり、新艦娘、暁の前に立つ。
「?」
此処で第三者(五月雨や涼風)から見ると暁の身長は十六夜の腹の少し上あたり。暁は顔を見上げることで十六夜と目線を合わせている。
「………プハッ」
数秒後、十六夜は思わず吹いた。
そんな彼に暁は「んなっ」と呻き、
「何よ! 笑わないでよ! 暁は一人前のレディなんだからねっ!」
「ヤハハ! はいはい一人前のレディサマ」
愉快そうに笑いながら手を伸ばして頭を撫でる。
更に顔を赤くした暁は腕をぐるぐる振り回して、
「ちょ、子供扱いするなぁーーー!!」
「ヤハハハハ! 一丁前にオコサマが背伸びしやがって」
「うなーーーー!!!」
ブンブンと腕を振り回す暁だが十六夜には届かない。完全に遊ばれていた。
そんな光景を見ていた五月雨と涼風はというと
「「(え、なにこれ可愛い)」」
と、ほっこりしていた。
数分後
ムッスーと膨れてしまった暁を五月雨が宥めている間に十六夜は涼風に声をかける。
「なあ涼風。この近くに大型の書店か図書館はあるか?」
「あるけど。それがどうかしたかい?」
「少し調べないといけないからな。ちょっと付き合え」
「がってんだ!! 五月雨と暁も行くよ!!」
「あ、うん! 行こ? 暁ちゃん」
「うう~」
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そんなこんなで図書館に来た一行。
早速十六夜は海軍ジャンルの本がある棚へ行き、『軍艦』に関する本を一通り取る。
「いつどんな艦娘に会うか分からねえからな。予習しとくに越した事はねえ」
見た目によらず知性派な十六夜だが軍艦に対する知識は流石にそこまでではないため、学び直す必要があるとのことだ。
「うし。こんなもんでいいだろ」
大きな軍艦集の本を七冊程、手続きをして借りた十六夜は三人を探す。
「おいお前ら。帰……」
三人が三人とも熱心に読書していた。
特に暁はファッション誌やらレディース本が多数。余程先程のが悔しかったのだろうか。
「………ほらお前ら帰るぞ。また来るからその時にすればいいだろ」
ということで帰路につくのだった。
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『深海棲艦ヲ、確認シマシタ』
そんなアナウンスが鳴ったのは丁度鎮守府に帰宅した時だった。
「わわ!! このタイミングで!?」
「駆逐イ級とロ級が…全部で四隻!」
「早く準備しないと……」
そんな風に慌てる三人の艦娘。
一方で十六夜は沖の方を見つめていた。
「司令官!? どうしたのよ!」
「……深海棲艦が居るのは彼処か?」
十六夜が指差す先。五月雨が目を凝らすと確かに深海棲艦が四隻いた。
「は、はい! でもよく見えましたね……」
「ま、目はそれなりにな。さてと………」
ドサッと借りた本が入った鞄を地面に置く。
「提督!! 何してんのさ!! 早く出撃命令を」
「あの程度なら必要ねえよ。今終わらせる」
と、十六夜は足元の石を一つ手に取る。
困惑する三人を余所にその石を握りしめ、そのまま大きく振りかぶり、
「とっとと帰りやがれ木っ端棲艦がァ!!!」
キュイン!!
思いっきりぶん投げた。
ただの小石が流星のごとき速度で飛び、深海棲艦目掛けて一直線。
そして、盛大な水柱が立った。
「「「………………」」」
『深海棲艦、全滅』
「おし。ストライク!」
無機質なアナウンス。
平然と鞄を持ち直す十六夜。
五月雨・涼風・暁はしばし呆然としていたが我に帰ると、
「「「ええええええェェェェェェェ!!!?」」」
大絶叫を上げるのだった。
十六夜、初めての建造は暁でした
事実どうやったらアレで女の子が生まれるんだって話ですが
暁は駆逐艦では好きなキャラ。可愛いし
実際のところ下の妹の雷電姉妹の方が人気は高そうですが
にしても十六夜本当にチートやでぇ……
では。感想やキャラの指摘を頂けると嬉しいです