その中には彼女も……
というかサブタイで一人は確定ですね(苦笑)
ではどうぞ
逆廻十六夜が駿河鎮守府に着任して五日が経った。
既に結構な数の艦娘が増えている。
「………よし、次」
「はい」
そうなると提督である十六夜の仕事も増える。
しかし彼はその性格からは意外なことにかなりの知性派だ。
かなり増えた職務も難なくこなしている。
「五月雨。この書類は全部見たから纏めてファイルよろしくな」
「は、はい」
そしてそんな十六夜を助ける為、五月雨も大忙しだ。
ハイスペックな十六夜に必死についていこうと努力する様子がなんとも可愛らしい。
「え、えーと……こ、ここかな?」
「五月雨。そこは資料を入れるファイルだぞ」
「あわわ」
相変わらずドジは変わらない様子だが。
「提督~! 仕事は終わりそうか~?」
と、そこにやってくる涼風。
「おう。結構進んだな。五月雨が頑張ってくれてるしな」
「はい!」
「そっか~」
しばらく十六夜の仕事のようすを見ていた涼風だったが突如、何を思ったか、
「…………よいしょ」
「うおっ!?」
椅子に座って作業をしている十六夜の背中をよじ登り、肩車をした。
「お~、安定するな~」
「涼風!! 提督の仕事の邪魔しちゃダメだよ!」
「いいって五月雨。ほら」
涼風を肩に乗せたまま身体をゆらゆらと揺する十六夜。
「おお~」
そんな遊びをしながらも十六夜の仕事のペースは衰えない。流石。
「大丈夫かい提督? 重くない?」
「あー? 別に小娘一人を肩車した程度でどうってことねえよ」
「そうか! 提督は力持ちなんだね!」
「ヤハハ。なんだったら五月雨もしてやろうか?」
「えっ!?」
顔が真っ赤になる五月雨。
「………………あの、おねが……」
「ん?」
「………やっぱり、遠慮しておきます」
「そうか。まあ何時でもいいからな」
「提督~! 筆が止まってるよ~!」
「おっと。悪いな涼風」
そうして十六夜は涼風を肩車したまま仕事を終わらせるのだった。
~~~~~~~~~~~~
執務を終わらせた十六夜は鎮守府の見守りをしていた。
まだまだ駆け出し提督の十六夜(加えて事前準備とかもなく就任した)だが生真面目に仕事を行っていた。
「お、提督!」
「ん、なんだ天龍か。どうした?」
そんな十六夜に声をかけたのは軽巡洋艦、天龍型の一番艦の"天龍"。
眼帯と男口調が特徴的な艦娘で十六夜の規格外な強さを目の当たりにしてそれ以降、彼の事が気に入ったらしい。
「仕事は終わったのかよ?」
「ああ。今は見守り中だな」
「だったら少し付き合ってくれねえか? また手合わせがしてーんだが」
「おういいぜ。訓練場だな」
「おし。なら早速行こうぜ!」
早速駆け出していく天龍に笑みをこぼしながら後を追いかける十六夜だった。
訓練場とはその名の通り、艦娘達(+十六夜)が自らを鍛える為にあるアリーナのことである。
艦娘用にプールがある他、試合用のステージもある。
「お? 龍田がいるってのは珍しいな」
「あら~。提督、ご無沙汰ですね~」
天龍型二番艦、"龍田"。
姉とは対照的におっとりとした性格、かつS気味。
十六夜は常々「姉妹逆じゃね?」などと思っている。
「わざわざ天龍ちゃんに付き合ってもらってありがとうございますね~」
「気にすんな。俺も天龍みたいな奴がいると体を動かせるから楽なもんだ」
「提督! なにしてんだー! もう俺は準備できてるぞ!」
「おう。じゃあな龍田」
「は~い。私は天龍ちゃんを応援するけど提督も頑張ってくださいね~」
ひらひらと手を振る龍田に手を振り替えし、天龍の反対側に立つ。
「じゃ、始めるぞ。そっちから来ていいぜ」
「なら、最初からクライマックスで行くぜ!!」
どこぞの時をかける桃太郎ライダーのようなことを叫びながら持っている剣で十六夜に突撃する。
ちなみに天龍は刃物を持つ珍しい艦娘である。
この刀は軍艦時代の彼女の船首を模しているようだ(ちなみに龍田が持つ薙刀も同じである)。
「オラオラオラーー!!」
「うおっ、よっ、とっ」
荒々しい太刀筋を十六夜は見切り、いなしていく。
とはいえ彼も見た目ほど楽ではないらしい。
「カッ!! やっぱ艦娘一の荒くれは伊達じゃねえな!!」
「は!? ちょっと待て!! 俺そんな風に言われてんのか!?」
「ああ。龍田に」
「龍田ァァァァァァ!!」
怒鳴る姉に龍田は怯えた様子もなく「あらあら~」と気楽そうである。
「余所見してる余裕あんのか?」
「!! ヤバ……」
ズドン! と回し蹴りが炸裂。
かなり手加減したとはいえ軽く天龍が飛ばされた。
「グフッ。チッ、油断したぜ」
「ヤハハ。ほら来いよ。まだお楽しみはこれからだろ?」
「当たり前だ!」
言うや否や天龍は刀を十六夜に投げつけた。
それを頭上に弾く十六夜だがすぐ目の前に天龍がいる。
「うおっ!?」
「軽巡洋艦のスピード嘗めんなよ!!」
そのまま十六夜の体を使って跳躍。上空に舞う刀を掴み、落下しながら降り下ろす。
「ッ!!」
それを見た十六夜はすぐに体勢を整える。
そして迫り来る刀を―――真剣白羽取りで受け止めた。
「………ヤハハハ!! やるじゃねえか。流石に驚いたぜ」
「じゃあ一本取ったか? おっしゃあ!!」
軽くガッツポーズをする天龍。見ている龍田も軽く拍手を送った。
「よし。その調子で来い!!」
「ああ! 行くぜ提督!!」
~~~~~~~~~~~~
30分後
「お疲れ様~」
十六夜は龍田から水を貰っていた。
天龍は疲れきった様子で床に大の字になっている。
「悪いな」
「いえいえ~。………提督? 何か考え事かしら~?」
「ん? ああ……そろそろ重巡の建造をしようかってな」
現在、駿河鎮守府は駆逐艦と軽巡洋艦しかいない。
これは十六夜が「1つのタイプがある程度増えてから次を造る」という方針故にだ。
「そうですね~。軽巡も私や天龍ちゃんの他に五十鈴さんや夕張さん。川内さんに北上さんと大井さんがいますしね~」
「もう十分だと思うからな。今遠征に出してる奴らが帰ってきたら」
「提督。遠征部隊が帰ってきたみたいですよ?」
と、タイミング良く綾波がそう報告しに来た。
「……だそうだ。じゃあ行ってくるぜ。オイ天龍! 俺は何時でも挑戦受けるぜ!!」
「ゼー…ハー……おう! いつか絶対勝ってやるからな!!」
~~~~~~~~~~~~
「司令官ただいま~!」
「ただいまなのです!」
執務室に戻った十六夜に真っ先に飛びついたのは暁型の三番艦と四番艦、"雷"、"電"姉妹である。
「おう。お疲れだな。川内も付き添いご苦労だったな」
「平気よ。それより夜戦がしたいわ~」
川内型一番艦、"川内"はそんな風にぼやいた。
そんな彼女に軽薄そうに笑いかけながら、
「近いうちにやってみるか。俺も夜戦はまだしたことねえし」
「本当!! やったー!!」
「ヤハハ。で? 結果は?」
「勿論バッチリよ! ちゃんと全部輸送してきたわ!」
「もう工奬に届けてきたのです」
「そうか。よくやったな」
姉妹の頭を撫でる十六夜。
今回彼女達に任せた遠征によって鎮守府の鋼材や燃料などがかなり増えたことになる。
「これなら重巡洋艦も作れるかもな。なら早速……」
「でも提督。さっきまで天龍とやりあってたんでしょ? 私が行ってくるから休んでなよ」
「私も行くわ!! 電! 司令官をよろしくね!」
そういって川内と雷が代わりに工奬へ向かう。
「司令官。お茶をどうぞなのです」
「お、悪いな電」
ズズ……とお茶を一口。
「重巡は時間がかかるみたいだからな……電、遠征の話を聞かせてくれ」
「あ、はい! 了解なのです!」
~~~~~~~~~~~~
そして、
「高雄型一番艦の"高雄"です」
「古鷹型一番艦、"古鷹"。着任しました」
この二人の艦娘が新たに加わった。
「う、うわあ……」
その場にいた五月雨。思わず高雄の豊かな胸部に目が行く。そして自分のをペタペタと触って弱冠落ち込んでいた。
「色々とすげえな重巡ってのは。古鷹は……その目どうしたんだ?」
と、十六夜は古鷹の黄色くなっている左目を指摘するが、彼女は笑って、
「あ、これは気にしないでください。ちゃんと見えてますから」
「おう。それならいいけどな」
駿河鎮守府は順調に戦力を増していた。次の十六夜の目標は"空母"である。
はい。ということで新たに(名前だけも含めると)10人追加
そして皆大好き雷電姉妹を出しました。
ちなみに天龍は実際に戦闘では刀を使わないらしいですね………二次創作なので使わせます。
重巡洋艦は高雄と古鷹が最初。
………リアルの友人で高雄LOVEな提督から圧力を受けました………
では。指摘、感想をお待ちしています