本当空母娘って可愛い娘が多いです。
そして意外なキャラも登場します
十六夜は珍しく、非常に珍しく頭を抱えていた。
そんな十六夜を見て五月雨も心配そうな表情を浮かべる。
というのも現在、駿河鎮守府にかつてない危機が訪れているのだ。
それは、
「ボーキサイトが足りねぇ……」
先日、重巡洋艦の人数が揃ってきた為、十六夜は次の段階、『空母』の建造を始めた。
そして早々にかなり貴重な軽空母、祥鳳型二番艦の『瑞鳳』が完成。
それに続き、正規空母でも最高クラスの一航戦、『赤城』と『加賀』が鎮守府に加わった。
此処までは順調も順調、順風満帆だった。
が、
「空母ってのがあんなに大食漢だったとは……いや大食艦が。流石に予想外だ」
「提督……大丈夫ですか?」
「ああ……俺は大丈夫だが真面目にヤベェ」
鎮守府で使われる資源は燃料、弾薬、鋼材、ボーキサイトの四つ。これを使用して建造や開発、補給や修理を賄うのだが、正規空母はそのうちボーキサイトを相当に消費する。
真面目な理由としては空母に搭載している『艦載機』という戦闘機にボーキサイトが必要なのだ。
そんなボーキサイトを赤城や加賀は大量に消費する。というか食べまくる。
「聞いてた話より多いぞ消費量………お陰で天龍達が忙し過ぎるだろ」
「あはは………」
天龍と龍田が暁型の四人、通称第六駆逐隊を率いて遠征を行っているがそれでも中々厳しいのが現状。
「つーかボーキサイトって有毒物だろ。なんであいつら普通に食ってんだよ」
「そこは……まあ幾ら人間に近いと言ってもあくまで私達は人間ではなく、艦娘ですから」
「人体構造が違うってか。そういうとこを聞くと艦娘が兵器だって改めて思うよな」
そんな会話をしているがそれでボーキサイトが増えるわけではない。
ハア……と改めて溜め息をつく。
「抑えろって言ってどうにかなる問題じゃねえしな……それに現状でなんとかしねえとこれから空母が増えた時に大変なことになる」
「ですね。まだ二航戦や五航戦の皆さんが来ていませんから。迎え入れる準備をしませんと」
「とは言ってもこれ以上天龍達に無茶をさせるのもな………」
再び頭を抱える二人。
と、そこに、
「提督~! 艦隊が帰投したよ~!」
「おう。お帰り涼風」
丁度涼風が帰ってきた。
彼女が旗艦を務める第二艦隊は着任して時期の浅い艦娘達が実戦訓練をする為に起用されている。
「ボーキサイトは見つけてきたか?」
「一発目がそれかい!! まあ見つけてきたけどな?」
「悪いな。で、他に報告は?」
「おう!! 新しい艦娘が見つかったよ!!」
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艦娘達の住まいは駆逐艦寮や軽巡洋艦寮などで分けられており、基本的に二人一部屋である。
最近開いたばかりな空母寮で赤城と加賀は話をしていた。
「やっぱり提督に迷惑になっているのかしらね……私達」
「そうだとしたら早々に解体や近代化改修の材料にされているはずだわ。少なくとも挙げている戦果の分は評されてると思っていいと思う」
「そうだといいけど……これ以上提督の悩んでいる顔は見たくないの」
「………そうね」
彼女達もまた自分自身の事で悩んでいる様子だ。
しかし『ボーキサイトの大量消費』というのは赤城達を含めた正規空母では避けられない道。
消費が抑えられないなら増やせば良いのだが……。
「………私が身を払えば」
「加賀さん!? 流石にそれは駄目よ!?」
「冗談よ」
「冗談に聞こえないわ……」
ごもっとも。
しかし何かいい案が思い浮かぶかと言えばそうでもなく、十六夜同様低迷が続く。
と、その時、部屋の扉が軽くノックされた。
「あら? どちら様かしら」
赤城が立ち上がり、扉を開ける。
そこに居たのは、
「あ、二人とも居たんだ。よかった」
「瑞鳳? どうしたの?」
軽空母の瑞鳳であった。
まだ空母は正規、軽を含め三人しか居らず、その分交流は深い。
なので別に瑞鳳が部屋に来ることは珍しくもない。
が、今日はそういった理由では無いらしい。
「今日の出撃で新しい空母が見つかったって。だから紹介に来たの。ほら」
瑞鳳が身を避け、代わりに別の艦娘が姿を見せる。
彼女は、正規空母の艤装を持ちながら、服装は赤城や加賀、加えて瑞鳳と共通する弓道着ではなく、赤いドレスだった。
「正規空母、"飛鳥"よ。同じ空母としてよろしくお願いするわ」
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「うぉ~! 提督~~! 今戻ったぜ~!」
「天龍ちゃん~? 大声出したらはしたないわよ~?」
「お疲れ天龍、龍田」
遠征に行ってた彼女達が帰ってきたのは夕暮れ。
第六駆逐隊の四人は早々に入渠に向かったらしい。
「悪いな。大変な仕事任せて」
「あー? 別に気にすんなよ。提督の命令ならなんだろうとやってやるぜ?」
「まあ限度はあるけどね~。でも提督は優秀ですし」
疲れこそ見せるが十六夜についてはなんの不満も抱いていない二人。
問題児ではあるものの、仁義に厚い十六夜は艦娘達からは好感を得ているようだ。
「そりゃ有難い。だが未だに解決はしてねえんだよな……どうしたもんか」
「………そういえば提督~? 横浜鎮守府に立ち寄ったのだけど、蛟劉准将から封書を預かってるわよ~?」
「あ?」
龍田が差し出した封書を受けとる。
それに素早く目を通した十六夜はニヤリと笑った。
「天龍。1つ頼んでいいか?」
「んぁ?」
「空母を全員。呼んできてくれ」
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「えっと……提督。ご用件はなんでしょうか?」
「おう。まあまずは……どうだ? 飛鳥とは仲良くなれたか?」
「はい。それに関しては問題無く。そうよね?」
加賀が飛鳥に問いかけると彼女も微笑んで頷く。
「ええ。ついさっきまで三人とお話をしていたわ。それなりに交流は深められたと思う」
「なら何よりだ。じゃあ早速本題に入るが………飛鳥は現状此処が抱えている問題は知ってるか?」
赤城と加賀がピクリと反応する隣で飛鳥も神妙に頷いた。
「瑞鳳さんに教えて貰ったわ。私も正規空母だからボーキサイト不足は心に響くわね……」
「ああ。現状うちだとボーキサイトに限らず、資材を大量に入手する手段がない。まあこの先の海域を攻略すりゃなんとかできるんだがまだそこまで行ってねえからな」
「その割には空母は消費が激しいですからね……」
「「………すみません」」
ペコリと頭を下げる一航戦。
「気にすんな。それに解決策が出てきたからな」
十六夜が龍田から受け取った封書を見せる。
そこには『駿河鎮守府が進展するまでの期間、横浜鎮守府と駿河鎮守府で資材の共有をする』との旨が書かれてあった。
「え!! これって……」
「蛟劉の奴も提督に着任した当時は他の鎮守府に支援して貰ってたようだしな。あまり借りは作りたくねえが問題は解決したって考えていいだろ」
既に熟練鎮守府である横浜鎮守府には相当な量の資材がある。
それこそ他の鎮守府に応援を出せるレベルで、
「ただし、条件はある。お前らも来い」
そう言って十六夜が招き入れたのは二人の艦娘。
似たような和服だがそれぞれ緑と橙。髪形などの差異はあるが容姿も似ていた。
「!! "蒼龍"さん!! "飛龍"さんも!!」
「あはは。お久しぶりですね赤城さん」
「加賀さんもご無沙汰してます」
「ええ。また会えて嬉しいわ」
二航戦の二人。
一航戦とは死ぬまで共に戦った戦友である。
「ヤハハ。感動の再会だな。だがまずは話を聞いてくれ」
十六夜が言うとピタリと止まる。
「さっき言った条件だが大したことじゃねえ。ただしっかりとその分の成果を挙げろってことだ。いいか?」
『了解!!』
しっかりと返事をする空母達に十六夜は満足そうに頷いた。
「さて………次は戦艦だな」
南雲機動部隊が本当に好きです。マジ
正規空母"飛鳥"
ご存知久遠飛鳥をオリジナル艦娘として登場しました
艦娘の性能とかは考えておきます
資材不足はどの提督も通る道だとは思いますが実際はどんな感じなんですかね
それでは