ハンター日記メゼポルタ   作:空杞憂

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第13話 開戦

 

 

「総員注目!」教官の声が轟き全ての新人ハンターが整列し隊列を組んでいる、皆何が始まるんだ?と疑問を抱く者が多いが中にはユーク達のように作戦の内容を事前にしっているものもいる、皆初めてこの広場に集まった時は

ホープシリーズをまとった集団であったしかし今では皆それぞれ自らの実力で手に入れた防具に身を包んでいる。

 

ユークも又新たに装備を更新し全身の装備をクックシリーズに変えていた。

数日前に工房に注文していたものが完成し急いで装備したが、サイズはしっかりとユークの体にあっている、イャンクックの素材でつくられるその防具はこれまで装備していた防具の中で最も固く頑丈だ、古龍相手にどうなるかまだわからないがそれでも今装備できる最高の物で挑む。

 

「知っているものもいるかもしれないが本日明け方10時ごろ北西の方向より古龍が襲来した、現在先遣隊であるハンターランク30以上の上位ハンターを筆頭とした混成大部隊で迎撃戦を行っている、現在作戦に前衛として参加しているハンターは役100人以上、その他中衛部隊、後衛物資輸送部隊など合わせて参加人数は500人近いハンターが参加している」

 

「しかしながら作戦開始直後から参加していた前衛隊には大きな被害が出ており中衛部隊や後衛部隊も現在はできる限り前線で戦闘を行っていているが損害は激しく人員は足りない状態である、その為諸君には中衛部隊の援護及び後衛の物資輸送を行ってもらう!」

 

その場にいた40人近い新人ハンター達はどよめき出す、

 

「俺たちが古龍と戦う?」

 

「できるわけない!」

 

「先輩ハンターだけでなんとかならないのかよ!」

だがそんな言葉を制して教官が声を発し続ける

「現在古龍は第一次防衛戦を突破し第二次防衛線にて好戦中であり、ここが突破された場合最終防衛戦に突入する、もしその最後の砦である迎撃要塞が破壊されれば我々の守るべきメゼポルタ地区及びドンドルマには計り知れん被害が出る!何としても食い止めるべく諸君達は新人ながらも1ハンターとして戦闘に参加してもらう!」

 

「だが…現在この広場に集結しているハンター達の中には凄腕及びG級のハンター達は特別任務によりこの街を開けている、G級及び凄腕ハンターはそちらの作戦が済み次第直ちに迎撃戦に参加予定だがそれまでの間は君たち新人と残りの下位、上位ハンターで持ちこたえてもらいたい、これから戦力を半に分ける呼ばれたものは整列するように」

 

教官は新人ハンター達の名前を呼んで行き4人のチームを3つ合わせた12人の混成部隊が4つ出来上がる。

 

各混成部隊はそれぞれ2人の教官が随伴し要塞まで移動する、移動中皆口を開くことなく静かに要塞へと足を運んだ。

 

迎撃要塞、ギルドが人工的に作り上げた古龍及び超大型モンスター迎撃用の

メゼポルタのギルドが技術を結集したその要塞には対モンスター用大砲、巨大な弾丸を発射する設置型の高威力バリスタ、さらには蒸気の力で稼働する巨大な槍 龍撃槍、それらの兵器を搭載した巨大で頑丈な石造りの要塞は正に難攻不落、だがそんな強力要塞と兵器を持ってしても古龍は絶大な力でそれを破壊し甚大な被害をもたらす

 

 

ユーク達は最終防衛線である迎撃要塞に待機し迎撃態勢を整える、新人剣士

は後衛として大砲の弾やバリスタの弾の輸送などを要塞の内部で行い要塞に取り付けられたバリスタはガンナーが使用し大砲は一部の体力のある剣士が砲手を担当する、だがそれらの兵器も限りがあるためガンナーの一部は自らのボウガンを要塞の壁内に作られた通路の穴から要塞外部へ向けて銃口を突き出し狙撃体制をとる、その狙撃部隊の中にユークがいた。

 

 

ユークはアルバレスト改を設置し腹を下にして狙撃姿勢を取りスコープを除く、要塞の壁に守られているとはいえしっかりと全身をクックシリーズで固めている、射角を確認し狙撃できる範囲を調べる、高い要塞の中腹に作られた狙撃用通路からは下に展開した剣士達の混成部隊の様子が見える、だがその中にはホークやランダガス、フリーアの姿は無い、彼らはバリスタや大砲の弾の輸送係で前衛、中衛には出ない…

 

要塞の壁の下中央前面にはランス、ガンランス、大剣、などといったガード可能な重武器を装備したハンター達が展開している、この部隊は要塞への攻撃を抑え込むための言わば装甲兵の役割を果たす第一装甲団だ、装備している防具もリオレウス、ディアブロス、グラビモス、といった飛竜の上位クラスの素材を使った防具の者たちが集中している。

 

そして要塞の壁の左右にも同じ重武器部隊である左翼担当第二装甲団と右翼担当第三装甲団、そしてその重武器部隊の間に挟まれるように遊撃隊である、双剣、太刀、ハンマーなどを装備した第一、第二遊撃隊、がそしてそれらの部隊の後方に弓矢を装備したガンナー隊が要塞の下に展開している。

 

装甲団が30人×3

 

遊撃隊が50人×2

 

弓矢隊が40人

 

その他にも交代要員やバリスタ、大砲の砲手、要塞の狙撃ポイントにも合わせて50人近い狙撃部隊が陣取っている。

 

だがすでに第一次、第二次、防衛戦の戦線が突破され前衛隊は全滅、古龍とは恐ろし者だ…だがそれだけ被害が出たということは逆に彼ら古龍もそれだけ戦い傷ついている、ユークは再びスコープの標準を要塞前方に広がる空に戻した、不気味な暗雲が立ち込め冷たい風が吹いている…

 

そして突如その風が止まる、空気の流れがかすかに変わり別の強大な力を持つ生命が近ずいてくるのが感じとられる皆辺りを見回す…襲撃の時を今か今かと待つ…そしてそれは現れた…

 

止んでいた風が突然大嵐の突風のごとく風を吹かせ空気を震わせる、そして空の暗雲を切り裂くように一つの影が現れる…

 

それは黒く輝く鋼のようにか輝く美しい光沢を放つ体、左右に伸びた翼は空を裂くような鋭い形、天馬のように4つの足と二枚の翼をしたがえ翼の中心から伸びる顔も神々しい鋼の馬のようないでたちだ…口からふわりと冷たく白い息を漏らし鋼色の体の周りに空気の流れを纏っている

要塞の前に吹き荒れる風はその者が操っているかのようなそんな力を感じられる。

 

《古龍クシャルダオラ》風を操り風を纏うもの、その存在は正に風そのものだ…

 

 

「ガギャァアアアン」空気を振動させる今までにない咆哮に皆耳を塞ぐそれは正にヒトへ怒りのように聞こえる、そしてそれが開戦の合図となる

 

 

「狙撃開始!撃てぇーーーーッ!」

 

大きな掛け声とともに、狙撃部隊が発砲を開始する、激しい銃撃掃射の嵐が空中で静止していたクシャルダオラの体を襲う、バン、バン、バン、バン、

激しくドラムを打ち鳴らすかのように連続した発砲音が響き鋼の体を空気を焦がす匂いがするほどにクシャルダオラの体を着弾による衝撃で起こる爆煙が包み込む、初撃が見事に命中するが…ブワァンと鋭い風が吹き荒れ爆煙を晴らす、するとそこには何事もなかったかのように優雅に羽ばたくクシャルダオラの姿が、着弾の直前風の幕を作り上げ弾幕を着弾の直前で防いだのだ、鋼色に輝くその体は傷一つ付いていない。

 

「…そんな…あれだけの攻撃が…」

ユークは驚きを隠せない

 

「怯むな!全部隊全力発砲!撃て!撃て!撃ちまくれ!」

狙撃部隊を仕切る隊長が激しく声を震わせる、それに促されるように要塞の上や狙撃通路に展開した総勢50人のガンナー達の銃撃が激しい飛翔音と共に放たれ命中していく、そこらじゅうでマズルフラッシュが起こり鬼のように降り注がれる弾丸の雨、何種類もの弾丸がクシャルダオラの体へと向かう…だがそのほとんどがクシャルダオラの体に到達することなく直前で風の見えない盾に弾かれてしまう…

 

だがだからと言って引けるわけでわない!皆必死に砲撃を食らわすがクシャルダオラは中々微動だにしない、だがそこへ装填が終わった大砲が次々に火を吹いた、迎撃要塞に搭載された全20門の大砲が飛竜の咆哮に似た砲撃の爆音とともに直径30センチの大型砲弾を直進させクシャルダオラの体に命中する!

そして間を空けずに狙撃部隊の弾丸の嵐、弓矢隊の矢が吹き荒れ、バリスタが鋭い鋼の槍を弾丸として放つ!

 

迎撃兵器とガンナーによる全力の対空砲が炸裂しこれにはさすがにクシャルダオラも怯みを見せる、大砲もさらに第二派が放たれその衝撃でクシャルダオラはさらに怯むと地上に向けて降下する、だがそこには展開したそうぜい30名の第一装甲団が待ち受けている、

着地と同時にランス使いが突進攻撃を繰り出しクシャルダオラに肉薄する、

そしてクシャルダオラの四方を囲み込み槍を築き上げ鋼の体に突き刺す!

 

動きを押さえ込まれた所に弓矢隊の追撃が降り注ぐ、クシャルダオラの背中に何十本もの矢が刺さる…

 

「いける!このペースならもしかしたら…」ユークはかすかに勝機を感じた

 

クシャルダオラへの攻撃に第一装甲団に加え第一遊撃隊の高速攻撃と弓矢隊の援護射撃が加わる、

 

だがクシャルダオラも攻撃を繰り出した、クシャルダオラは全面へ向けて風のブレスを放ったのだ、水平に発射させた風のブレスが見えない槍となって第一装甲団を直撃する、肉薄していたランス使いのうち全面にいた2人が高く空中に飛ばされ勢いよく地面に叩きつけられる、だが彼らが纏う防具は上位クラスの素材を使っている、そう簡単にやられはしない、直ぐに起き上がるが…

 

そこに第二第三の風のブレスが襲いかかる、ランス使い2人は盾を構える暇もなくブレスを2発直撃し激しい断末魔を上げる…そして再び地面に叩きつけられる…

 

「やめろ!」とユークは叫んだ、だが一瞬の出来事だった…二人のランス使いに向かいクシャルダオラが手の届く距離まで接近するとその鋭い鋼の爪を鎌のように振り下ろし二人の体を切り裂く…モンスターの物ではない紅の液体が宙に飛沫を上げるとランス使い二人はその場に倒れこみ動かなくなる…

 

 

 

しばらくその現実を受け止められなかった…だが直ぐにそれは体全身に震えとなって現れた…仲間がやられた!…

彼らは顔も名前も知らないランス使いだ…けれども同じハンターとして働く仲間でありこの作戦のチームメイトなのだ…もしあれが自分の知っているひとだったら…そう思うと居ても立っても居られない。

 

ユークは震えるて手でボウガンを握ると圧迫リロードを行い直ぐにクシャルダオラに向けて発砲する、ズバァンと音がして圧縮された弾丸が放たれ爆縮された光を起こして炸裂する、すると驚いた事にそれは微かにクシャルダオラの皮膚を傷つけ血を流させる。

 

クシャルダオラはその目線をユークのいる狙撃用通路へと向ける、冷ややかな二つの緑の瞳が冷酷な感情を感じさせる…

 

「くっ…やられてたまるか!」

ユークは圧迫リロードによって圧縮された第二派の弾丸を発射する、今度は左の翼に爆発が起き僅かながら血が流れる…

 

「ゴルアォアアアア!」怒りのこもった嘶きを響かせるとクシャルダオラは地面を強く蹴って垂直に上昇する、そして要塞の中央壁辺りまで飛翔すると二本の後ろ足を高く持ち上げ勢いよく振り下ろす!ガラガラガンッ!

雪崩に似た崩壊音と共に迎撃要塞の最上部の壁が微かに壊される!

 

要塞の上に展開していたガンナー部隊を自身のような揺れが襲う!

 

クシャルダオラはさらにもう一度今度は体全体で体当たりし要塞の壁の一部が破壊される…

 

「下がらせろ!対空攻撃!手を緩めるな!」

要塞に展開した班を束ねる司令官役のハンターが声を貼る、直ぐさま大砲の爆発がクシャルダオラを包み込み、さらにバリスタがその身体を貫く!

クシャルダオラは要塞への攻撃を止め一時交代し再び地上に着陸する

 

「第二装甲団前進!」

負傷者が出た第一装甲団に変わり第二装甲団が肉薄しクシャルダオラの動きを封じようとする、だがクシャルダオラもそれを崩すため風のブレスを放つ!ガギィーンと衝突音が鳴りブレスは消失したガード力の高いランスやガンランスのハンターが自らを盾として部隊への損失を抑えたのだ!

 

「ブレスは盾を構えれば一発や二発防ぐことは簡単だ!怯むな!かかれ!」

第二装甲団は威勢良く「オォオオオ!」と叫びをあげてクシャルダオラに槍を突き立て、翼を貫きガンランスのハンターたちが竜撃砲を放つ!

集束された炎のエネルギーが一つの塊となってクシャルダオラを包み込む!

 

人間達の力などちっぽけで弱い、だが皆が団結すれば1人では1でも100人いれば100以上に出来る、状況は厳しいかもしれないがこのまま行けばいつかわ倒せる!そう思った…

この瞬間だけは…

 

ズドォォォン凄まじい音がして大地が焼けた、突如第二装甲団を炎が包んだ…突然の事に皆驚く…クシャルダオラは炎を吐かないだがなぜ…

 

「おい…あれなんだよ…何なんなんだよ!あれ!」第二装甲団の前衛は何とか炎を盾で防いだらしく損害は小さいだがあの炎はどこから?

 

ユークはスコープを炎が飛来した方向へと向ける…

 

 

そこには二体目の古龍が空を舞っていた…

 

 

 

 

 

 

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