空に現れた二体目の登場者は赤く頑丈な左右の翼を広げ空を舞っている、ライオンの如き堂々とした体からは立派なたてがみを生やした王の様な顔立ちをしたその獣の名は
《炎王龍テオ・テスカトル》
と言われる炎を司る古龍である、その王の様な顔からは後方まで伸びる角、
口外に露出した鋭い牙をガチガチと鳴らしながら静かに地上にいる者たちを見下ろしている。
「ゴルアォアアアアガガガ!」
下々の者に向ける咆哮を空に響かせるると、口を大きく開き喉の奥からマグマのように赤く光る炎を噴射する、真っ赤に空気を焦がす火炎放射は大地まで届き地に足をつけた剣士達を焼き焦がす、首を左右にゆっくりと降り、炎を浴びせていく、第二派装甲団のランス、ガンランス使いは大きく頑丈な盾に身を隠して防ぐ
だが地上からもクシャルダオラが風のブレスを放ち全面に構えた盾をぐわんと持ち上げる、風によってガードに隙が出来その隙間を逃さずテオ・テスカトリの炎の噴射が第二装甲団全体を襲う!
凄まじい炎に襲れ戦線が乱れる、それを援護するべく狙撃部隊、及びバリスタ、大砲で空中に羽ばたくテオ・テスカトリに標準を合わせる、20門の大砲が火を噴き鉄の砲弾を放つ、そしてそれらは見事にテオ・テスカトリの体に命中する、ユークも圧迫リロードした弾丸を何度も何度も打ち込んでいく、テオ・テスカトリは地上への攻撃を止め翼で体を包みガードする。
その隙に第二装甲団は陣形を組み状況を立て直す、クシャルダオラ一匹なら上位クラスのハンターが恐るることはない、風のブレスや突進をガードしつつ
構えたランスやガンランスで貫く!
砲撃する!
そしてクシャルダオラの後方に回り込むように第一遊撃隊が展開し挟み撃ちにする、クシャルダオラの強力な攻撃を装甲団が受けつつ後方及び側面から遊撃隊のハンターが双剣で舞う!
太刀を振るう!
そしてその間にも弓矢隊がクシャルダオラの翼や頭など剣士が狙えない高さの部位を正確に打ち抜いていく、
一方大砲の弾幕により攻撃を受けたテオ・テスカトリは地上へと降りると、
突進するように要塞の壁に進んでいく、しかしそれを第一装甲団と第三装甲団が挟み撃ちにする!
ふた方向から数本のランスの突撃が命中しテオ・テスカトリの前後を挟み撃ちににする…
対するテオ・テスカトリは何をしだすかと思えば地に全ての足をつけてただ優雅に羽をヒラヒラとさせている、
「なんて優雅な奴、だ戦闘中だというのに…」ユークはそう思った、次の瞬間テオ・テスカトリが二本のむき出しの牙を打ち鳴らした瞬間に二つの部隊は凄まじい爆炎に巻き込まれた、テオ・テスカトリが空間全体を爆発させたのだ…
周囲にいた第一第三装甲団は爆発によって吹き飛ばされ何人かは後方の要塞の壁に叩きつけられる、装甲団は前面からの攻撃に強い、しかしテオ・テスカトリは空間全体を広範囲に爆発させたため陣形の内側にも攻撃が命中し盾では防げなかったのだ…
二つの装甲団は陣形が完全に崩れてしまう、まとまって陣形を組めば強くとも個々の力では古龍には勝てない…
テオ・テスカトリは目の前に転がっている若いガンランス使いに標的を決めると、鋭い牙で噛み付く!
体を噛まれ口の力でそのハンターは持ち上げられる…
テオ・テスカトリはハンターを口に咥えた状態でフルルと唇を震わせる、あの口が少しでも閉じればそのハンターの命は無い、誰か助けなくては…
だがそんな勇気を出すものはおらずテオ・テスカトリの口はゆっくりと閉じられ…
「うぉおおおお!!」
誰か一人のハンターが勇敢にもテオ・テスカトリに突撃していくものがいた、
手には二本の剣がに着られている、あの双剣使いなんて勇敢な…ユークはスコープ越しにその双剣使いの顔を確認する、あれは…
「ホーク!?何故…」
全速力で忍者のように滑り走り鬼人化したホークが勇敢にも、テオ・テスカトリに接近し双剣を突き立てた!
だが新人が装備できる双剣などで太刀打ちできる相手ではない…ガギィーンと鈍い音がして攻撃がはじかれる、だが微かに効果はあったらしくテオ・テスカトリは咥えたハンターをぼとりと落とし視線をホークに向ける、咥えられていたガンランス使いは何歩か後ずさりすると直ぐに背中を見せて逃げ出した…
「すごい!なんて勇敢な!」だがユークのそんなつぶやきはホークには聞こえない…
「うぉおおおお!斬!斬!斬!」
ホークは双剣乱舞を繰り出しテオ・テスカトリに攻撃をする…
だが命中するたびに大きく刃ははじかれる…それでもホークは攻撃を止めない…逃げようとしない…
「何やってるんだ!逃げろ!」
だがユークのそんな声もホークには届かない…ホークはただ必死にとりつかれたように剣をふるってる、だがそれは鬼人化の効果だけとは思えない、恨みに満ちたようなあの動き…
「このぉおおお!よくも!よくも!貴様はぁあああ!」ホークはとうとう狂ったように叫び出し、めちゃくちゃに剣を振るう叩き付ける、憎悪や怨念に満ちたかのようにその感情全てを攻撃としてテオ・テスカトリにぶつけている様にみえる…
そんな姿をみてユークはふとあることを思い出した
…あの日初めて砂漠で狩りをしてガレオスを狩った夜の出来事を…
◇◇◇
「どうしたんだよ、ホーク?」
ユークは心配したようにホークに話しかける、ホークは足を曲げて座り込み空を見上げていた、空には青く光る綺麗な星が瞬いている…
「…なんでもないよ…多分…」
だがその言葉はどこか寂しげだった…
「なんでもないわけないだろ…トイレとかいってこんなに長かったら何かあったって思うのが普通だよ…」
「…………」
ホークは黙ってる、だが怒ってはいない何かを思い出しているようなそんな遠くを見る目をしていた。
「もしかして、さっきの故郷の事?故郷で何かを嫌なことがあったんじゃ…」
「……うん…まあね…ずっと昔の話だけど…」
「そうだったんだ…僕と同じだね…」
「どどどどういうこと?ユーク?」
「僕も昔、そう言う事があったから…」
「そそそうだったんだ…それでユークもさっき故郷の話になった時話したがらなかったの?」
「うん」
二人の間に沈黙が流れる、だが直ぐにホークが口を開く
「…僕の故郷はね…この砂漠の狩場の近くなんだ…」ホークは静かに語り出した
「とっても小さな村で村人も100人以下だったと思う…砂漠の環境でとても過酷で貧しかったけど皆んな笑ってた…笑顔だった…」
ホークは少し幸せそうな笑みを浮かべた。
「仲のいい2人の友達がいてよく僕とその二人と一緒に3人で遊んだりして…楽しかったな…サソリを捕まえて相撲を取らせるんだ…自分で捕まえたのを戦わせて勝ったらその日のおやつがもらえるっていう簡単な子供の賭けとかしてさ…貧しかったけどすごく楽しかった…良い村だった…」
ホークは不思議とどもりが消え落ち着いた口調で話していた…
「でもね…そんな日々をアイツが赤い龍が来て全部壊したんだ…」
「赤い龍?」
「そうだよ…つい最近まで名前も種類も僕は分からなかった…そいつはある日村にやってきて…村を焼いたんだ…」ユークは息を飲んだ…村が焼かれた?一匹のモンスターによって?
ユークは信じられなかった。
「一瞬のことだった、昼ご飯を食べようとみんなで支度をしてた時だった…
突然空が暗くなったと思ったら一匹の龍が空から降りてきて炎を吐き出したんだ、初めの一発で何十人も死んでそのあとはよく覚えてない…気がついたら僕は知らない商隊のおじさんに助けられていたんだ…でも生き残ったのは僕一人だった…」
「それからも色んな事があったけど、あの村が滅んだ日の事は忘れられなかった…そして滅ぼした犯人であるあの龍も忘れなかった…」
「じゃあもしかして復習する為にハンターに?」
「…それもあるけど、1番は自分と同じ運命に誰も合わせたくないから、そう思ってハンターになったんだ…」
「そっか…」
「でも確かにいつかわ復習をしたいって気持ちもあるよ…もっとずっと先かもしれないけどもしアイツに会ったら迷わず剣を振るうよ!」
「じゃあその時は僕も手伝うよ!」
「本当にユーク、ありがと!」
「…あの、もし嫌じゃなかったら教えて欲しいんだけどその日のモンスターって?」
「……古龍だよ炎王龍 テオ・テスカトリ」
◇◇◇
「…古龍…テオ・テスカトリ…ホークお前今ここで復習しようと…」
ユークは記憶の仲の風景を思い出しながらつぶやいた…それであんなに必死に…
だがそんな言葉に対する返事はない、ホークは遠くで剣を振るって怒りを爆発させている…
「お前だけは!倒す!斬!斬!斬!」
声を張り上げ剣を振るう、ホークの目は恨みに満ちている…
「ゴォルアアア!」
テオ・テスカトリは口を開き炎を前面に吐き出す、高温の真っ赤な火炎放射が横一文字に地を焦がしホークにもそのは命中する…
「ぐぁあああ!?」ホークは断末魔を上げその場に倒れこむ、体からは微かに黒い煙が上がっている…
テオ・テスカトリは目の前にいるハエを叩き殺すかのように振り上げた前足をホークに叩き付け突き飛ばす、ホークは真っ直ぐに吹っ飛びその身体は地面に叩きつけられる…
「ホーク!」ホークはぐったりとしていて動かない……
「くそお!よくも!」ユークはテオ・テスカトリに的を絞り集中砲火を浴びせる、拡散弾、徹甲榴弾、貫通弾、通常弾、火炎弾、電撃弾、弾の種類など気にせず片っ端から装填、圧縮、発射、
装填、圧縮、発射を繰り返す、
他の狙撃部隊のメンバーも皆崩れた戦線を援護するためテオ・テスカトリに銃撃を仕掛ける。
第一第三装甲団は一時後方に撤退しその代わりに味方が引いたことで誤射の心配がなくなり大砲の砲撃が地上に向けても使用できるようになりテオ・テスカトリの体に唸る砲弾が爆炎を起こし襲いかかる!
「ガァアアア!」連続する砲撃に怒りを覚えたテオ・テスカトリは空へ舞い上がると要塞に設置された大砲に向かって体当りし、大砲を叩き落とす、
大砲から砲弾が放たれていることを理解し大砲を破壊したのだ!
砲身がガラガラと音を立てて要塞の下に落ちていく…そして砲手もまた同じように落ちていく。
「ゴォルアアア!」他の大砲も破壊しようと次々に体を体当りさせ大砲を叩き落とす、破壊する!
「大砲を壊されるぞ!撃って迎撃せよ!」発射角を合わせて大砲を次々に発射する、バリスタの部隊も迎撃の手を緩めない、バシュン、バシュンと音を鳴らし鋼の槍を発射する
「ゴォルアアア」怒りを再頂点に到達させたテオ・テスカトリは空中で翼を閉じて体を丸めた状態で浮遊する、するとテオ・テスカトリの周りにチリチリと散らばっていた炎が収束し炎のシールドをテオ・テスカトリの周りに作っていく、そしてその炎の壁はしいさくなりエネルギーを最大まで圧縮する…そしてそのエネルギーに耐えられなくなるとそのエネルギーをテオ・テスカトリが一気に爆散させる、炎に包まれたテオ・テスカトリは太陽のように激しく輝き爆散した強力なエネルギーはの壁を大きく破損させる!
スーパーノヴァと言われるテオ・テスカトリの技だ、自らを傷つけるほどの炎を圧縮し爆殺させることで周りにある多くの物を自分ごと焼き払うのだ。
爆発の衝撃で要塞全体が振動しユークは激しい振動を感じてた…
そしてクシャルダオラも低く舞い上がるとその口を開き凍えるような輝く吹雪を吹きあらせ第二装甲団を氷漬けにする、第二装甲団の前衛の体が氷漬け状態になり動きが制限される、そしてそれ勢いよく地面に何度も足を蹴りつけてハンター達を蹴る!叩き潰す!
クシャルダオラの攻撃に第二装甲団の何名かがその場に倒れ起き上がらなくなる…
人だけではなく多くの生命も又合わされば大きな力となる、古龍達は連携しているわけではなく偶々その場に居合わせたのだろうか?そうだとしても数体の古龍を同時に迎撃するのは人間にとっては大きな負担となる…そしてその負担は士気を下げていく
「もう勝てないかもしれない…」
そのにいる誰もがそう思い始めていた…だが…
「皆!諦めるな!我々はハンターだ!
貴様らは帰るべき場所を!故郷をうしないたくはないだろう!ならばここで死んででも食い止めろ!」巨大な化け物のような叫びが要塞全体に轟いた
「この要塞はギルドの知恵と、勇気と!希望が込められた最高峰の対古龍要塞である!ここで倒せなければこの中央大陸で奴らを倒せる施設などない!つまりここは我らの防衛戦ではない!世界の防衛戦だと思え!」
その声を聞いたハンター達は全員要塞の上部からする声の主の姿を見た、その物は人間とは思えぬ身長をしている
6メートルはありそうな巨大な体に鎧をまとい二本の足と巨大な杖で体を支えている…あの人は確か…
「我が名は大老殿ハンターズギルドマスター 大長老である!」