ハンター日記メゼポルタ   作:空杞憂

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第18話 フルボルテージ

 

 

 

白き飛竜フルフル、電気を操り電気を纏う、ブヨブヨと弾力のある皮膚のその生物はグチョ、グチョッと不快な足音を立てながら雪の上を進む、長く発達した首を上下左右に振りながら、クフクフと鼻息?を立てて辺りを探索する、口?からはダラダラと無色の粘液を垂らしそれが雪に垂れるたびにプシュッと溶ける音をたてる。

 

ノッシノッシと体を動かしゆっくりと雪の上を歩く、

 

すると何処からかザクッと言うブーツが雪を踏む音が聞こえる、クフクフと辺りを嗅ぐ、ブーツの音が次第に高くなり近ずいてくる

 

「おらぁああああ!」

 

ズバァン!と言う音をフルフルは感じ取る、と同時に重い鋼の塊が横腹に突き刺さり痛みが走る…

 

「ボルァア!?」

不意をつかれたフルフルは何だ?と動揺するかのように首を左右に振る…

 

「フリーア!ホーク!二人も前線へ!

奴をここまで連れてきてくれ!」

 

フリーアの抜刀斬りが炸裂する、抜き放たれた刃は急角度でフルフルの皮膚にのめり込む!フルフルの一部の皮膚の表面にギザギザとした傷が出来る。

モンスターの顔の様な色合いの刀身から伸びる複数の牙がフルフルの皮膚を痛めつけたのだ、その武器はドスバイトダガー、ドスランポスから作られる片手剣でその牙は肉を裂くのに長けた作りをしている。

フリーアが剣を振るうたびにドスランポスが噛みついたかのような激しい傷がフルフルの体に刻まれていく。

そして防具もルーキーシリーズからランポスシリーズに更新されている。

女性ハンターながらもハンターとしての実力は他の物に劣りはしない。

「いくわよ!せぁああ!」

振りかざす刀身がガリガリッと音を立ててフルフルの皮膚を足を噛み付くように傷をきざむ。

 

 

 

「いざ双剣の舞!斬!斬!斬!」

鉄色に輝く二本の斧、デュアルトマホーク、をホークが抜刀し回転するように空中で体を捻りながら切りつける、マカライト鉱石によって硬く鋭く強化された刀身は雪のなかで光を放ち、フルフルの皮膚を痛めつけたのだ。

ホークの防具はタロスシリーズと言われる物でカンタロスと言うモンスターから取れる素材を元に作る防具だ。

全身深緑色の防具で大きなショルダーガードに厚いメイル、カンタロスの甲殻によって作られるがっちりとしたレギンスとコート、そして重騎士の兜の様な勇ましいデザインのヘルム、その姿は異国の騎士の様にも見える。

 

両手に持つデュアルトマホークを力一杯振るう、ホークの全身の筋肉が唸りを上げて左右の手に握られた刀身に全ての力を注ぎ込む、振り放たれた攻撃は体の一部かのように一体化した刀身を深く強くそして速く!フルフルの皮膚を裂き体液が飛び散る。

命中による強い衝撃を開け流すように体を捻りダメージを分散させる。

腕の力に体の回転を加へ遠心力とホークの体重が重力にしたがって落下する勢い、それらすべてを重ねることで双剣はより一層凶暴性を増す!

 

跳躍 斬撃 回転 落下 その動作一つ一つの繋ぎ目はその攻撃を繰り返すたびに隙をなくし速く鋭く確かな剣術となってたくみに変化していく…

 

 

「ボルァアアアアア!」

フルフルは奇声を上げて前方に高電圧ブレスを発射、地をかける稲妻が一直線にホークの元へ、だがホークはそれを サッと横方向にスライド回避する、鬼人化中のみ使用できる特殊な回避方法で技を磨けばリオレウスの三連続ブレスも回避出来る高速回避術だ。

 

フルフルは目がなく回避されたことを見てはいないが漂ってくるはずの焼け焦げた人間の匂いがしない…

 

「グググッ」フルフルは回避されたことを嗅覚で悟とすかさず周辺にいる剣士を電気で焼き払うべく体を丸めて体全身から放電しようとエネルギーを貯める。

 

「予備動作注意して!放電来るよ!」

フルフルが体を丸め始めたら体全体からの放電の合図だ、フラーア、ランダガスはロール回避でホークはスライド回避で対処する。

 

「今だ!こっちへ速く!」

放電中はフルフルは移動ができない、その隙を狙って剣士三人はユークの元へ駆け戻る、三人の移動が終わると当時にフルフルの放電が終わる、

 

フルフルはクンクンと首を振ってあたりの匂いを嗅ぐ、そこへ圧縮された火炎弾が命中し肉を焦がす…

そして第二派第三派の圧縮された火炎弾が更にフルフルに傷を負わす。

「ボルァア!?」

フルフルの皮膚は耐寒性と耐電性は強いが暑さや炎には弱いのだ、命中した首筋のあたりの皮膚がただれピンク色に腫れ上がる。

 

だがフルフルは火薬の匂いからユークの場所を察知すると勢いよく跳躍しユークの目の前へと落下してくる、だがすでに回避で移動し火薬の匂いが残る場所にユークの姿はない、ボディプレスを回避されたフルフルは突如足に不快感を覚えた…そして次の瞬間ビリビリッと言う音とともに全身に不快な電気がかかる、シビレ罠と言われるモンスターを一定時間拘束するトラップだ。

 

「今だ!翼と頭は僕が撃つ!皆んなは側面と後方から囲んで攻撃!」

 

指示を出しつつユークは手慣れた手つきでリロード、圧縮、発射を繰り返し、次々と弾丸を発射する。

アルバレスト改、長く使ってきた銃だからこそ、自分の体の一部かのように動かすことができる、もはやスコープを除いてはいない、飛翔する弾丸はユークの拳の延長であるかのように狙った場所を瞬時に撃ち抜き深くフルフルの背中辺りをえぐる。

ユークなすこし重心を落とし銃口をやや下に向けて撃つ、今度はフルフルの口の中に炎が起きる、すぐにそのまま重心をやや上にあげ銃をがっちりと抑えながら斜め上に撃つ!

今度はフルフルの左羽の中央に炎が起こる、火炎弾による激しい銃撃が皮をえぐり肉を焦がす!

 

対するフルフルはシビレ罠の電気で体をヒクヒクの痙攣させ動けない。

ユークの銃撃が降り注ぐ中

 

フリーアのドスバイトダガーが肉を掻きちぎりる!

 

ランダガスのブレイズブレイドが羽を叩き切る!

 

ホークのデュアルトマホークが皮膚を裂く!削ぎ落とす!

 

激しい4人の連携攻撃がフルフルを襲う!だがフルフルもいつまでもやられるだけではない、体を強く揺さぶりシビレ罠を破壊するとつんざくような咆哮で4人の動きを封じる!

 

「ボルァアアアアア!ボルァアアアアア!ガガガ!」

空間その物を振動させるような声、フルフルの口元は激しく震え、最大まで溜まった怒りを表すかのように渦巻き状に生えた無数の牙をギリギリときしませ岩をも溶かす酸性の唾液をそこらじゅうに撒き散らす!

 

剣士達の足元に数滴唾液が垂れプシュッと音を立てて数センチそほど雪を溶かした。

 

そして体全体に青白い電気をバチバチッと纏いながらゆっくりと歩き剣士達の体全体に放電する。

 

フリーア、ホーク、ランダガスの三人はフルフルの電撃を喰らいその場に倒れこむ、体が麻痺して動けなくなる。

 

「くそぉこっちだフルフル!かかってこい!」長髪の声を上げてユークは引き金を引く、銃声が鳴ること4回フルフルはユークに目標を絞ると、高電圧ブレスを3点バーストさせる、3発の電撃が同時に放たれるが見事にそれを回避する。

 

その後フルフルは足に力を入れて跳躍しようとする、ユークはボディプレスが来ると予測し後方に飛んだ、だがフルフルは長髪のと同時に空中で体全体に電気を纏いながら落下してきた…

 

バチバチッ…と音がしてユークは電撃に体を傷付けられると同時に後方に吹き飛ばされた

 

「くはっ…」電撃の衝撃で頭がくらくらするがユークはなんとか正気を保ち

フルフルに向けて残る火炎弾全てを撃ち放つ、薬莢がパラパラと音を立て地面に落ち銃口から炎を起こす弾丸がフルフルの体を傷付ける。

 

だがフルフルは怒りで我を忘れている、

体が傷ついていくことも気にせず目の前のハンターを殺すことを第一に考えている。

 

フルフルは再びユークに向けてボディプレスを行う、巨大な体を地面に叩きつける衝撃でユークの体に大ダメージを与える、そしてフルフルはユークに馬乗りになるように両足でユークの体を固定し押さえつける、ユークの体の骨がギシギシと悲鳴を上げるがフルフルはそんなことはおかまいなしだ、恨むべきハンターにトドメを刺すため自慢の口を大きく開き頭からかぶりつこうとする。

フルフルの生臭い息がユークの髪をなびかせた…ネトネトとしたフルフルの唾液が防具にかかりクックメイルの一部を溶かす…だが…

 

「こんなとこで死んでたまるか!食いたいならくれてやる!」

ユークはそう言うとアルバレスト改を銃口の先端からフルフルの口の中にねじ込んだ!

 

グチョグチョッと言う不快な音がしてボウガンとユークの右手がフルフルの口の中に取り込まれる、だがユークは構わずそのままねじ込み引き金を引く!

ズバァンと言う音がフルフルの腹の中に響きフルフルの口から赤い血が吹き出す、返り血を浴びるユーク、だがそんなことは気にしない

 

ズバァン、ズバァン、ズバァン、グチャン!

 

ズバァンズバァンズバァングチャン!

 

フルフルの口の中にねじ込んだアルバレスト改から放たれる0距離射撃がフルフルの腹の中を砕きねじ切り破壊する!

 

「ボルァア!?」痛みのあまりフルフルは口を開きとりアルバレスト改を吐き出す…

 

「ボルァアアアアア!ボルァアアアアア!」フルフルはユークから離れると狂ったように暴れまわり高電圧ブレスをそこらじゅうに撒き散らし、酸の唾液を垂らす、吹き出す!

だがそのブレスは全て雪に命中しては消滅する。

 

そしてフルフルは最後の一撃とばかりに体全体に張り巡らした放電機関を全力で使い大放電を起こす、まるで青く光る太陽が現れたかのように辺りを青白い閃光が包んだ、ユーク達は思わず目を閉じる、だがフルフルの攻撃は命中しなかった…

ユークの零距離射撃で電撃袋と言われる電気を作る臓器が損傷し暴走したのだ!

フルフルは自らの電気に痺れ屈強し、もがき苦しむ、ボルァアアアアア!

ボルァアアアアア!と言う奇声が辺りに響きそしてその声は閃光が消えるとともに消え去った…あたりは静まり返りユークはゆっくりと目を開けた…

 

そこには自らの力で体を焼き焦がし自滅したフルフルの亡骸が転がっていた、

その姿は無残にも体から黒い煙を上げフルフルの皮膚は赤くただれて一分が剥がれ落ちている…

 

フルフルの放電能力は強く時に大型モンスターでさえも即死させる威力を持つ、

だがその力は制御を失えば自らを傷付ける事になるのだ…

 

その姿からユーク達は扱えぬ強大な力は持つべきでは無いと教えてくれているようでもあった…

 

 

「いや〜〜びっくりだぜまさか自滅するなんてよ!」

 

「自滅って訳でもないでしょう?ユークがトドメを刺したのよ!すごかったわ!」

 

「ほんと勇敢だよねフルフルの口に銃口を突っ込んで撃つなんて…」

 

「そんなことないよあの時は必至で…それに…」

 

「アルバレスト改、壊れちゃったし…」

ユークの足元には砲身がひん曲がり修復不能と一目でわかるほど大破したアルバレスト改の姿があった、フルフルの口に突っ込んで撃ったせいでその衝撃に耐えかねず壊れたのだ…

 

「残念ね…大事な相棒だったんでしょう?その銃」

 

「うん、でも良いんだいつかは新しい銃に更新しなきゃいけないしさ…もうそろそろ更新時だったし…」

 

その後剥ぎ取りを終えユーク達はその場を去った、ユークは大破したアルバレスト改を土に埋め置いていくことにした、壊れているだけでなくフルフルの唾液が付いていて少し不快な気持ちになるからだ…

 

「さようなら相棒!」

ユークはそう言うと手綱を強く叩きつけ馬車を走らせた、アルバレスト改は全力でその力を出しきり破壊された…

そしてフルフルも又全ての力を出しきりその身を滅ぼした…

 

ハンターになって早数ヶ月ユークの初めての武器との別れであった…

 

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