本当は4000文字だったんですが、原作を見直してこれは無いわ……と言う理由で書き直そうとしたら、区切らないと超絶長くなりそうだったのでここで切りました。すいません
紅夜は物理準備室に入室し、周囲を見渡す。
そこには、普通の学校とは思えないほどのコンピュータやディスプレイが教室の空間を埋め尽くしている。
これではもはや、琴理や令音が言っていた訓練場というより秘密基地だ。
紅夜自身は、魔法文化も科学文化も旅の間にみたことがあるので、根元は違えど紅夜からの視点からは最新鋭の塊だと言うことは分かった。
そんな中で、幾多に映されるディスプレイの一つの前で士道は、ゲームのコントローラーを持ちながら、悶絶していた。
「……お前、どうした」
「分かるだろう……。人には誰にだって語りたくない黒歴史があるだろう……?」
それに関しては同意する。しかし、状況が読めない。
「要約、来たのね暴れん坊」
「………その呼び名はやめてくれ…」
士道の隣に足を絡まし座っている中学生か小学生くらい幼い顔をしたの赤髪のツインテールの少女、五河 琴理は口にチョッパチャプスを含みながら口を開く。
「声だけで部屋を滅茶苦茶にする人外にはそれで十分だわ」
あの時は加減を忘れて思いっきり叫んでしまった自分を責めながら、頬を掻く。
「はぁ………ところで、お前の兄はギャルゲーをしているが、なんで四苦八苦しているんだ?」
「ん?知りたい?」
意地汚い笑顔で琴理はチャッパチョプスを向けてきた。
士道は涙目で許しの言葉を言っているが、紅夜は好奇心に負けて頷いた。
「ポエムって聞いたことあるかしら?」
「ポエムーーーああ、詩のことだったな」
琴理は満足げに頷くとポケットから何か書かれた紙を取り出した。
それはコピーされたかのような内容で、それを琴理が言おうとしたとき、閃光の如く速さで士道がそれを奪い取った。
「なんで、お前が持っているんだ!?」
「あら、強引ね。士道」
「別にいいじゃないか、詩ぐらい聞いてみたい」
「紅夜!お前に過去に後悔したことはないのか!? 捨てたいと思った物はないのか!?」
必死の形相に紅夜は、よっぽど自信がない内容なのかと脳内完結して紅夜はやっぱりいいやと琴理を止めた。
「ちっ……つまらないわね」
「俺の妹は、悪魔になってしまったのか……」
ツインテールの女性は性格が厳しい人が多いと紅夜は思った。
「琴理、レイは女性と付き合ったことがないそうだよ」
「まぁ、そうよね。たかがキスのキーワードで気絶するほどの初心だもん」
「シンより、前途多難だ」
「全くよ……実際のギャルゲー主人公じゃあるまいし、少しぐらい異性を意識しなさいよ……ブツブツ」
はぁと同時にため息をつかれた。
「紅夜、ファイト」
「……うん」
似た者、立ち位置同士はお互い苦労を分かち合った。
「とりあえず、あなたも訓練開始よ。残念なことにあなたの黒歴史が見つからなかった……いえ、質問があるわ。---あの同居人は一体何者?」
「ニアのことか?」
ええっと琴理は頷く。
「俺と同じ人外だよ。一応、俺の付き人」
「………道理で」
監視に向かせたクルーが瞬く間に無効化されるわけね。と心の中で琴理は呟いた。
「彼女とはどれくらいの付き合いなの?」
「偉く突っ込んでくるな……そうだな、もう100年くらいか」
旧き輪廻を破壊する者ーーーその中で頂点である白痴の神に目を付けられ、上司にはモンクの叫びの如き表情で驚愕されられ、そのまま飲み会に強制参加させられたり(行き帰りはティンダロスの猟犬)、上司は鬼の形相でその飲み会に突っ込み次元規模の壮絶な戦いを繰り広げた毎日で、彼らの世界を探検していた時に見つけたのが、ジュゴスーーーニアだった。
仲間に逸れてしまったニアは捨てられた子猫のように身を丸めていた。
それを偶然、見つけてしまった紅夜は彼女を保護して暫くの間、共に過ごした。
その間に上司と共に仲間を見つけたが、ニアは帰ることを拒み紅夜に仕える道を選んだ。そんなことが二人の間で合ったのだ。
「100年………紅夜」
「ん?」
「貴方……何歳?」
「7万」
「そう……」
………………
本当に人外だ。
「それは
「なんのことだ?」
「いや、紅夜。マジでそれは信じられないぞ」
令音は変わらず紅夜の腕を捕まって、士道や琴理はありえない表情で否定するように手を振っている。それに紅夜はむっと睨みつけた。
「事実だ。人外だよ。『円環外れ』って言ってな、世界から見放された……俺の場合は失った奴のことを言うんだ」
「世界から見放された……?」
「ああ」
簡単に指に魔力を集中させ、虚空に描き始めた。
放出され続ける魔力は、空間に色として残り何もないはずの空間から徐々に文字が描かれている。
「『円環外れ』は……まぁ、簡単に言うとダイナミック仲間外れだ。どんな生物にもメカニズムがあるだろう。人間なら栄養補給しないと餓死するだろう?」
士道たちは頷いた。
「世界によって法則に違いはあるが、それを超越した存在が『円環外れ』だ。世界に縛らない真なる自由者。まぁ、最早それは生物としてのカテゴリーに入らない。一種の幽霊と言ってもいいかもしれない。世界の法律に従わらなくていいから、勿論歳は取らないしその気になれば毎日徹夜で活動可能だ」
「なんだか、すごく便利そうだな……」
そうだなと紅夜は薄く笑って、再度口を開いた。
「けど、俺の場合は元が人間であることは不変だから、精神的に毎日寝ずに活動していたら倒れるし、勿論生物として活動限界に追い詰めれば勿論死ぬな。俺の場合は、裏技で不老不死になっているが」
「だから、人間なら急所の部分を貫かれても活動できたわけか」
そう、人間の急所の一つである肝臓を紅夜は貫かれたのだ。二奈の槍によって、それでも大量出血しながら、何事もなかったように紅夜は活動している。
もし、普通の『円環外れ』なら、あの一撃で終わっていた。
「便利な体ね」
「流石に二奈のような致命傷や体がまるごと吹き飛ぶ攻撃を喰らえば、気絶するし、再生にも時間が掛かるけどな」
あと、痛覚はちゃんとあるから激痛に失神するときもある。と言ったところで令音が紅夜から離れた。
琴理は気を取り直すようにコホンとわざとらしく咳をして、指を鳴らすと紅夜の目の前のディスプレイが光りそこから、ホップな曲とともに、カラフルな髪の美少女たちが順番に画面に表示され、タイトルと思わしき『恋してマイ・リトル・シドー』のロゴが踊る。
「これが……ギャルゲー」
覗き目は数回があるが、真正面からタイトルは初めてだった。感慨深そうに紅夜は呟く。
「紅夜はやったことないのか?」
「俺は今の所生きてきた時間は、ほとんど鍛錬で潰れていたからな……」
12歳まで人間として生きて、そこから『円環外れ』&『罪遺物』となり様々なことをしたきた。
自分の罪を知り、贖罪できないほどの重罰でも、紅夜は只管、力に渇望して、二度と自分の様な存在を作ってはいけないと、決意して今までを生きてきた。娯楽なんて自分が愉快になることなんて、許さるべきではない。
自分にもし幸福が来るならば、それを他人に譲渡する。それが零崎 紅夜だ。
「長い時間の中でただ一つのことを極めるのはすごいことだと思うわ……けど、虚しくならない?」
だから、琴理のそんな言葉にも、紅夜はただ薄っぺら笑みで
「それでいい」
ただ、機械的に言うのだった。
自暴自棄……ですね。紅夜を一言で言えば
次回は、士道と紅夜のギャルゲー訓練&告白(練習士道のみ)を考えています。ではでは
原作を一巻を見て冷静に考えれば、士道のプレイしたギャルゲーって琴理自身を攻略しろって伏線だったかもと思いました橘公司さん……尊敬します。
前回のギャルゲーの件、ありがとうございました!
リトバスをやってみようと思います