デート・ア・ライブ 漆黒と邪霊のファンタジア   作:燐2

6 / 14
あー、うー、……何回も書き直して結果がこれだけど、また書き直す可能性あり。


十禍ダークネスーーーその6!

街全体に響く警報の音、川が流れるように列を造り歩く人々。

空間震という、無慈悲な災害が予知され、人々は急かすようにシェルターへ向かっていく。

それを、特に変哲もない八階ビルから見下ろす者がいた。

全身を隠すコートは、漆黒という一色だけで、風が吹くほどに見え隠れするのは、両方目の色が違うオッドアイだ。

 

「…………いい街だ」

 

風を感じながら、紅夜は景色を見た。

街ひとつ消えかねない空間の地震、それに巻き込まれば命など容易く終わる。

だがこの町、天宮市は徹底した空間震への対処により、街への被害は大きいが負傷や死亡者は出ていない。ーーーAST部隊を除けば

 

「…………」

 

空を仰ぐ。そこには、何もない青空が広がっている。

まさか彼の視線の先の空間が爆発し、この町を滅ぼしかねない因子が降りてくるとは誰が想像できるか。

彼ーーー紅夜は、無造作に手を伸ばした。

紅夜の手から黒いゼリー状の物が溢れだし形を作り出す。

長い柄を、武骨な鋭刃、光を喰らうが如き漆黒の色はまるで闇を思わせる不気味な光を放つ。

 

「【黒の狂気(ミイヴルス)】ーー一また、頼むぞ」

 

具現化した断罪の刃を持って、精霊が現れる空間を睨みつけその方向へ剣先を向けた。

既に静かに撫でるような凱風は、そこにはない。

あるのは火山が今にでも爆発のカウントダウンを鳴らす様な空間の叫びと、竜巻と錯覚してしまうほどの暴風が黒の狂気(ミイヴルス)を根源として、暴れ狂う。

 

「----いけぇぇええぇぇぇ!!!」

 

爆発的な唸り声と共に振り下ろされたこの世界に存在しない魔力を超高密度に圧縮させ解き放つ斬撃。

それは空間すら破砕しながら突き進む、さながらそれは戦場を蹂躙しながら突き進む戦車。

同時に何もない空間から水が落ちたような波紋が広がり、その中心から小さな光が突如として体積を膨張する寸前に、空間を破砕する暴虐の斬撃がその光をぶつかり、巨大な花火を打ち上げたような極光が街を照らした。

 

「………っと、こんなものか」

 

既に街の人は、全員避難完了しているだろう。

一人っ子いなくなった街の中で空間震とヌギル=コーラスの放った斬撃により相殺したが、その余波は建物そのものを傷つけてないものの、周囲に好き勝手にガラスが飛び散っていた。

ヌギル=コーラスも流石にこればかりは仕方がない、これを直すことになるだろう業者さんに内心でお願いします、あとすいませんと呟くと、八階のビルの屋上から躊躇なく倒れるように落ちた。

 

「---よっと、ほっと」

 

凄まじい風圧を感じながら、ヌギル=コーラスは最寄りの壁を蹴り、近くの建物を蹴り再度ビルの壁を蹴り、ジクザクを描きながらに降りていく。

 

「ふぅ」

 

そして、華麗に地面に着陸して漆黒のコートからフードを取り、独特の輝きを放つ銀髪と紅と蒼の瞳が露露わになり、続けて黒の狂気(ミイヴルス)を消す。

これからすることは、一応対話(・・)だ。対話に武器は必要ないし、相手が武器を持つ程度ならヌギル=コーラスは気にしない。精霊の立場を考えれば、それは仕方ないことだと思っているからだーーー正し、自衛防御の為に抜く事態は、想定していつでも出せるようにはしておく。

 

「………貴様は」

「ヌギル=コーラスだ」

 

目の前には、美しき少女が睨むようにヌギル=コーラスを見てきた。

この世には存在しない素材で構成された紫色の鎧を纏い、儚げに光る膜の様なものが彼女を守護するように造っている。

腰を伸びるまで伸びた闇色の髪、水晶のような不思議な色をする双眸、明らかにこの世界とは乖離した美しく、貫禄がある彼女はヌギル=コーラスを見つめ口を開いた。

 

「ヌュギル=コォラス、変な名だ」

「…………」

 

ヌギル=コーラスは内心で、この子からバカ臭がすると思った。

 

「お前、名前は?」

「……名、か」

 

小さな唇を動かし、悲しげに表情を歪める精霊。

 

「---そんなものは、ない」

 

ヌギル=コーラスには、彼女の瞳はすごく疲れているように思えた。

まるで、嫌なことを理不尽なことをずっと言われ続け、慣れた様に、受け入れた様に。

 

「あっ、そう……名前か、名前が無いと色々不便だからなぁ……」

「何が、不便なのだ」

「お前の名前を呼ぶ時、どう呼べがいいか分からん」

「心配ない」

 

背後に立つ玉座から彼女はゆらりとした動作で彼女の身の丈はありそうな巨大な剣を抜き、ヌギル=コーラスに剣先を向け。

 

「お前を私が殺すからだ」

「ーーーー」

 

息を飲むことも許さなく刹那の時間で振られた大剣は、ヌギル=コーラスに届くほどの距離ではない。

しかし、ヌギル=コーラスには振られた瞬間、口では説明できない摩訶不思議な力を感じ、剣の軌跡を躱した。

一息置いて、ゴゴゴという轟音と共に彼女が放った剣撃の先にあった物が斬られ、重力に従いズレ落ちていくそれをヌギル=コーラスは見ながらひゅぅ、と口を鳴らした。

 

「お前から、尋常ない力を感じる。それでお前は、私を殺すんだろう?」

「………はぁ、なんでそんな思考になる」

 

十禍より軽傷だと思いながら、ヌギル=コーラスは彼女をどうやって落ち着かせようと考えていた。

人間相手だと感じることができない彼の中が感じることが出来るんだろう。

確かにヌギル=コーラスも、全ての力を操作可能と聞かれたら間違いなく首を振るう。

最初は、存在するだけで星の生きる生物を無差別に枯れさせるほどだったのだ。

ぶっちゃけ、人間に害がないまでコントロール出来たのは、かなり最近になる。

 

「俺はお前と話をしに来ただけだ。冷静になって話し合おう」

「……………」

 

返事は無言での警戒心MAXの睨みだった。

 

「ははは………」

 

ヌギル=コーラスは、どうやって対話をしようかと頭を掻いた。

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁー!!」

 

少し前まで活気に満ちてあろう天宮市は、既にもぬけの殻だ。

空間震の警報により、恐らく住民は全員シェルターに避難完了しているのだろうが、人気のなくなった道路に頬に汗を流しながら必死で走る影が合った。

その名は、五河 士道と言う少年だった。

何故、彼はこんな危険なときに外で走っているとーーー彼には最愛の妹がいた。

十三歳の中学二年生である琴理という少女で、今日は互いの学校が始業式なので昼はファミレスでランチをしようと約束していたのだ。

 

「あの、バカッ……!」

 

このような事態であるから、当然ランチは中止である。

だが、最愛の妹の場所はGPSで調べたところ、ファミレスの場所を映し、その場所から動かないのだ。

妹を放っておけない。これが他人であるなら知らないが、彼女は妹で、彼は兄なのだ。

ベース配分を考えない全速力で足が痛い、心臓が爆発しそうなほど激しく鼓動する、喉が渇いて吐き気がする。それでも足のスピードは止まらない。

 

PiPiPiPi

 

「!?」

 

ポケットからなる着信音、足を必死で動かしながら乱暴に手を突っ込み携帯を開く。

そこには『五河 琴理』の文字が、それを見た瞬間、直ぐに応答ボタンを押し耳に押し付けた。

 

「琴理、お、お前、大丈夫か!?」

 

未だに空間震のサイレンは鳴っている。

ということは十分、琴理も自分も空間震の被害に合う可能性が高いということだ。

 

『ーーー士道』

 

最初、士道は耳を疑った。

何故なら普段の琴理は、士道のことを「おにーちゃん」と呼ぶのだ。

全速力で走った影響なのか、酸欠で頭に酸素が十分に送られていないのか、朦朧とする意識の中で聞こえたは急かす様な声だった。

 

『いますぐ、そこから逃げなさい(・・・・・・・)!!』

「……はっ?」

 

正常に頭の動かない状態で、士道が琴理の言葉を頭で認識した時には既に遅かった。

 

「あぐっ!?」

 

何かに激突した。

しかし声は反射神経で思わずでるが、痛くないむしろ、柔らかい……?

それは、二つあって士道の顔を挟み撃ちするようにある。

士道は耳に何度も、連呼される言葉を整理しようと、とりあえず頭を上げると、

 

「ーーーー」

 

言葉を失った。

士道が見たのは、女性の顔だった。

 

「ふふっ、こんにちは」

 

慈悲深い笑みを浮かぶ『誰か』……。

士道は、その『誰か』に全てを奪われたような錯覚を覚えた。

神秘的だと言ってもいいほどに美しき輝きを放つ双眸に、誘われる様な薔薇の様な紅い唇、芸術家でもこんな美を象徴させた顔は、一生かかっても描くは不可能だと思うほど断言できるほど、華美の容姿が士道の目に入った。

 

「うわぁっ!?」

 

咄嗟にはなれる。

テンパり過ぎて携帯が彼方に飛んでしまい、士道は腰を付いてしまう。

 

「大丈夫ですか…?」

「あぁ、ありがーーー」

 

差し出された手を握り、顔を上げたところで要約、彼女の全体像を見れた。

七色の宝石を装飾された美しいドレスの服装をした謎に満ちた彼女、

まるで絵本で出てきそうなお姫様のような恰好をした超絶美女は、先ほどと同じく士道の五感を奪うように魅了させた。

 

「どうしましたの…?」

「な、なんでもありません…!」

 

彼女の声に我に返った士道は、急いで立ち上がる。

こんな綺麗な美女に合ったことがなく、彼女の姿は慈悲深い女王様のように、自分とは次元が違うと錯覚し、思わず敬語で士道はどもりながら、緊張しながら彼方へ飛ばしてしまった携帯を探す。

 

「ふふっ、面白い方ですわね」

「あ、あなたは………?」

「あぁ、申し訳ありません」

 

ドレスの裾の左右の端を持って、足を縮ませた。

 

二奈(ふたな)ーーと申しますわ」

「えっと……五河 士道……です」

 

全速力の疲労など分からなくまで、士道は彼女に見入っていた。

この世のありとあらゆる美を濃縮させた彼女の美しさに、士道はまるで濃いアルコール酒でも飲まされ海淵の圧力に縛られたように、士道は立っている状態から指一本も動かせない。

 

「あらら、あなたが噂の……ふふ、なら」

 

面白げに二奈は口を優雅に歪め、再度口を開いた。

 

「私の障壁は【煉獄魔装・二番(エーイーリー)】、爪牙は【偽善奏者(ベルゼバブ)】ですわ」

「え、あぁぁ……?」

 

士道には二奈が何を言っているのか全く分からない。

ただーーー、自分の今の状況は蜘蛛の巣に捕まりもがく蝶であり、必死に自分の名前を叫ぶ声だけが、聞こえた。

 

「さぁ、士道様……一曲いかがですか?」

 

ダンスでも誘われるように差し出された手。

蜘蛛につかまった蝶は、蜘蛛の誘惑を従うことしか出来ず、差し出された手をーーー

 

 

『虚空の門の深淵に住む混沌、我が名を聞け!その時空と次元を超越する力を見せろ!!』

 

 

そんな少し前まで会話をしていた見知った声が聞こえ瞬間、士道の意識は闇に沈んだように消えた。

 

 




この前、要約邪霊(全員使うか分かんないけど)10人決まりましたーイエーイ。(名前が苦労した)
さて、なんだか原作と全然違う展開になっちゃいましたけど………大丈夫!ラタトスクがちゃんと説明くれると信じているから!

さて、十禍……いつだそう(滝汗
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。