私が、あの日聞いた言葉。
クリスマスイベント前、先輩にクリスマスイベントの会議が今日無くなったことを知らせに奉仕部の部室に行ったときに聴こえた、あの言葉。あの会話。
「でも、そのぶんちゃんと話せば、ヒッキーともっと話せば、あたしは……」
「そうじゃないんだ…言ったから分かるっていうのは傲慢なんだよ。言った本人の自己満足、言われた奴の思い上がり……、いろいろあって話せば必ず理解し合えるってわけじゃない。だから、言葉がほしいんじゃないんだ」
「だけど、言わなかったらずっと分かんないままだよ…」
「そうだな…言わなくても分かるっていうのは幻想だ。…………でも………。……でも、俺は……」
「_______________________俺は本物が欲しい_________」
私の耳に聞こえた、かすれるような声。
いつもクールで少し気持ち悪くて冷静で、それでいて捻くれている先輩の心の底からの気持ち。
自然と、自分の胸に突き刺さった。
「____________本物」
たった2文字の小さな言葉が、大きくなって心の中で暴れまくる。
自分が先輩のいうところの本物になれる人じゃないのは分かっている。
私があの「奉仕部」という、領域に幾ら足掻いても届くことはないことも知っている。
………でも、私は先輩の本物になりたい。
私が、すこしずつそう思い始めたのはこの頃だった。
_____________________________________________________________
「…はー……。ダメでしたねー。……。」
「…いや、お前、今言っても駄目なことくらい分かってただろ」
先輩は、少しこっちを心配してくれながら答える。
いつものぶっきらぼうさを引っ込めて。
「だって、しょうがないじゃないですか。盛り上がっちゃったんだから。」
「意外だな。お前はそういう場の雰囲気に振り回されない奴だと思ってたぞ」
全く…この先輩は何もわかっていませんね…
自分がその場の雰囲気の発端なんですよ?
「わたしも意外です。もっと冷めてるんだと思ってました。」
「………ああ、お前、恋愛脳に見せかけて結構クレバーっていうか」
…ハァ……どうしてこの先輩はこんな……いえ、なんでもないです。ここはひとつからかって見せましょう。
「わたしじゃなくて………先輩の話です。」
「は?」
「あんなのみせられたら、心動いちゃいますよ」
「何が」
精一杯、泣きそうな声で先輩の耳元でつぶやく。
「…わたしも、本物が欲しくなっちゃったんです。」
そして、精一杯のあざとさを込めて…
「責任、とってくださいね?」
目が涙でぼやけて見えない。
けれど、できる限りのいつものスマイルで、私は先輩に言った。
本物と書きすぎてゲシュタルト崩壊しました。
次回からはしっかりオリジナル展開にします!
まじですんませんした!