暫くしての登場です。
ドン「ワシとヤツとの初対面であろー」
では、どうぞ・・・・・
「ハァ・・・・・痛た・・・結構手酷くやられたモンね・・・」
純血種の人狼『大尉』との決戦に勝利した吸血鬼シェルスは、大尉につけられた傷を自力で修復していた。
「早いとこ合流しないと・・・!」ペタリ
修復が完了すると彼女は壁に手を当てる。壁を通して、ドンの気配をサーモセンサーのように読み取る。
「いた! でも・・・近くにもう一つの反応? ま・・・まさか?!」
ドンとは別の反応を感じたシェルスは、すぐさま疾風のように飛んで行く。
「待っていなさいよ、『戦争狂』ッ!!」
その反応は、書道に使う墨汁よりもドス黒い瘴気を放っていた。
「・・・・・」
一方その頃。
ヴァレンティーノファミリーが頭目『ドン・ヴァレンティーノ』はシェルスと別れた後、大隊長のいる指令室へと繋がる薄暗い通路をシリアス5割増しの表情で歩いていた。
いつもはギャグキャラとしてファミリーを率いる彼だが、今回のドンは小さい体から吸血鬼をも圧倒させる『覇気』を漂わせている。
コツ・・・コツ・・・コツ・・・
外の喧騒とは打って変わり、不気味な静寂が辺りを包んでいる。護衛の吸血鬼兵などを含めた人っ子一人もいない静かな薄暗い通路が延々と続いていく。
ガシャ、ウィイーン
進行ルートはドンが、前に進むたびに堅固に作られた扉が自動的に次々と開いていく。そして、最後には「ようこそ」とイタリア語で書かれた札が貼ってある大仰な扉が開いた。
コツ・・・コツ・・・コツ・・・
ドンは躊躇いもせずにズカズカとその部屋へと入って行くと此方に好奇な眼差しを送る眼前の者へ殺気立った眼を突き刺す。そこにはゆったりと座り心地の良さそうな指令席へ腰を落した、白い軍服姿に眼鏡をかけたお世辞にもスマートとは言えない男が口角を三日月に歪めているではないか。
この男こそ、今回の事件の首謀者にして諸悪の根源。
反インフィニット・ストラトス組織『レギオン』の総帥にして、武装吸血鬼化装甲擲弾兵戦闘団『
「大隊長・・・ッ!!」
「よぉ! これはこれは、欧州にその名を轟かせるファミリーの主、ドン・ヴァレンティーノ。漸く直にお目見え出来て嬉しい限りだねぇ」
チャキッ、ズダァアッッン!
響き渡る一発の銃声と黒色火薬の硝煙の香り。ドンと大隊長の初会合は、怒号と銃声に始まった。
勿論、怒号と銃声を響かせたのはドンである。ドンはここに来る前に仕込んだ火縄銃を大隊長目掛けて撃ち込んだ。
バキンッ!
だがどういう訳か、銃口から放たれた弾丸は大隊長の頭を吹っ飛ばさずにその一歩近くで跳ね返ったのだ。
ガシャコン
ズダダダダダダダダダダッ!
ドンはその事に驚きもせずに火縄銃を投げ捨てると腰に提げていた予備のサブマシンガンを連射する。
バキンッバキキィインッ!
しかし、これも銃弾は大隊長の一歩手前で跳ね返る。跳弾した弾丸は四方に飛んで行き、周りの機器を貫く。
「残念だが、その銃では無理だよ。なァに・・・
シャキンッ
「あぁあああろぉおオオオ―――ッ!!」
タタタタタタタタタタッ
今度は愛用の刀を引き抜くとドンは刃を渾身の力で突き立てようと走った。
ガキンッッ!
「ぬぅううッ!!」
ところがどっこい。白銀に輝く刀の切先は、ストップモーションのように空中で静止してしまったのだ。
何故にドンの攻撃が1mmも大隊長に届かないのかというと。二人の間には、厚さ10cmはあろうかという防弾防刃ガラスがそびえていたのだ。
「この出し物に遅れるのではないかと内心ヒヤヒヤしていたが・・・間に合って良かった」
大隊長は席から立ち上がると苦悶の表情で透明な盾に挑むドンへと相も変らぬ歪めた笑顔のまま目線を合わせる。
「折角、今宵限りのショーなんだ。どうせなら素晴らしい好敵手に値する君と最高の席で見なければ、失礼じゃあないか」
「ふざけるでなかろーッ!!」
「楽しみ給えよ、白山羊さん」ピッ
「あろッ!?」
ドンの怒号に息も返さず、彼は元いた席に腰を沈めると手元のリモコンを操作する。するとどうだろう。二人の前にそびえる大画面モニターに良く見知った人物が映り込んだ。
「これは、ここ数世紀の中でも三本指に入る一夜の劇だ」
「こ・・・これは・・・!」
映し出されたモニターに釘付けとなっているドンに大隊長はいつものように嬉しそうな三日月に歪めた口で言い放つ。
「何故ならば・・・今宵、『
「なにッ!!?」
モニターに映りこむ世界最強の
←続く
クライマックスの構想を・・・思いついた。
けれど・・・結構、あっけない。
どうしよう・・・?