人外になった者   作:rainバレルーk

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さぁ・・・さぁさぁッ!
ご覧の皆様。
待っていて下さった皆様、そうではない皆様もお久しゅうございます。
初の完結作品を終えた作者でございます。
半年ぶりの今作は之より『再開』でございます!

では、どうぞ・・・・・



襲撃者は突然に

 

 

ブロォロロオオォ・・・

 

物々しい装甲車と防弾素材を施された私服パトカーに護衛され、目的地へ急ぐIS学園指定バス。

未だうだるような残暑が照り付けようとも、バス車内はキャッキャウフフと楽しい話声が聞こえて来る。

 

 

「呑気なもんだな・・・あんな事があったって言うのに」

 

「コラ。私語を慎め、小橋」

 

「青木隊長・・・」

 

外まで聞こえて来る彼女たちの声に外の警戒を終え、装甲車車内に戻った小橋一等兵曹の憎まれ口を青木上等兵曹がたしなめる。

 

 

「ですけどねぇ、隊長。こちとらあの『事件』で駆り出されてクタクタだっていうのに・・・血税使って遠足かっての!」

 

「そう言うな小橋。損害が少なかった我々の隊が任を与えられたんだ。これも仕事だ、割り切れ」

 

「・・・はいッ・・・」

 

青木の言葉に小橋は不満気な表情を晒しながらも押し黙る。

だが、小橋の言う事にも一理あった。

日本のみならず、世界中を騒がせる事となった反IS思想過激派組織による大規模テロ。通称『飛行船事件』

 

夏の短い夜の間に起こった其れは翌日の朝焼けと共に収束した。

しかし、この事件に急遽動員された多くの自衛隊員が十分でない装備の為か、大損害とも言える被害にあってしまった。

甚大な被害に事件の事後処理と。休日返上の連勤に各員は疲労困憊のへきへきだ。

 

それに加えて最後の大仕事とばかりのIS学園生徒の警護並びに護衛。

ISの登場から、隊内に増殖したIS至上主義の隊員や上層部に冷遇されて来た者達にとっては皮肉とも言える。

 

 

「(皆からの疲れの色が犇々と伝わって来るな・・・。だが、これが終われば休みが約束されている。・・・皆、あともう少しだけの辛抱だ。堪えてくれ)」

 

「・・・? 隊長ッ、前方に何かいます!」

 

そんな青木の思いを打ち壊すかのように進行する一団の前に奇妙な着ぐるみがトコトコと現れ、立ち塞がった。

 

 

「な・・・なんだありゃあ・・・?」

 

「ネズミ?」

 

「いや、クマだろ」

 

「そうじゃなくて! このままだとぶつかるぞ!! どけろッ、ヘンテコ生物!!」

ブッブーッ!!

 

彼等は急いで装甲車のクラクションを鳴らすが、よくわからない灰色な正体不明の着ぐるみは微動だにしない。

・・・いや、語弊があった。

 

スチャッ

 

「「「へッ?・・・!」」」

 

着ぐるみは何処からともなく対戦車砲であるRPG7を取り出し―――――

 

 

『ふもっふ!!』

カチリッ

―――なんの躊躇いもなく引き金を引いたのであった。

 

 

『『『うわぁあアアッ!!?』』』

ドゴォオオ―――オンッ!!

発射されたロケット弾は装甲車の腹を爆音共々道路にひっくり返す。

まるで玩具のようにひっくり返されてしまった事で、後に続いていた後続車は停止を余儀なくされた。

 

 

「なんだッ!? 何が起こった?!!」

 

「まさか、こんな白昼堂々とやって来るなんて!!」

 

余りの突然の出来事に現場は騒然となる。

護衛車は急ブレーキをかけ、斜めになったバスの前方を囲んでバリケードを作る。

 

 

「な、なにッ、なんなの?!!」

 

「キャ―――ッ!!?」

 

当然と言うか。

バスの車内も和気藹々とした空間から一転し、混乱の坩堝へと化す。

 

 

「千冬姉ッ、一体何が?!」

 

「一夏ッ!!」

 

そんな混乱の中、一夏が怯える生徒を掻き分けて千冬のもとへと近づいた。

 

 

「襲撃だ。先の事件に感化された過激派組織かどうかはわからないが、こんな大胆な事をしてくるとはな」

 

「言ってる場合かよ、千冬姉!! すぐに俺達がISで加勢に入らないと! 箒ッ!」

 

「あぁ、わかっている!」

 

「馬鹿者ッ!!」

スパァッ―――ン!

 

『『『ッ!?』』』

 

後ろに続いていた箒と共に車外へ出ようとした一夏を千冬は持っていた出席簿で叩きつける。

その乾いた音が車内に響き渡るや否や、混乱の坩堝とかしていた車内は静まり返った。

 

 

「~~~ッ!!? 何すんだよ、千冬姉?!!」

 

「これも予想範囲内の事だ。だからお前達が戦う必要などない。あと、何度も言っているが、織斑先生と呼べ」

 

「でも!!」

 

ピリリリリリッ

引き下がらない一夏を遮るように千冬の無機質な携帯着信が鳴り響く。

彼女はそれを手に取ると電話先の人物と何かを話すと手短に電話をきった。

 

 

「織斑、お前と言い争っている暇はない。席に戻れッ」ギロリッ

 

「・・・ッ・・・わ、わかった・・・織斑先生・・・」

 

千冬のなんとも度し難い覇気に気圧された一夏は大人しく後ろへと引き下がる。

他の生徒たちも、彼女から発せられるその覇気は車内の空気をに2・3°下がらせるように感じた。

 

 

「全員よく聞け! 我々は現在、テロリストより襲撃を受けている。これより緊急避難を開始する! 返事はッ?!」

 

『『『は、はいッ!!』』』

 

ギャルルルッン

 

千冬の声に混乱していた生徒は我に返った。

そのまま生徒達を乗せたバス二台は急速バックをし、戦線離脱を開始する。

 

 

『ふもるる・・・!』

 

だが、どうやら襲撃者は彼女等を逃がすつもりはないらしい。

着ぐるみが合図をすると道路のマンホールから、ゾロゾロゾロゾロとゴキブリのような色をした何かが現れ出でた。

しかも、その全部がアサルトライフル装備の状態でだ。

 

 

『キシャァアアアアアッ!!』

ズダダダダダダダダダダッ!

 

「どわぁあああッ!!?」

 

「なんでゴキブリがマシンガンぶっ放してくるんだよ?!」

 

鉛玉のシャワーを噴射しながら迫りくるゴキブリ兵。

その異常で異様な状況に護衛を任されている隊員達は怯み、応戦が出来ないでいた。

しかし!

 

ズダァアッン!

『キシャッべッ!!?』

 

『『『ッ!?』』』

 

先頭に立っていたゴキブリ兵のド頭をボルトアクションライフルでものの見事に吹っ飛ばした者が一人。

 

 

「『剣持』刑事ッ!!」

 

「応戦してくださいッ! ヤツラを彼女達に近づけさせないで!!」

 

警視庁所属の刑事『剣持 和臣』である。

彼はその日本人平均身長以下の小柄な体躯ながら、飛行船事件ではあの『鉄人刑事』と共に戦場を駆け抜けた若き獅子であった。

 

 

「悪いが、ここから先は一方通行だ! 大人しく尻尾まいて、元の場所に引き返せ! このゴキブリ共がァッ!!」

 

ズダダダァアッン!!

『『ぶキィイッ!!?』』

 

「くかかカかかカカカァッ!!」ザァッン

 

剣持刑事はライフルの先に銃剣を装備し、跋扈するゴキブリ兵の群れに突撃する。そこから始まったのは狂喜乱舞の無双パーティー。

迫りくるゴキブリ兵をちぎっては投げ、ちぎっては投げ・・・・・。

 

 

「そ・・・相馬さん。剣ちゃん・・・あの事件から変わりましたね。まるで荻野警部だ・・・」

 

「あぁ・・・どうしてこうなった。全体、剣持に続けッ!! 応戦しろォオ!!」

 

『『『お、オオ―――ッ!!』』』

 

まるで、どこかの白髪灼眼のもやしのような奇声を上げて敵兵を退けていく剣持刑事を筆頭に護衛隊の応戦が始まった。

 

その隙に二台のバスは予め用意されたルートとは別のルートに直進。

襲撃者の奇襲から脱するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――

 

 

 

『ふももッ、ふもるる!』

 

「・・・ッチ、わかった。そのままお前達はヤツらを釘付けにしろ、いいな。」

 

『ふもっふ!!』

 

「まったく・・・。だが、まぁいい。これは想定内だ。精々、我々の掌の上で泳いでいろ。全ては『計画』の為なのだからな」

 

 

 

 

 

 

 

←続く

 





はい。という訳で、半年ぶりの投稿でした。
久々の投稿で勘とコツが鈍っていると思いますが、これからもお願い申し上げます。
・・・あと、中の人ネタが分かった人は静かに挙手で。
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