―――統合しました―――
ノーサイド
休日が終わり、アキトは学園に戻っていた・・・
食堂にて・・・
「・・・」カリカリカリ
「あら?アキトさん?何をやっているので?」コトッ
「おん?セシリアか・・・いやちょっとな・・・そうだ、セシリア」
「はい、何でしょう?」
「ヒエログリフわかるか?」
「はい?」
アキトは食堂でヒエログリフで書かれた、ある書物を翻訳していた
「ちょっとよぉ、ヒエログリフは難しいんだよな」
「はぁ・・・すいませんアキトさん、私にはヒエログリフは・・・」
「そっかぁ・・・すまねぇなセシリア」
「いえいえ、私こそお力になれなくてすみません・・・ところでその本は?」
「あぁ、これはな――」
アキトが翻訳していた本はヴァレンティーノファミリー経由で手に入れた古代エジプトの書物だった
「なんでそんな物を?」
「いやな、この書物は「真理の書」ってヤツでさぁ、「魔術」をわかりやすく教えてくれる・・・参考書みたいなもんさな」
「魔術?」
「あぁ、古代エジプトの魔術のすべてが記されている」
「へぇ~・・・フフ♪」
「おん?なんだよセシリア?笑って?」
「いえ、なんだかアキトさんの目を輝やいていたので・・・好きなんですのね?」
「あぁ・・・こういう歴史ある物と関わるってのがなんだか好きでね」
「そうですか(アキトさんの新たな一面に出あえましたわ♪)」
セシリアは口角をあげてニヨニヨしていた
すると・・・
「っ!貴様!見ているな!!!」バァン
「っ!?」サッ・・・
突然アキトは振り返り、指を指した
「ど、どうしたんですの?アキトさん?」
「・・・いや、なんだか誰かに「見られてる」感じがしてな」
「「見られてる」?気のせいじゃありませんの?」
「いや・・・ここ最近毎日だ・・・いくら男が珍しいと言ってもこれじゃあストーカーだぜ」
「ストーカー・・・何だかわかる気がしますわ///」ボソ
「はぁ?」
「い、いえ!なんでもありませんわ!///まったく!アキトさんをストーカーするなんて!とんだ不届き者ですわね!」
「おっおう、そうか・・・お!この単語はこうだな・・・」カリカリカリ
少し本音が漏れたセシリアは必死で誤魔化した
そんなセシリアをほっときながらアキトはまたヒエログリフの翻訳に取りかかった・・・
廊下にて・・・
タタタタタタ タタタタタタ・・・
人の多い廊下を走る生徒が一人・・・
「あれ~?どうしたのかんちゃん?そんなに息を切らして?」
「ハァハァハァ・・・大丈夫・・・大丈夫だよ本音?」
息を切らせ、肩で息をしている人物・・・「更識 簪」こそ、アキトを見ていたストーカーもどきだったのだ!
「本当に大丈夫~?顔もなんだか赤いし?」
「そ、そんな事・・・」
「え~?でも顔赤いし~?もしかして気になる人でも出来た~?」
「そ、そんな事!///」
簪はアタフタと誤魔化した
「そうだよねぇ~、かんちゃんに限ってそんな事ないもんね~」
「・・・本音?それどうゆう意味?」
「あ!もう授業が始まるから、私はこれでね~」トトトトト
「あ!ちょっと!本音!?・・・行っちゃった・・・でも気になる人か・・・(暁 アキト・・・彼の事を考えるとなんだか、脈が早くなる・・・それに)」サスリサスリ
簪は首もとにある小さな刺し傷をさわりながら・・・
「・・・また、あの気持ち良さを味わってみたい///」
・・・と瞳を潤ませ、顔を赤く色付かせていた・・・
―――――――
インサイド
廊下にて・・・
コツコツコツコツコツコツコツコツ・・・
・・・トトトトトッ
俺は今・・・例のストーカーにストーキングされている・・・もうこのストーカーにストーキングされて5日だ・・・
授業や部屋にいるとき以外は見られている・・・
しかも、このストーカー・・・
コツコツコツ・・・
「・・・」クルッ
「わっ!?わわわっ!」サッ
・・・ストーキングが下手くそだ・・・ツーか下手くそすぎる!もうちょっとさぁ!上手くストーキング出来ないのかよ!
足音聞こえるし!
気配消せれてないし!
隠れるのも出来てない!
・・・あんまりにもアレだから・・・なんだか見られてるコッチにストレスがかかる・・・
しかたない・・・・・・・・・今日で始末するか・・・
ノーサイド
ノーサイド
コツコツコツコツコツ・・・タッタッタッタッタッ!
アキトは突然走り始めた!
「あっ!?(待って!)」タッタッタッタッタッ
ストーカーも走り、アキトを追いかけた
「・・・」タッタッタッタッタッ
「ハァ、ハァ、ハァ!」タッタッタッタッタッ
アキトは息も切らさず走る走る・・・
ストーカーも負けずに走る走る・・・
しかし、ストーカーは気づかなかった・・・アキトが人気のない場所に行っていることを・・・
タッタッタッタッタッ・・・ストッ!クルッ!
「っ!?きゃっ!?」バスン
アキトは急に止まり、振り返った!ストーカーはそんなアキトに驚き、ぶつかった!
「わっ!?わわわっ///!?」
ストーカーは驚きのあまり、アキトから距離を置こうとしたが・・・
グイッ!ドスン!
「きゃっ!?」
アキトはストーカーを壁に強引に押し付け、ストーカーに迫った・・・
「おい?」
「はっ!はい!?///」
ストーカーはアキトに迫られ、顔を赤く色付かせた
「お前・・・誰?」
「わ、私は///!」
「ここんとこ俺の事をつけ回しやがって・・・」
「そっ、それは・・・その・・・」
「まぁ・・・とりあえず・・・」ガシッ グイッ!
「うぐっ!?」プラーン
アキトはストーカーの首を掴み持ち上げた!
「テメェの血を飲ませてもらうぜ?」
「あ、あぁ・・・///」
「叫ぼうとしても無駄だ・・・テメェの喉を潰しているし、監視カメラなんかの機能もダウンさせてる・・・半径20m内に人間の気配もない・・・」
「うぐ、ぐぐ・・・///」
「暴れんなよ・・・余計苦しむだけだ・・・」グイッ
アキトはストーカーの首に指を突き刺そうとした・・・がしかし!
「おん?・・・これは・・・ッチ」パッ
ドテラッ
「っ!?ケッホ!ゲホッ!ケホ!」
アキトは何かに気づいたのか、ストーカーの首から手を離した
ストーカーは地面に落とされ、咳こんでいた・・・
「ケッホ!ケホ!・・・ハァハァ・・・な、なんで?」
「あ?なにが?」
「なんで・・・なんで!「血を吸ってくれなかった」の?!」
「やっぱりか・・・テメェ・・・「かんちゃん」だな?」
「っ!?ど、どうしてそれを!?」
眼鏡ストーカーの正体はかんちゃん・・・もとい「更識 簪」であった
「本音が教えてくれたよ・・・ッチ・・・よりによって「味見」をしたヤツかよ・・・まったく残念だぁ~ションボリだぁ~」コツコツコツ
アキトは簪を置いて歩きだした・・・
「ま、待って!」
「おん?」
「そ、その///・・・血・・・吸わないの?///」
「・・・は?」
簪は小さな刺し傷がある首をアキトに見せていた
「・・・俺を誘惑してんのか?」
「ゆ、誘惑って///!?そ、それは・・・」
「悪いが、俺は飲まねぇよ」
「・・・え?」
「テメェの血は普通よりは旨い・・・だがよぉ・・・それだけだ・・・所詮はそんなもんだよ・・・お前の血には「魅力」がない・・・」
「・・・」
「ま!そんなもんだ・・・じゃあ――」クルッ
「待って」
簪はそっぽを向き、歩き出そうとするアキトを呼び止めた
「あぁ?しつけぇ――」クルッ
アキトは簪の方に振り向くと――
「動かないで!」プルプル
――そこには携帯を手に持った簪がいた
「・・・何の真似だ?」
「さっきの一部始終を携帯に・・・とってある」
「は?」
簪はアキトにハッタリをかました!
簪はここでアキトを逃すとあの快楽は得られないと考えたのだ!
「(ここで彼を逃がしたら・・・いけない・・・ここで逃がしたらあの気持ち良いのに・・・もうあえない)」
そんな簪を知ってか知らずか、アキトは・・・
「・・・なら」シュッ!
「っ!?(いつのまに!?)」
アキトは簪の目の前に近づくと、簪の頭をガッシリと掴み
「っ!?な、なにを?!」ミシッ
「・・・俺の眼をよく見ろ・・・」キィィィーン
「え?・・・あ!」
アキトは前にセシリアにやったのと同じような魔眼を使い始めた
「お前はなんで俺に構う?」
「それは・・・貴方からの・・・吸血が気持ち良かったから・・・それに」
「それに?」
「貴方を・・・貴方を知りたくなった・・・から」
「俺を知りたくなった・・・だと?」
「貴方は・・・私と・・・似ている・・・独りぼっち」
「・・・」
「同じ独りぼっち・・・なのに・・・貴方は独りぼっちじゃない・・・どうして・・・どうして・・・」
「・・・お前は独りぼっちなのか?」
「私は・・・独りぼっち・・・皆から必要と・・・されてない・・・いやだ・・・いやだ・・・私は無能・・・なんかじゃない・・・助けて・・・助けてよぉ」ポロポロ
トランス状態に入った簪は涙をながしながら、アキトに訴えた
「・・・」フワッ
「え・・・?」
アキトは簪の頭から手を離し、そして・・・
「お前・・・名前は?」
「え?」
「お前の名前だよ、名前・・・さすがに「かんちゃん」じゃあ、わからねぇよ」
「え・・・うん・・・私は「更識 簪」・・・」
「知ってると思うが、俺は「暁 アキト」・・・ところで・・・更識?」
「簪」
「え?」
「簪って呼んで」
「そうか・・・なら簪?」
「何?暁くん?」
アキトは簪の眼を真っ直ぐに見ながら、ある「問い」を投げ掛けた
「俺と・・・いや・・・私と「友達」にならないか?」
こうして、ある人外の男とある独りぼっちの少女の奇妙な関係が築かれた
―――――――
ノーサイド
あれからアキトと簪は奇妙な関係が築かれた事により、一緒にいるようになった
食堂にて・・・
カリカリカリカリ・・・
「アキト」
「おん?何だよ簪?」カリカリカリカリカリ
「ここの翻訳、違うと思う」
「え?・・・あ!ホントだ、ありがとよ簪」
「どういたしまして」
簪はアキトのヒエログリフ解読を手伝っていた
スタスタスタスタスタ ピタッ
「あら?あれは・・・アキトさんと・・・誰です?」
「ん?・・・あの人はセシリア・オルコット・・・」
食堂に入ってきたセシリアはアキトの側に座る簪と目が合った
セシリアはアキトに近づいていく
スタスタスタスタスタ
「アキトさん、ごきげんよう」
「おん?セシリアか・・・どしたよ、その本?」
「あらアキトさん?今日はヒエログリフの解読のお手伝いをすると昨日言いましたわよ?」
「・・・ムッ」
「あぁ・・・その為の本か・・・ありがとうよセシリア」
「いえいえ・・・それよりアキトさん?こちらの方は?」
「あぁコッチは――」
「アキトに「頼まれて」手伝ってる更識 簪・・・」
「ピクッ!そうですか、知っていると思いますが、私はセシリア・オルコット――」
「知ってる・・・イギリスの代表候補生・・・」
「あら?私を知っているとは――」
「アキトにボコボコにされた」
「んがっ!?あ、貴女!」
「ヒハハ♪確かにそうだな」
「あ、アキトさんまで・・・」
アキトは簪の発言に笑っていたが・・・
「だがよぉ、セシリアには敬意をはらうに値する覚悟を持っている・・・」
「・・・」
「アキトさん・・・」ジーン
アキトはセシリアの持っている覚悟を賞賛した
「・・・ごめんなさい、オルコットさん」
「え?あぁ!いいんですわよ、更識さん」
「簪・・・簪って呼んで」
「私の事もセシリアとお呼びになって、簪さん?」
「うん・・・よろしくセシリアさん」スッ
ギュッ
セシリアと簪は握手をし、挨拶をした
「そういやぁ、簪も代表候補生だったよな?」
「そうなんですの?」
「うん・・・一応ね・・・」
「一応て言うな、一応て、セシリアみたいに自信を持てよ」
「そんなアキトさんたら///」
「セシリアは自信を持ちすぎだがな」
「・・・はい」ショボン
「プッ!フフフ♪」
「ニョホホホ♪」
「もう!二人とも笑わないでくださいまし!///」
「悪い悪い、ニョホホホ♪」
「ぜんぜん謝ってるきがしませんわ!アキトさん!」
三人は和やかな雰囲気をおくっていると・・・
「お!暁!なにやってんだ?」スタスタスタスタスタ
「おん?あぁ・・・萩村か」
「誰だよ!織斑だよ!織斑!」
「あら一夏さん?今日は箒さんと一緒じゃありませんのね?」
「あぁそれがさぁ――」
どうやら箒は山田先生に呼ばれていたようだ
そんな一夏を尻目になぜか簪は不機嫌なオーラを放っていた
「ん?君は?」
「っ!織斑・・・一夏・・・」
「そうそう!俺は織斑一夏、よろしくな」スッ
一夏はそう言いながら簪に手を差し出したのだが・・・
「そう言えば織斑?お前のアネキが呼んでたぜ」
「アネキ?・・・千冬姉がか?」
「え?アキトさんそれは――っ!?///」
セシリアが何かを言おうとしたが、アキトはそんなセシリアに人差し指をあて、黙らせた
「そうそう、なんか急ぎの用事みたいだったな~」
「そうなのか!だったら急がないと!じゃあな!」ピュー
一夏は颯爽と食堂から出ていった
「ヤレヤレ・・・」
「・・・ありがとうアキト」
「おん?何がだよ?簪?」
「なんでもない・・・それより」
「それより?・・・ん?」チラッ
簪に呼ばれて、アキトはセシリアを見ると・・・
「えへ、エヘヘヘ///」ポワーン
放心状態のセシリアがいた
「なにやってんだよセシリア」ピンッ
「痛っ!?」
アキトはセシリアのデコッパチにデコピンを食らわせた
そんな感じで1日は過ぎていった・・・
←続く
今回はここまで!