『イカれ』具合って難しい・・・
アキト「だな」
ノーサイド
ガャガヤ・・・
大きな広間には黒い軍服を着た者達が集まっていた。その者達は肌の色も出身地も性別も違っていたが皆、『人間』ではなかった
「ん?お、おい!アレ!」
その中の一人の兵士が前にある舞台場を見て声をあげた
コツ・・・コツ・・・コツ・・・コツリ
舞台には白い軍服を着た男、『大隊長』がいた。大隊長は舞台にあったマイクの前に立つ
「全体!敬礼ッ!!」ザッ!!!
号令に兵士達は一糸乱れぬ敬礼を大隊長に行った
「ありがとう。『ランスロット』中尉」
「ハッ!勿体なき御言葉!」
大隊長は全兵士達に号令をかけた『顔に大きな傷がある』将校に声をかけた。将校は深々と礼をする
「固いな~ランスロット中尉は。もうちょっとフレンドリーに出来ない~?僕みたいにさ」
「お前はフレンドリー過ぎるのだ、ランスロット中尉を見習え『シュレーディンガー』!」ゴチン
「あ痛ッ!?痛いよ『ドク』~!」
珍妙な眼鏡をかけた男、『ドク』が猫耳准尉『シュレーディンガー』に拳を落とす
「フッ・・・」
「なッ!?『大尉』~!髭面が笑った~!酷いよ~!」
「・・・」ナデリ
その状況に笑う西部劇に出てくる服を着た『トバルカイン』中尉。それにムカついたシュレーディンガーは隣にいた熱帯雨林用の黒コートを着た大男、『大尉』にすがる。そんなシュレーディンガーを大尉は優しく撫でる
「コラ、お前ら静かにせんか。少佐・・・大隊長の話を聞け」
「「はーい」」「・・・」コクッ
じゃれあう3人に『右半身に奇妙な紋様の刺青』をいれ、大鎌を持つ筋肉質の女性将校『ゾーリン・ブリッツ』中尉が注意をする
「それでは大隊長・・・お願いしますよ」
「うむ・・・」
ドクに促され、大隊長は壇上の上に立つ
サァ――――――――――――ッ!
「「「「「「「!」」」」」」」
大隊長が兵士達の前に立つと空気が一瞬にして変わる。兵士達は凍るようにゾクリと鳥肌が立ち、背筋がピンと伸びる
『あ、あ~・・・マイク、マイクのテスト中~・・・ドク、もうちょっと音量を上げてくれ』
「はいはい、わかりましたよ」キュイ
『うんうん、良い感じだな』
大隊長はマイクの音量に満足するとニヤついたあの笑みを浮かべた
『やぁ諸君、気分は如何かな?』
ワァァァァア―――――――――――――――ンッ!
大隊長の言葉に歓声があがる
『ん、中々に良いようだ。・・・諸君、ついに我々の『作戦』を行動に移す時が来た』
大隊長は朗らかに笑い、冷やかな声で話す
『諸君らは長きに渡り、『準備』をして来た。しかし、その大切な準備を我々は幾度となく阻まれた!』
「『四年前』だ!四年前の『幻想の血』だ!」
「「「「「許すまじ!許すまじ!」」」」」
一人の兵士が声をあげる。それに呼応するように他の兵士達も声を張り上げる
『そうだ!四年前、我々が大事に、大事に、大事に温めて来た作戦をヤツらは台無しにしてくれた!その結果どうだ?我々は数々の『同胞』を失った!こんなに悔しい事はない!!』
「「「「「「「そうだ!そうだ!」」」」」」」
悔しさで歯軋りをする者、涙を流す者、拳を握り締め血を流す者・・・様々な者達がいた
『だが・・・諸君らに聞こう・・・ここで諦めるのか?悔しさに苛まれ、血ヘドを吐きながらオイソレと地ベタをはい回る亡者に成り果てるか?あんな『ガラクタ(IS)』に支配にされたままで良いのか?あんな便所の鼠のゲロにも劣る者達に世界を任せるのか?』
「「「「「「「否!否ッ!・・・否!!」」」」」」」
兵士達は一個の者として叫んだ。悲痛にも似た怒号を叫んだ
『・・・ならば聞こう・・・さすれば君達は何だ?地ベタを這いずり回る亡者でなければ何だと言うのだ?答えろ、答えてみろ』
「「「「「「「ッ!・・・」」」」」」」
その大隊長の言葉に熱気立った兵士達は口を閉ざしてしまった。それでも口を開く者はいる
「・・・我等、『レギオン』・・・」
大隊長側近の将校、『スカー・ランスロット』は答えた
「俺はISに・・・あのガラクタに奪われた!大切な人を、尊厳を、名前を!」
『ほぅ・・・』
全兵士の視線がランスロットに注がれた
「ここにいる者達はそうではないのか?何かを取り戻したいと願う者、復讐を望む者、変革を願う者・・・理由は違えど『目的』は同じだ・・・そして『手段』も」
『・・・』
静寂が空間を包む。重苦しい空気がのし掛かる
『ならば聞こう・・・貴様はなんだスカー・ランスロット?』
「俺は・・・」
ランスロットは眼を輝かせ、叫ぶ・・・
「我は『レギオン』!『レギオン』の『ソルジャー』、その一人だ!貴様らもそうだ!お前も!お前も!お前も!!」
「「「「「「「「然り!然り!然り!」」」」」」」」
兵士達の声が木霊する。その兵士達の眼は『紅く』染まり、口からは『牙』が見え隠れする
『良いだろう・・・ならば作戦を第一段階に移す。トバルカイン!!』
「ハッ!」
大隊長に呼ばれ、トバルカインが前に出る
『先方の一番槍を任す。存分に力を振るえ』
「ハッ、この伊達男『トバルカイン・アレハンブラ』、誠心誠意全力を尽くします」
トバルカインは執事のように深々と礼をする。そして彼は3個小隊分の兵士達を連れ、広間から出ていく
それからこの集会は終息し、兵士達はある場所へと召集されていった
コツ・・・コツ・・・コツ・・・
広間から離れた廊下を大隊長は歩く。その後ろをドクとランスロットが付いて歩く
「ランスロット、実に良い『狂奔』だった。兵士達の指揮は万端だ」
「ありがとうございます」
ランスロットはまた深々と礼をした。大隊長は今度はドクの方を向く
「ドク、『亡国』の連中に気づかれてはいまいな?」
「さて、どうでしょう?もしヤツらが我々に気づいていても・・・」
「『叩き潰す』だけか・・・良いな♪実にシンプルで良い♪ククク♪」
「ですな♪ワハハハハ♪」
狂人達は笑う。楽しそうに愉快に笑う
「それでは大隊長、あとは『手筈通り』に」
「あぁそうだ。『筋書通り』に進めるぞ。兵士達を『飛行船』に詰め込み、『はじまりの地』を目指す。トバルカイン中尉はその為の『囮』」
「彼も重々招致です。というか、彼自身が買って出た『役回り』なのですから」
「ククク♪楽しくなって来た!こんなに楽しいのはもう20年ぶりだ。クハハハハハハ♪」
それから3人はエレベーターに乗り、どこかに向かった
down down down・・・
『嵐』は刻一刻と迫る
←続く
幕が開きはじめる・・・