チュンチュンチュン…
ピピッ、ピピピッ、ピピピピピピ…
カチッ
「…朝か」
目覚ましを止めたルルーシュは大きく伸びをした。
カーテンの隙間から差し込む光が室内を明るく照らす。
「今朝は食事当番だったな…」
俺はそう呟くと手早くワイシャツとスラックスに着替えて階下の台所へ向かった。
「冷蔵庫にある食材は…こんなものか、なら…」
卵にベーコン、人参とブロッコリーを選び出し、今日のメニューはスクランブルエッグとトーストに決定する。
人参は角切りに、ブロッコリーは一房ごとに分けて蒸し煮にして温野菜に、その傍らでベーコンをカリカリに焼き上げ、卵をトロリと仕上げる。多少甘めの味付けにするのがコツだ。
トーストがいい感じに焼き上がるころ。ようやく同居人が起きてきた。
「ルルーシュ君!おはよう!」
「おはよう、遊戯。朝食できてるぞ」
「うわ、おいしそう!」
遊戯は早速自分の席に座って食べ始めた。
「今日は学校か?」
俺もエプロンを外して自分の席に座った。
「うん。あ、そうだ。帰りに城之内君達が来るって言ってたよ」
遊戯はトーストを齧りながらそう言った。
「そうか、なら何か作っておこう」
「いいの? ルルーシュ君も仕事があるんじゃ?」
遊戯が心配そうな視線を向けてくるが俺は笑って受け流した。
「大したものじゃない、少し暇を見つければ大丈夫だ…それと遊戯」
「何?」
「あんまりのんびりしてると遅れるぞ?」
時計は既に七時五十分を指している。俺の仕事は十時開店だからまだ時間はあるが、遊戯は遅刻するだろう。
「おわわっ、行ってきます!」
「行ってらっしゃい」
俺は弟を見送るような気分で遊戯が飛び出していくのを見ていた。
「さてと、片づけをしとくか」
じーちゃんと遊戯のお母さんの分を食卓に並べて、自分と遊戯の分を流しへと運んで洗い始める。
「こんなところで家事のスキルが役に立つとはな…」
俺は自嘲気味に呟いた。
ゼロレクイエムを終えた第九十九代神聖ブリタニア帝国皇帝 ラストエンペラー ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは現在、日本の童実野町の武藤双六が経営する亀のゲーム屋に居候中である。
ことの発端は約一か月前に遡る。