本年も更新は期待せずのんびりお待ちいただければ嬉しく思います。
「僕のターン…ドロー…」
フィールドだけを見ればこちらが圧倒的に優位。だが、盤上には見えぬ手札が相手の手にはある。天城のターンのドローで四枚。
「『マスマティシャン』を通常召喚…」
数学者の名を冠するのは見た目通りの学者風の老人。
「効果により、デッキからモンスター一体を墓地に送る…。『シャドール・ヘッジホッグ』を墓地に送る…」
その名からは想像がつかないが墓地送りの効果持ち…。しかも…
(新たなシャドールか…)
「『シャドール・ヘッジホッグ』の効果…デッキからシャドールモンスターを手札に加える。『シャドール・ドラゴン』を手札に…」
サーチ効果持ちのシャドール…。さらに新たなシャドールが手札に…。
(モンスターを召喚しただけでここまで動くか…。しかもまだ…)
キーと思しき影衣融合は相手の手の中に…。
「次に手札より魔法発動『影衣融合』を発動…」
「来るか」
影衣の名を冠したカテゴリ専用と思しき融合カード。
「相手フィールド上に融合デッキより特殊召喚されたモンスターが居る場合、僕はデッキから融合素材を選択し、墓地に送ることで融合召喚が可能となる」
「デッキから融合だと!?」
条件があるとは言え、融合の弱点であるカード消費を補ってあまりある効果だ。
「デッキから『超電磁タートル』と『シャドール・リザード』で融合召喚。磁力歪めし亀よ、闇の傀儡の蜥蜴よ。今交わりて敵を滅する力とならん…いでよ『エルシャドール・ネフィリム』」
現れるのは紫の衣を纏った巨人の人形…。しかも…。
(融合素材も厄介な物を使ってくれる…)
墓地に送られた超電磁タートルはバトルフェイズを強制終了させる効果を持つ。これでこちらからの反撃も一回は封じられる。
「『リザード』の効果でデッキから『ビースト』を墓地に送り、効果で一枚ドロー。バトルフェイズに入る前に手札から二枚目の『神の写し身との接触』を発動。手札の『シャドール・ドラゴン』と場の『マスマティシャン』を融合。闇喰らう龍よ、真理の探求者と交わりて生命の樹に住まう依代とならん…顕れよ…『エルシャドール・シェキナーガ』」
さらに顕現するのはネフィリムとよく似たモンスター。
だが…
(速攻魔法ならバトルフェイズ中にも発動できたはず…敢えてここで出したということは…)
「バトル…。ネフィリムで紅蓮可翔式を攻撃」
「紅蓮の効果発動! 1ターンに一度バトルフェイズ中に相手の表示形式を変更できる!」
『喰らわせな! ゲフィオンネット!』
飛翔滑走翼の後部から小型のゲフィオンディスターバーが射出される。だが…
「させない…。『エルシャドール・シェキナーガ』の効果…特殊召喚されたモンスターが効果を発動した時にその発動を無効にし破壊する…」
「っ!(わざわざシェキナーガを出したのはそれが狙いか!)」
シェキナーガから伸びた糸が紅蓮を絡め取る。
『ゼロ! すみません!』
紅蓮の外部スピーカーからの声を残して紅蓮が光の粒子となって墓地へ送られる。
「すまない…カレン…」
「効果処理として手札から『影依の原核シャドールーツ』を墓地に送る。効果で墓地から『神の写し身との接触』を回収…。ネフィリムの攻撃は継続している…」
ネフィリムの糸がこちらへ迫る。だが…
「伏せカードオープン!」
吹き上がる白煙が俺のフィールドを埋め尽くした。