厨二病の死神の大鎌「デスサイズ」   作:白鐘さん

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前出した死神の大鎌とは全くちがう別ストーリーで書きました。


「守りたいもの」

現実は不思議なことも起きるものです。

ラノベやマンガ、小説の出来事が起きるのかもしれません。

 

「はぁ、こんなのあるわけ無いじゃん。」

 

夜9:00に電気を明るくつけた部屋で、ベッドに寝転びながら小説を読んでいた。

その主は叢雲 煉。

無論、俺の名前だ。

 

「マジくだらねぇ......。」

 

そう言って、俺はトイレに行こうとした。

 

「おにぃ!」

 

1階から俺を呼んだのは妹だった。

 

「なんだ?シノア。」

 

「卵無くなかったから買いに行ってくれない?」

 

「俺をパシリにするなよ。まぁ買ってくるけどさ。」

 

俺は行こうと思ってた唯一のボッチ空間に逃げ込んだ。

 

数分経ち、トイレから出てきた俺は近くのコンビニに寄った。

 

「あぁ、めんどくせぇ...なんで俺が買いにいかなきゃならないんだよ。」

 

独り言を呟きつつ俺は信号が青になるのを待っていた。

 

後は2~3分でコンビニに着くだろう。

俺は信号が青になったところを一人平然と歩き続ける。

 

「いらっしゃいませ。」

 

コンビニ内に定員の声が響きわたる。

 

俺は真っ先に卵コーナーへ向かった。

幸い卵は残り一つだった。

それを定員に持っていく。

 

「258円です。」

 

俺はきっちり258円出した。

 

袋に入った卵を俺は受け取り外に出る。

 

「いつも思うけど、この卵高すぎだろ...。」

 

溜息をつき俺は家に戻る。

 

帰りに近くの公園に寄った。

 

「穂高?」

 

公園のベンチに座っていたのはクラスメイトの穂高 隼也だ。

やがて、穂高は立ち上がり歩き出す。

道路を抜け裏路地に入っていく。

 

(あいつ、優等生の癖にこんな所歩くんだな。)

 

ゆっくりと尾行するとほかにも人影があった。

次の瞬間、穂高の行った方向で悲鳴が鳴った。

これは穂高のものではない.........。

女性の声である。悲鳴の方へ行ってみると...。

 

俺は思わぬ光景を見てしまった。

 

なんと、穂高が女性に喰らいついてたのだ。

 

俺は物影に隠れた。

 

カラン!と空き缶のいい音が鳴る。

焦ってたせいか、蹴飛ばしてしまった。

 

「誰だ!」

 

穂高が反応する。

足音が近づいてくる。

 

俺はかなり動揺してるようだ。額には冷や汗、足もガタガタ震えている。

 

『恐怖』

 

これが恐怖というものなのか。

 

俺には本当の恐怖が何なのかわからない。

今日初めて体験した。

この今にも殺されそうな時、この心臓の音はまさに恐怖を示している。

 

俺は逃げることを決意した。

 

やれることはやらなくてどうするんだよ!

心の中でそう自分に問いかけ、走るための原動力にした。

 

出口を確認し、俺は真っ先に裏路地を抜け、さっきの公園まで全力逃走を試みた。

 

街中を走っていると、脳内にインプットされたあるワードが記憶となって出てくる。

 

「現実は不思議なことも起きるものです。」

 

あれは自分自身で否定し続けたものなのか?!

あれは何んだったんだ?

人の肉を食べる犯罪者なんて聞いたことないぞ!

あったとして、小説やマンガのはなしでよくみかけるやつだ。

 

あれが

 

 

『吸血鬼』

 

 

なのか?

 

「そんなことはない」と、自分に何回も問いかける。

 

やがて公園が見えてきた。

 

俺は公園に入り、ベンチに座った。

 

「流石に.........もうついて来ないだろ。」

 

すっかり体力が消耗してきってる。

 

当然だ。ここに来る最中に何回も遠回りをしたからな。

普通だったらあの裏路地からここまでの距離

は普通に近い。

 

俺は卵が無事なことを確認する。

 

「危ない危ない卵が割れたらシノアに何言われるかわからないしな......。」

 

俺は立ち上がった。

 

「このまま帰らせると思う?」

 

聞きなれた声が上から聞こえる。

 

電灯の上を見る。

 

そこには穂高がいる。

 

「帰らせるわけないよね?」

 

穂高は電灯から飛び降り、俺と同じぐらいの目線になる。

 

「なんか、言ってよ。」

 

「あれ?もしかして怖くなって声が出なくなった?」

 

穂高ら腹を抱えて笑う。

 

「なんだよ、その目?あ〜、なるほど。俺はお前を倒すぞ!ってか?何かんがえてんの?」

 

 

「厨二病くん!」

 

 

出たよ、俺が一番嫌いな言葉。

 

「倒せるわけない......でも...」

 

 

「やるしかないんだよ!生きるためにも!」

 

 

「そうか......。」

 

現実はそんなにうまくには行かない。

何度か相手の攻撃を避けることはできたが、最後に心臓を貫かれた。

 

 

 

口から血を吐いた。

そのまま俺の体に刺さっている穂高の手は俺の体にはなかった。

俺はそのまま地面に倒れた。

 

口の中には血と言う鉄分の味が充満してていた。最後に言い残すことは何もない。

俺はこのまま死ぬのかと、心の中でため息をついた。

 

そのまま視界が暗くなっていく。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「ここは?」

 

目を覚ました。

 

目の前に広がる光景は見慣れたものだった。

 

そう、自分の部屋だ。

 

外からは心地いい風が吹いてくる。

 

風にも触れられる。そういうことか......

 

「あれはただの夢だったんだ。」

 

ベッドから降りて、部屋から出た。

 

リビングにはシノアがいた。

 

「あ、おにぃ起きた?」

 

「おはよう」

 

「おにぃ、昨日は大変だったんだからね!」

 

「なにが?」

 

「公園で寝ちゃってたんだよ!」

 

「へ?」

 

「あのお姉さんが運んできてくれたんだよ。」

 

シノアが指をさした方向に目を向ける。

 

白銀の髪をした女性はソファに座っている。

 

「説明はこれくらいにして。私友達と約束あるから。」

 

と、一言だけ残し、シノアは家を出た。

 

「邪魔物は消えた。」

 

白銀の少女はそう言った。

 

「どう言う意味だ?」

 

俺は問いかける。

 

「昨日のこと話そうと思って。あの子がいたら話せない。」

 

「じゃあ、お前もあいつらのことを知ってるんだな?」

 

「もちろん。」

 

「話す前に言っとく。私はフランだ。」

 

「俺は煉。」

 

「早速だが質問いいか?」

 

フランはコクンと頷く。

 

「あいつは一体なんなんだ?吸血鬼か?」

 

「ちがう。死神だ。」

 

躊躇なく即答する。

 

「お前は何を見た?」

 

「人の肉を食べる人間。」

 

「やはりお前らにはそう見えたか。」

 

「は?」

 

「あいつは、肉を食ってるんじゃあない。かと言って血を吸ったりもしてない。」

 

「人の心を食ってるんだ。」

 

「どういうことだ?」

 

「まずは死神について説明する。」

 

フランが静かにソファに座る。

 

「死神というのは、表(フロント)と裏(リバース)に分けられる。」

 

「表は、死神の契約を成功させ、死者の肉体を残し、魂だけを天に送る。そして、無駄な死人を増やさない。

そういう役目を任された存在。」

 

「裏は、死神の契約に失敗し、負の心に支配され、人の心を食べるただの死に損ないだ。」

 

「死神の契約ってなんだ?」

 

「死神になるための契約。」

 

「死神になるには心が必要だ。心の強さ、意志を貫くという決心。がどれだけ強いか試す契約。」

 

「でも、死者の魂を天に送るだけなら死神になってもしょうがないんじゃ............。」

 

「利益はある。死神になったら異常なくらいに身体能力が上がる。」

 

「てことは、その為だけに死神になるのか?」

 

「基本はそんな物だ。」

 

「あと.........言いにくいけど、さっきお前の妹穂高に会いにいくって、嬉しそうにしてたぞ。」

 

穂高は学校一番人気でかなりの知名度がある。シノアが喜んで会いに行ってしまうのは仕方ない。

 

「早く助けに行った方がいいんじゃないか?」

 

「シノア!」

 

俺は真っ先に家を出た。

 

「くっそ!穂高......。」

 

10:30

探し始めてから約1時間

公園、裏路地、町の各地を走り回った。どこにも穂高の姿はない。

 

「おい、煉!」

 

フランが走ってきた。

 

「これ。」

 

フランの手には封筒があった。

 

俺は丁寧に封筒を開け、文章を確認する。

 

「11:00までに町の廃工場に来い来なければお前の妹の心をもらう。」

 

手紙にはそう書かれていた。

 

「煉!これを持っていけ。」

 

と、黒く光る鍵を俺に渡した。

 

「死神の契約書だ。持っていけ。お前には死神になるための素質がある。」

 

俺は無言で走り出す

 

俺は人をかき分け廃工場へ向かう。

 

何があろうとたった一人の家族を守ると誓ったあの日から俺は妹への考えが変わった。

 

◆◆◆

 

二年前

 

俺らは両親を亡くした。

無差別殺人だった。俺ら家族四人でデパートへ買い物に行ってた。

 

両親は俺とシノアを守り、死んでいったのだ。

両親が殺されたあと、犯人はすぐに警察に捕まった。

 

「シノア泣いちゃだめだ。大丈夫だ、兄ちゃんがシノアを一人ぼっちにしない。絶対守るから。」

 

「ホント?」

 

「あぁ、ホントだ。」

 

 

◆◆◆

 

廃工場についた。

目の前には穂高がいる。

 

「おにぃ!」

 

手足を縛られているシノアが倒れ込んでいる。

 

「やっと来たか。」

 

目の前に穂高はいない。

 

一瞬の出来事だった。

 

全身に衝撃が走る。

 

俺は倒れ込んだ。

 

「生身の人間に倒せるわけ無いじゃん。」

 

穂高は笑っている。

 

「さて、兄の方は終わったから、次は妹の方で。」

 

全身が激痛で動けない。目の前には今にも殺されそうな妹がいるというのに、とその時声が聞こえた。

 

「汝の思い、受け取った。我と契約せよ。」

 

不思議に身体が動く。

 

「我は汝と契約せし者。

我は守りたいものを死んでも守ると決意する。

死神の力を悪用することなく。全てはシノアのために.........。」

 

「来い......。」

 

 

 

「死神の大鎌「デスサイズ」!!!」

 

 

 

握ってた鍵が消え、黒い炎が虚空から現れる。

それを掴むと炎は何よりも黒い漆黒の鎌となった。

 

「来たか俺の嫌いな死神が......今は死神を殺すことが最優先だな。あの時からずっと待ってたんだよ。契約が失敗した時から!」

 

「契約失敗したあとの腹いせか.........ダサ...。」

 

「黙れ!」

 

穂高がナイフをもって襲い掛かる。

 

だが、そこにはもう俺はいない。

穂高の背後に移動したのだ。

 

鎌を縦に振り下ろす。

 

手応えはない。

だが、穂高の動きが止まった。

 

そのまま穂高は霧状になって虚空へと消えていった。

 

黒光りした鎌は黒い炎となって消失した。

 

「何とかなったようだね。」

 

「フランか.........。」

 

シノアの元へ駆け寄る。

 

「大丈夫か?」

 

「うん。」

 

紐を解き、シノアを立ち上がらせる。

 

「じゃあ帰るか。」




最後まで読んでくれてありがとうございます。
なるべく早くに2話を出すつもりなので
次回も宜しくお願いします。
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