高「これが最後の試合です、どうぞ」
霧「・・・はい」
Aクラスからは霧島翔子さん。そしてうちのクラスからは当然。
雄「俺の出番だな」
坂本雄二。うちの代表だ。
高「教科はどうしますか?」
雄「教科は日本史、内容は小学生レベルで方式は百点満点の上限ありだ!」
ざわ・・・!
雄二の宣言で、Aクラスにざわめきが生まれる。
『上限ありだって?』
『しかも小学生レベル。満点確実じゃないか』
『注意力と集中力の勝負になるぞ・・・』
これで僕らに勝利の可能性が出てくる。勝利の可能性が。それがわかったからこそ、Aクラスの皆はざわついている。
高「わかりました。そうなると問題を用意しなくてはいけませんね。少しこのまま待っていてください」
高橋先生は教室を出ていく。先生の背中を見送り、雄二に近づく。
明「雄二、あとは任せたよ」
ぐっと雄二の手を握る。
雄「ああ。任された」
ぐっと力強く握り返された。
康「・・・(グッ)」
秀「しっかりのう」
姫「頑張ってください」
島「これが最後よ」
セ「Fクラスの命運はお前に託されている。しっかりしろ」
レ「負けたら承知しませんよ」
みんなも雄二に声援を送る。
雄「ああ、しっかりと見とけよ。俺の力をな!」
『では、問題を配ります。制限時間は五十分。満点は100点です。不正行為は即失格になります。いいですね?』
『・・・はい』
『わかっているさ』
『では、始めてください』
二人の手によって問題用紙が表にされる。
レ「いよいよね、明久」
明「そうだね」
セ「これであの問題がなかったら坂本に勝ち目はない」
秀「集中力や注意力に劣る以上、延長戦は不利じゃからのう」
誰もが固唾を飲んで見守る中、ディスプレイに問題が映し出される。
<次の( )に正しい年号を記入しなさい>
( )年、平城京に遷都
( )年、平安京に遷都
・
・
・
( )年、鎌倉幕府成立
( )年、大化の改新
明「あ・・・」
秀「出たんじゃよ」
姫「これで私たちっ・・・」
明「これで僕らの卓袱台が」
『『『システムデスクに!』』』
<日本史勝負 限定テスト 100点満点>
<Aクラス 霧島翔子 97点>
<Fクラス 坂本雄二 100点>
教室を揺るがすようなFクラスの歓喜の声が響いた。
高「2対3でFクラスの勝利です」
教室に帰ってきた高橋先生が宣言。そして帰ってきた雄二にみんなが駆け寄った。
『やったぜ坂本!』
『さすが神童と呼ばれていただけのことはあるぜ!』
『代表バンザーイ!』
『『『バンザーーイ!!』』』
雄「おう、当たり前だ」
霧「・・・雄二、私の負け」
霧島さんが雄二に話しかけた。
優「まさか代表が負けるなんてね」
愛「ビックリだよぅ」
白「驚きです」
優子さんたちも来ていた。霧島さんが負けたことが未だに信じられないようだ。
雄「さて翔子、交渉に入ろう」
霧「・・・うん。Aクラスは開け渡す」
Aクラスは潔く負けを認めた。霧島さんは言葉をつづけた。
霧「・・・あとFクラスと協定を結びたい」
雄「それはこちらもお願いしようと思っていた」
島「どうして協定なんてするのよ?」
島田さんが雄二に問いかけた。他のFクラスも頭を傾げている。
雄「今俺たちの点数はかなり削られている。この状態で他のクラスに攻め込まれたら負ける可能性があるからな。俺らもあっちもな。だから俺たちは3ヶ月どこにも持ちかけないし攻め込まない。これでいいか?」
霧「・・・(コクッ)」
これでAとFの協定が結ばれた。
雄「それと約束の1つ言うことを聞くについていいか?」
霧「・・・構わない」
そういえばそんな約束してたっけ。雄二は一体何をお願いするのだろう?
雄「Fクラスの連中に勉強を教えてやってほしい」
霧「・・・そんなのでいいの?」
雄「ああ。今回は勝ったが次は負ける可能性もある。その前にFクラス自体の底上げもしたいからな」
優「でも、毎回私たちがこっちに来なくちゃいけないの?」
優子さんの疑問ももっともだ。毎回毎回こっちに来てもらうのも面倒だし申し訳ない。
雄「いや、このクラスをAクラスとFクラス合同で使う。それくらいの広さはあるだろう」
優「こちらとしては願ってもないけどいいの?」
雄「教えてもらうのはこっちだからな。それくらいの褒美はするさ」
霧「・・・わかった」
雄「なら交渉成立だな。俺らの持ち物はまた明日でいいだろう」
これでAクラス対Fクラスの試召戦争は幕を閉じた。
西「さて、Fクラスの皆。遊びの時間は終わりだ」
僕らの耳に野太い声がかかる。音のした方を見やると、そこには生活指導の西村先生(鉄人)が立っていた。
明「あれ?西村先生。僕らに何か用ですか?」
西「ああ。A・Fクラスの担任が俺に変わるそうだ。ちなみに副担任は高橋先生だ。これで一年間死に物狂いで勉強できるぞ」
『『『なにぃ!?』』』
A・Fクラス全員が悲鳴をあげる。鉄人は[鬼]の二つ名を持つほど厳しい教育をする先生だ。
西「いいか。お前らはよくやった。FがAに勝ったことは素晴らしい。だがな、いくら学力がすべてではないと言っても、人生を渡っていく上では強力な武器の1つなんだ。全てではないからといって、ないがしろにしていいものじゃない。とりあえず明日から授業とは別に補習の時間を2時間設けてやろう」
『『『えええ!!』』』
西「だまれ!試召戦争をやっていたお前らはただでさえ他のクラスに遅れているのだからな」
これは仕方ないというものじゃないだろうか。
西「この補習の時間に坂本の提案を組み込めばいいだろう。いいな坂本」
雄「ああ。かまわん」
雄二も仕方なしと諦めているようだ。それと思っていたことがあったので雄二に近づいて小声でしゃべった。
明「ねぇ、雄二?クラスを合同にしたのは本当に褒美のため?」
雄「それ以外に何があるんだ?」
明「てっきり霧島さんと少しでも一緒に居たいためじゃないの?」
雄「バ!?バカなこと言うんじゃねぇ!あ、あいつは関係ねぇ!」
雄二は顔を真っ赤にして僕から視線をそらした。逸らした先に霧島さんがおり、さらに雄二の顔が赤くなったのがわかった。耳まで真っ赤だし。まったく、素直じゃないなぁ。
レ「それじゃ明久帰りましょう」
明「そうだね。補習は明日からだし」
セ「それでは私も行こう」
セフィが僕たちについてくる。
明「そういえば、セフィはどこに住むの?」
セ「言ってなかったか?明久の家だが?」
・・・は?
明「ごめんセフィ、ちょっと耳がおかしくなったみたい。だからもう一度お願い」
セ「だからお前の家だ」
マジかよ。まさかセフィが家に来るなんて聞いてないぞ。
セ「?グレイワース・シェルマイスから聞いてないのか?」
あんのクソババア!!絶対面白がって僕にわざと教えなかったな!
『諸君!ここに異端者がいるぞ!』
『『『おう!!』』』
『異端者には!?』
『『『死の鉄槌を!!』』』
『ならば、全員かかれ!』
ヤバい!FFF団が襲ってきた!
姫「吉井君!どういうことですか!?」
島「ちゃんと説明しなさい!」
姫路さんと島田さんも賛同した!?なんで毎回あの2人も参加してるの!?
明「とりあえず、Bダッシュ!」
『追えぇ!』
『『『おう!!』』』
このまま捕まってたまるか!
雄「まったく、あいつらは成長しねェな」
秀「見るに堪えん」
康「・・・同棲・・!(ブシャ)」
霧「・・・吉井はいいの?」
優「大丈夫よ、レスティアさんたちがフォローにむかったから今頃は」
『『『ギャアアァァ!!』』』
遠くから悲鳴が聞こえた。おそらく吉井義妹たちに粛清させたのだろう。
愛「あはは、やっぱりFクラスって面白いね」
さて、これからどうやってあいつらを勉強させるか考えなくてはな。