僕たちが教室に入るとクラスメイトが黒板の近くに集まっていた。
なんだろう?
明「雄二、一体どうしたの?」
雄「ん?おう、明久か。何かやるらしいぞ」
雄二が示した先には1枚のポスターが張り付けられていた。
明「えっと、文月学園主催」
レ「豪華賞品争奪」
セ「オリエンテーリング大会?」
明「なにこれ?」
雄「知るか。どうせあのババアのきまぐれだろ」
ふ~ん。でも豪華賞品って何があるんだろう。え~っと、学食1年分に文月グランドパークのプレミアムチケット、図書券や新作ゲーム引換券とかいろいろあるな。西村先生の1週間個人授業引換券って豪華賞品なんだろうか・・・。あっ、シークレットアイテムっていうのもあるなんだろ?
秀「どうやら学園内に隠しておるみたいじゃのう」
優「そうね。そして問題を解いて答えが合っていればそこに引換券を手に入れられるのね」
優「テストができなきゃ宝が手に入んねぇってことだな」
康「・・・面倒」
霧「・・しかも早い者勝ち」
セ「あと召喚獣同士の戦いで勝てたらなら奪い取れるそうだ」
白「頑張りましょうアキちゃん」
いつの間にかみんな集まってた。みんなやる気満々だね。
西「ほぉら、お前ら席につけ」
ポスターに見てると鉄人が来た。
西「えーっ、これからチーム分けを発表するぞ」
鉄人が黒板に大きな紙を広げた。
一、霧島・木下(姉)・工藤
二、坂本・木下(弟)・土屋
三、吉井(兄)・吉井(妹)・レティクル
四、島田・姫路・須川
五、月宮・久保・佐藤
・
・
・
レスティアとセフィがチームメイトか。宝の1つくらいなら取れそうかな。
須「よっしゃぁぁぁ!」
横「裏切り者には、死を!」
『Yes,sir!!』
須「ま、まて!それなら吉井だって!?」
『まずは貴様だ!!』
須「ぎゃああぁぁ!」
西「えーい!静かにせんかバカ者!!」
みんなが須川君を処刑に掛った。さすがFクラス、容赦がない。
西「まったく、Aクラスと一緒になってもこうなのか。まあいい、とりあえず皆しっかりやるように。解散!」
鉄人の号令でクラスがざわつき始める。しばらくしてちょっとずつ教室から出ていく。僕らも行動しないと先を越されそう。
明「僕らも行こうか」
レ「ええ」
セ「ああ」
明「えーっと最初は」
地図を手に座標の場所を目指した。着いた先は女子更衣室。さすがに入るわけにはいかないよなぁ。
明「僕は外で待ってるよ」
レ「あら、別にいいじゃない。どうせ中には誰もいないのだし」
セ「そうだ。これはオリエンテーリングだからな。問題ない」
明「い、いや~、さすがにちょっと」
いくらオリエンテーリングだからって誰かに見られたらどんなことになるか。特に島田さんや姫路さんの耳に入ったら、考えるだけでも恐ろしい。
明「ぼ、僕は違うところを探すよ」
レ「そう?なら任せるわよ」
明「うん。じゃあ、そっちもよろしく」
セ「うむ。任せておけ」
2人を見送り僕は違う目的地を目指した。
あれ?この座標って・・。
明「やっぱり。僕らの教室だ」
秀「おや、明久も来ておったか」
明「あ、秀吉。雄二と康太も」
秀吉たちも探しに来たようだ。これは争奪戦になるな。
雄「明久か。おもしれぇ、勝負となったら容赦はしねぇ」
明「ははっ。僕も正直雄二たち相手じゃキツイかな」
秀「それよりも捜索じゃ」
康「・・・(コク)」
僕たちは手分けして探した。机の下やカーテンの裏など探したけど見つからない。問題を間違えただろうか。
ん?机の下に何かあるぞ。
手に取ってみるとバスケットだった。ちょうどお菓子とかが入るサイズの。
明「何だろこれ?」
雄「とりあえず商品じゃねぇみてぇだな」
康「・・・ハズレ」
秀「失敗じゃの」
とりあえずそれを床に置こうと思ったら姫路さんが教室に入ってきた。
姫「あ、あの。見つかっちゃいましたか?」
明「いや、あったのはこれだけだよ」
姫「あ、それ、私のです」
明「これ、姫路さんのなの」
姫「はい。朝早く起きてシフォンケーキを焼いてきたんです」
「「「「!!」」」」
4人は固まった。つまりこれには姫路さん特性料理があるということ。同時にあの時のことも思いだした。倒れる康太、料理からの激臭。
ヤバい。これを食べて、良くて病院行き、悪くてご臨終。どうする?どうする!?
姫「さぁ、どうぞ」
「「「「(T□T)」」」」
姫「あ、でも3つしかありません」
「「「「!!」」」」
ケーキは3つで人数は4人。つまり、生き残れるのはただ1人!
雄「第1回!」
明「最強王者決定戦!」
雄・明「「ガチンコジャンケン対決!!」」
秀・康「「いええぇぇい!!」」
睨みあう僕ら。緊張が走る。今までの中でこれほど動機が走ったことがあっただろうか。いや、ない!
負けたら・・・命はない!
レ「あったわ」
セ「中身はなんだ?」
レスティアが蓋をあけ、中を確かめてみる。
レ「えっと、洋服3着分無料引換券」
セ「ふむ、服か。興味がない」
レ「せっかくなのだし、明久に選んでもらおうかしら」
セ「ほう。それは面白い」
ふふ、明久はどんな服を選んでくれるのかしら。まぁ、どんなものでも喜んでしまうのでしょうけどね。
明「むぅ・・・んん・・」
雄「ふぐっ・・・うむ・・・」
明・雄「「ぅぅ・・・がはぁ・・」」
ばたりと倒れる僕と雄二。すでに気絶している康太。教室の隅で膝を抱え、ガタガタと震える秀吉。状況はすでに絶体絶命、死屍累々。まさ・・か・・ここまで・・と・・は・・。
それ以降の記憶がない。
気がついたら目の前にセフィの顔があった。それと頭の後ろが柔らかい。
セ「明久!気がついたか」
ホッとした表情を浮かべるセフィ。頭を上げて状況を把握しようとした。どうやら僕は膝枕をしてもらっていたようだ。そして同様に霧島さんに膝枕をしてもらっている雄二。レスティアから説教を受けている姫路さん。なぜか顔中真っ赤の康太。その近くに笑みを浮かべている工藤さん。そしてその血を処理している秀吉と優子さん。どうやら霧島さんたちも教室に戻ってきていたようだ。
セ「調子はどうだ?」
明「大丈夫だよ。ありがとうセフィ」
セ「べ、べつに問題ない。・・明久の寝顔も見れたし(ボソッ)」
明「ん?なに?」
セ「な、何もない!気にするな!」
セフィが顔を真っ赤にして明後日の方を見た。どうしたんだろ?
明「それより宝は見つかったの?」
セ「あ、ああ。これだ」
セフィからチケットを受取り、内容を見た。服なら間に合ってるから2人あげよう。不意に視線を感じたので振り向くと霧島さんがこっちを見ていた。
明「なに、霧島さん?」
霧「・・それ、プレミアムチケット?」
明「いや、洋服の引換券」
霧「そう。・・もし見つけたら欲しい」
明「僕はいいけど、セフィは?」
セ「私も構わん」
明「けど、どうしてって聞くまでもないか」
霧「うん・・主人と行く」
霧島さんとの会話が聞こえたのだろうか、まだ気絶している雄二の身体が震えた。顔も若干青い。さっさとくっついちゃえばいいのに。
レ「明久、もう大丈夫?」
明「レスティア。僕は大丈夫だよ。そっちこそもういいの?」
レ「ええ。たっぷりと叱ってきたから」
姫路さんを見てみると漂白したように真っ白になっていて口から何か白いものが出ているような気がした。
・・・見なかったことにしよう。
明「じゃあ、探しに行こうか」
レ「そうね。時間もあまりないことだし」
レ「ならば次はここへ行こう」
え~っと、次は・・・体育倉庫か。
宝は簡単に見つかった。中身は文月グランドパークのプレミアムチケット。
明「これ霧島さんが欲しがってたな。僕はあげるつもりだけどレスティアはいる?」
レ「いいえ。私もいいわよ。それに面白いことになりそうだしね」
レスティアが笑ってる。この笑みは何か企んでいる時の笑いだ。
穐「ああ、先に見つけられちゃってるわね」
振り向くと女子3人がいた。どうやらこの人たちもここに探しに来たみたいだ。
佐「この子たちFクラスみたいよ」
森「なら楽勝じゃない。奪い取りましょう」
3人は戦う気みたいだ。そしてフィールドが展開される。
「「「試獣召喚(サモン)!!!」」」
相手の召喚獣が召喚された。僕らも召喚獣を呼びだした。
数学
Fクラス Cクラス
吉井明久 穐山紗枝
407点 197点
吉井レスティア VS 佐々木静恵
426点 213点
セフィ・レティクル 森田奈留子
254点 248点
穐「ええ、ホントにFクラス!?」
森「あの2人、Aクラス並みじゃない!」
Cクラスとは戦ってないから僕らのこと知らないんだ。でも仕方ないよね。Fクラスと思って油断したのが間違いだよ。
結果的僕らの圧勝で終わった。召喚獣バトルが終わると同時に鐘が鳴った。どうやら終了のようだ。
教室に戻ってみんなの成果を聞いてみた。
雄「俺たちはこのシークレットアイテムってのと図書券だけだ。あのタイムロスがなけりゃもっと取れたってぇのによぉ」
工「僕たちは学食1年分と参考書セットだよ」
姫「私たちは何も取れませんでした」
白「私は学食デザート1年分だったよ」
みんなちゃんと取れたんだね。姫路さんと島田さんは悔しがってるけど。
明「あ、霧島さん。これ見つけたからあげるよ」
霧「・・うん。ありがとう吉井」
僕はチケットを霧島さんに手渡した。
雄「ちょっと待て明久。なんだそれは?」
明「文月グランドパークのプレミアムチケットだよ」
雄二は青ざめた顔で焦って僕に詰め寄った。
雄「てめぇ、なんてもん渡してんだ!!」
明「なんだよ雄二、別に問題ないだろ」
雄「問題ないわけあるかバカ!練習じゃなくて本番にされちまうだろ!翔子、早くそのチケットをこっちに渡せ!」
霧「・・・いや」
雄「嫌じゃねぇ!早くこっちにって!翔子、そこの関節はヤバっ!」
チケットに伸ばした雄二の手を退け、華麗に技を決めた霧島さん。
鮮やかだ。
島「ちょっと吉井!なんでそのチケットあげちゃうのよ!」
明「え?だって約束してたし」
島「なんで先にウチに言わないのよ!」
姫「そうです!私も欲しかったです!」
明「そ、そんなこと言われても」
僕に詰め寄ってくる2人。そんなに欲しかったのかな。
レ「はいはい、よしなさい2人とも」
島「何よ!あんたには関係ないじゃない!」
レ「そのチケットを見つけたのは明久よ。それを誰にあげるかは明久次第よ」
島「それでも!」
セ「しつこいぞ」
島「きゃあーー!ギブギブッ」
セフィが島田さんにコブラツイストを決めた。あれ、意外に痛いんだよね。
秀「何をしておるのじゃ雄二。ほれ、これがシークレットアイテムらしいのじゃ」
秀吉が持っていたのは赤い腕輪と青い腕輪との緑の腕輪。これがシークレットアイテム?
雄「秀吉。俺にとってこれはシークレットアイテムなんかよりも重要で」
秀「ほれ、これが説明書じゃ」
華麗に雄二の発言をスルーして用紙を手渡す。
白「それは一体なんですか?」
秀「どうやら召喚獣に関係するものみたいじゃ」
康「・・・まだわからない」
召喚獣に関することか。シークレットアイテムっていうからには何か新しい能力でも付くのかな?
優「どうでもいいけど早く帰りましょう。なんか曇ってきたみたいだし」
工「ホントだね。なんか薄気味悪い空だよ」
僕も外を見てみた。確かに曇ってる。とても黒い。まるで嵐が来た時みたいだ。
姫「あれ?おかしくありませんか?見てください。この雲、この文月学園の周りしかありませんよ」
工「ええ?そんなわけってホントだ。あっちの方にはないね」
確かに姫路さんと工藤さんの言う通りあっちの方は晴れてる。何かおかしいこの雲。
工「まるでこの学園を囲んでるみたいね」
囲んでる?・・・まさか!?
白「!!アキちゃん!雲の中に何かいます!」
白姫の声に反応してみんなが上を見るとそこには。
雄「な、なんだありぁ!?」
霧「・・怪奇現象!?」
姫「お、お化けです!?」
みんなが騒ぐ中、僕は冷静に今の状況を分析した。
雲の中にいたのは・・・蜘蛛の形をした魔精霊だった。